著者
高橋 英樹
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

植物の葉表面や葉組織には微生物が生息し、植物や病原微生物と相互作用することによって、植物の生育や様々な環境ストレス・病虫害に対する耐性に関わっているものと推察されている。本研究では、イネ植物体の細胞間隙に生息する微生物群集の多様性と、同微生物の植物への耐病性付与について研究を行なった。その結果、(1)イネの細胞間液から抽出したDNAを鋳型とした16Sと18S_rDNA断片のPCR-DGGE法によるバンドパターン解析と塩基配列を用いたデータベース解析から、微生物集団の多様性と微生物種の推定が可能である。(2)有機栽培イネの細胞間隙液に特徴的な内生菌として、Pseudomonas sp., Bacillus sp., Curtobacterium sp., acinetobacter sp. 等を見出すことができた。(3)同分離菌の中には、イネいもち病菌の感染、増殖に抑制的な働きをもつものや、イネもみ枯細菌病菌による苗腐敗症を抑制するものが存在していた。以上のことから、有機栽培イネの細胞間隙液に存在する内生菌集団の中には、病原菌の感染、増殖に抑制的な働きを持つものが存在している可能性が考えられた。
著者
高橋 秀晴
出版者
秋田県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

2007年10月31日に秋田県に寄託された小牧近江資料約20000点を用いて、小牧の執筆意識や推敲過程について考察した。また、プロレタリア文学系作家群及び鎌倉文士群からの書簡の分析を通じて小牧との交流状況を明らかにし、妻福子、長男左馬介との往復書簡によって、私人としての小牧を立体化した。他方、ハノイやパリを現地調査し、文献上得られていた知見を確認したり、新たに特定することに成功した。以上により小牧の全体像を明らかにし、その結果を、論文、口頭発表、書籍等という形で公表した。
著者
高橋 和哉 中村 勝一 山崎 克之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.1065-1066, 2010-06-01

超音波測距センサを用いた人群観測ネットワークを設計・実装した.人検出時間率の考え方により人群観測を実現し,計算時間も実用上問題ないことを実証することで,コストやプライバシーの課題を解決した人群観測の実用性を示した.
著者
大西 三朗 西原 利治 高橋 昌也
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

TRAILレセプターのdeath domainに対する単クローン性抗体は、腫瘍細胞特異的な細胞性免疫を惹起して、腫瘍細胞の排除を行う。しかし、副作用として時に胆管上皮細胞障害を誘発し慢性胆管炎に移行する。同様の免疫応答による慢性胆管肝炎はvanishing bile duct症候群として知られ、移植肝の急性および慢性拒絶反応の表現型である。TRAILレセプターのdeath domainにアミノ酸置換を伴う遺伝子多型がマウス存在することを見いだしたので、この抗原決定基に対する免疫応答が難治性の慢性胆管肝炎vanishing bile duct症候群を惹起する可能性があると考え、RT-PCRを用いて各種マウスstrainのTRAILレセプターのdeath domainにつき、遺伝子配列を決定した。
著者
工藤 俊輔 高橋 恵一 那波 美穂子 安田 智子
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13478664)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.1-8, 2008-10

本研究の目的は, A養護学校における理学療法士・作業療法士(以下PT・OT と略) 導入の効果を明らかにし, 今後の連携を円滑に進めるための要因を探ることである. 53人の教員を対象にアンケートによる意識調査を行い, 著者等の実践に基づく考察を加えた. 52人(回収率98%) の教員から回答があり, (1) PT・OT に対する期待としてポジショニング指導と摂食指導についてのニードが最も多かった. (2) 教職員の役割については, 自立活動の取り組みが1位を占めていた. (3) 養護学校の課題としては表現できる力を養うという項目が1位を占めていた. (4) PT・OT が4月より導入され, 役だったかどうかという設問に対しては49人(94%) が役立ったという評価をしていた. しかも39人(75%) からのコメントがあった. 結論としてPT・OT と教員間の連携が促され, この12ヶ月間の活動は全体として一定の評価ができるものと考えた.
著者
高橋 昌彦 川平 敏文 勝又 基 山田 洋嗣 亀井 森
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

台湾大学図書館に残る幕末の国学者長沢伴雄の旧蔵本・長沢文庫のすべてについて調査を行い、これまで以上に正確で詳細なデータを作成した。近年中、目録として刊行予定である。また、文庫中に残る伴雄の和歌和文集『絡石の落葉』の翻字を行い、刊行した。同じく、伴雄や同時代を理解するのに重要な日記について調査を行い、翻字作業にとりかかっている。こちらは出版計画中である。何よりも、和本に関する知識の供与などにより、台湾大学図書館との信頼関係を築くことができた。
著者
高橋 康介 三橋 秀男 則枝 真 仙洞田 充 村田 一仁 渡邊 克巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.224, pp.11-16, 2009-10-01

非言語コミュニケーションは、言語による伝達が出来ないような情報を伝える。本研究ではオノマトペを用いて、接触行動を伴う非言語コミュニケーションがどのように感じられているのかを調べた。実験では二人の人物の接触行動を伴うコミュニケーションが描かれた写真を呈示し、適切なオノマトペなど、一連の質問項目に答えた。その結果、雰囲気を表すようなオノマトペで表現されたコミュニケーションは比較的望まれるものであったのに対し、動作の特性を表すようなオノマトペで表現されたコミュニケーションは「行いたい」と感じられなかった。またコミュニケーションに対する形容詞評定を用いて主成分分析を行った結果、第一主成分として場の雰囲気(暖かさ)を表す軸が、第二主成分として動作の特性を表す軸が現れた。以上の結果から、接触行動を伴うコミュニケーションにおいては動作の特性自体よりもそのコミュニケーションにより生じる雰囲気の方が優先的に受け取られ、また望ましさを決定することが示唆された。
著者
高橋 伸弥 森元 逞
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.204, pp.55-59, 2005-07-16

従来の音声認識では、咳やくしゃみ、あくびのような非言語音または非音声音は、誤認識を引き起こす雑音として扱われて来た。しかし、自然な音声対話を実現する場合、このような音情報も積極的に利用すべきである。このような非言語音声を検出する方法としては、対象音の音響信号的な特徴を用いた信号処理的アプローチや、対象音から学習したHMMを用いる音声認識的アプローチなどがあるが、対象音の多様性に対処するためには、いずれも多量のデータが必要となる。そこで本研究では、対象となる非言語音声を音素系列で近似表現した疑似単語モデルを提案する。このモデルは、音素認識の結果得られる音素系列をクラスタリングし、上位クラスターの中心となる音素列パターンを非言語音声の近似的な発音とするというものである。提案手法の有効性を確認するために、咳及び咳払いを対象として、音声認識実験を行い、咳/咳払いの波形を学習データとしたHMMを用いる手法と比較して、認識正解率、認識精度が改善されることを示した。
著者
高橋 伸弥 森元 逞
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.73, pp.135-139, 2005-07-23
被引用文献数
4

従来の音声認識では、咳やくしゃみ、あくびのような非言語音または非音声音は、誤認識を引き起こす雑音として扱われて来た。しかし、自然な音声対話を実現する場合、このような音情報も積極的に利用すべきである。このような非言語音声を検出する方法としては、対象音の音響信号的な特徴を用いた信号処理的アプローチや、対象音から学習したHMMを用いる音声認識的アプローチなどがあるが、対象音の多様性に対処するためには、いずれも多量のデータが必要となる。そこで本研究では、対象となる非言語音声を音素系列で近似表現した擬似単語モデルを提案する。このモデルは、音素認識の結果得られる音素系列をクラスタリングし、上位クラスターの中心となる音素列パターンを非言語音声の近似的な発音とするというものである。提案手法の有効性を確認するために、咳及び咳払いを対象として、音声認識実験を行い、咳/咳払いの波形を学習データとしたHMMを用いる手法と比較して、認識正解率、認識精度が改善されることを示した。This paper proposes imitated word models that represent non-verbal sounds,especially cough sounds here,as phoneme sequences. In conventional speech recognition systems,non-verbal sounds,so-called human noises,are processed as burden noises that cause mis-recognition. Non-verbal sounds are,however,important information to know user`s physical and psychological condition. In particular,coughing is one of the most important barometers of daily health check,so we propose an approach to cough sounds from user utterances using the imitated word models constructed by clustering of phoneme sequences obtained in phoneme recognition. The experimental results show that this approach can improve the correct rates and the accuracies for words and coughs compared with the approach using HMM constructed from cough waveforms.
著者
高橋 雄造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.96, no.438, pp.1-6, 1996-12-20

静電気放電の諸特性を, 集中型電圧源による放電と比較しつつ, 説明する. 静電気放電の測定には, イメージインテンシファイヤ付ビデオレコーダと, リヒテンベルク粉図形が非常に役立つ : それは, これらによって, 放電の起きた場所が検出されるからである. 帯電したポリマーシートが接地金属円筒からはがれるとき放電がおき, 放電が開始する帯電電荷密度は, 34μC/m^2であって, 帯電極性やシートの暑さに依存しない. 放電進展の図形は, 負帯電では樹枝状, 正帯電では円形である.
著者
山内 太 長谷部 弘 高橋 基泰 佐藤 康行 村山 良之 岩間 剛城
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、近世村落社会における農民的土地所有の性格について、特に新潟県の割地制度を素材としながら、実証的に明らかにしようとしたものである。旧上塩尻村(長野県上田市)の事例研究をベースとして、旧中郷屋村等新潟県蒲原平野に位置する、かつて割地を行っていた村落の資料調査を行い(継続中)、共同体的な土地所有制度であると見なされてきた割地が、この地域の自然環境、並びに村落構造と密接な関連をもちながら行われていたという事実を明らかにしつつある。
著者
鈴木 健治 高橋 卓 岡本 英二 井家上 哲史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.95, no.514, pp.1-6, 1996-02-16
被引用文献数
5

3日5周回で回帰する準回帰軌道をとる楕円軌道の周回衛星となったETS-Uの各種回線を用いた通信実験を行うためには,時々刻々変化する距離変化率に伴うドップラーシフトを補償する必要が生じた.そこで,軌道要素から計算したドップラーシフト量の補正を加えるオープンループ制御と,パイロット信号を毎分観測して補正を加えるクローズドノレ-プ制御を併用した周回衛星好Cシステムを開発した.これにより士100Hz以内に制御でき各種通信実験が可能となった.