著者
鈴木 晶 市瀬 陽子 海野 敏 関 典子 渡沼 玲史 長野 由紀 村山 久美子 森 立子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

他の芸術分野に比べて、舞踊学は大きく遅れをとっており、とくにバレエに関する学術研究はまだ乏しい。私たちはそれを打開すべく、バレエ文化史研究の発展のための基盤整備に取り組んだ。本研究の最大の成果は、近代バレエが生まれた19世紀初頭においてバレエ発展の中心であったパリ・オペラ座の全上演記録データベースの作成であるが、この世界初の試みを無事完成させることができ、その成果の一部を舞踊学会にて発表した。他の研究成果についてはすべてウェブサイトに掲載することができた。これによって、わが国のバレエ研究に大きく貢献したと自負している。
著者
大野 吉郎 潮見 泰蔵 黒沢 和生 関 勝男 高橋 高治 猪股 高志 福田 敏幸 今泉 寛 丸山 仁司 秋山 純和
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法のための運動生理 (ISSN:09127100)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.109-111, 1987 (Released:2007-03-29)
参考文献数
2

健康成年男性6名を対象として、一定頻度(1回/10秒)でtotal rotation pattern(以下TRPとする)、partial rotation pattern(以下PRPとする)、none rotation pattern(以下NRPとする)による起き上がり動作を行わせ、各動作での酸素消費量、心拍数を測定し、パターンの相違によるエネルギー消費量の変化について検討した。その結果、FRP、PRP、NRPの順で酸素消費量および心拍数は低くなった。これは運動発達の順序に即したものと考えられ、この順序がエネルギー消費からみて、より効率の良い起き上がりパターンへの移行と解釈できる。
著者
中川 由紀子 神田 真軌 林 洋 松島 陽子 大場 由実 小池 裕 永野 智恵子 関村 光太郎 大塚 健治 笹本 剛生 橋本 常生
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.52-60, 2019-06-25 (Released:2019-08-07)
参考文献数
16
被引用文献数
1

畜水産食品中の抗真菌薬15剤,抗寄生虫薬2剤およびその他の動物用医薬品3剤のLC-MS/MSによる高感度な一斉分析法を開発した.薬剤の分解を抑制するため,対象食品に50%エタノールを加えてホモジナイズをした調製試料から,アセトニトリルを用いて薬剤を抽出した.抽出液をアルミナNカラムに通液して精製し,得られた試験溶液を全多孔性オクタデシルシリル化シリカゲルカラムで分離しMS/MS測定を行った.これらにより,食品由来成分の影響を受けやすく分析が困難とされる魚介類にも適用可能となった.畜水産物8食品において妥当性評価を実施した結果,選択性は十分で,真度70.2~109.3%,併行精度18.0%以下,室内精度18.7%以下となり,ガイドラインの基準に適合した.定量下限値は,3 ng/gに設定可能と考えられた.
著者
関口 貴哉 清水 敏久
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.139, no.8, pp.761-762, 2019-08-01 (Released:2019-08-01)
参考文献数
3

Various studies have been conducted on photovoltaic (PV) power generation systems that focus either on a generation control circuit (GCC) to prevent power reduction due to a partial shade or on an active power decoupling method (APD) to reduce the power pulsation with twice the utility frequency. However, to the best of the authors' knowledge, only few studies have examined the PV power generation systems in which both the GCC and the APD functions are installed. In this paper, a novel PV power generation system equipped with both the GCC and the APD functions is proposed, and its fundamental operation is verified.
著者
石間 妙子 村上 比奈子 高橋 能彦 岩本 嗣 高野瀬 洋一郎 関島 恒夫
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.21-35, 2016-07-28 (Released:2016-09-05)
参考文献数
37
被引用文献数
1

近年,水田生態系の保全を目的とした環境保全型農業が全国各地で行われており,その有効性が数多く報告されている.しかしこのような農法は,慣行農法に比べて作業コストや技術習得のための時間がかかるため,取り組みの規模が限られている.水田生態系の改善を広く実施するためには,全国の水田の 6 割以上を占める圃場整備済み水田においても導入可能であり,かつ現状の農法と用水供給体制のままで,低コストで導入できる保全手法を確立する必要がある.そこでわれわれは,“江(え)”とよばれる圃場の一部に併設された土水路状の構造物に着目した.江は 1 年を通して湛水状態が保たれ,水生動物の保全に一定の効果があると報告されているが,圃場整備済みの水田における有効性や創出手法はわかっていない.そこで本研究では,暗渠排水が導入された圃場整備済み水田における江の創出手法を確立するため,後述する 2 つの手法が,通年湛水および魚類群集に与える効果を検証した.1 つ目に,江の水抜け防止対策として防水シートを設置した江と未設置の江を創出し,2 つの江の間で水深を比較したところ,明瞭な水位差は見られず,どちらの江も 1 年を通して湛水状態を維持できることがわかった.また,魚類の種数,種多様度,総個体数,および種別個体数に関しても,2 つの江の間で有意差は認めらなかったことから,江における防水シートの設置効果は低いことが明らかとなった.2 つ目に,江の普及に対しては,江の創出による農地の転用面積が少ない方が有利と考えられるため,サイズの異なる江を 3 タイプ創出し,サイズによる効果の違いを検証した.3 タイプの江において水深,魚類の種数,多様度,総個体数,魚種別の個体数を比較したが,いずれの項目もサイズによる有意な差異は認められず,小サイズの江であっても魚類の生息環境として機能することが明らかとなった.これらの結果から,圃場整備済み水田における江の創出は,防水シートの設置状況や江のサイズに関わらず,魚類保全に有効であることが示唆された.
著者
関口 和徳
出版者
北海道大学大学院法学研究科
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.1-56, 2019-03-29
著者
桝田 博司 高橋 政義 関野 美晴 川倉 一彦 福島 達哉 西村 實
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.409-413, 1989-05-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
15
被引用文献数
2

無担体連続電気泳動装置を用いて,牛精子を50~60V/cm,10°Cで泳動分取した精子は,ほぼ2峯性に分布した.分取後の精子の生存性は,陽極側に近い第1ピーク前後で最も良好であり,にれを過ぎて第2ピークに近づくほど低下した.第1ピークの手前2~3の試験管に分取した精子のみを凍結して,受胎試験に供した結果,得られた産子は雌50頭および雄29頭で,雌の割合は63.3%であった.
著者
川上 智史 荊木 裕司 原口 克博 尾立 光 川村 周徳 久保田 端尚 宮田 武彦 渡辺 敏彦 飯岡 淳子 入戸野 誠 尾立 達治 大沼 修一 関口 昇 横内 厚雄 松田 浩一
出版者
北海道医療大学
雑誌
東日本歯学雑誌 (ISSN:09109722)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.57-62, 1989-06-30

Recently, sedative and antiphlogistic treatment is conducted with low energy laser irradiation. The purpose of the this study was to evaluate the effectiveness to decrease of pain just after irradiation by a GaAlAs semiconductor laser. The irradiation apparatus was SEMI LASER NANOX (LX-800 : G-C. Co.) with the following features : a wave lengh of (around) 780nm : the laser energy, 30mW ; exposure time, SOsec to ISOsec/ per treatment. Diagnosis of pre-and post-operative sensitivity were classified into the following four grades : Grade 0 no pain. Grade I mild pain. Grade II strong but tolerable pain. Grade III intolerable pain (simultaneous with stimulation). The results were as follows: 1. In the hypersensitivity of dentin, the treatment was not effective with 2 cases of grade III, but with all of grade I , II (35 cases) the pain decreased just after irradiation. 2 . It was effective in all cases with pain like periodontitis after root canal filling and pain after extraction of teeth. 3 . It was effective in all cases with gingivitis, stomatitis, and gingival ulcers after infilttation anesthesia etc..
著者
成田 光好 羽生 和弘 関口 秀夫
出版者
日本プランクトン学会
雑誌
日本プランクトン学会報 (ISSN:03878961)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.127-135, 2002-08-25
参考文献数
17
被引用文献数
1

伊勢湾は本州中央部の太平洋岸に位置し、その平均深度は19.5m、湾中央の最深部は約35m、面積は約1738㎡であり、少なくとも70m以上の水深をもつ伊良湖水道を通して外海沿岸域と海水交換をおこなう半閉鎖的な湾である。その海底地形からも明らかなように、湾中央の最深部から愛知県側にかけての海底勾配はどちらかといえば急峻であり、三重県側にかけては緩やかな勾配の海底が続いている。伊勢湾奥部には本邦有数の河川である木曽三川から大量の淡水が流入し、一方、湾口部の伊良湖水道を通して高水温・高塩分の黒潮系沿岸水が湾内に進入しているので、そこでは典型的なエスチュアリー循環流(密度流)が卓越している。伊勢湾や東京湾や大阪湾と同規模の内湾であり湾奥部に大河川が流入していることでもこれらの湾は共通している。伊勢湾の北部域から湾中央域にかけての海底にはシルトー粘土の底土が、湾口域には砂質底が湾南部域の三重県沖には粗砂ー砂礫または礫の底土が広がっている。近年、伊勢湾の北岸及び西岸に位置する都市からの汚水廃棄のために、伊勢湾の富栄養化は著しく、しばしば赤潮の発生が報告されている。伊勢湾の底層の溶存酸素量は季節的に著しく変動することが知られており、とくに夏季においては湾中央域から三重県側の西部域を中心に貧酸素域が発達し、秋季から冬季には海表面の冷却と季節風による鉛直混合の強化によって湾全域の底層において溶存酸素量の回復が見られる。
著者
前田 淳 林 直諒 小幡 裕 竹本 忠良 関根 暉彬 西岡 久寿弥 松野 堅 上地 六男 山内 大三 山下 克子 横山 泉 市岡 四象 本池 洋二 藤原 純江
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.17, no.12, pp.907-913, 1976

東京女子医大,成人医学センターの定期検診受診者1,391名および同消化器内科に肝疾患のため入院した発端者20名(急性肝炎8名,慢性肝炎6名,肝硬変3名,肝癌3名)の家族90名を対象としHBs抗原およびHBs抗体についてsubtypeを中心に検討を加えた.<BR>定期検診受診者の抗原陽性看は1.4%,抗体陽性者は27.4%であり,肝疾患患看家系では抗原陽性者は41.1%,抗体陽性者は34.4%で定期検診受診者より明らかに高率であり,特に抗原の陽性率が高い.<BR>subtypeでは定期検診受診者,肝疾患患者家系とも抗原はadr,抗体はRが優位であり,定期検診受診者で6ヵ月間隔で2度施行できたものでsubtypeの変動したものはなかった.肝疾患患者家系では肝硬変,肝癌群に兄弟,子供に抗原,抗体の集積がみられ,subtypeでは抗原がadwの家系は急性肝炎の1例のみで,他は抗原はadr,抗体はRであり,同一家族内でsubtypeの異なるものはなかった.
著者
関 克己 河合 弘泰 川口 浩二 猪股 勉
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_965-I_970, 2012

全国港湾海洋波浪情報網(NOWPHAS)は,1970年に5地点で波浪観測を開始し,現在では20地点以上で30年以上のデータを蓄積している.このデータから気候変動の検出も試みられてきたが,地点毎の解析では統計的なバラツキが大きいこともあって気候変動指標との明確な相関性を捉えられなかった.そこで本研究では,日本海側を3海域,太平洋側を4海域にまとめ,季節毎に気候変動指標との相関性を調べた.その結果,(1)平均有義波高と最も相関性の高い気候変動指標は海水温である,(2)平均有義波周期は平均有義波高に比べて気候変動指標との相関が高く,特にNPIとの相関性は全海域を通じて高い,(3)最大有義波高と最大有義波周期は台風上陸個数との相関が最も高い,(4)高波擾乱回数は台風上陸個数やSOIとの相関が高い,ことが分かった.
著者
岡田 裕樹 小菅 友裕 尾関 裕彦 津川 和夫
出版者
京都市立病院紀要編集委員会
雑誌
京都市立病院紀要 (ISSN:02861356)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.17-19, 2018-09-15

チーム医療における安全や質の確保にノンテクニカルスキル( NTS)が重要視されている.NTSとは,コミュニケーション・チームワーク・状況認識等を包含する総称であり,CT・MRI検査等を行う診療放射線技師においても,チーム医療の一員としてNTSの向上が求められている.今回,毎年病院内で行われている「外来・入院患者満足度調査アンケート」から,当院の診療放射線技師の患者対応や職員対応について現状把握し,今後の改善点について考察を行った.
著者
渡部 泰明 小峰 清香 五箇 繁善 佐藤 隆幸 関本 仁 内田 剛
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.125, no.8, pp.1179-1184, 2005 (Released:2005-11-01)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

This paper describes an analysis of the close to carrier phase-noise characteristics of the narrow-band Colpitts oscillators. The open-loop impedance, that is, series of the SC-cut resonator and the oscillator active circuit, is calculated using a linear circuit model with a non-linear transistor model. It is shown that the loaded Q can be improved by introducing the resonator filter in the oscillation circuit. Based on the Leeson's model, the near carrier phase-noise is estimated using the calculated Q values. The results corresponded well with the previous experiments. It is also shown that the phase-noise can be exceedingly improved, that is, under -148 dBc/Hz at 10Hz offset, by using resonator filter with high Q.
著者
伊藤 華江 保沢 こずえ 牧野 伸二 近藤 玲子 熊谷 知子 平林 里恵 関口 美佳
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
Japanese orthoptic journal (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.191-196, 2009-11-30
被引用文献数
2 1

<B>【目的】</B>プリズム非装用時と眼鏡内組み込みプリズムレンズ、膜プリズム装用時の視力、コントラスト感度、高次収差を比較検討した。<BR><B>【対象と方法】</B>屈折異常以外に眼疾患のない正常者20例20眼(21~47歳、平均28.8歳)を対象に、屈折矯正下でプリズム非装用下(装用なし群)、8Δ組み込みプリズム装用下(組み込み群)、8Δフレネル膜トライアルレンズ装用下(膜プリズム群)の視力、コントラスト感度、高次収差を測定した。コントラスト感度は、CAT-2000™(ナイツ)を用い、昼間視の状態で100%、25%、10%、5%、2.5%で測定した。高次収差はKR-9000PW™(トプコン)を用い、瞳孔測定径4mmのコマ様収差(S3)、球面様収差(S4)、全高次収差を測定した。<BR><B>【結果】</B>視力(logMAR)は装用なし群の-0.08±0.0に比較すると、組み込み群では-0.07±0.02と有意差はなかったが、膜プリズム群では0.04±0.10と有意に低下した(p<0.001)。コントラスト感度は装用なし群と組み込み群ではいずれのコントラストでも有意差はなかったが、膜プリズム群では有意に低下した。高次収差は装用なし群と組み込み群ではS4で有意差がなかったが、S3、全高次収差は組み込み群で有意に大きく(p<0.05)、膜プリズム群ではS3、S4、全高次収差の全てで有意に大きかった(p<0.005)<BR><B>【結論】</B>眼鏡内に組み込み可能な8Δまでの組み込みプリズムでは、同じ度の膜プリズムに比べ、視機能への影響は少ないことが推測された。
著者
関内 隆
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.227, pp.95-112, 2006-04

自由党急進派として出発したチェンバレンは,自由党分裂を契機に結成された自由統一党の運動を通して,保守党の基盤変化に影響を与え,1895年に成立する統一党の政治基盤確立に寄与した。さらに,1903年に開始された彼の関税改革運動はこの統一党政治基盤の構成変化に大きなインパクトをもたらすことになる。保護主義と帝国特恵の手段で本国イギリスの「生産国家」再建を目指す関税改革運動は統一党の内部分裂を引き起こし,1906年総選挙での統一党大敗により,関税改革構想は一端,挫折の憂き目を見た。自由党政権の財政政策路線は,その後,関税改革構想に新たな政治的機能を与え,統一党はそれを公式政策として採用し,政治基盤も拡大した。だが,ここで党内勝利を果たした関税改革は,生産国家再建のために牽制し続けていた金融・商業利害,かつて自由党急進派として批判の的としていた地主的守旧利害に奉仕する政策となっていた。チェンバレンの政治活動と関税改革の党内勝利をめぐるパラドキシカルな結末がここに見て取れる。