- 著者
-
池内 隆治
長谷川 汪
田和 宗徳
- 出版者
- 社団法人 全日本鍼灸学会
- 雑誌
- 全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.3, pp.238-242, 1982-01-01 (Released:2011-05-30)
- 参考文献数
- 12
東洋医学において古くから消化器疾患に対して種々の経穴が用いられ鍼灸治療が行われている。胃疾患に対しては足三里, 陽陵泉などの経穴がよく用いられているが, 足三里では胃酸の分泌が亢進する傾向があり, 胃酸過多の者には用いず陽陵泉を用いる方がよいといい伝えられている。これら経穴の特性についてはいかなる病態生理に基づいたものであるか不明である。今回, われわれは, テレメトリ胃腸内pH値測定機を用いて, それぞれの経穴と胃疾患と関係の深い胃液pH値の変動について検討を加えた結果, 足三里刺激群, 梁丘刺激群は胃液の塩酸分泌を亢進する傾向がみられ, 陽陵泉刺激群は胃液の塩酸分泌を抑制する傾向がみられた.