著者
濱生 和加子 青木 克 清水 唯男 内田 貴久
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.403-410, 2000

目的: 特発性顔面手掌多汗症 (多汗症) 患者の心理特性と, 胸腔鏡下交感神経遮断術 (ETS) 後の患者の心理状態を調査し, ETS治療の有効性を検討する。方法: 多汗症患者を対象に, TEG (東大式エゴグラム・第2版), POMS (気分プロフィール検査), MMPI (ミネソタ多面的人格検査) をETS前に施行し3カ月以降に同心理検査とアンケート調査を行なった. 結果: TEGより, 多汗症患者は依存的, 消極的タイプが多いといえるが, 不適応的自我パターンが多いとはいえず, 術後は特に女性で適応的自我パターンに変化した. POMSでは, 多汗症患者に感情的問題が多いとはいえず, 術後に特に男性で気分状態は改善した. MMPIでは,「精神衰弱性」,「偏執性」,「抑うつ性」尺度に高得点を示す症例が多かったが, 術後は減少傾向を示した. 術後アンケートでは, 代償性発汗は全例にみられ, 約40%の患者が日常生活への支障を訴えたが, ETSを受けた患者の約95%は手術治療に対し満足感を表明した. 結論: ETS後, 多汗症患者の自我状態は自己肯定的に変化し, 気分状態も改善するが, 手術適応には, その患者が代償性発汗を受容できるかどうかの見極めが問題となる.
著者
青木 雅子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.3_43-3_51, 2009-09-16 (Released:2011-08-30)
参考文献数
16
被引用文献数
4 2

先天性心疾患患者の小児期におけるボディイメージの形成過程を明らかにすることを目的に,グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した.先天性心疾患をもつ21名の成人患者に,小児期における身体に対する思いを回想してもらった.ボディイメージの形成過程は,もの心ついた時に認識した身体に対するあたりまえさを自分なりのあたりまえさに再構築していく『あたりまえさの創造』であった.【もの心ついたときのあたりまえさ】を基盤にし,友だち社会に進出して認識した身体心理社会的な【不都合さの実感】を,【同化への試み】【ジレンマとの駆け引き】【体内の調整力の発揮】をしながら,【自分らしいあたりまえさの再構築】へと変化修正させていた.体内感覚を頼りにしたボディイメージは,社会的営みを通して自己イメージへと創造されており,身体の適切な理解,他者からの了解,安心,コントロール感の獲得,他者との共軛,理想像との一体感,適応の実感を高めることが安定した自己構築につながると考えられた.
著者
青木 一永
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.135-143, 2020-07-10 (Released:2020-07-10)
参考文献数
23

本稿は,直接的・具体的な体験が重視される幼児教育へのICT 導入の可能性を探るために視察した,深圳市というハイテク産業都市における公立幼稚園の状況を報告するものである.視察した幼稚園では,すべての子どもがウェアラブル端末を腕にはめ,さまざまなバイタルサインや位置情報が把握されていた.また,保育室にはスマートスピーカーや,カメラ付き大型モニター,AI 搭載の小型ロボット,プログラミング教育玩具が置かれ,子どもがそうしたICT を備えた環境に身を置き,かつ,教育として積極的に導入する実態があった.技術的課題や導入効果の検討の必要性等の課題もあるが,ICT 導入に関する先進的な取り組みは,今後の幼児教育分野へのICT導入について示唆を与えるものと言えるだろう.
著者
江木 盛時 黒田 泰弘 山田 亨 山田 博之 山元 良 吉田 健史 吉田 悠平 吉村 旬平 四本 竜一 米倉 寛 和田 剛志 渡邉 栄三 小谷 穣治 青木 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五十嵐 豊 井口 直也 石川 雅巳 石丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今長谷 尚史 志馬 伸朗 井村 春樹 入野田 崇 上原 健司 生塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕子 榎本 有希 太田 浩平 大地 嘉史 大野 孝則 谷口 巧 大邉 寛幸 岡 和幸 岡田 信長 岡田 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥田 拓史 小倉 崇以 小野寺 悠 小山 雄太 鶴田 良介 貝沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 金谷 明浩 金子 唯 金畑 圭太 狩野 謙一 河野 浩幸 菊谷 知也 土井 研人 菊地 斉 城戸 崇裕 木村 翔 小網 博之 小橋 大輔 齊木 巌 堺 正仁 坂本 彩香 佐藤 哲哉 志賀 康浩 土井 松幸 下戸 学 下山 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉田 篤紀 鈴木 聡 鈴木 祐二 壽原 朋宏 其田 健司 高氏 修平 中田 孝明 高島 光平 高橋 生 高橋 洋子 竹下 淳 田中 裕記 丹保 亜希仁 角山 泰一朗 鉄原 健一 徳永 健太郎 富岡 義裕 中根 正樹 冨田 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊田 幸樹年 内藤 宏道 永田 功 長門 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 藤島 清太郎 奈良場 啓 成田 知大 西岡 典宏 西村 朋也 西山 慶 野村 智久 芳賀 大樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 小倉 裕司 細川 直登 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速水 宏樹 原口 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤田 基 藤村 直幸 舩越 拓 升田 好樹 堀口 真仁 牧 盾 増永 直久 松村 洋輔 真弓 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村田 哲平 柳井 真知 松嶋 麻子 矢野 隆郎 山田 浩平 山田 直樹 山本 朋納 吉廣 尚大 田中 裕 西田 修 日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会 松田 直之 山川 一馬 原 嘉孝 大下 慎一郎 青木 善孝 稲田 麻衣 梅村 穣 矢田部 智昭 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻谷 正明 對東 俊介 武田 親宗 寺山 毅郎 東平 日出夫 橋本 英樹 林田 敬 安宅 一晃 一二三 亨 廣瀬 智也 福田 龍将 藤井 智子 三浦 慎也 安田 英人 阿部 智一 安藤 幸吉 飯田 有輝 石原 唯史 井上 茂亮 井手 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲田 雄 宇都宮 明美 卯野木 健 遠藤 功二 大内 玲 尾崎 将之 小野 聡 射場 敏明 桂 守弘 川口 敦 川村 雄介 工藤 大介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下山 哲 鈴木 武志 関根 秀介 垣花 泰之 関野 元裕 高橋 希 高橋 世 高橋 弘 田上 隆 田島 吾郎 巽 博臣 谷 昌憲 土谷 飛鳥 堤 悠介 川崎 達也 内藤 貴基 長江 正晴 長澤 俊郎 中村 謙介 西村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 長谷川 大祐 畠山 淳司 久志本 成樹 原 直己 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松石 雄二朗 松山 匡 峰松 佑輔 宮下 亮一 宮武 祐士 森安 恵実
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, 2020
被引用文献数
2

<p>日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016 年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG) 2016 の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG 2020)の目的は,J-SSCG 2016 と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG 2016 ではSSCG 2016 にない新しい領域[ICU-acquired weakness( ICU-AW)と post-intensive care syndrome(PICS),体温管理など]を取り上げたが,J-SSCG 2020 では新たに注目すべき4 領域(Patient-and Family-Centered Care,sepsis treatment system,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な118 の臨床課題(clinical question:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQ には,本邦で特に注目されているCQ も含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員25 名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226 名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班をJ-SSCG 2016 に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2 回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi 法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,118CQ に対する回答として,79 個のGRADE による推奨,5 個のGPS(good practice statement),18 個のエキスパートコンセンサス,27 個のBQ(background question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQ ごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG 2020 は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。</p>
著者
青木 幸平
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0207, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】張らは人工神経回路網による眼球運動制御モデルを作成する際に,網膜への刺激や頭の傾き(網膜誤差)だけでは人の滑らかな眼球運動が再現できず,外眼筋の求心性情報が重要であると述べている。この眼球運動には頚部の動きが伴う。そこで眼球運動にエラーが生じれば頚部の不良肢位を生じ,頚部由来の痛みや痺れが発生すると考えられる。そのため一般的な体を正中位に改善させるリハビリでなく,外眼筋に着目し治療を行い効果を得られたため以下に報告する。【方法】症例は60代男性。パソコンの使用頻度(左側)が多く座位姿勢は体幹右回旋し頚部左側屈・左回旋位で「まっすぐ座れている」と言語化。座位で右肩甲帯上部から上・前腕外側や母指・示指にかけて痺れがみられ,spurling testでVAS7/10に増強。頚部の右回旋・側屈はC6~Th1の過剰運動が見られた。右上肢は全体的に過緊張。右側のものを中心視野で捉えようとすると若干ずれが生じた。痛みの原因は右回旋・側屈時のC6~Th1の過剰運動が原因と考えられるが,頚部は眼球運動との関連が強い。眼球運動は対象物を中心視野にとどめ見やすくする機能を持つが,長時間の随意的な追視は困難であり,反射が必要である。網膜誤差や外眼筋の伸張感覚により非意識的に外眼筋を制御し追視する反射は,より求心性情報に依存する。これらの求心性情報にエラーが生じた状態では中心視野に対象物を留めにくく不明瞭。そのため運動制御が行われやすい情報を優位にシステムを構築するような代償が生じることが予想される。これらの考えより,長時間の左側作業により外眼筋の内外側で求心性情報に不均等が生じ,網膜情報を中心に眼球を制御するように代償したため右側では外眼筋が働きにくくC6~Th1の過剰運動を引き起こし痺れを生じさせたと考えた。治療肢位は座位。9つに区切られた板を正面より60°に置き,その番号の位置を記憶。閉眼し眼球をセラピストの介助でリーチした手に追随後開眼。リーチした番号と共に手を視野の中心で捉えられているかを確認させた。これを左・右の順番で行った。【結果】spurling testはVAS2/10となり上位頚椎から滑らかな運動が可能となり右上肢の過緊張も軽減した。座位は「真っ直ぐ保ちやすくなった」と言語化し正中位保持が可能となった。【結論】今回の結果より,眼球運動の求心性情報のエラーにより痺れが生じる可能性が示唆された。眼球運動は様々な情報(前庭・網膜・眼輪筋等)の統合により適切な制御が可能となる。反射の制御は伸張反射など四肢のみでなく眼球運動にも存在し,この反射が適切な形で制御されなければ,対象物が動くたびに身体の正中性が崩れるような負の学習がなされる。またこの反射は頭頂・後頭葉により制御されるが,主に随意運動を制御する前頭眼野と小脳を介しシナプス結合が強いことから,随意運動にて反射制御が可能ではないかと考えられた。
著者
青木 一男 田中 寿弥 中山 貴之 井上 功一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
環境工学総合シンポジウム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.451-454, 2009

In recent years, the heat island phenomenon is paid attention. The various method are studied as a heat island measure. Interlocking that at present, used various recycling material as one method to the road surface is developed. The interlocking block is being laid in the sidewalk and parking place. Interlocking that I used to this research can save a rain water into the block, from that is made with a an aperture material unlike usual interlocking. Also, a rain water is able to expect even the effect that easy to penetrate into a foundation and increase cultivation to subterranean water and cause the outflow to subterranean water security and drain controlled. Thereupon, I did examination about the temperature reduction effect by the difference of the specimen with this research.
著者
佐川 敦子 笹原 由雅 鎌形 潤一 青木 仁史 大橋 きょう子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2019

<p>【目的】減塩につながる調味方法としては,食品内部に塩味を拡散させず,食べる直前に食品表面に塩味をつける方法がある。これまでに,うま味や酸味を添加することで塩味強度が強まるという報告はあるが,油を添加した場合の塩味の感じ方についての報告は見当たらない。そこで,油添加に着目し,調製時における塩および油添加タイミングの違いによる塩味の感じ方について検討した。</p><p>【方法】塩および油添加タイミングを変えた飯表面に塩味をつけた試料(塩味表面試料)と,塩水で炊飯した試料(塩味均一試料)の塩むすびモデル系試料を調製した。塩添加量は米重量の1.15 w/w%(飯の0.5w/w%),油添加量は米重量の2.0 w/w%とした。試料の形状測定(マイクロスコープVHX-6000),物性測定(レオナーRE2-33005C)を行った。また,官能評価により,同一塩分濃度下における塩味の感じ方について,呈味強度(塩味,甘味,うま味)および味の好ましさを5段階評点法により評価した。</p><p>【結果および考察】1. 形状測定:米飯対角幅,周囲長,面積において,塩味表面試料は,塩味均一試料よりも高値を示した。2. 物性測定:硬さにおいて,塩味表面試料は,塩味均一試料よりも有意に低値を示した。3. 官能評価:塩味表面試料は,塩味均一試料に比べ塩味強度は有意に高かった。また,炊飯前油添加試料は,炊飯後油添加試料よりも塩味強度は有意に高かった。炊飯前に油を添加し炊飯後に飯表面に塩味を付与すると,塩味の感じ方は強くなることが示唆された。官能評価の塩味強度と物性測定の凝集性および付着性で負の相関が認められた。結果,米飯の凝集性,付着性が小さいほど,塩味強度は高くなることが示唆された。</p>
著者
青木 俊輔 重 尚一
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.99, no.1, pp.5-25, 2021 (Released:2021-02-28)
参考文献数
48
被引用文献数
5

本研究は、空間変動の大きい中高緯度大陸西岸の降水に焦点を当て、全球降水観測計画(GPM)主衛星搭載二周波降水レーダ(DPR)Ku帯降水レーダ(KuPR)およびCloudSat衛星搭載雲レーダ(CPR)を用いてアラスカ南岸の気候学的な降水分布や降水メカニズムについて調査した。高緯度では地表へ落下する降水粒子の相を判別することが降水を評価するうえで不可欠である。海岸線からの距離によって衛星降水プロダクトを分類することで、海岸線を挟んだ海側と陸側で降水特性が大きく異なっていることを示した。沿岸の海上では、地形効果で強化された乱層雲からのCPR反射強度7dBZ以上の比較的強い降水が頻繁にとらえられており、KuPRでもとらえられている。一方、海岸山脈上では、CPR反射強度11dBZ以下の弱~中程度の降雪が頻繁に発生していることが、CPRでとらえられているがKuPRではほとんどとらえられていない。この雪は主に海岸域より移流してきた乱層雲や地形効果を受けて強まった浅い対流雲によってもたらされている。夏季を除いて顕著な降水の日周期変動はなく、さらに夏季の日周期変動の振幅も総降水量と比べると特に海上で小さく、総観規模の水蒸気輸送が年間を通して多くの降水をもたらしていることを示唆している。事例解析と季節解析により、アラスカ湾から到来する温帯低気圧に伴う前線システム及び水蒸気の流れが、海岸沿いで地形によりブロックされて停滞し、沿岸に長く持続した降水をもたらしていることが示された。本研究の結果は、降雨・降雪の両方が発生する地域の降水気候値を評価するには、これら2つのレーダの相補的な情報を用いることが重要であることを示している。
著者
青木 恵美
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.638, pp.87-90, 2011-11-28

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著者
齊藤 桂子 氏家 隼人 蒔苗 剛 櫻井 真梨子 松本 弘紀 青木 健史 宮田 泰子 三笠 祐介 藤井 雅 丸谷 由里子 田中 光郎
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.482-487, 2016-11-25 (Released:2017-11-25)
参考文献数
11
被引用文献数
4

本学歯科医療センター小児歯科外来では,歯科治療の際に特別な対応が必要な心身障害児や不協力児に対して,その患者の治療に対する協力状態により全身麻酔下での歯科治療を選択している。平成21 年1 月から平成27 年12 月までの7 年間に当科を受診し,全身麻酔下での歯科治療を行った症例を対象として実態調査を行い,平成元年の当科の調査結果と比較検討した。1 .症例数と年齢分布:82 名(男性53 名,女性29 名)の患者を対象に,のべ87 回行われた。処置平均年齢は12 歳5 か月であり,過去の報告と同程度であった。2 .患者の内訳:対象患者の51%が障害児・障害者であり,その多くは精神遅滞であり,過去の報告と同様であった。3 .処置内容と処置歯数:1 症例当たりの平均処置歯数は乳歯10.5 歯,永久歯7.6 歯であり,コンポジットレジン充填が乳歯6.8 歯,永久歯5.6 歯で最も多く,過去の報告と同様の傾向を認めた。4 .処置時間:平均処置時間は2 時間13 分であり,過去の報告より処置時間は短縮していた。5 .本県のような面積の広い地域においては,とくに地域の開業医と大学の連携が重要であると考えられた。
著者
武副 札子 平井 和子 西村 弘子 青木 洋子 樋口 寿
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.48-55, 1998-12-31 (Released:2011-01-31)
参考文献数
24
被引用文献数
1

成人男女の健康と食行動に対する認識や排便習慣の実態を検討するために, 25歳から54歳の2, 416名 (男性1, 316名, 女性1, 100名) を対象に質問紙調査を行った.1)「健康と便秘に関連性がある」と答えた割合は, 男性87%で女性の方が93%と多かった (p<0.001).2) 排便が週に3回以下の「便秘傾向」の割合は男性13%に対して女性17%と多く, 毎日排便のある割合は男性71%に対して女性44%と少なかった (p<0.001).3)「健康に適した食生活」を「している」と「大体している」とを合わせた回答数は男性66%で女性の方が83%と多かった (p<0.001).4) 男性の方が女性よりも肉類と魚介類の「多量摂取」が多く, その他の食品群では「少量摂取」が多い傾向がみられ, 摂取頻度に性差がみられた (p<0.01以下).5)「健康に適した食生活に対する意識」と「摂取量」との関連性が総ての食品群で認められた (男女各々p<0.05以下)
著者
青木 幸子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, 2018

<目的><br> 2011年3月11日の東日本大震災から7年が経過した。復興した町や人々の生活の様子が伝えられる中、避難生活を余儀なくさせられて人々もいる。災害遺構の保存が進む一方で、被災地の人々からは災害の風化を懸念する声も聞こえる。被害の爪あとは世代を超えて建物や人の心に受け継がれていく。<br> 家庭科は日々の生活を健康・安全・快適に営むために、実践的・体験的な学習活動により知識・技能の習得とともに、人や環境への影響を考えて自律的に生活を創造していく自立と共生の能力を育成することを目指している。現在、高等学校の約8割が「家庭基礎」を選択しており、4単位から2単位への履修単位減は、衣生活や住生活分野をはじめとした学習内容の削減、実習や交流体験、調べ学習・発表・話し合いなど生徒が主体的に取り組む学習活動の削減となって教育現場に大きな影響を及ぼしている。<br> このような授業時数の制約の中で、筆者は生徒が意欲を持って主体的に学習活動に取り組み、生活を体系的に理解し、学習成果を生活の改善向上に適用していく能力を習得するための一方策としてトピック学習による可能性を示唆してきた。トピック学習は、学習者の興味・関心や生活知を尊重して学習分野を固定せずに内容を構成し、学習者による個別・具体的な学習活動を特徴としている。<br> 本稿は、主に住生活分野で担われている防災対策を複数の分野にわたる取り組みを通して、生活の体系的な理解と多角的なリスク認識の可能性について、高校生を対象とした授業分析を通してトピック学習の効果を検証することを目的とする。<br><方法><br>1.埼玉県立高校Bにおいて、学校長・家庭科教員の承諾を得て、2年生を対象に「家庭基礎」で授業研究を実施した。<br>授業前に「『生活のリスク管理』に関する意識調査」「ひらめき連想調査」を、授業後に「『生活上のリスクを考える』学習終了後の調査」を実施した。3つの調査および調べ学習、発表、相互評価を取り入れた授業中のワークシートなどすべて提出した6クラス205票を有効票とし、分析の対象とした。<br>2. 生涯に起こる可能性のあるリスクのうち高校生に比較的身近なリスクを対象に事前調査を行い、リスクに関する意識について中学生を対象とした先行研究の結果と比較し、特徴や傾向について把握する。<br>3.事前調査およびワークシート、授業後の調査結果を分析し、災害のリスク要因について認識の変化と授業の効果を分析し、トピック学習の可能性について検討する。<br><結果と考察><br>1. 予想される生活上のリスクのうち、高校生は「生活への被害の程度」について10項目すべてが4段階評価で平均値3.0以上であった。自然災害のリスクは3.38と中学生の3.61よりは低かった。しかし、環境問題、インターネット上の問題、健康問題のリスク意識は、中学生を上回っていた。<br>2. 自然災害のリスクに対する備えとして、非常用の水・食料や非常持ち出し袋の準備、避難場所とルートの確認の認識は高かったが、家族での話し合いや防災訓練への参加は若干低かった。<br>3. 授業前の「ひらめき連想調査」において、授業内容に関するキーワードは一人当たり平均6.44個であったが、授業後のキーワードは8.29個であった。キーワードの増加は、災害に関連するリスクへの認識が拡大したことを意味する。また、授業内容を踏まえ、自身が関心のあるリスクを記した者が12名おり、キーワードは一人当たり6.58個であった。<br>4. 授業後の学習内容と学習方法に関する6項目の評価について、「とても効果があった」「やや効果があった」と肯定的にとらえていた生徒は92.7~99.5%であった。<br>5. 生活に根ざした内容と実感的理解を促進する主体的・体験的な学習活動を特徴とするトピック学習の効果が認められた。