著者
瀧 剛志 長谷川 純一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.8, pp.1802-1811, 1998-08-25
参考文献数
13
被引用文献数
38

本論文では, チームスポーツにおける集団行動を映像に基づいて定量的に評価するための基本的な特徴量について検討する.ここで提案する特徴量は, 集団動きの中で各個人がつくる一種の勢力範囲である.本論文では, これをボロノイ領域の一つの拡張として定式化し, 人間の近似的な運動モデルを用いた具体的な計算方法を示す.この勢力範囲を実際にサッカーゲームにおける種々の行動評価に応用し, チームワークをボールの受け渡しスペースを維持するための動きであると限定的にとらえれば, その定量化が可能であることを実験的に示す.
著者
秋山 豊和 寺西 裕一 岡村 真吾 坂根 栄作 長谷川 剛 馬場 健一 中野 博隆 下條 真司 長岡 亨 アキヤマ トヨカズ テラニシ ユウイチ オカムラ シンゴ サカネ エイサク ハセガワ ゴウ ババ ケンイチ ナカノ ヒロタカ シモジョウ シンジ ナガオカ トオル Akiyama Toyokazu Teranishi Yuuichi Okamura Shingo Sakane Eisaku Hasegawa Go Baba Ken-ichi Nakano Hirotaka Shimojo Shinji Nagaoka Toru
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.1249-1264, 2008-03-15

大阪大学では,高いセキュリティレベルと標準的なインタフェースを兼ね備えた認証技術として注目されている公開鍵基盤(PKI: Public Key Infrastructure)に基づく全学IT 認証基盤を導入した.本学で導入した全学IT 認証基盤システムでは,署名・暗号化,学内認証,グリッドシステム認証,という異なるポリシに対応する複数のCA を導入・共存させている.これら複数のCA 向けの証明書発行を自動化することにより,安全性と利便性を両立した証明書発行サービスを実現している.また,PKI に対応したシングルサインオン(SSO)機能を導入し,学内ユーザが各システム間で統一的なインタフェースにより認証を行えるようにした.アプリケーションWeb サーバに認証機能を組み込むエージェント型のSSO 機能の導入により,1 度アプリケーションをSSO 対応させてしまえば,アプリケーションを変更することなくシームレスにパスワード認証からPKI 認証へ移行・共存することが可能となった.さらに,ユーザID 体系として,公開用に変更を許容するユーザID と,システム間連携用に1 人に1 つ決まる不変のユーザID とを設け,それらの対応付けを内部的に行うことにより,安全性・柔軟性ある運用を可能とした.本稿では,本認証基盤の設計と実装について述べるとともに,システムの導入により得られた技術的ノウハウや今後の展開についても述べる. # In Osaka University, a campus-wide IT authentication infrastructure based on Public Key Infrastructure (PKI), which is regarded as a technology providing high security and standard interface to many applications, has been adopted. In this authentication infrastructure, multiple CAs for the different purposes such as signing and encryption, intra-campus authentication and grid system authentication coexist. To realize security and convenience, we developed an online certificate issuance service for those multiple CAs. We also introduced PKI enabled Single Sign-On (SSO) system to provide unified authentication interface. Since the SSO system supports ‘SSO agent’, which provides SSO functionality for web applications by installing a web server module, it is possible to migrate from password authentication to PKI authentication without modifying applications. Furthermore, we established secure and flexible identity management by separating changeable, public user ID and static, internal system ID. Internal system ID is used for managing and federating user profiles among the systems. The mapping between those two IDs is done by the SSO system. In this paper, we describe design and implementation of our authentication infrastructure, know-how of system establishment and future works.
著者
乾 彰夫 中村 高康 藤田 武志 横井 敏郎 新谷 周平 小林 大祐 本田 由紀 長谷川 裕 佐野 正彦 藤田 武志 横井 敏郎 藤田 英典 長谷川 裕 佐野 正彦 佐藤 一子 本田 由紀 平塚 眞樹 大串 隆吉 関口 昌秀 上間 陽子 芳澤 拓也 木戸口 正宏 杉田 真衣 樋口 明彦 新谷 周平 安宅 仁人 小林 大祐 竹石 聖子 西村 貴之 片山 悠樹 児島 功和 有海 拓巳 相良 武紀
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、変容する若者の学校から仕事への移行実態を把握するため、調査開始時点で20歳の若者の18歳時点から24歳までの間の就学・就労等をめぐる状態変化と、その過程での諸経験・意識等を、同一対象者を継続的に追跡するパネル方式で調査したものである。このような調査では対象者からの毎回の回答率を維持し続けることが最も重要であるが、本研究では中間段階で予定を上回る回答率を達成できていたため、調査期間を5年間に延長する計画変更をおこない、最終年度を待たず次課題繰り上げ申請を行った。調査は次課題期間にわたって継続する予定である。収集されたデータの中間的分析はおこなっているが、本格的分析は今後の課題である。
著者
稲岡 信之 加藤 裕司 久保野 雅史 熊井 信弘 辻 弘 中村 豊 長谷川 和則
出版者
筑波大学
雑誌
研究報告 (ISSN:10091860)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.131-146, 1988

本校では中学を卒業すると全員が高校へ上がってくるが、この生徒達と試験を受けて高校から入ってくる生徒(40数名)との間には学力差がある。本校の中学を卒業した生徒の英語力の方が低いのである。また、これらの生徒の中には英語に対する興味を失いかけている者もいる。その最も大きな原因は「高校入試」のために勉強してきたか否かであろう。 ...
著者
佐藤智貴 長谷川真也 鴨志田芳典 菊池浩明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.527-529, 2011-03-02

概要: パスワードは最も基本的な利用者認証方式である.印象に残りやすいパスワードを生成するには様々なノウハウがあり,機械的に生成する決定打はない.そこで,この研究では,日本語の文法違反を引き起こすと違和感を感じる事象に着目し,Google N-gramデータベースを単語出現頻度を考慮した生成方式を提案し,記憶力の差を定量的に評価する.
著者
長谷川 隆明 高木 伸一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.3694-3705, 1999-10-15
被引用文献数
7 10

インターネットの普及にともない,電子メールはコミュニケーションの主要な手段となった.一方,Personal Information Manager (PIM)ソフトウェアの普及にともない,個人情報を計算機で管理するユーザが増えている.ユーザの個人情報として,アポイントメントの日時や場所等のスケジュールや,期限をともなう電子メールの返信等のToDoがあげられる.しかしながら,電子メールにより伝達されるスケジュールやToDoに関する情報の管理は,これらの情報を含む文書の整理やPIMソフトウェアとの連携の際に,電子メールを受信するユーザの人手を必要としていた.本稿では,ユーザが受信した電子メール文書からユーザに伝達されるスケジュールとToDoの情報を抽出する手法を提案する.電子メール文書は,任意の目的への使用と自由な形式による情報伝達のため,文書構造や言語表現が一様ではない.本手法の特徴は,スケジュールやToDoを含む電子メール文書の構造と言語の特徴に着目したレイアウト情報とパターンマッチングを用いた,文書構造の認識と情報抽出および情報の関連付けである.電子メールの実文書を対象とした抽出実験により,電子メールのフィルタリングやPIMソフトウェアへの入力等の実用に耐えうる高い精度で,スケジュールとToDoを抽出できることを示す.As the Internet has become popular,e-mail is now an important means of communication.On the other hand,as the Personal Information Managers (PIM) applications have come into wide use recently,many users manage their schedules,such as event date and event location,and to-do items,such as answers to e-mail messages from someone by the appointed time,with their computers.However,a problem is that e-mail receivers cannot easily sort out messages with these information from many incoming messages and build up a close connection with the receivers'PIMs.Therefore,our goal is extracting these information from the e-mail messages users receive.E-mail is open to any purpose and any format.So these information is not formalized,and message structure and language expression are not uniform.We reveal the characteristics of the structure and language used in e-mail messages and propose a way to identify the structure and extract information by using layout information and pattern matching and relate matched partial information with components of these information.Extraction evaluations demonstrate high recall and precision.Our proposal can be put to practical use,such as filtering messages and inputting the information to PIMs.
著者
長谷川 毅 妙中 直之 日月 亜紀子 阿古 英次 金原 功 西村 重彦 中塚 伸一
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.1247-1251, 2010 (Released:2010-11-25)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

症例は50歳代,男性.昭和61年に潰瘍性大腸炎(全結腸型)を指摘されていたが放置していた.平成11年に下血にて大腸内視鏡検査を施行,S状結腸癌と診断され同年11月に潰瘍性大腸炎に合併したS状結腸癌として結腸亜全摘術,J型回腸嚢直腸吻合術を施行した(高分化型腺癌,mp,ly2,v1,n0,stageI).平成20年1月に腫瘍マーカーの上昇(CEA,CA19-9)を認めたため大腸内視鏡検査を施行,残存直腸に粘膜不整像を認め,生検にて低分化腺癌と診断された.平成20年3月腹会陰式直腸切断術を施行した.病理組織検査にて直腸内分泌細胞癌と診断された.術後経過は良好で術後第25病日よりmFOLFOX6を開始し,術後10カ月現在,再発の所見は認められていない.直腸内分泌細胞癌はまれな疾患で,1984年以降で自験例が本邦60例目であり,潰瘍性大腸炎の残存直腸に発生したのは本邦初である.
著者
長谷川 昇
出版者
東海学園大学
雑誌
紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
pp.77-102, 1965-04-20

In the 1st year of Meiji (1868), at the juncture of the Boshin War, which was fought between the Imperial Court and the Tokugawa Shogunate, a militia corps, known as Somo-Tai, was organized in great haste by the Owari Clan's command and was made to participate in the war. The present writer has tried to elucidate the character of this corps by restoring to the original state the process of organizing it, its war services, and the general movement of its personnel subsequent to the demobilization, in accordance with the new data discovered by himself. This is also an attempt to clarify the relation between the Jiyu-Minken Undo (an antigovernment movement during the second decade of Meiji) and chivalrous-spirited gamblers from the viewpoint of the Somo-Tai.
著者
長谷川 祥子 下村 孝
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.552-560, 2013 (Released:2015-02-13)
参考文献数
100
被引用文献数
5 5

これまで,多くの研究が,植物が人の心身に及ぼす影響に関する知見を多く蓄積してきた。我々は,身近な自然として,室内に持ち込まれた植物に焦点をあて,その心理・生理的影響に関する研究を概観し,知見を整理した。室内植物がもたらす心理・生理的影響は,オフィス環境を端緒として,医療環境や教育環境など様々な空間を想定して,調査されてきた。その結果,室内植物がストレスや疲労を軽減し,リラックス状態に導くなど,人の心身に有益な役割を果たすことが明らかにされてきた。そして,植物の量や設置方法のみならず,人と植物との関わり方が植物の効用に及ぼす影響が検討されるまでになっている。これらの知見の整理から,室内植物に対する人の認知度合いが植物の効用に及ぼす影響などを今後の検討課題として抽出した。
著者
平松 和洋 関本 衛 長谷川 洋 中村 隆昭
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.54, no.8, pp.2125-2129, 1993-08-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
21
被引用文献数
1 5

症例は62歳女性,腹痛,嘔気,嘔吐を主訴として入院した.小腸造影では小腸に憩室を思わせる造影剤の貯留を認め, CTでは骨盤内に充実性の腫瘤を認めた.これらの検査所見より小腸憩室由来の腫瘍を疑ったが第4病日に穿孔性腹膜炎を併発したため手術を施行した.回盲部より約70cm口側,腸間膜対側にMeckel憩室が存在し,その先端に鶏卵大の腫瘍を認め,憩室中央には穿孔を認めた.明らかな他臓器転移は無かった. Meckel憩室を含めた小腸部分切除を施行した.腫瘍は病理組織学的には高分化~未分化腺癌よりなる多彩な像を呈していた.憩室内には異所性胃粘膜が存在し腫瘍はこれより発生したものと推察された.化学療法を施行したが術後9ヵ月で癌性腹膜炎により死亡した. Meckel憩室癌の本邦報告例14例の集計を行い若干の考察を加えた.
著者
千葉 桂子 長谷川 加奈子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 60回大会(2008年)
巻号頁・発行日
pp.85, 2008 (Released:2008-11-10)

目的 今日,日本の女子スポーツ選手の実力が国際的にも高く評価されるようになってきている。なかでも陸上競技については注目度が高まっている。女子選手にとって運動時の乳房のサポートは,心身の安全性・快適性という観点からも重要であり,メーカーもブラジャーの運動機能性向上のために多様な製品展開を行っている。本研究ではその陸上競技に着目し,大学生および高校生選手のブラジャーの着用実態の把握を行う。それにより競技生活への支援のための基礎的情報を得ることを目的とする。 方法 ブラジャーの着用実態について,留置・郵送法による質問紙調査を行った。調査概要は以下の通りである。調査期間:2007年11~12月,調査対象:福島県内大学・高校の陸上競技部に所属する女子部員,回収率:77.0%(配布数287部,回収数221部),主な質問内容:回答者の属性(専門種目,競技歴,練習の状況等含む),日常時・練習時・競技時に着用するブラジャーについて,問題点の有無,購入時に重視することなど。得られた回答結果に基づいて単純集計およびクロス集計等により分析を行った。 結果 練習の実施日数については,平均すると高校生が週6日,大学生が週5日であり,練習時間は全体の平均で2.5時間であった。練習時において着用するブラジャーについては「いつも一般的なタイプ(ホックあり,1/2・3/4・フルカップ)」(78.7%)が多く,「時々スポーツブラジャー」は13.1%,「いつもスポーツブラジャー」は6.9%とかなり少なかった。また全体の68.3%が一般的なタイプでも「特に問題を感じていない」と回答していたが,「問題を感じる」と回答した者では肩ひもに関する指摘が最も多かった。
著者
長谷川 康夫
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会誌 (ISSN:00214787)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.581-586, 1992-10-05 (Released:2011-08-05)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
長谷川 眞理子
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.168-178, 1999-06-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
26

Following the major paradigm shift from group selection to gene selection, game theoretical approach came into the study of animal behaviour as a powerful tool. Vast aspects of animal beheaviour are thought to be under one or other kind of game situation, and under those circumstances, evolutionary game theory often predicts the coexistence of more than 2 different strategies in one population. Evolutionarily Stable Strategy is the key concept to understand those situations. Game theoretical approaches have played an important role in the study of animal conflict, communication, cooperation, habitat selection, etc. In traditional game theory which are used in social sciences, strategies are assumed to be adopted by rational choice. In evolutionary game theory, each strategy has a genetic basis and the outcome of the competition among them are determined through natural selection. In the analysis of human behaviour, it is not yet clear what is the basic adaptive architecture of the workings of our brain and how cultural contexts insert influence on them. Nor are we yet successful to give full scientific explanation to the origin and maintenance of different types of cultures. However, evolutionary game theory makes a host of testable predictions about human behavioural diversity. It will be productive both for behavioural ecology and human social sciences to reconsider human behaviour from the evolutionary perspective.
著者
川口 佳則 中谷 敬子 沖 陽子 長谷川 博
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.31-35, 2012 (Released:2012-08-25)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

畦畔に植栽されたセンチピードグラスの種子繁殖による逸出リスク評価に関する基礎知見として,畦畔での結実状況および結実種子の休眠·発芽特性を明らかにするため,滋賀県内の畦畔で結実状況を調査し,結実した種子を用いて発芽試験と吸水実験を行った。結実状況調査により,畦畔での種子生産は8,000粒/m2を超えると推定された。採取後23,60,100日間の3通りの風乾処理および採取後20日間風乾後40,80日間の2通りの低温湿潤処理をした種子を供試し,温度条件4水準(35/15°C変温,35°C,25°C,15°C),光条件2水準(明,暗)の発芽試験を行った。その結果,種子は比較的浅い一次休眠を有し,休眠が深いほど発芽に高温と光を要求すると考えられた。種子は採取後日数の経過に伴い風乾でも次第に一次休眠から覚醒するが,100日以下の風乾では光要求性が残存すると考えられた。40,80日の低温湿潤処理により種子の休眠覚醒はより促進され,光要求性も小さくなると考えられた。吸水実験では発芽試験と同じサンプルの種子を供試して24時間吸水させた結果,30%を超える重量増加がみられたため,種皮は透水性と考えられた。