著者
臼田 誠 広澤 三和子 前島 文夫 西垣 良夫 矢島 伸樹 夏川 周介 関口 鉄夫
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.248, 2005

〈はじめに〉ミカンや落花生の栽培が盛んな神奈川県N町の一般廃棄物焼却施設(し尿焼却と最終処分場も併設)周辺住民は、長年にわたる本施設からの悪臭、騒音や煙ならびに粉塵などによる生活環境や健康への不安を募らせていた。さらに、近隣自治体からの生ごみを受け入れたバイオガス発生施設を本施設に増設するという企画が浮上し、本施設直下にあるM自治会では現在の本施設による周辺環境ならびに住民健康への影響を調査したいとの依頼が当研究所にあり、調査を実施した。その結果の内で環境影響については前演者が述べたので、ここでは周辺住民への健康影響について報告する。<BR>〈調査対象および方法〉2004年9月、上記の一般廃棄物焼却施設直下にあるM自治会全住民(622戸、2200人)を対象に、生活環境の変化や現在の自覚症状などを問う調査票による健康アンケート調査を実施した。対象住民の居住地が本施設から900m以内という近距離にあるため、対象住民全体を一つの集団としてデータ処理を行なった。そして、得られたデータを当研究所が実施した以下の2つの焼却施設周辺住民健康影響調査データと比較し、本対象住民の状況を判断することとした。比較データ1:埼玉県T市の県下最大産廃焼却施設周辺住民調査(対象994人)、比較データ2:長野県K町の民間産廃焼却施設周辺住民調査(対象4,443人)<BR>〈結果〉アンケートの回収率は92%と高率であった。本対象住民では都市圏への通勤のために、居住地での滞在時間が8時間以内の割合が多かった。生活環境の変化では、「臭いがする」との回答が64%と最も高く、これは比較データよりも有意に高い値であり、これが本施設による影響の特徴と考えられた。「窓ガラスや庭木が汚れる」などの粉塵による影響はT市の焼却施設から1000ー1500m地域住民と同程度の訴えがあった。<BR> 本対象住民の平均年齢は2比較住民よりも若く、現在治療中の病気では最も多い高血圧症が4%以下と比較2住民よりも有意に低かった。具体的な24項目の自覚症状では、「喉がいがらっぽい」「風邪でもないのに咳が出る」「目がしょぼしょぼする」「皮膚のかゆみ」など多くの項目で、本対象住民の訴え率は、比較したT市の焼却施設から1000mー1500m地域住民や長野県K町の焼却施設から400mー800m地域住民の訴え率と同程度あるいはそれ以上であった。また、24症状を喉・呼吸器・眼・皮膚・頭の6症状群にまとめて比較すると、その傾向がより明らかとなった。<BR>〈考察〉N町の一般廃棄物焼却施設によるM自治会住民への健康影響がダイオキシン騒動の中心地であるT市の焼却施設周辺住民と同程度であり、しかもM自治会住民の多くの居住時間が少ない状況を考えると、本施設による影響は深刻であると考えられる。
著者
関谷 有里子
出版者
サイコアナリティカル英文学会
雑誌
サイコアナリティカル英文学論叢 (ISSN:03866009)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.21, pp.44-57, 2000 (Released:2011-03-11)
参考文献数
14

Shakespeare's Sonnets has two parts; one is dedicated to the youth, and the other is to the lady who is known as a "dark lady". The latter part interests me, for there I can find the poet's swaying emotion. In that part, the poet expresses his love for the lady. It can be said that his love for her is one of things which his self consists of. At the same time, the poet's self has his love for the youth, as a factor which the poet's self consists of, for the poet writes love sonnets for the youth in the former part. Then, when the intimate relationship between the youth and the lady appears, the poet suffers a great deal. For the poet experiences two betrayals at one time; one is of the youth and the other is of the lady. The poet's love for the youth and the lady forms the poet's self mainly, so his self faces crisis because of the detection of the relationship between the youth and the lady. I see the divided self of the poet as a result of the great mental shock. The poet's self is divided into the body and the mind. Especially I recognize the division between the eyes and the mind. In this paper, I quote R. D. Laing, who uses his original words such as "embodied self' and "unembodied self" in The Divided Self, and I observe how the poet's self is divided in the latter part of Shakespeare's Sonnets.
著者
関野 進 吉田 耕一 原 輝彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.50, pp.41-47, 2000-05-31
参考文献数
3

システム内部にモデルの特徴点に関する情報と、距離画像から得られた特徴点に関する情報とが与えられているときに、位置姿勢パラメータをどのように決定するかが問題となる。位置姿勢パラメータの推定手法に関する従来法の一つであるGongzhuの手法では、位置姿勢パラメータの導出にHough空間における投票を行うが、任意パラメータに対して、微小刻みで値を変化させ、すべての解について投票といったことをするため、位置姿勢パラメータの精度と推定時間は、任意パラメータの刻み幅に依存する。精度は、この刻み幅が小さい程高くなるが、投票時間は逆に増えてしまうという問題点がある。本報告では、Gongzhuの手法に解析的な手法を用いた改良を加え、位置姿勢パラメータの推定時間と精度の向上の確認を行った。We have been developing object shape recognition systems using range images. These are images composed of scene images whose pixel contains information on the distance from the camera. A range image can be obtained, for example, by capturing the reflection of laser lines from an object through a CCD camera and employing triangulation. We can use this information to realize a recognition system which can distinguish an object, whose 3D shape is specified by CAD data, from a cluttered scene containing many unknown objects. We developed arranged method based on Gongzhu's method.
著者
関口 直人
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理要旨集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

<B>Ⅰ.はじめに</B> <BR>モータリゼーションの進展により,人々の移動手段は自家用車へと変化し,公共交通機関は衰退へ追い込まれた。特に地方の鉄道や路線バスは苦しい経営となり、代替バスへの転換や第三セクター化もみられるが、1999年の鉄道事業法の改正により鉄道事業に対する参入と退出の自由が認められ経営の苦しい第三セクター鉄道も廃止されるようになった。 <BR>経営が苦しい鉄道路線が多くなる中で,2011年3月11日に発生した東日本大震災はJR線,私鉄線に大きな被害を与えた.震災の被害から全線運休となったが,復旧を遂げた路線やBRT化を進める路線もあるが,鉄道を復旧させるためには費用面など様々な課題がある.被災した第三セクター鉄道には国からの補助により復旧費用は全額負担となったが,過疎化により,利用者が減少しているなど問題が山積みである. <BR>本研究では,東日本大震災で大きな被害を受け,全線運休から一部区間の運転を再開した岩手県三陸鉄道を事例とし,東日本大震災での被害状況と現在までの復旧状況を整理し,運休中の従前の利用者の移動方法,復旧後の利用状況、これまでの研究から三陸鉄道の主な利用者は高校生であることが明らかになっていることから,沿線高校生の震災前後での交通行動の変化を明らかにすることを目的とする. <BR>1年以上の鉄道運休は利用者にどのような影響を与えたのか,震災以前の利用者は回復しているのか,鉄道運休中にはどんな移動方法をとっていたのか把握することは三陸鉄道の震災の影響や,新たな施策の検討につながると考えられる.なお,本報告では,国、県、沿線自治体の補助により復旧計画として掲げた第一次復旧が完了したことから、2012年4月を「現在」と定義する。<BR><B>2.研究方法</B> <BR>三陸鉄道の現状を知るために,『鉄道統計年報』,『岩手県移動報告年報』によって年間乗降人員,沿線人口を整理し,三陸鉄道の震災後の利用状況について知るために三陸鉄道利用者へのアンケート調査,旅客流動調査,沿線高等学校3年生へのアンケート調査を行い,それぞれ分析を行った.<BR><B>3.研究結果</B> <BR>三陸鉄道利用者へのアンケート調査結果は,平日の利用者の中心は、沿線に居住し、日常的に通学目的で三陸鉄道北リアス線を利用する高校生であり、休日の利用者の中心は岩手県外に居住し、低頻度の旅行・観光目的で三陸鉄道北リアス線を利用する広い年齢層にわたる観光客であった。三陸鉄道不通時の移動手段として自動車による送迎、バスでの移動である。また,旅客流動調査からは朝,夕方は高校生の通学定期での乗車が多く,日中は団体割引乗車券で乗車の団体観光客,現金や普通乗車券で乗車の通院や買い物目的の利用が多い.輸送断面は始発駅と終着駅、学校が近隣に立地する駅で利用が多い. <BR>沿線高等学校に対するアンケート調査結果からは、通学や通学目的以外で三陸鉄道北リアス線を利用している生徒はごく一部である。三陸鉄道北リアス線を利用していない生徒の通学や移動手段は自動車による送迎や自転車が多く、居住地によって移動手段が変わる。震災以前から通学に三陸鉄道北リアス線を利用していない生徒が多い。 <BR>震災以前と震災後で三陸鉄道利用者の利用状況に大きな差はない。
著者
関川 修司 長尾 泰孝 辰巳 菜津子 大西 直樹 小林 紀明 原田 義規 前田 利郎 丸山 恭平 岡上 武
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.100, no.5, pp.583-586, 2003 (Released:2008-02-26)
参考文献数
24
被引用文献数
1

症例は, 17歳, 女性. 黄疸と全身倦怠感を主訴に受診した. 肝胆道系酵素の著明な上昇を認めたが, 各種肝炎ウイルスマーカー, 抗核抗体などはすべて陰性であった. 梅毒血清反応強陽性で, 扁桃梅毒, 足底にバラ疹を認め, 二期梅毒と診断した. 早期梅毒性肝炎を疑い, amoxicillin(AMPC)内服を開始後, 肝機能検査値, 黄疸, 梅毒症状は速やかに改善した. 肝生検所見も早期梅毒性肝炎に矛盾しないものであった. 早期梅毒性肝炎で黄疸の出現する例は少なく, 若干の考察を加え報告する.
著者
大野 賢二 関矢 信康 並木 隆雄 笠原 裕司 地野 充時 平崎 能郎 寺澤 捷年
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.29-33, 2011 (Released:2011-07-08)
参考文献数
25
被引用文献数
1

千葉大学医学部附属病院和漢診療科の入院患者が入退院時に内服していた薬剤およびその薬剤費を調査した。対象は2006年9月から2008年10月の間に入院した患者のうち,治療目的以外の入院や急性疾患を除外した35名とした。疾患内訳は多岐に渡っていたが,転帰が死亡,悪化した症例は認められなかった。西洋薬の薬剤数は入院前後で平均3.7剤から2.7剤へと減少し,その薬剤費は1日当たり302.1円より227.6円へ平均74.5円推計学的に有意に減少した。一方,漢方薬の薬剤費も入院前後で減少した。また,総薬剤費は入院前後で1日当たり平均437.8円から348.0円へと有意に減少し,約20%節減できた。以上の結果より,種々の疾患に漢方薬を適正使用することで,患者の病状が改善すると同時に薬剤費および医療費節減という医療経済的有用性がもたらされる可能性が示された。
著者
島谷 康司 田中 美吏 金井 秀作 大塚 彰 沖 貞明 関矢 寛史
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.721-725, 2008-12-20
参考文献数
13
被引用文献数
2 1

[目的]本研究の目的は,くぐり動作を用いて,発達障害児と健常児の障害物への身体接触を比較検証することであった。[対象]5~6歳の健常児と発達障害児,各9名を対象とした。[方法]課題は7種類の遊具と高さの異なる6つのバーを交互に設置したコースを通り抜けることであった。障害物との接触回避に関する注意喚起を与えない条件,接触回避を与える条件,そして接触回避および早く移動することを促す条件の3条件を設け,それぞれ1試行ずつ行わせた。[結果]発達障害児は健常児に比べて,条件に関わらず接触頻度が高かった。また,発達障害児は腰部の接触頻度が高かった。[結語]発達障害児の接触の多さは,注意の欠陥が原因ではないと考えられる。また,視覚フィードバックを随時利用して,接触しないようにくぐり動作を行うことが困難な状況において身体接触が多いことから,身体特性情報に基づく行為の見積もりの不正確さが,発達障害児の身体接触の多さの原因であることを示唆した。<br>
著者
下瀬 良太 只野 ちがや 重田 枝里子 菅原 仁 与那 正栄 内藤 祐子 関 博之 坂本 美喜 松永 篤彦 室 増男
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A2Se2038, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】随意筋収縮における筋力発揮の力-時間曲線は神経筋機能を評価する上で有効な情報を与えてくれる.特に高齢者は若年者に比べ筋力の発生からピークまでの力発達曲線(Rate of Force Development;RFD)が低い傾向にあり,不意の重心移動などに素早く対応できずに,転倒に繋がる事が多いといわれている.高齢者の転倒予防を考える際に,高いRFDの改善に繋がるトレーニングは重要である.RFDを変化させる因子には運動初期の速い運動単位(fast-MUs)の動員,発射頻度とその同期性や,運動単位の二重子的同期性(doublet discharge)が関与している.RFDの増加は高強度トレーニングによる報告が多く,fast-MUsの動員の寄与で起こると考えられている.しかし,高齢者に対して高強度のトレーニングは臨床的に適しておらず,日常動作で負荷が及ぶ筋力レベルの低強度の運動トレーニングが求められる.最近,低強度でfast-MUsの動員を可能にする皮膚冷刺激筋力トレーニング法が提案されているが,皮膚冷刺激がRFDにどのような影響を与えるかについての報告は未だ皆無である.そこで今回我々は,皮膚冷刺激がRFDに与える影響について検討し,高齢者への皮膚冷刺激筋力トレーニングの有効性についての一資料を得る目的である.【方法】本研究の説明を受け,同意の得られた健常成人男女8名(男性5名,女性3名,年齢34±10歳)を対象とした.被験者は椅子に座り,股関節屈曲90度,膝関節屈曲60度の姿勢で,「なるべく早く最大の力で」という指示のもと等尺性膝関節伸展運動を皮膚冷刺激(Skin Cold Stimulation; SCS)と非皮膚冷刺激(CON)の状態で行なった.SCSは冷却したゲルパック(Alcare製)を専用の装着バンドで数分間大腿四頭筋上の皮膚に密着させ,適切な皮膚温であることを確認して試行を行なった.CONも同重量の非冷却ゲルパッドを装着して行なった.試行順はランダムとし,各試行間では十分な休息をとり,皮膚温を確認して各試行を行なった.プロトコール試行中は,筋力出力と筋電図(EMG)を測定した.EMG(電極直径10mm,電極間距離30mm)は外側広筋(VL),内側広筋(VM),大腿直筋(RF)から双極誘導した.測定データはコンピュータに取り込み,後日解析を行なった.データ解析は力曲線の最高値(Fpeak)と微分最大値(dF/dtmax)を解析し,RFDは,0-30,0-50,0-100,0-200msecの区間での平均勾配を算出した.また各試行のFpeakで標準化したRFD(normalized RFD; nRFD)を,0-1/6MVC,0-1/2MVC,0-2/3MVCの区間の平均勾配として算出した.EMG解析は上述の各区間のroot mean square EMG(rmsEMG)を算出した.統計学的処理は各区間でのSCSとCONの値についてWilcoxonの符号付順位和検定を行い,統計学的有意水準は5%未満とした.【説明と同意】本研究を行うにあたり,ヘルシンキ宣言に基づいた東邦大学医学部倫理委員会実験計画承認書を得た上で,本研究の意義と実験に伴う危険性を協力依頼被験者に十分説明し,納得して頂いた上で測定を行なった.【結果】SCSでFpeakとdF/dtmaxは有意に増加した.dF/dtmaxまでの到達時間はSCSで平均9msec短縮したが,有意差は見られなかった.RFDは,0-30msec,0-50msec区間でSCSにより有意な増加が見られた.またnRFDは,0-1/6MVC区間でSCSにより有意な増加が見られ,到達時間もSCSで有意に短縮した.筋活動は,0-30msec区間でRFのrmsEMGが増加し,0-100msecと0-200msecでVLのrmsEMGが増加した.nRFDの区間では,0-1/6MVCにおいてVMとRFのrmsEMGが増加し,0-1/2MVCと0-2/3MVCにおいてVLのrmsEMGが増加した.【考察】皮膚冷刺激によりRFDの増加が見られた.各筋のrmsEMGの増加傾向が見られたことや皮膚冷刺激によってfast-MUsの動員が引き起こされる結果,初動負荷の素早いオーバーカムが可能となり,RFDの増加に繋がったと考えられる.特に筋力出力の初期でRFDの増加が見られ,不意の重心移動に対して素早く対応できる可能性を示唆した.本研究において,皮膚冷刺激により筋活動・RFDは増加し,皮膚冷刺激は高齢者の転倒予防トレーニングに対して有用であることが示唆された.【理学療法学研究としての意義】本研究において,高齢者の日常動作に類似した低強度でもfast-MUsの動員による筋機能改善の筋力トレーニングが提案でき,高齢者の転倒予防にも繋がる新しい筋力トレーニングとしての可能性を探るデータが得られる.そして,本研究は臨床運動療法の一戦略になり得る可能性を秘めている意味で理学療法研究として意義がある.
著者
田中 智寛 山田 隆治 青山 和美 吉村 尊子 関本 朱美 山下 永里
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.92, 2005

【はじめに】<BR>日本福祉用具・生活支援用具協会による2002年度の福祉用具産業市場動向調査において、福祉車両の供給率は1993年度と比較して9.53倍と急増しており、福祉車両に対するニーズの高さを示している。しかし、ニーズは高いが、実際に触れる機会の少ない福祉車両について、宇城地域リハビリテーション広域支援センター(以下、支援センター)において、福祉車両展示会を企画・実施したので以下に報告する。<BR>【目的・開催に向けて】<BR>この会は支援センターとして初の試みであり、(1)福祉車両に実際に触れ、知識と情報を得る場とする(2)各参加者間の情報交換・交流の場とする等、今後も継続的に行う事を視野に入れた目的設定をした。<BR>目的を踏まえ、出展車両は市販車とし、第6回西日本国際福祉機器展にて4社に依頼し、3社が展示可能となった。出展車両は、基本的に各社の出展可能な物を依頼し、後方スロープ1台、リフトアップシート3台、リフト仕様2台、両上肢操作仕様2台の計8台の展示となった。<BR>【開催当日】<BR>会は3時間行い、各企業より1台5分程度の車両の説明を行った後、自由に見学・質問の時間とした。<BR>参加者は計98名(内訳は入院・外来患者、当法人在宅系サービス利用者やその家族、他事業所、当法人職員)であった。当法人職員以外の参加者には、外出の回数・車両を取り扱う上での問題点・展示会についての感想等のアンケートを依頼した。<BR>【アンケート結果】<BR>アンケート回収は26名(男性6名・女性20名)。結果として、自動車の使用頻度は、「毎日」11名・「1・2回」8名と比較的外出を頻回に行われる方が多かった。車両の取り扱いで困る点は、「乗車や下車時」9名・「車椅子の乗せ降ろし」5名と運転自体より、乗降の際の問題が多く見られた。展示会の感想は「大変良かった」6名・「良かった」13名・「普通」5名だった。<BR>【考察及びまとめ】<BR>会全体を通して、参加者の福祉車両への興味が非常に高い事が伺われた。高齢・障害者や介助者にとって外出は、日常生活の中で直面している問題の一つである。しかし、当地域は郡部であり公共の交通も不便なため、外出における選択肢も少ない。そのため、外出する際の問題は直接的に介助者へ掛かり、生活範囲の狭小化につながる。地域住民の生活の幅を広げるために、会を定期的に開催し、情報の提供・共有や問題の共有をしていく必要性があると思われる。<BR>車両そのものについては、企業により車種に偏りがあり、参加者の関心にばらつきが見られた。また、車両の特性が介助者へ着目したタイプが多く、自操車タイプを目的に来場した方より物足りないという意見も聞かれ、今後の課題としたい。<BR>今回の展示会を開催して、福祉車両へのニーズの高さ・外出に対する意識の高さを再認識した。今後も支援センターとして、地域住民のニーズを反映させながら、発展的な生活支援の場にしていければと考える。
著者
五関 利幸 加藤 千香子
出版者
地域安全学会事務局
雑誌
地域安全学会梗概集
巻号頁・発行日
no.22, pp.140-143, 2008

In 2004, it was proved by GIS specialists in industry-government-academic organizations that Geographic Information System (GIS) was a useful and valuable tool for natural disaster management when their GIS project aimed at recovering and reconstructing Chuetsu Earthquake in Niigata prefecture was succeeded. Since this project, we established the organization of social welfare activity, called "the GIS Disaster Information Volunteer", to provide the service for effectively reconstructing and quickly recovering the area damaged by the earthquake. This organization has tired a new approach and method for this disaster reconstruction by preparing and providing geospatial information from the outside the area of the damaged regions with Web-GIS technology. The GIS data used for this activity is created by the volunteers for this organization. In fact, this GIS volunteer activity has succeeded to provide the practical map of the earthquake damaged areas in Fukuoka, Niigata, and Ishikawa prefectures. In this paper, I introduce the current experimental activity for this organization including provision of the Blue Sheet Map utilized by aerial photos.
著者
三澤 智則 小関 光弘 小林 宏
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2002, 2002

重機(パワーショベルなど)を操縦する際の運転者の技能の評価を数値的に評価する際の実験方法, 評価方法についての基礎的研究の発表。
著者
関谷 勝
出版者
新潟大学
雑誌
現代社会文化研究 (ISSN:13458485)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.55-71, 2001-08

The establishment of Medicaid (Title XIX of the Social Security Act) in 1965 is a jointly-funded, state-administered federal program that provides health care to the indigent. Medicaid is a Federal-State matching entitlement program providing medical assistance to low-income persons who are aged, blind, disabled, members of families with dependent children, and certain other pregnant women and children. The federal government then provides a grant of between 50% and 83% of the program's cost. The Medicaid legislation became effective on January 1, 1966. Today, all fifty states have Medicaid programs. The federal government established broad guidelines under which states are allowed to structure Medicaid programs specific to the needs of their citizens. Recipients numbered an estimated 35.2 million in 1995, and the cost has increased to $184.7 billion in 1998. The increasing cost of Medicaid has hit the states even harder than the federal government. On average, states pay 45% of Medicaid's cost. Medicaid dominates most states' health budgets, and is the second largest budget item in many states. Nevertheless, because of an inability to meet certain eligibility criteria, many of the targeted residents are not eligible for Medicaid assistance. Now, more than 40 million of Americans have no health insurance or other coverage and lack the income and resources needed to abtaion health care.
著者
武宮 博 田中 良夫 中田 秀基 関口 智嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.144-159, 2004-10-15
参考文献数
39
被引用文献数
7

Grid プログラミングモデルの1 つであるGridRPCの参照実装としてNinf-G2の開発を行い,性能を評価した.広域に分散した複数台のクラスタから構成される大規模Grid 環境上でアプリケーションを効率良く実行することを目的とするNinf-G2は,関数ハンドル同時生成機能やリモートオブジェクトを実装することで,遠隔手続き呼び出しにともなう起動コストや通信コストの低減を図るとともに,ハートビート機能や関数ハンドル作成タイムアウト機能,サーバ属性の個別設定機能を提供することで,非均質,不安定で動的に変化するGrid環境への対応を図っている.典型的なタスク並列アプリケーションである気象シミュレーションプログラムを対象に,6台のクラスタから構成されるGridテストベッド上でNinf-G2の性能評価を行った.その結果,個々のタスクの実行時間が十数秒から数十秒程度の比較的粒度の小さいシミュレーションであっても,200台以上のプロセッサを用いて効率的に実行可能であることが分かった.A high performance GridRPC system called Ninf-G2 has been developed and its performance was evaluated. Ninf-G2 aims to enable applications to run efficiently on a large scale Grid environment which consists of clusters widely distributed over a network. It tries to reduce costs for start-up and communication by simultaneous function handles creation function and remote object mechanism. In addition, it tries to cope with heterogeneous, unstable, and dynamically varying grid environment by heart-beat monitoring function, timeout mechanism in creating function handles, and methods to specify server-dependent attributes. Using 6 distributed clusters, performance of Ninf-G2 was evaluated by running an atmospheric simulation program which is a typical task parallel application. Good performance was attained on a grid environment with more than 200 processors even in the case of applications having many small grained tasks.