著者
和田 崇文 上久保 毅 中島 真人 阿部 俊昭
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.12, pp.755-759, 2001-12-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
20
被引用文献数
3 2

A 15-year-old boy with a neck injury transferred to our emergency room was alert and cooperative. During surgical closure of the wound, he vomited and became somnolent. A piece of brain tissue was found in vomit. Computed tomography (CT) showed pneumocephalus and a small hemorrhage in the left frontal lobe. Surgery undertaken found an irregular bone defect in the plamun sphenoidale and a dural laceration in the frontal base. The dura of the left frontal convexity was also lacerated. These findings suggested that an unknown foreign body penetrated the right lateral neck and the skull base through the nasopharynx, then reached up to the frontal bone. Postoperative course was uneventful. He witnessed later that he hit his neck on to an iron rod protruding from concrete blocks when he fell. He had known that this rod had penetrated his neck. Orbitocranial stab wounds may associate penetrating brain injuries, but it seems quite rare that a cervical stab wound complicated a penetrating brain injury. It should be stressed that physicians and paramedics must glean information about the modality of penetrating injuries.
著者
ヤスミーン・ビール=リヴァヤ 阿部 俊大 Yasmine Beale-Rivaya Toshihiro Abe
出版者
同志社大学人文学会
雑誌
人文學 = Doshisha University Jinbungaku (Studies in Humanities) (ISSN:04477340)
巻号頁・発行日
no.205, pp.204-168, 2020-03-15

本論文は、モサラベという言葉の定義、またモサラベについての研究史を簡潔にまとめ、スペイン現地を中心とした、モサラベという研究分野の現在に至るまでの研究状況の概要を紹介するものである。著者は中世のイベリア半島をフィールドに、ロマンス語とセム系言語の境界地域における言語の接触、公刊、借用といったテーマを専門とする研究者であり、本論文も、狭義の歴史学研究者が触れる機会が少ない、言語面からの詳細な分析が行われているのが特徴となっている。
著者
ドメネク=ベルダ カロリーナ 阿部 俊大 Carolina Doménech-Belda Toshihiro Abe
出版者
同志社大学人文学会
雑誌
人文学 (ISSN:04477340)
巻号頁・発行日
no.206, pp.110-79, 2020-11

この論考は、アル=アンダルス[中世のイスラーム=スペイン]におけるファーティマ朝(907−1171年)の貨幣の存在について、アンダルスの領域におけるこの外国貨幣の流通についての情報を見直し、アップデートしつつ、論じたものである。翻訳:阿部俊大
著者
ロペス=デ=バロス マリア=フィロメナ 阿部 俊大 Maria Filomena Lopez de Barros Toshihiro Abe
出版者
同志社大学人文学会
雑誌
人文學 = Doshisha University Jinbungaku (Studies in Humanities) (ISSN:04477340)
巻号頁・発行日
no.204, pp.120-99, 2019-11-15

本論文は、中世のポルトガル王国において、キリスト教国家の支配下に置かれたイスラーム教徒(ムデハル)を、彼らのアイデンティティの変化を中心に論じたものである。まず、キリスト教国家による征服を通じた、彼らの呼称(他称・自称)の変化が論じられる。次いで、それに伴う15世紀まで彼らの自己認識の変化が分析される。その上で、イベリア半島の外のイスラーム教徒の彼らに対する認識と、本人たちの認識が比較され、最後にポルトガル王権とムデハルの関係が論じられて議論が締めくくられている。翻訳:阿部俊大
著者
谷口 正信 山下 智志 青嶋 誠 阿部 俊弘
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2018-06-11

広汎な観測に対して、一般化因果性指標の導入と、その最適推測論の構築、その膨大な応用をもくろむ研究推進である。本年度は、まず、2次モーメントを持たない安定過程からの因果性解析について、応答行列を用いて、一般化因果性を導入し、経験尤度統計量に基づいた因果性検定を提案し、その漸近分布を明らかにして、有用性を数値的にも検証した。また、安定過程も含む確率過程に対して L^p ノルムでの予測子、補間子を求めることができ、安定過程に対するL^p ノルムでの、因果性導入の基礎研究も前進させた。位相データに対しては、まず、パーシステントランドスケープに基づく位相指標を用いた実際の金融解析で、国内、米国、欧州の総合指標に適用し、金融危機以前に、この位相指標が、大きく動くことを観測した。この結果は、位相指標に基づいた因果性解析は、将来の予期できない危機への因果性抽出のポテンシャルが期待できることを意味し、今後の該当分野の研究発展への一里塚となった。高次元時系列解析においては、種々の設定での自己共分散行列の推定や、Whittle 推定量の漸近性質を明らかにした。またこの設定での時系列判別解析での基礎理論構築や、時系列分散分析における古典的検定統計量の漸近分布の導出もでき、福島県の多地域の放射線データに適用された。これらの諸結果は、高次元時系列に対する因果性研究の基礎となる。高次元観測においては縮小推定量が有用であるので、時系列縮小推定量の諸性質も明らかにされた。時系列観測を 0 と 1 の2値に変換したデータに基づき時系列解析を行うことができる。この場合、情報を失うので、推測の効率は失われるが、種々の頑健性を示すことができた。この流れで、スペクトルに基づく離反度を導入し、これに基づく因果性指標の推定量から因果性検定統計量が導入できる、これにより、この検定は、外れ値に対して頑健性を持つ。
著者
阿部 俊弘 山田 知之 中山 吉則 樋口 英次郎
出版者
特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.789-793, 1986

特徴ある細胞診所見を呈した子宮内膜異型増殖症の1症例を経験したので報告する.症例は52歳の閉経婦人で, 子宮腔内にポリープ状腫瘤を形成し, 組織学的には角化を示す著明な扁平上皮化生と異型腺増殖が認められた.頸部擦過および内膜細胞診には異常角化細胞とともに強いエオジン好性を示す無定形のケラチン様物質 (keration body) が多数認められた.<BR>本症例には内膜異常のrisk factorであり, hyperestrogenismと関連する肥満と糖尿病がみられたが, これらに加えて組織学的にも炎症所見が著明であったこと, 周囲環境の刺激を受けやすいポリープ状を呈したことなどにより著明な扁平上皮化生をきたしたものと思われた.
著者
エステパ カルロス 阿部 俊大 Carlos Estepa Toshihiro Abe
出版者
同志社大学文化学会
雑誌
文化學年報 = Bunkagaku-Nempo (Annual report of cultural studies) (ISSN:02881322)
巻号頁・発行日
no.70, pp.1-24, 2021-03-15

本論文は、アルフォンソ8世の治世から13世紀にかけての「軍役給付金」について、『歴代カスティーリャ王のラテン語年代記』やロドリゴ・ヒメネス・デ・ラーダの『ヒスパニア史』などの年代記群の情報を中心に分析し、中世カスティーリャ王国における、国王による課税の形成過程と、そこにおいてイスラーム勢力(ここではムワッヒド朝)との戦争が与えた影響について、解明を試みた論考である。
著者
阿部俊 後藤裕介 南野謙一 渡邊慶和
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.681-682, 2013-03-06

初等教育が算数科授業におけるICT機器の活用は児童間の話し合いに効果があるとされているが、ICT機器がもつ機能と話し合いへ与える効果との関係は明らかになっていなかった。本研究では話し合いの観点からICT機器の活用が与える効果を検討する。電子黒板・タブレットPCやスクリーンを導入している初等教育の算数科授業の授業観察と教員へのインタビュー調査から、ICT機器の機能と話し合いに与える効果の対応関係の仮説を立てた。また実際に授業を受けている児童へアンケート調査を実施して仮説検証を行った。その結果タブレットPC等により児童が互いの画面を共有することがきっかけとなり、教えあいや話し合いが生まれていることがわかった。
著者
阿部 俊克 大塚 勝弘 大熊 誠一
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, pp.78-81, 1981-01-25

Rice bran lectin (RBL) agglutinated human erythrocytes regardless of their ABO and MN blood-group systems. The receptor activity of erythrocytes against RBL was completely abolished by treatment with pronase for two hours and partially abolished by treatment with trypsin or α-chymotrypsin for three hours. Sialoglycopeptides released from human erythrocytes by treatment with protease such as pronase, trypsin or α-chymotrypsin inhibited the hemagglutination by RBL. Removal of sialic acid residues of sialoglycopeptides diminished their inhibitory activities. Among sugars tested, only N-acetyl-D-glucosamine showed hemagglutinating inhibition.
著者
高尾 洋之 山本 誠 大塚 忍 鈴木 貴士 増田 俊輔 村山 雄一 阿部 俊昭
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.298-305, 2012-04-20
参考文献数
30

近年,数値流体解析(CFD)技術はさまざまな分野で応用され,医学の分野において,多くの論文で数値流体解析の結果が報告されている.現在,脳動脈瘤の発生,増大および破裂のメカニズムは十分に理解されていない.それに対し,CFDを用いてそれらに関わる流体力学的パラメーター(wall shear stress : WSS, shear strain rate : SSR, oscillatory shear index : OSI, energy loss : EL, pressure loss coefficient : PLC)を検討した論文が数多く存在し,中でもWSSが注目されているが,相反する両論が存在している状況である.本論文では,そのパラメーターをいくつか紹介し,われわれのCFD解析結果の報告に加え,われわれの結果と最近の他の論文の結果を比較する.
著者
川上 大介 阿部 俊一
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.68-71, 1995-11-10

機器の使用時間Xと使用回数Yが共に機器の劣化に影響を与える場合、XとYから合成されたストレスZによって機器故障が起こるというモデルが、ある一定の条件を満たせばXのみまたはYのみを考慮した場合の最適予防保全計画よりも費用が小さくなることが示されている。そこで本報告では前報告の結果をさらに般化し、また、ある具体的な事例を取り上げ、Zの確率分布がワイブル分布で、観測データが両側から打ち切られた2変量不完全データの場合の計算例を示す。
著者
副田 義也 樽川 典子 加藤 朋江 遠藤 惠子 阿部 智恵子 株本 千鶴 嶋根 克己 牧園 清子 鍾 家新 藤村 正之 樫田 美雄 阿部 俊彦 時岡 新 村上 貴美子 藤崎 宏子 小高 良友 野上 元 玉川 貴子 坂田 勝彦 柏谷 至
出版者
金城学院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

戦後内政の主要分野を、戦前期に内務省が専管した行政の諸分野に注目して、ひとつの統一的性格をもつものとして研究した。旧来、1947年の内務省解体は、連合国総司令部が強行した、否定的に評価されるべき事態として語られがちであった。しかし、その分割があったからこそ、その後の半世紀以上にわたる日本の福祉国家としての歩みが可能になったのである。すなわち、厚生行政、警察行政、建設行政、自治行政を担当する省庁の分立と発展、政策の複合による内政構造の拡大、深化である。
著者
阿部 俊二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ
巻号頁・発行日
vol.110, no.206, 2010-09-14

国立情報学研究所は、日本全国の大学・研究機関等の学術情報基盤である、「学術情報ネットワーク(SINET: Science Information NETwork, サイネット)」の構築・運用を行っている。本講演では、2011年4月から運用開始を予定しているSINET4で提供するサービス並びにネットワーク構成について概説するものである。現在運用を進めている学術情報ネットワークはSINET3と呼称しており、2007年4月から稼動した。SINET3では、一般の研究・教育用のネットワークと高速大容量のデータ転送を必要とする研究プロジェクト用のスーパーSINETと統合すると共に、マルチレイヤでのVPN、QoSやマルチキャストなどの多様なサービスの提供を行っている。SINET4では、これまでの多様なサービスの提供を継承しつつ、以下の点を重点目標として構築・運用を進めていく予定である。(1)ネットワークの経済的高速化、(2)エッジノードの高安定化、(3)加入機関間の通信環境の格差解消、(4)各種学術アプリケーションの支援と展開。
著者
石川 有美 阿部 俊明
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

糖尿病網膜症の治療評価マーカーや新規治療薬の検討を行った。まずバソヒビンに注目した。(1)血漿中のバゾヒビン濃度と網膜症は相関はないが、増殖性の変化が強いほどバソヒビン濃度が低い傾向だった。(2)hypoxia-inducible factor(HIF)でGFP誘導される網膜色素上皮細胞を作成し培地中に眼内液を添加すると血管内皮細胞増殖因子(VEGF)とGFPは発現が有意に相関することが判明した。糖尿病網膜症眼内にはHIF を誘発する因子が有意に多く含まれていた。