著者
青木 美和 山本 淳一
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.106-117, 1997-03-20
被引用文献数
1 7

4名の発達障害生徒が、家庭生活スキル(学校の持ち物の準備、登校前の身じたく、帰宅後の手洗い・うがい、家庭学習)を写真カードを用いて自発的に遂行できることを目的とした。研究は全て対象生徒の家庭で実施された。対象生徒が写真カード冊子を1枚ずつめくりながら、行動連鎖を遂行してゆくことが標的とされた。ベースライン期において4名の対象生徒とも、家庭生活スキルの自発的反応の生起率は安定しなかった。家庭介入期において母親に写真カードの呈示方法と、一定時間経過後に適切な反応が出現しなかったら言語指示・身体的介助を与えることなどを教示し、それを家庭で毎日実施してもらった。その結果、家庭介入期において家庭生活スキルの自発的反応の生起率が上昇した。また、これらの介入では効果がみられなかった生徒には、写真カードや強化刺激の変更といった操作を行うことによって自発的反応が安定して生起するようになった。これらの結果について、家庭生活スキルの形成に及ぼす視覚的プロンプトと親指導の効果の点から考察した。
著者
ハーランド 泰代 植野 拓 渡辺 恵都子 青木 尚子 豊田 文俊 高畠 由隆 舟越 光彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.DbPI2348, 2011

【目的】心疾患を有する患者は、長期間運動を継続し、運動耐容能を維持・向上することが望ましく、運動を継続することが生命予後に関係するとされている。しかし、社会背景や身体的問題などの影響から、中には継続困難となり中断してしまう患者も経験する。そこで今回、外来通院による心臓リハビリテーション(以下、心リハ)の参加者を対象に、継続および非継続に関わる因子を調査および検討したため報告する。<BR>【方法】対象は、当院にて2008年1月から2009年11月の間に、外来通院型心リハプログラムに参加した心疾患患者63名(男性52名、女性11名、平均年齢69.9±10.4)である。疾患内訳は狭心症29名、心筋梗塞5名、慢性心不全12名、閉塞性動脈硬化症11名、開胸術後4名、大血管疾患2名である。公的医療保険給付の心リハ期限である150日以上の継続可能であった群を継続群、150日未満であった群を非継続群に分けて比較検討を行った。グループの内訳は、継続群30名(男性22名、女性8名)および非継続群33名(男性30名、女性3名)であり、検討内容は年齢、性別、疾患名、家庭環境(同居、独居)、冠危険因子数、費用負担、通院手段、通院距離、参加期間、NYHAの重症度分類の各値を診療録情報より調査し、後方視的に比較検討した。統計処理方法はX2検定、t検定を用いて統計学的検討を行い、危険率5%未満を有意差ありとした。さらに費用負担の有無に区分し、カプランマイヤー曲線により心リハ継続群の比較、およびコックス比例ハザードモデルにより費用負担有無による非継続群のハザード比を求めた。<BR>【説明と同意】対象者には研究の趣旨を説明し、同意を得た。<BR>【結果】今回の結果、継続群は30名(47.6%)であった。NYHAの分類のclassIIおよびclassIIIの継続群は有意に相関が高く、非継続群は低い結果となった(P<0.05)。性別では相関は認められなかったが、男性に比べて女性の継続率が高い傾向があった(P=0.1)。家族形態(同居ありおよび独居)の結果では、継続群と非継続群において有意な相関は認められなかった(P=0.7)。通院距離(遠方または近隣)においても有意な相関は見られなかったが、非継続群に比べて継続群は高い傾向にあり、近隣に比べて遠方の方が継続しやすい傾向であった(P=0.2)。また費用負担ありについても両群で相関は認められなかったが、継続群に対して非継続群は高い傾向があり、費用負担があると心リハ実施の継続率が低下しやすい傾向があった(P=0.1)。さらに、費用負担ありと非継続の年齢等を調整したハザード比では、1.67(95%CI 1.01-2.52)と有意に高く、自己負担があると継続が難しいという結果となった。<BR>【考察】重症度が低く、リスクファクターが少ない参加者が非継続の傾向が示唆された。おそらく重症度が低ければ自覚症状が少なく、意欲も低下するため継続困難であったのではないかと考えた。そのため、介入時から心リハの必要性や効果について十分な説明を行い、疾患を自己管理できるように教育などの介入を十分に行っていく必要がある。また重症度が高いと継続率は高い傾向があるが、急性増悪などを起こす可能性も高いため、増悪予防やセルフコントロールの徹底が必要である。社会的な面では、独居の方が継続率が高いと予想していたが、結果的に家族形態には違いは見られなかった。また通院距離では、近隣の対象者に比べて、遠方の対象者の方が継続しやすい結果となった。これは交通機関を利用して来院される方が多く、近隣の徒歩や自転車での通院に比べて、時間的スケジュールが確立されている事や運動負荷が少ない事などが上げられる。また加えて、医療費の自己負担がある対象者の方が、非継続の傾向が強い結果であった。このことにより、自己負担の有無が心リハの継続に影響を与える因子の一つになることが分かった。このような結果を踏まえて、心リハ開始時の情報収集では十分な社会的な特性を考慮し、必要な援助を行う必要があると考える。また心リハの通院期間や終了時期を明確に設定し、その後負担の少ない民間のスポーツジムや市町村の運動教室などへ繋げて、運動を継続するなどの配慮が必要である。また今後さらに症例を増やし、詳細な分析を行う必要がある。<BR>【理学療法学研究としての意義】患者の社会的な背景や重症度の違いにより、心リハ継続に影響を及ぼす一要因になることが示唆された。情報収集の際に社会的な背景に問題がある方に対しては、民間の施設への斡旋や連携を強化し、運動を継続していく必要がある。<BR>
著者
佐藤 真理子 王 佳琪 青木 識子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.220, 2018

【目的】<br><br>近年,多様性社会への取り組みが進む中,性的少数者(LGBT)への理解は深まりつつあるが,制服における画一的な男女差等,衣服分野でLGBTの人々に十分対応できていない現状がある.本研究では,男性用体型補正インナーに着目し,男性同性愛者の体型に関する意識,体型補正インナーに求める要素等を明らかにすると共に,市場の体型補正インナーの快適性・機能性を検討し,LGBTの人々の衣環境における質向上への寄与を目指した.<br><br>【方法】<br><br>男性同性愛者26名(26±6才)と異性愛者26名(21±3才)を対象に,体型意識,インナーに求める要素等の調査を行った.また,市販されている体型補正インナーの着用効果と着用快適性を検討するため,三次元計測と官能評価を行った.<br><br>【結果】<br><br>アンケート調査の結果,男性同性愛者の体型意識において,自身については異性愛者と差はなかったが,恋愛対象に求める体型は筋肉体型が8割近くを占めた.体型補正インナーの認知度,着用希望共に,同性愛者で高い割合を示した.三次元計測の結果,体型補正インナーは一般インナーに比べ,肩先点下5cmで約105%,チェストラインで約110%周径が増大し,三角筋,大胸筋を模擬した状態が実現できており,官能評価においても,体格がより良く見えるとの申告が得られた.しかし,肌触り,筋肉パッドの擦れ等の評価が低く,着用快適性の改善が今後の課題と考えられる.
著者
杉浦 康代 青木 美和 市原 香織 荒尾 晴惠
出版者
一般社団法人 日本専門看護師協議会
雑誌
日本CNS看護学会誌 (ISSN:21895090)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-10, 2021-03-31 (Released:2021-03-31)
参考文献数
21

本研究は,がん診療連携拠点病院に勤務するがん看護専門看護師(以下,がん看護CNS)のがんゲノム医療に関する学習ニーズを明らかにし,学習支援に示唆を得ることを目的とした.がん診療連携拠点病院で勤務するがん看護CNSのうち,日本看護協会HPに氏名・所属が掲載されていた464名を対象として無記名自記式質問紙調査を実施し,記述統計,χ٢検定およびFisherの正確確率検定を実施した.対象者233名(有効回答率50.2%)の6割が全調査項目に学習ニーズを有していたが,なかでも「複雑で解決困難な看護問題への対応」「意思決定支援」は,8割の対象者が学習ニーズを有していた.また,がんゲノム医療に関する施設要件別において,「多職種連携」と「がん遺伝子パネル検査の結果を伝える際のアセスメント方法」の学習ニーズに有意差が認められた.以上より,がん看護CNSががんゲノム医療の特殊性のなかで自身の役割を発揮するための学習支援の必要性が示唆された.
著者
青木 宙
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.400-407, 2007 (Released:2007-05-28)
参考文献数
55
被引用文献数
1
著者
加來 卯子 中村 比菜子 庄山 茂子 青木 久恵 栃原 裕
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, 2017

<b>目的 </b>循環型社会形成推進基本法が施行され、人々のリサイクルへの意識は高まっている。衣料品は、複合度の高さや製品の多様性からリサイクルし難いと言われるが、制服は同一素材であり一度に回収が可能なことから、リサイクルに適するのではないかと考えられている。そこで、制服着用の有無が制服に対する印象やリサイクルへの意識ならびに被服の消費行動にどのような違いをもたらすか調査した。 <br> <b>方法 </b>福岡県内の制服着用者群(女子専門学校生88名、平均年齢19.90歳、SD 0.77歳)と私服着用者群(女子大学生96名、平均年齢19.81歳、SD 0.81歳)を対象に質問紙によるアンケート調査を2016年6月に行った(回収率100%)。制服・私服の着用の印象、職場での制服採用に関する賛否、衣服のリサイクルへの意識、実施状況、衣服の消費量等について回答を求めた。分析は、単純集計、t検定。<br> <b>結果 </b>制服着用者群は、制服に対する印象について「学内に一体感がでる、私服を考えなくてよい、資源の節約につながる、個人的費用が削減される」と評価した。制服着用者群は、私服着用群より将来一般職での制服の採用について賛成の割合が高かった。その理由には、「職場のイメージアップになる、組織のつながりを深める」という意見が多かった。また、衣服の消費量やリサイクル意識に関しては制服着用の有無によって差はみられなかった。制服着用者群、私服着用者群ともに衣料品の3Rに対する意識は低く、衣服を環境問題やリサイクルと結びつけて考えていなかった。
著者
青木 章通 佐々木 郁子
出版者
公益財団法人 メルコ学術振興財団
雑誌
メルコ管理会計研究 (ISSN:18827225)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.3-16, 2011

本研究は,日本の小売業者267社に対する質問票調査の回答結果に基づき,プロモーション手法であるポイント制度と値引き販売が顧客の年間購入額の増加および取引の長期化に及ぼす影響について分析した。本研究の目的は,回答結果の分析を通じて,プロモーション手法の費用対効果の測定やレベニュードライバーの解明に貢献する事項を導き出すことである。その結果,両プロモーション手法が顧客の年間購入額の増加および取引の長期化に貢献するための条件には違いがあること,両プロモーション手法の併用が顧客の年間購入金額の増加および取引の長期化に正の影響を及ぼすことが明らかになった。
著者
西村 和真 秋山 隼人 脇坂 久 青木 悠祐
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp._3P1-B01_1-_3P1-B01_4, 2014

Among various medical problems facing us in today's Japan are rapidly aging society, localization of medical doctors, concentrated visits of patients to large hospitals, etc. Development of diagnostic and treatment support systems is considered a solution to a pressing problem to help reduce loads on medical doctors. So, we have developed the ReDAT (Robotic-echography for Diagnostic and Treatment support system) to be able to diagnose by cooperative operation. However, the conventional system is not implemented yet the angle control system and probe pivot manipulation. Therefore, in this paper, we have constructed the position and angle control system for probe pivot manipulation. The mechanism for angle control is required to be small in size and light in weight, so that the position and control system works high accuracy and high-speed. Then, we have developed the mechanism using a wire drive, and performed experiments to confirm the accuracy and responsiveness.
著者
茂崎 宇十沙 藤井 洋子 砂原 央 高野 裕史 青木 卓磨
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.67, no.7, pp.512-517, 2014

3カ月齢のイタリアン・グレイハウンドが心雑音の精査を目的に来院した.各種検査の結果,肺動脈弁狭窄症及び筋性部心室中隔欠損症と診断した.肺動脈弁狭窄症は重度であり右室圧の亢進(肺動脈血流速:7.15m/s,推定圧較差:204.5mmHg)により,心室中隔欠損孔を介する短絡血流は右─左方向を呈し,酸素飽和度は93%であった.心室中隔欠損症よりも肺動脈弁狭窄症の病態が予後因子として重要であると判断し,治療として侵襲性が少なく死亡リスクが低い肺動脈弁バルーン弁口拡大術を選択した.右室負荷の軽減に成功し,短絡血流は左─右方向となり酸素飽和度は100%に改善した.術後18カ月が経過したが,臨床徴候は認められず,短絡血流量増大による左室容量負荷を生じることなく良好に維持されている.
著者
西牧 可織 二瓶 裕之 井上 貴翔 鈴木 一郎 足利 俊彦 堀内 正隆 新岡 丈治 木村 治 青木 隆
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.2020-042, 2021 (Released:2021-03-23)
参考文献数
8

大規模クラスであっても効果的な文章指導を行うために,クラウドを活用した協働学修を授業に組み込んだ.クラウドを活用した協働学修では,クラス規模の大きさを逆に利点とするために,ネットワーク上に仮想的な共同作業の場を提供することでディスカッションの活性化を図った.その結果,受講生が互いの意見を見ながら,全員がクラウド内で自身の意見を発するようになり,授業最終回には意見の記入回数も増加するなどディスカッションが活性化されたことを確認した.また,ディスカッションを経て提出したレポートは正答との一致率も高まった.さらに,学生へのアンケート結果からも,SBOに対する達成度が授業回を追うごとに高まり,文章指導における協働学修の必要性の認識も高まるなど,薬学教育における言語表現能力の必要性や重要性に対する気づきが多くの学生へ広がったとの知見を得た.
著者
藤原 誠 道上 達男 箕浦 高子 青木 誠志郎 片山 光徳 坂山 英俊 柴尾 晴信 関本 弘之 長田 洋輔 福井 彰雅 水澤 直樹
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.312, 2007

昨春、新学習指導要領(いわゆるゆとり教育)による高校教育を受けた学生が大学に入学した。東京大学では、これに関連して以前から大学1,2年次における教育のあり方を検討するとともに、論理(モデルを立てる)と実証(実験によって確かめる)のサイクルを伴う自然科学導入プログラムの開発に取組んできた。<br>東京大学教養学部生物部会においては、従来の生命科学系(東京大学では理科2類、3類)学生対象の実習「基礎実験(生物)」の内容を吟味し、新たに「基礎生命科学実験」として新規3種目の開発を含む全11種目の全面的改訂を行った。また、今春から生命科学系の学生に加えて文系と理工系(理科1類)の学生にも実習選択の門戸が開かれるのにともない、教育背景が多様な学生にも効果的に実習内容を伝えられる教科書副教材(DVD教材)を作製した。<br>本大会では、「基礎生命科学実験」の植物関連種目である、(1)電気泳動による光合成関連タンパク質の分離、(2)植物の多様性と生殖(クラミドモナスの接合、シダ植物の世代交代、テッポウユリの花粉管伸長)、(3)被子植物の維管束構造の紹介も含めて、我々の取組みを発表する。
著者
阿部 健太郎 三浦 智史 藤城 法子 沖崎 歩 吉野 名穂子 青木 茂 内藤 明美 真野 泰成 齊藤 真一郎 山口 正和 森田 達也
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.85-91, 2021 (Released:2021-03-22)
参考文献数
15

【目的】進行がん患者の遺族からみた多剤併用の状況と内服負担に関する体験や認識を明らかにする.【方法】がん患者の遺族303名に自記式質問票を郵送し,回答を得た.1回6錠以上の内服を多剤併用群,1回6錠未満の内服を非多剤併用群とし,内服負担や体験,認識について単変量解析を行った.102名の結果を解析した(有効回答率33.7%).【結果】多剤併用群(65名)は,非多剤併用群(37名)よりも遺族が患者の内服負担を感じた割合が高値であった(43.1% vs 10.8%,p<0.01).内服負担が少ない服用方法としては,現状よりも1回の服用錠剤数を減らしたいと希望していた.多剤併用群の遺族は,内服薬が多いことの懸念が強く,医療者からの内服薬に関する説明や相談できる医療者を希望していた.【結論】医療者は,服薬状況の確認とともに薬に関する家族の懸念についても十分に配慮する必要があることが示唆された.
著者
升屋正人 久保田真一郎 青木謙二 下園幸一
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.63-74, 2005-09-16 (Released:2019-07-31)
参考文献数
8

条件不利地域における情報通信技術の普及啓発を目的として、小規模離島(孤立小型離島)における同種の事業としては全国で初めてとなる「ブロードバンド体験教室」を平成16年9月に硫黄島(鹿児島県鹿児島郡三島村)の三島小中学校で、平成17年5月に中之島(鹿児島県鹿児島郡十島村)の中之島小中学校でそれぞれ実施した。いずれの体験教室においても、鹿児島県本土と離島の間を1.5Mbpsの専用線で結んだブロードバンド相当回線を用いてテレビ会議を実施したほか、ブロードバンド関連機器のデモンストレーションや展示を行った。これら二件の事例を紹介するとともに、これらの実践における専用線利用形態が条件不利地域におけるブロードバンド整備の新しい方法となることを示す。
著者
加藤 徹也 青木 滉一郎 菅原 徹 村上 智加 宮崎 正己
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.419-424, 2015
被引用文献数
2

We produced the average face by combining forty-one facial images of female college students in order to investigate how the facial impression changes depending on distance between eyes and eyebrows. Furthermore, we produced ten experiment samples by shortening or widening distance between them of the average face in five steps respectively. These images were presented individually to ninety college students, and they were asked to evaluate them using twenty adjective pairs. Consequently, the average face received high evaluations about likability-related impressions, while the faces with shorter distance between eyes and eyebrow got high evaluations about activity-related impressions. Moreover, two principal component (&ldquo;degree of refinement&rdquo; and &ldquo;femininity&rdquo;) were extracted as a result of principal component analysis to evaluation scores. It was found that degree of refinement was likely to be affected by the perceived size of the eyes, and femininity was defined by distance between eyes and eyebrow.
著者
松岡 松三 河辺 明彦 坂上 種男 青木 洋二 田村 康二 今井 哲也 菊田 亮司 大山 芳郎 江口 晃 真島 正 小黒 忠太郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.36-39, 1966-04-10 (Released:2011-02-22)
参考文献数
9

全内臓逆位症に先天性心疾患が合併することは非常にまれといわれている. われわれはEbstein病に全内臓逆位症を合併した症例を経験した. 15才の男子で, チアノーゼ強く, やもり指を認めた. 赤血球増多症のほか生化学的検査などはすべて正常. 胸部X線像は, 定型的右心症陰影. 心電図はP波の増高, および著明な右室肥大所見があつた. 経静脈心血管造影で右室遠位部および肺動脈の造影遅延, 大動脈の早期造影の所見がみられた. 心腔内心電図併用心カテーテルで右房化した近位部右心室が証明されEbstein病と診断された. なお, 大動脈の早期造影は心房中隔欠損のためであつた. Ebstein病は心電図で普通, 右室肥大の所見は示さない. また心内圧は正常または低いのが普通であるが, 本症は右心室圧が高く肺動脈圧が低い, 血行動態上, 肺動脈狭窄の所見を呈していた. これらにつき若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
青木 竜哉 笹野 遼平 高村 大也 奥村 学
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.381-406, 2019-06-15 (Released:2019-09-15)
参考文献数
35

ソーシャルメディアにおいては,辞書に掲載されているような用法とは全く異なる使われ方がされている単語が存在する.本論文では,ソーシャルメディアにおける単語の一般的ではない用法を検出する手法を提案する.提案手法では,ある単語が一般的ではない使われ方がされていた場合,その周辺単語は一般的な用法として使われた場合の周辺単語と異なるという仮説に基づいて,着目単語とその周辺単語の単語ベクトルを利用し,注目している単語の周辺単語が均衡コーパスにおける一般的な用法の場合の周辺単語とどの程度異なっているかを評価することにより,一般的ではない用法の検出を行う.ソーシャルメディアにおいて一般的ではない用法を持つ40単語を対象に行った実験の結果,均衡コーパスと周辺単語ベクトルを用いる提案手法の有効性を確認できた.また,一般的でない用法の検出においては,単語ベクトルの学習手法,学習された単語ベクトルの扱い方,学習コーパスを適切に選択することが重要であることがわかった.