著者
長谷川 一
出版者
日本メディア学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.54-78, 2006-01-31 (Released:2017-10-06)
参考文献数
25
被引用文献数
1

In this paper, I seek to re-examine the significance of the digitalization of "writing". The mediation of "writing" by digital technology has become a normal and ever expanding aspect of contemporary society. My first task is to examine this condition on the meta-level. The specific subject matter of my inquiry is the Nihongo-wapuro (Japanese word-processor) whose history I have attempted to trace here. Written Japanese texts are composed of a heterogeneous mixture of different types of characters, including hiragana, katakana, and kanji. The vast number of characters required in order to produce such texts has rendered the mechanization process far more difficult in Japanese than it has been for European languages that use alphabetic scripts. When computers were introduced into the world of business in the 1970s, newspaper journalists continued to write by hand, despite the appearance of electronic systems for newspaper compilation and editing. The first word-processor for writing Japanese, the Toshiba JW-10, appeared in 1978. It then became possible to produce Japanese texts mechanically with the aid of electronic processing. The adoption of word-processors in Japan has spread rapidly since the mid-1980s. Besides being used in offices, they came to be employed in schools and in the home as well. People with no prior experience of using electronic devices quickly developed a keen interest in the Japanese word-processor. At first, word-processors were viewed primarily as devices for the production of "clean copies" or for printing. However, with time, many books came to be written extolling the Nihongo-wapuro as much more than a mere typewriter for the Japanese language. The Japanese word-processor, it was claimed, had brought about a "great revolution in intellectual production". The bodily action of typing had long been an unrealized dream of those who wrote in Japanese. The Nihongo-wapuro was the means that at long last brought this to reality. Nevertheless, the most widespread everyday use to which word-processors were put was the production of New-Year greeting cards (which according to Japanese custom are sent out in great numbers at the beginning of each year). At the same time, these mechanically produced New-Year cards were criticized as lacking in human feeling. In this paper, I examine the Japanese word-processor from the three perspectives of technology, the body and society. I investigate how the word-processor was able to provide a foundation for the digitalization of "writing" in Japan. In addition, I look at the significance of the Japanese word-processor's function as a machine for the production of "clean copies" and printed texts. This was related to the fact that "writing" always took place in relation to "editing". Thus, the adoption of the word-processor in Japan has brought to light the emerging problematic of "editing".
著者
長谷川泉編著
出版者
八木書店
巻号頁・発行日
1973
著者
島 隆夫 長谷川 一幸 今里 元信 井上 俊司
出版者
公益財団法人海洋生物環境研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は洋上風力発電施設から発生する低周波水中音の魚類への影響を解明し,洋上風力発電施設の稼働に伴い必要となる環境アセスメントに必要となる知見を得る事を目的としている。本研究の結果,140 dB re 1 μPa/√Hzの100 Hz純音は遊泳行動や摂餌に一時的な影響を及ぼすが,マダイの摂餌リズム,摂餌量および成長,シロギスの性成熟,産卵行動,卵質,卵発生に顕著な影響は認められなかった。しかしながら,水中音に対する聴覚感度や反応は魚種によりさまざまであると考えられるため,洋上風力発電施設から放音される低周波水中音が海洋生物に及ぼす影響を把握するためにはさらなる知見の集積が必要である。
著者
長谷川 修司
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.75, no.9, pp.576-579, 2020-09-05 (Released:2020-11-18)
参考文献数
2
被引用文献数
2

物理教育は今国際物理オリンピック過去問シリーズ考える実験試験――国際物理オリンピック2006の実験問題
著者
深澤 瑞也 竜崎 崇和 亀井 大悟 川合 徹 川西 秀樹 菅野 義彦 篠田 俊雄 田倉 智之 土谷 健 友利 浩司 長谷川 毅 本間 崇 矢内 充 脇野 修 村上 淳 米川 元樹 中元 秀友
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.57-60, 2021 (Released:2021-03-03)
参考文献数
3

透析患者の高齢化および長期間化によりシャント系アクセスの作製困難症例が増加しており,カテーテルでの透析を余儀なくされる患者も多い.一方,透析用カテーテル挿入手技は現在の診療報酬上,注射コードに分類されており保険点数はついているもののDPC施設ではその期間内,消耗品であるカテーテル代も含めて保険請求ができない.一方,中心静脈へのカテーテル挿入手技においては体表超音波装置やX線透視装置などの周辺機器の使用や,医師・看護師・技師も含めた人的な負担を要すること,また血管損傷などによる死亡例も含めた重篤な合併症を呈することもあり,改善が必要と考える.そこで保険委員会として今般,手技のタイムスタディーを含めた現状把握を行い,診療報酬改定への足掛かりとなるべく実態調査を行った.本結果を基に,外科系学会社会保険委員会連合を通して改定の要望を提出する方向である.
著者
近藤 泰三 長谷川 篤美
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.279-291, 2013 (Released:2014-12-05)
参考文献数
17

東日本大震災により全県に及ぶ甚大な被害を被った3県(岩手,宮城,福島)の病院で100床以上の病床を持ち,かつ,医療情報システムを利用しオーダエントリもしくは電子カルテ運用を行っている病院に宛て医療情報システムの被災状況アンケートを送付し回収した.回収率は66%,回収数は55病院であった.津波被害がなければ,病院建物に損傷があっても病院全体が業務遂行不能になることはなく,サーバ自体の損傷も軽微であった.データベースも損傷なく維持されていた.ネットワーク自体も損傷した建物を除き維持されていた.しかし,医療情報システム運用可能な病院でも,非常電源装置の不安定作動,サーバ室の空調への非常電源未接続,ネットワークの末端スイッチへの非常電源未接続等により,約60%の病院では震災後早期の医療情報システム使用が困難であった.今後業務継続計画(BCP)として医療情報システムが災害後早期に使用できる環境整備が重要であり,データベース損失に備えた遠隔バックアップを早急に考慮すべきである.
著者
長谷川 成一
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.237-255, 1995-11-30

本稿では,近世十三湊に関して,いずれも今後の研究を進める上で基礎となる,次の3点にわたる課題を掲げ,それらについて解明する作業を実施した。第1は,十三湊は近世に果たして「とさ」呼ばれていたのか,あるいは「じゅうさん」と呼ばれていたのか,すなわち訓読みなのか音読みなのかについて,従来の通説と各史料を再検討した。その結果「十三」は中世以来の「とさ」の呼称が本来なのであって,近世に入って次第に音読みのそれと併用されるようになった。江戸幕府から命じられた享和3年(1803)「陸奥国津軽郡村仮名附帳」の作成に際して,弘前藩が音読みを採用したことから,音読み「じゅうさん」が十三の地名呼称として定着した。そこには近世国家における漢字文化の普及によって漢字表示地名が呼称地名を変改してゆく姿が看取され,十三も例外ではなかった。第2は,十三津波伝承について,藩政時代には前代歴譜などに掲載された「興国元年の海嘯」伝承と津軽一統志等に見える白髭水伝承とは別個のものであった。しかし,近代にはいって両者の伝承が広く知られるようになったことから,次第に同じものとみなされるようになり,その結果1940年代には現在における「興国元年の海嘯」=白髭水,いわゆる十三津波伝承が形成されるようになった。第3は,近年注目を集めている「慶安元年極月 奥州十三之図」(函館市立図書館蔵)の年代について考証した。はぼ同様の時期と手法で描かれたであろうと推定される鰺ヶ沢・深浦の湊絵図(同館蔵)との比較考証の結果,天和3年(1683)以前の絵図であることは間違いなく,さらに慶安元年の年記を正確なものであると立証はできなかったが,17世紀前半の十三・鰺ヶ沢・深浦の各湊を描写したものと見て支障はないのではないか,という結論を得た。以上の3つの主題はいずれも相互に密接な関連をもつものとはいえないが,今後の近世十三湊の研究に際して決して見落としてはならない基本的な問題であろう。また中世十三湊を記す中世史料が決定的に不足している現況からすれば,十三湊に関する近世の史料類や絵図,伝承の再吟味は中世十三湊の解明に手掛かりを与えることが可能なのでないかと考えるのである。
著者
今野 晃嗣 長谷川 壽一 村山 美穂
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR ANIMAL PSYCHOLOGY
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
pp.64.1.2, (Released:2014-03-01)
参考文献数
78
被引用文献数
1 1

Individual animals show consistent differences in their behavioral tendencies. Some individuals are generally bolder, shyer, or more aggressive than others. This phenomenon is termed as animal personality or behavioral syndrome, and it has been observed in a wide range of animal species. In this article, we review the personality concepts and methodologies that has been used in two major study fields on this topic, i.e. the animal personality psychology and the behavioral syndrome research. Then, we shed light on how we can understand consistency in individual behavioral tendencies and how we can describe individual differences in animal behavior, by focusing on the differences and similarities between two study fields. Finally, we emphasize the importance of evolutionary framework for an integrated understanding of personality in non-human animals.
著者
日本小児歯科学会 有田 憲司 阿部 洋子 仲野 和彦 齊藤 正人 島村 和宏 大須賀 直人 清水 武彦 尾崎 正雄 石通 宏行 松村 誠士 石谷 徳人 濱田 義彦 渥美 信子 小平 裕恵 高風 亜由美 長谷川 大子 林 文子 藤岡 万里 茂木 瑞穂 八若 保孝 田中 光郎 福本 敏 早﨑 治明 関本 恒夫 渡部 茂 新谷 誠康 井上 美津子 白川 哲夫 宮新 美智世 苅部 洋行 朝田 芳信 木本 茂成 福田 理 飯沼 光生 仲野 道代 香西 克之 岩本 勉 野中 和明 牧 憲司 藤原 卓 山﨑 要一
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.363-373, 2019-06-25 (Released:2020-01-31)
参考文献数
17

要旨:日本人永久歯の萌出時期,萌出順序および第一大臼歯と中切歯の萌出パターンを明らかにし,約30 年前と比べて永久歯の萌出に変化があるか否かを検討する目的で,4 歳0 か月から18 歳11 か月の小児30,825 人を調査し,以下の結果を得た。1 .男子の萌出は,1 が5 歳6 か月-7 歳0 か月,6 が5 歳10 か月-7 歳6 か月,1 が6 歳6 か月-7 歳10 か月,2 が6 歳3 か月-8 歳3 か月,6 が5 歳11 か月-8 歳7 か月,2 が7 歳6 か月-9 歳2 か月,3 が9 歳2 か月-11 歳3 か月,4 が9 歳1 か月-11 歳7 か月,4 が9 歳5 か月-11 歳6 か月,3 が9 歳10 か月-12 歳1 か月,5 が10 歳4 か月-13 歳0 か月,5 が10 歳3 か月-13 歳2 か月,7 が11 歳3 か月-13 歳 10 か月,7 が12 歳1 か月-14 歳5 か月の順であった。2 .女子の萌出は,1 が5 歳5 か月-6 歳7 か月,6 が5 歳6 か月-7 歳0 か月,1 が6 歳3 か月-7 歳7 か月,2 が6 歳3 か月-7 歳8 か月,6 が5 歳10 か月-8 歳4 か月,2 が7 歳2 か月-8 歳8 か月,3 が8 歳 8 か月-10 歳5 か月,4 が8 歳11 か月-11 歳0 か月,4 が9 歳1 か月-11 歳1 か月,3 が9 歳2 か月- 11 歳4 か月,5 が10 歳1 か月-12 歳11 か月,5 が10 歳2 か月-13 歳1 か月,7 が11 歳2 か月-13 歳 10 か月,7 が11 歳9 か月-14 歳3 か月の順であった。3 .萌出順序は,男女ともに上顎が6≒1 →2 →4 →3 →5 →7 で,下顎が1 →6 →2 →3 →4 →5 → 7 であった。4 .第一大臼歯と中切歯の萌出パターンは,男子では上顎がM 型77.2%,I 型22.8%で,下顎がM 型29.2%,I 型70.8%であった。女子では上顎がM 型73.4%,I 型26.6%で,下顎がM 型36.7%,I 型63.3%であった。5 .萌出時期の性差は,すべての歯種で女子が早く萌出しており,上下顎1, 2, 3, 4 および6 に有意差が認められた。6.約30 年前に比べて,男子は上下顎4, 5, 6 が,女子は3,上下顎の4, 5, 6, 7 の萌出時期が有意に遅くなっていた。
著者
高橋 健太 鈴木 忠樹 片野 晴隆 長谷川 秀樹
出版者
日本神経感染症学会
雑誌
NEUROINFECTION (ISSN:13482718)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.125, 2020 (Released:2020-05-13)
参考文献数
28

【要旨】中枢神経系では病原体の感染により種々の病態がもたらされる。病理学的には脳炎・脳症は組織形態により区別される。形態観察で炎症が認められる場合に脳炎、炎症を欠くものが脳症とされ、これらは宿主側の反応の違いによる。感染症の病理学的検索では、同一検体上で病原体の感染とその結果としての組織反応や形態変化の関係性を併せて評価することが重要となる。本稿では病原性微生物の感染による脳炎および脳症の代表的疾患につき病理組織像を提示しながら概説し、感染症が疑われる原因不明脳炎に対する国立感染症研究所感染病理部における網羅的な病原体の新規検索法についても紹介する。