著者
高橋 洋成
出版者
一般社団法人 日本オリエント学会
雑誌
オリエント (ISSN:00305219)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.28-46, 2005 (Released:2010-03-12)
参考文献数
18

Semitic morphology has been a “puzzle” for linguists. The aim of this paper is to clarify the morphological nature of Semitic “root” and “pattern, ” and to define them from general linguistic point of view.The main function of the Semitic root is to dynamically mediate between a word and a new word derived from it by carrying over the meaning and consonantal structure of the former to the latter. Linguistically speaking, the element which has this function should be called a base. Hence the Semitic root can be regarded as a sort of base consisting of consonants only.The Semitic pattern has a structure predictable by a phonological rule, i. e. the syllabification rule (Goldsmith 1990). In the CV-skelton formulated by the syllabification rule, consonantal elements, such as radicals (each consonant of the root) and some derivational affixes, and vocalic elements are arranged according to their morphophonemic motives. This method reveals the synthetic structure of derived words, which has been overlooked by the traditional analytic approach.
著者
高橋 洋子 佐藤 恵美子 荒井 冨佐子 村山 篤子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.14, pp.52, 2002

2002年4月、新潟(N:n=115)と東京(T:n=128)で大学生にアンケートを行った結果、サトイモについて以下のこと判明した。(1)嗜好:N·Tともに、「かなり好き」と「どちらともいえない」が約30∼35%で伯仲。(2)摂食頻度:N·Tともに、「月1∼2回」が約50%。(3)「季節によって、食べる頻度に差がある」のは、Nで37.4%、Tで17.2%。実家で芋類を栽培しているのが、Nで34.8%、Tでは7.0%であったことを反映していると考えられた。(4)サトイモ料理について、顕著な地域差がみられた。N·Tともに煮付け類が80%を超えたものの、Nでは郷土料理の「のっぺ」73.9%、「のっぺい汁」「みそ汁」「おでん」の3品目が30%代で続くのに対し、Tで30%を超えていた品目は、「けんちん汁」66.4%と「豚汁」47.7%のみであった。
著者
大島 堅一 植田 和弘 稲田 義久 金森 絵里 竹濱 朝美 安田 陽 高村 ゆかり 上園 昌武 歌川 学 高橋 洋 木村 啓二 櫻井 啓一郎
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

日本の地域分散型エネルギーシステムへの移行には次の方策が必要である。第1に経済性向上のための対策が必要である。分散型エネルギーの経済性を高めるには、技術革新と制度改革とを並行して進める必要がある。第2に、分散型エネルギー中心の電力システムに改革するには、変動電源の安定化やデマンド・レスポンスなどの対策を効果的に講じなければならない。第3に、政策転換の不確実性の克服である。この際、集中型エネルギーシステムと分散型エネルギーシステムとの間で政策的バランスを取る必要もある。第4に、公正かつ中立的な電力市場をつくる必要がある。
著者
江⽊ 盛時 ⼩倉 裕司 ⽮⽥部 智昭 安宅 ⼀晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 ⿊⽥ 泰弘 ⼩⾕ 穣治 志⾺ 伸朗 ⾕⼝ 巧 鶴⽥ 良介 ⼟井 研⼈ ⼟井 松幸 中⽥ 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升⽥ 好樹 松嶋 ⿇⼦ 松⽥ 直之 ⼭川 ⼀⾺ 原 嘉孝 ⼤下 慎⼀郎 ⻘⽊ 善孝 稲⽥ ⿇⾐ 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻⾕ 正明 對東 俊介 武⽥ 親宗 寺⼭ 毅郎 東平 ⽇出夫 橋本 英樹 林⽥ 敬 ⼀⼆三 亨 廣瀬 智也 福⽥ ⿓将 藤井 智⼦ 三浦 慎也 安⽥ 英⼈ 阿部 智⼀ 安藤 幸吉 飯⽥ 有輝 ⽯原 唯史 井⼿ 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲⽥ 雄 宇都宮 明美 卯野⽊ 健 遠藤 功⼆ ⼤内 玲 尾崎 将之 ⼩野 聡 桂 守弘 川⼝ 敦 川村 雄介 ⼯藤 ⼤介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下⼭ 哲 鈴⽊ 武志 関根 秀介 関野 元裕 ⾼橋 希 ⾼橋 世 ⾼橋 弘 ⽥上 隆 ⽥島 吾郎 巽 博⾂ ⾕ 昌憲 ⼟⾕ ⾶⿃ 堤 悠介 内藤 貴基 ⻑江 正晴 ⻑澤 俊郎 中村 謙介 ⻄村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 ⻑⾕川 ⼤祐 畠⼭ 淳司 原 直⼰ 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松⽯ 雄⼆朗 松⼭ 匡 峰松 佑輔 宮下 亮⼀ 宮武 祐⼠ 森安 恵実 ⼭⽥ 亨 ⼭⽥ 博之 ⼭元 良 吉⽥ 健史 吉⽥ 悠平 吉村 旬平 四本 ⻯⼀ ⽶倉 寛 和⽥ 剛志 渡邉 栄三 ⻘⽊ 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五⼗嵐 豊 井⼝ 直也 ⽯川 雅⺒ ⽯丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今⻑⾕ 尚史 井村 春樹 ⼊野⽥ 崇 上原 健司 ⽣塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕⼦ 榎本 有希 太⽥ 浩平 ⼤地 嘉史 ⼤野 孝則 ⼤邉 寛幸 岡 和幸 岡⽥ 信⻑ 岡⽥ 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥⽥ 拓史 ⼩倉 崇以 ⼩野寺 悠 ⼩⼭ 雄太 ⾙沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 ⾦⾕ 明浩 ⾦⼦ 唯 ⾦畑 圭太 狩野 謙⼀ 河野 浩幸 菊⾕ 知也 菊地 ⻫ 城⼾ 崇裕 ⽊村 翔 ⼩網 博之 ⼩橋 ⼤輔 ⿑⽊ 巌 堺 正仁 坂本 彩⾹ 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下⼾ 学 下⼭ 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉⽥ 篤紀 鈴⽊ 聡 鈴⽊ 祐⼆ 壽原 朋宏 其⽥ 健司 ⾼⽒ 修平 ⾼島 光平 ⾼橋 ⽣ ⾼橋 洋⼦ ⽵下 淳 ⽥中 裕記 丹保 亜希仁 ⾓⼭ 泰⼀朗 鉄原 健⼀ 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨⽥ 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊⽥ 幸樹年 内藤 宏道 永⽥ 功 ⻑⾨ 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成⽥ 知⼤ ⻄岡 典宏 ⻄村 朋也 ⻄⼭ 慶 野村 智久 芳賀 ⼤樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速⽔ 宏樹 原⼝ 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤⽥ 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀⼝ 真仁 牧 盾 增永 直久 松村 洋輔 真⼸ 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村⽥ 哲平 柳井 真知 ⽮野 隆郎 ⼭⽥ 浩平 ⼭⽥ 直樹 ⼭本 朋納 吉廣 尚⼤ ⽥中 裕 ⻄⽥ 修
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
pp.27S0001, (Released:2020-09-28)
被引用文献数
1

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG2016)の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG2020)の目的は,J-SSCG2016と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG2016ではSSCG2016にない新しい領域(ICU-acquiredweakness(ICU-AW)とPost-Intensive Care Syndrome(PICS),体温管理など)を取り上げたが,J-SSCG2020では新たに注目すべき4領域(Patient-and Family-Centered Care,Sepsis Treatment System,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な117の臨床課題(クリニカルクエスチョン:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQには,日本国内で特に注目されているCQも含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員24名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班を2016年版に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,117CQに対する回答として,79個のGRADEによる推奨,5個のGPS(Good Practice Statement),18個のエキスパートコンセンサス,27個のBQ(Background Question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG2020は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。
著者
榊原 啓 肥田野 等 土屋 整也 福井 明 高橋 洋平
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.73, no.7, pp.968-973, 1984-07-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

播種性コクシジオイデス症の1例を経験した.症例は47才,男性で,昭和57年7月23日頃より38°C以上の発熱あり,近医にて加療するも不変のため, 7月30日本院受診し入院した.入院時胸部写真で,右上縦隔および右肺門リンパ節の腫大,右上葉のスリガラス様陰影を認めた.当初肺炎と診断し,各種抗生物質,抗結核薬を投与したにもかかわらず, 39°C以上の発熱が1カ月以上続いた. 8月中旬より右鎖骨上窩にリンパ節を触知し,母指頭大に腫大したため, 9月8日生検した.この結果コクシジオイデス症の疑いが濃厚となつた.なお,この生検部が一時外瘻化し膿汁が出現したため,これを培養した所, Coccidioides immitisと定し得た. 9月14日よりアンホテリシンBと5-FCの併用療法を行なつたが,無効のため, 10月1日よりMiconazoleとKetoconazoleに変更した.変更後2週間で下熱し,血沈も改善した.一時肺炎を合併したが経過は順調で12月16日MiconazoleとKetoconazoleを中止した.コクシジオイデス症は難治性疾患で,特に播種性コクシジオイデス症の半数は死亡するとされている.本症は北中南米にみられる疾患で,他地域には殆どみられない本邦では1927年に榊原らが朝鮮人労働者の1例を報告しているにすぎず,本症例は日本人として第1例目である.
著者
泉田 喜一郎 椎屋 和久 高橋 洋海 デルウィシュ サラハ
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.122, no.3, pp.498-505, 2002-03-01 (Released:2008-12-19)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

This study is concerned with detection of objects in motion from time serial pictures of a 6-D. of freedom motion monocular camera. As a point in real space throw an image on corresponding pixels of time serial pictures. So to solve this problem to find out the corresponding algorithm is essential. In this paper we proposed a new method of the detection of motion objects based on compensating background image shift caused by camera rotation and translation. The main point of this idea is, to take two pictures by the passive sensor (CCD camera) in two different times tk and tk+_??_ while the platform is moving, by correcting them rotationally (also called vertical rectification) the rotation disparity will be excluded, and we get two parallel frames that will be matched through their histograms for the translation-distortion extraction.
著者
大島 堅一 上園 昌武 木村 啓二 歌川 学 稲田 義久 林 大祐 竹濱 朝美 安田 陽 高村 ゆかり 金森 絵里 高橋 洋
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

1.システム改革と市場設計に関する研究:電力システム改革の背景にあるエネルギー転換や世界的なエネルギー政策の構造改革について調査し、日本の状況との比較検討を行った。また、エネルギー転換の一環として世界的に盛り上がる国際連系線について、電力システム改革の観点から研究した。2.地域分散型エネルギーの普及、省エネルギーの促進政策研究:地域分散型エネルギーの普及については、特に欧州の国際連系線の潮流分析や市場取引状況について定量的評価を行なった。また国内の系統連系問題に関して主に不適切なリスク転嫁の観点から、参入障壁について分析を行った。 省エネルギーの促進政策の研究については、対策技術種類と可能性、対策の地域経済効果、技術普及の際の専門的知見活用法について検討した。3.新しいビジネスと電力会社の経営への影響に関する研究:電力の小売全面自由化の影響にいて整理・分析し、その研究成果の一部を「会計面からみた小売電気事業者の動向」として学会報告した。加えて2020年4月からの発送電分離と小売部門における規制料金の撤廃の電力会社の経営面に与える影響について制度面ならびに国際比較の観点から分析を行った。4.エネルギーコストに関する研究:昨年度の研究成果を踏まえて、風力発電事業者複数社等への追加ヒアリング調査を行い、疑問点の解決を図った。加えて、原子力のコストについて、現時点での新たな知見に基づく再計算と、電力システム改革下における原子力支援策についての分析を行った。5.経済的インパクトに関する研究: 2005年版福島県産業連関表を拡張し、再生可能エネルギー発電部門を明示化する作業を行い、拡張産業連関表の「雛形」を完成させた。これを福島県の実情を反映したものにするための準備作業として、風力、太陽光、小水力、バイオマス、地熱の業界団体・専門家に対してヒアリングを行った。
著者
高橋 洋平 田中 優 甲斐 由佳 平野 浩紀 中谷 貴美子 伊藤 悟志
雑誌
高知赤十字病院医学雑誌 = Medical Journal of Kochi Red Cross Hospital (ISSN:09197427)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.49-55, 2018-03

処女膜閉鎖症は,尿生殖洞の発生異常により生じる比較的稀な疾患として知られている.症例は11 歳女性.初経は未発来.持続する下腹部痛を主訴に来院し,MRI にて腟留血腫を認め,手術時に外陰部の視診で腟口の閉鎖と閉鎖部位に薄い膜が膨隆しており診断に至った.処女膜切開,貯留血の排出を行い,切開部位の縫合を行った.術後は子宮・腟形態の回復を認め,月経も発来しており順調に経過している.本邦での発生例184 例の文献的考察を加えて報告する.

2 0 0 0 OA 2.Q熱

著者
渡辺 彰 高橋 洋
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.11, pp.2406-2412, 2007 (Released:2012-08-02)
参考文献数
6

Q熱は,リケッチア類似のCoxiella burnetiiによる肺炎や気管支炎等の総称であり,一過性熱性疾患である.欧米では市中肺炎の第4~5位を占めており,血清抗体価の有意上昇で診断する.無治療でも死亡率は1~2%と予後良好であるが,一部に遷延例や慢性型もあるので確定診断例や強い疑いの例では積極的に治療する.偏性細胞内寄生性の本菌にβ-ラクタム薬は無効であり,テトラサイクリン薬やマクロライド薬,キノロン薬が奏効する.
著者
藤林 紀枝 山上 遥那 高橋 洋子 髙清水 康博 齋藤 暁史 Fujibayashi Norie Yamakami Haruna Takahashi Yoko Takashimizu Yasuhiro Saitoh Akifumi
出版者
新潟大学教育学部
雑誌
新潟大学教育学部研究紀要 自然科学編
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.113-123, 2019-03

月の高度簡易測定器「ツクヨミ」を作成し,方位磁石とともに用いて月の形と移動経路を測定する実習を実施した.小・中学校の学習内容である「月の満ち欠け」,「地球から見た月の動き」,「月と太陽と地球の位置関係」,および「月の運動(公転)と見え方」は,小学校理科の学習項目の中で「教える自信」のない項目の1つである.本研究では,教育学部理科教育専修の2年次学生の授業で,月の高度簡易測定器「ツクヨミ」を新たに作成し,それを用いて1ヶ月間のうち6日の月の観測をさせた.そのデータを基に,月と太陽と地球の位置関係と月の運動(公転)について図示させたところ,系統的に高めの数値を記録した者が数名あったが,測定者ごとの月の移動経路はほぼ弧を描き,有益な結果を得ることができた.授業では他に,ボールとライトを用いた月の満ち欠け実験と,月齢カレンダーを用いた月の形と月の出・入時刻の規則性の調べ等を行った.その結果,授業前は位置関係と地球から見た月の形と出入り時刻の相関性が分かっていた学生が18.2%だったのに対し,授業後は理解度が大きく上昇し81.8%となった.記述からは,月と太陽と地球の位置関係の理解において,視点の転換だけでなく,地球の自転による時刻の変化と,北から俯瞰した時の(観察者にとっての)方角の概念が欠けやすいことが明らかになった.そして,特に中学生以降の観察や観測の機会の少なさが,理解度を減少させる原因の1つとなっている可能性が指摘される.「ツクヨミ」のような簡易測定器を用いて月の位置を数値化し,科学的思考に発展させることが今後重要となるであろう.
著者
高橋 洋子 安藤 友里恵 山口 智子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成25年度(一社)日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.152, 2013 (Released:2013-08-23)

【目的】 新潟県内の家庭で親しまれてきた郷土料理のうち、これまで研究の対象にされたことが殆どなかった‘くじら汁’に着目した。地域や世代による喫食経験や喫食状況を明らかにするとともに、その背景について検討することを目的とした。【方法】 2012年10~12月に、新潟県内在住の男女を対象にアンケート調査を行い、868名の回答を年代・性別・居住地域に分けて分析した。【結果】 ‘くじら汁’について、新潟県内の次のような状況が明らかになった。(1)認知・喫食状況:認知度・喫食経験度とも若い世代ほど低く、70歳以上では全員が「食べたことがある」のに対し、19歳以下では認知度が48%・喫食経験度は21%であった。なお、喫食回数は全ての年代で減少傾向にあり、喫食経験者の62%が「以前に比べて食べる回数が減った」と回答した。これらのことから、鯨肉の流通状況の変化が‘くじら汁’の認知・喫食状況に影響を及ぼしている様子が示唆された。(2)嗜好性:性別では男性に、年齢では年代が高いほど、好まれる傾向にあった。独特のにおいと油っぽさ、食感などにより、好き嫌いが分かれ、喫食経験者のうち「好き」は46%、「嫌い」は24%であった。(3)具材と喫食時期:塩くじらのほか、新潟市周辺では‘なす’、中越地方では‘ゆうがお’が多く使われ、夏に食す人が多かった。一方、下越地方の阿賀町では‘うるい’(山菜)を使用し、春に食す人が多くみられ、地域による使用具材の特徴と、それを反映した喫食時期が明らかになった。今後は、他県の‘くじら汁’と比較するなどして、新潟県の郷土料理としての‘くじら汁’の実態を明らかにしていきたい。
著者
和氣 愛仁 矢澤 真人 宇陀 則彦 永井 正勝 高橋 洋成
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、資料画像にテキスト情報を付与し、画像から文字あるいは単語等のテキストデータを検索できるようなシステム(「アノテーション付与型画像データベースシステム」)について、さまざまな人文学資料を共通の枠組で扱うことを可能にするために、共通のユーザインターフェイスと標準的なデータ構造モデルを作成し、汎用データベースプラットフォームシステムを構築した。本研究ではこのプラットフォームを利用し、古代エジプト語神官文字パピルス資料、明治期日本語文典資料、古代シュメール・アッカド語楔形文字年度版資料のデータベースを構築した。
著者
青山 庄 樋上 義伸 高橋 洋一 吉光 裕 草島 義徳 広野 禎介 高柳 尹立 赤尾 信明 近藤 力王至
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.93, no.5, pp.312-321, 1996-05-05
被引用文献数
6

1994年春,ホタルイカを内臓ごと生食後に旋尾線虫幼虫type Xによると思われる急性腹症を呈した10例を経験した.症状では,全例に腹痛,9例に嘔気・嘔吐,4例に下痢,6例に腹水を伴った腸閉塞と1例に皮膚爬行疹を認めた.検査所見では,経過中において,全例に末梢血の好酸球増多,9例に血清IgE値増加が認められた.ホタルイカ内臓の約3%に旋尾線虫幼虫type Xが寄生しているとの報告から,その抗体価を測定したところ,9例中7例で陽性を示した.1例では,腹膜炎の診断で回腸部分切除術が行われ,組織学的に,局所的なびらんと粘膜下層内に著明な好酸球とリンパ球浸潤を伴う炎症所見が認められたが,9例は保存的治療で軽快した.
著者
柳瀬 康二 高橋 洋一 柳内 進吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.293, pp.15-18, 2009-11-12

インメモリ処理技術を中心に置いて開発されたデータウェアハウス用DBエンジン「EXASOL(エクサソル)」には、クラスタリング、列ベースのデータ格納、データ圧縮、自動インデクス作成機能などのアーキテクチャも採用されている。これらの技術により、EXASOLはTPC-Hのデータ量で区分されたいくつかのカテゴリにおいて第1位のパフォーマンスをマークした。本稿では、データベースの性能向上に寄与する高速化技術に加え、構築・運用の容易性、および高可用性のためのフェールオーバー機能についても言及する。
著者
石橋 悟 小林 道生 小林 正和 佐々木 功 高橋 邦治 高橋 洋子 市川 宏文 古田 昭彦 石井 正 久志本 成樹
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.737-742, 2014-12-31 (Released:2015-01-24)
参考文献数
2

東日本大震災後,緊急被ばく医療の体制強化が重要な課題となった。原子力発電所所在地域を支える災害拠点病院である当院の緊急被ばく医療に対する取り組みを報告する。2002年4月に「緊急被ばく医療マニュアル」を作成し,同時に緊急被ばく医療チームを結成した。院内研修会,緊急被ばく傷病者受け入れ訓練を継続的に実施し,実際の管理区域内労働災害傷病者もほぼ毎年受入れた。原子力安全研究協会主催の緊急被ばく医療研修は2012年度までにのべ280名の職員が受講した。2002年度から,地域を越える広域対応のために宮城地区被ばく医療ネットワーク会議に参加するとともに,2008年度には,当院独自のネットワークを基本として石巻地区被ばく医療ネットワーク会議を立ち上げ,地域の緊急被ばく医療体制を構築した。実効性のある緊急被ばく医療を提供するには,職員の放射線に対する知識習得に加えて,緊急被ばく医療を災害医療の重要な一領域と捉え,最悪の事態は必ず起こるという現実的危機をもった広域の体制作りが肝要と思われる。
著者
高橋 洋成
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.6, pp.1-7, 2013-07-27

本報告は,紀元前 14 世紀のエジプトとパレスチナとの間でやり取りされた書簡 (アマルナ文書) の電子化について,これまでの経緯,現状および将来の展望について報告する.具体的には,TEI/XML を利用して画像・文字・翻字・言語解釈の各データを有機的に関連付ける方法と,作成されたデータを開かれた言語研究のネットワーク (LLOD) に参加させていく必要性について述べる.This paper describes the background and current approach to the digitalization of Amarna letters, most of which were diplomatic documents between Egypt and Palestina in 14 BCE. Using TEI/XML, images, cuneiforms, transliteration and linguistic analysis are systematically combined, which in turn are intended to contribute to the open network of linguistic studies, called LLOD.
著者
長谷川 義朗 高橋 洋子 日比野 靖 長沢 悠子 尾松 純 山賀 谷一郎 中嶌 裕
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.375-381, 2007-11-25
被引用文献数
4

試作セメントの透明度の違いによる上部材料への色調の影響を調べた.実験には5種類の酸化チタンの配合量を変えたセメントを用いて,上部材料にセラマージュを2種類と支台歯材料にダイカラーチェッカーを2種類使用した.測定はそれぞれの材料を重ね合わせ分光測色器にて行った.なお酸化チタンが無配合のものをコントロールとした.その後,得られた結果から色差を算出した.結果は,支台歯材料と上部材料がともに明るい,または暗いときセメントの透明性を変化させても色差に変化はほとんど見られなかった.しかしながら,支台歯材料が暗く上部材料が明るいとき,セメントの透明性が低下すると上部材料の色調に影響を与えた.上部材料の色調はセメント層の透明度だけでなく,支台歯材料の色調にも影響されることが推察された.
著者
鵜飼 康東 長岡 壽男 竹村 敏彦 峰滝 和典 高橋 洋一
出版者
関西大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、第一にマルチエージェント・シミュレーションの手法を用いて、いかなる社会的および個人的条件の下で、金融パニックが発生するかを解明することである。第二に、社会シミュレーションの関数系のパラメータを確定して、金融パニックを回避するための妥当なミクロ金融政策の支援ツールを開発することである。なお、金融パニックは、本研究では、預貯金の取り付け騒ぎ、金融機関の連鎖倒産、金融資産価格の暴落をもたらす経済状況と定義される。シミュレーションに入力するデータとして、ウェブ調査により収集した個票データを用いる。平成21年度には、鵜飼が、平成20年度に設計した金融パニックシミュレーションを二つの英文査読誌に投稿して採択された。レフェリーに高い評価を受けた点は預金者行動に地域的特性が強いということを新たに発見した点である。さらに、韓国慶北国立大學校情報科学部、中国復旦大学社会主義市場経済研究所および上海社会科学院において当該論文の報告を行った。最も重要なコメントは、銀行信用度が預金者行動に大きな影響を与えているという韓国の研究者の指摘であり、第二の重要なコメントは、マルチエージェント・シミュレーションにこだわらず、遺伝的アルゴリズムなどの他の社会シミュレーションツールも有効ではないかという中国の研究者の指摘であった。竹村と峰滝は、シミュレーションツールをコンピューターネットワークに実装するツールを開発してハワイにおける国際会議で報告した。長岡は、平成20年度の「金融機関における取り付け騒ぎの事例研究」の英語版をトルコにおける国際会議で報告した。いずれの国際会議もツールの現実妥当性を強める上で非常に有益であった。竹村は、データの統計的分析結果を英文査読誌に投稿して採択された。レフェリーに高い評価を受けた点は預金者行動の心理的特性パラメータを推計したことである。