著者
馬場 秀夫 是永 大輔 大野 真司 斎藤 純 渡辺 昭博 岡村 健 杉町 圭蔵 辻谷 俊一
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.1010-1013, 1989-04-01

Stage III胃癌治癒切除例49例中15例に,術前OK-432腫瘍内投与を行った.5年生存率はOK-432非投与群の36.5%に比べ,投与群では73.3%と有意に良好であった(p<0.05).術後再発率は投与群27%,非投与群56%であり,投与群に明らかな腹膜再発が認められなかったのに対し,非投与群では58%(11/19)が腹膜再発で死亡した.次に腹膜再発動物モデルを作成しOK-432による腹膜再発予防効果を検討した結果,OK-432腫瘍内投与の場合には腫瘍縮小効果が認められたのみであったが,腹腔内投与と腫瘍内投与を併用した場合には著しい抗腫瘍効果と生存率の延長が得られた.以上よりOK-432腫瘍内投与はStage III胃癌の予後を改善し,さらに今後腹腔内投与の併用により,腹膜再発予防効果が高まる可能性が示唆された.
著者
小川 文夫 馬場 雅志 日浦 慎作 浅田 尚紀
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2010-CG-141, no.6, pp.1-5, 2010-11-01

広島への原爆投下によって発生したきのこ雲の高さについては様々な議論がなされてきた.我々はきのこ雲の写真をその特徴により分類し,爆心地に高さを変えた物体を仮想的に配置し,推定されたカメラ位置からの画像を生成することによりきのこ雲の高さを推定した.その結果,きのこ雲が成長していく過程が確認され,高さは最大で約 16km となることが分かった.推定には様々な誤差を含む要因が考えられるため,推定結果の精度を増すにはさらなる検討が必要である.
著者
馬場 優
出版者
関西学院大学
雑誌
関学西洋史論集 (ISSN:03860043)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.37-50, 2008-03

Albania became independent from Ottoman Empire during the first Balkan War (October 1912-May 1913). This independence owed not only the independent movement of Albanian, but also the diplomacy of the European 6 Great Powers, in particular Austria-Hungary and Italy. They saw that they had the great interest in Albania. The Great Powers hold the "London Ambassadors Conference" on December 1912 to consult about the end of the Balkan War. The Conference decided in the name of the "Europe" that (1) Albania would be autonomous and neutral state and (2) Austria-Hungary and Italy should submit the general opinion about the Albanian organization to the Conference. For Austria-Hungary, Albania was the one of the important factor in the Balkan policy. In the end of the 19th Century we can find the same standpoint. In 1896 the policy-makers in Austria-Hungary decided that Albania should be autonomous state if man can not be maintain the territorial integration of Ottoman Empire in the Balkan, and they should be cooperate with Italy in order to take this policy. Albania was bulwark against the extension of Serbia and a wedge between Montenegro and Serbia. Austria-Hungary and Italy could accord the Albanian policy since 1897. So the attitude of the Austria-Hungary in 1912 was an extension of the traditional Balkan policy. The Autonomous Albania was for Austria-Hungary the bulwark against the expansion of Serbia, in particular advance to the Adriatic Sea. Austria-Hungary thought that Albania had to have the sovereignty in order to make Albania of independent state. Austria-Hungary and Italy started the consultation on the Albanian organization on December 1912 and finally they submitted to the Ambassador Conference on July 1913. The matter was; (1) Albania would be a principality whose prince was elected by the Great Powers. (2) The neutrality of Albania would be guaranteed by the 6 Great Powers. (3) The International Control Committee which consisted of 6 delegates of the Great Powers and 1 Albanian would work the civil and financial administration for 5 years. (4) The international gendarmerie would work the public order. Though the term of the action of the International Control Commission was changed to 10 years, this proposal was generally approved in the Ambassador Conference on 29th July 1913.
著者
久保 慎也 二宮 順一 森 信人 馬場 康之 水谷 英朗 久保 輝広 内山 雄介 渡部 靖憲 山田 朋人 大塚 淳一 猿渡 亜由未
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_487-I_492, 2016
被引用文献数
1

台風イベント時の水温躍層の破壊・再形成のプロセスに着目して,観測データの解析を行うことでプロセスの経過について検討した.水温躍層は水域内の流動に大きな影響を与え,水質問題が生じる要因にもなるため,詳細な現象の把握が求められている.そこで本研究では,台風イベント時の観測データからブラント・バイサラ振動数およびリチャードソン数を算出し,成層の安定性を評価した.その結果,密度成層期には,まず高波浪により成層の安定が崩され強風により更に不安定さが促進されるという仮説を得た.また,混合期は成層が不安定で,台風接近前からシア流の不安定が生じていて混合が生じていることがわかった.これらの結果を踏まえて,更にTS図を作成し混合期の水塊の特性を評価した.
著者
野溝 万吏 馬場 長 鈴木 彩子 山西 恵 山口 綾香 角井 和代 松村 謙臣 吉岡 弓子 近藤 英治 佐藤 幸保 濱西 潤三 小阪 謙三 万代 昌紀 小西 郁生
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.40-45, 2013

子宮びまん性平滑筋腫症は,無数の小さな筋腫結節が粘膜直下の子宮筋層にびまん性に増生する病態を呈し,特殊な発育様式をとる子宮筋腫に分類される.小筋腫は往々にして100個を超えて筋層内および粘膜下に発育し,高度の過多月経や月経痛を生ずるため,手術や薬物治療が必要となる.20~30歳代の女性に好発することが知られており,妊孕性を保った管理法が求められるが,従来の核出術では多数の筋腫を核出することは容易でなく,術後すぐに再発することが多い.今回,われわれは高度貧血をきたす子宮びまん性平滑筋腫症を認め,また妊孕性温存を希望する姉妹の例を経験した.いずれも術前に長期間の偽閉経療法を行った後に,子宮を半割し小筋腫核を可能な限り核出することで,術後長期にわたって過多月経や月経痛を伴うことなく経過観察が可能であり,1例では術後に生児を得た.実母も若年から多発子宮筋腫を発症し,同症であった可能性が高く,同症が家族性に発症することが示唆される.今後の症例集積により病態解明および若年患者の管理法がさらに確立することが期待される.〔産婦の進歩65(1):40-45,2013(平成25年2月)〕
著者
大前 友哉 白木 厚司 中山 弘敬 角江 崇 下馬場 朋禄 伊藤 智義
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 39.14 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.19-22, 2015-03-07 (Released:2017-09-22)

ペーパークラフトとプロジェクションマッピングの技術を用いて,大型地球儀を製作する.投影対象を製作する際,ペーパークラフトの技術を用いることで球体を立体から平面に変換可能となり,平面にすることで可搬性が高まる.基礎研究として20cmの球体をペーパークラフトで製作し,地球儀の映像を投影した.また,Kinectを用いることでジェスチャを検知し,地球儀が回転する映像を投影することができた.可搬性についても検証を行い,ペーパークラフトで製作した球体と実物の大型地球儀を比較し,ペーパークラフトで製作した球体の方が優れていることが確認できた.
著者
國井 乙彦 齋藤 厚 熊澤 淨一 荒田 次郎 松田 静治 大石 正夫 馬場 駿吉
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雑誌 (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.655-664, 1995

新しく開発された経口ペネム系抗生物質TMA-230を各科領域の細菌感染症を対象として, 100mg1日3回投与を中心に, 有効性・安全性を検討した。呼吸器感染症では, 100mg1日2回から200mg1日3回投与を行った (1日投与量200~600mg)。急性気管支炎では全例有効で, 細菌性肺炎では90%に近い有効率が得られたが, 慢性気道感染症での有効率は56.7%であった。また, 細菌学的効果では主要起炎菌のうち<I>Staphylococoamus</I>や<I>Streptococcus pneumoniae</I>では80%以上の菌消失率であったが, <I>Haemopmus influenzae</I>に対しては9.1%(1/11) と低く, 不十分な成績であった。尿路感染症および皮膚科, 産婦人科, 眼科, 耳鼻咽喉科領域感染症では100mg1日3回投与で満足できる臨床効果および細菌学的効果が得られた。自他覚的副作用発現率は13.2%(28/212) で, 特に下痢・軟便, 悪心・嘔吐など消化器症状の発現頻度が9.9%(21/212) と高かった。臨床検査値異常の発現頻度は8.0%(17/212) で, GOT, GPT, Al-P上昇の肝機能異常が主なもので, すべて一過性の変動であった。
著者
馬場園 陽一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.27-36, 1979-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
15

本研究の目的は, いくつかのカテゴリーを含むリストの単一試行再生学習において, リハーサルが直後再生と最終一括再生でいかなる効果をおよぼすかを発達的に検討することであった。直後自由再生 (IFR) では再生量と群化量が測定され, 最終一括制限再生 (FCR) ではカテゴリーごとの制限再生が用いられ, 再生量が測定された。被験者は小学3年生 (実験I) と大学生 (実験II) で, Overtリハーサル (O) 群, Covertリハーサル (C) 群およびMinimalリハーサル (M) 群の3条件に割りあてられた。記銘材料は8カテゴリーから選定された事物線画であり, 1リスト20項目に4カテゴリーが含まれた。なお, 実験Iでは2リスト, 実験IIでは4リストが用いられた。主な結果は以下の通りであつた。IFR: 再生量に関してはどの年齢でもO群とC群がM群よりも優れ, O群とC群の間に有意な差はなかつた。しかし, 系列位置でO群とC群を比較すると, 新近位置と初頭位置で発達差がみられた。すなわち, 小学3年生は新近位置でO群がC群より優れ, 初頭位置でその逆の結果を示したが, 大学生のO群とC群はどの位置でも非常に類似した曲線を示した。群化量に関しては, 大学生ではO群とC群がM群より優れていたが, 小学3年生では 3群間に差はみられなかった。また大学生は小学3年生より優れた群化量を示した。FCR: 全ての群の系列位置曲線は初頭位置で最も高く, 新近位置で最も低かった。どの年齢でもO群とC群はM群よりも優れ, O群とC群の間に差はみられなかった。IFRとFCRの再生量を系列位置ごとに比較すると, 小学3年生でIFRよりFCR の中央位置の成績が優れたが, 逆に新近位置ではどの年齢でもIFRの成績が優れ, FCRで負の新近性効果がみられた。これらの結果から以下のことが示唆された。(1) リハーサル活動によってIFRとFCRに初頭性効果がみられた。これはLTSの成分を表している。(2) 大学生はカテゴリー情報を有効に利用する精緻化リハーサルを行うが, 小学3年生は単なる項目の反復にすぎない維持的リハーサルを行う。(3) これまでの無関連語リストで負の新近性効果がみられたのと同様に, カテゴリーを含んだリストの制限再生でもそれが見出された。
著者
佐藤 誠 岡安 二郎 水野 浩之 馬場 茂雄 平山 雅之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.114, pp.67-74, 2001-11-21
参考文献数
4
被引用文献数
1

近年、コンポーネントを利用したソフトウェア開発が増加している。コンポーネントを利用したソフト開発では、ソフト開発者にとって、システムの開発がしやすい(利用性が高い)コンポーネントを選択することがポイントとなる。本稿では、ソフト開発を行うコンポーネント利用者の視点から、コンポーネント利用性を評価することを目的とするコンポーネント利用性評価手法を提案する。提案する手法は、?プログラマのコンポーネント利用方法の分析をもとに「コンポーネント選定時の機能把握容易性」「コンポーネント利用時の実装作業容易性」などの副特性から構成される評価モデルを定義し、?ソースコードを持たないブラックボックス・コンポーネントに対して、ソースコード以外から取得できる限られた情報を用いてこれらの副特性を計測するメトリクスを設定するといった特徴を持つ。また、この手法の有効性確認を目的とした適用評価実験を行った結果、コンポーネントの利用性について、提案する手法(定量評価手法)と実際の作業者のコンポーネント利用時の印象(定性評価)はよく一致することが確認できた。これより本稿で提案するコンポーネント利用性評価手法が有効であることが確認できた。Recently, software components have been used widely used in software development. In the component based software engineering, it is especially important to evaluate usability of software components. In this paper, we discuss the usability evaluation method for software components, which is composed of usability evaluation viewpoints and their evaluation metrics. The proposed method has following features; 1) Software component usability evaluation model based on the way of using software components by programmers. 2) The technique that make it possible to evaluate black-box software component by using information except for its source code. From our application experiment, we confirmed the effectiveness of proposed method. That is, with using proposed method, we can evaluate the usability of software components effectively.
著者
Beppu Toru Ishiko Takatoshi Chikamoto Akira Komori Hiroyuki Masuda Toshiro Hayashi Hiromitsu Okabe Hirohisa Otao Ryu Sugiyama Shinichi Nasu Jiro Horino Kei Takamori Hiroshi Baba Hideo ベップ トオル イシコ タカトシ チカモト アキラ コモリ ヒロユキ マスダ トシロウ ハヤシ ヒロミツ オカベ ヒロヒサ オオタオ リュウ スギヤマ シンイチ ナス ジロウ ホリノ ケイ タカモリ ヒロシ ババ ヒデオ 別府 透 石河 隆敏 近本 亮 小森 宏之 増田 稔郎 林 洋光 岡部 弘尚 太田尾 龍 杉山 眞一 那須 二郎 堀野 敬 高森 啓史 馬場 秀夫
出版者
H.G.E. Update Medical Publishing Ltd.
雑誌
Hepato-Gastroenterology (ISSN:01726390)
巻号頁・発行日
vol.59, no.114, pp.542-545, 2012-03

Background/Aims: To clarify the clinical benefits of the maneuver in right-side hepatectomy. Methodology: Eighty-one patients with liver tumor (54 hepatocellular carcinoma, 17 metastatic liver tumor and 10 other tumors) treated with a right-side hepatectomy were prospectively analyzed. The patients were divided into the following three groups: a conventional approach (group A, n=21); liver dissection under the hanging maneuver after liver mobilization (group B, n=19) and liver dissection under the hanging maneuver prior to liver mobilization (group C, n=41). Results: The liver hanging maneuver was safely performed in all the patients in groups B and C. Tumor size had a significantly positive correlation with the amount of intraoperative blood loss (R=0.52, p<0.05) in group A only. The patients in groups B and C had a significantly lower intraoperative use of blood loss (both p<0.01), operation time (p<0.05 and p<0.01) and the frequency of blood product (both p<0.05), in comparison to group A, respectively. The postoperative morbidity and the mortality rates were similar in the three groups. Conclusions: Liver hanging maneuver is a safe procedure, which can decrease intraoperative blood loss and administration of blood product in right-side hepatectomy.
著者
姜国臻 新田 直子 馬場口 登
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.27, pp.127-132, 2008-03-10
参考文献数
7

映像編集は一般に,素材映像から選択されたショットの並び替えにより実現される.本研究では事例映像である専門家により制作された編集映像とその素材映像から学習した編集技術に基づいた自動映像編集を目指す.まず,編集映像を構成するショットを,ショット長,動き,輝度といった画像特徴量の量子化に基づきシンボル化し,その時系列パターンを隠れマルコフモデル (HMM) により学習する.また,編集映像において連続するショットの素材映像における相対位置分布を求める.次に,学習した HMM によりシンボル列を生成し,ユーザから与えられた素材映像を構成するすべてのショットに対して算出した各シンボルへの適合度,及び相対位置分布に基づき,各シンボルに最適なショットを選択することにより,編集映像のショット列を生成する.本稿では事例映像としてアクション映画の予告映像と本編映像を用い,一本の本編映像に対する映像編集により提案手法を評価した.Video editing is generally realized by arranging video segments selected from raw footage. Considering professionally edited videos and their original footage as example videos, our aim is to automatically edit a raw footage based on the editing techniques learned from example videos. The proposed method firstly represents each shot constituting the edited videos by a symbol based on the image features such as shot length, motion, and bright ness, and learns the shot temporal sequence pattern by Hidden Makov Model (HMM). For each set of consecutive shots in edited videos, the distribution of their relative positions in the original footage is also obtained. Then, a symbol sequence, which constructs an edited video, is generated by the learned HMM, and according to symbol compatibilities of all shots in raw footages and the position distribution, we select the most appropriate shot for each symbol. In this paper, we used action movies as the example videos and evaluated our approach by editing an original movie.