著者
野村 正英 高橋 剛夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.162, pp.75-80, 1999-07-02

厚生省が科学特別研究として行った「ポケモン事件」の際発生した光感受性発作についての調査研究報告は、ビデオ映像の視聴によって内容依存型VDT障害が広く生じ得ることを示している。我々は、光感受性者を対象に脳波測定の臨床検査を行い、ビデオ映像に含まれるフリッカーによって引き起こされる光感受性健康障害が、野村によって提案された適応型時間フィルターによって防止できることを見い出した。
著者
御厨 貴 翁 邦雄 飯尾 潤 牧原 出 金井 利之 清水 唯一朗 菅原 琢 高橋 洋
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

1990年代は、戦後の日本政治の転換点として、長く記憶される10年となろう。特に、内閣と省庁に関しては、90年代前半には自民党の下野と政権交代、後半には省庁改革と内閣機能の強化が図られ、大きく変容を遂げることとなった。本研究では、こうした変化の背景や原因のみならず、その帰結に至るまでを、オーラル・ヒストリーと省庁人事の研究、ならびに多分野の専門家との共同研究によって複合的に明らかにした。
著者
佐々木 信宏 高橋 清志 川本 哲 黒沢 隆 井田 三夫 川合 覚
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.495-501, 1990-06-15

単為生殖系フタトゲチマダニの幼ダニをT. sergentiの自然感染牛に耳袋法で付着, 飽血させた. 飽血ダニは24℃で飼育後, 37℃, 相対湿度約100%で温度感作を加え, 若ダニ唾液腺内のT. sergentiの発育をメチルグリーン・ピロニン染色で観察した. 温度感作を加えたダニの唾液腺腺胞内に成熟原虫塊が認められ, このダニの乳剤を接種した牛では18日目から原虫血症がみられ, IFAによって特異抗体も検出された. 以上のようにT. sergentiは37℃の温度感作を与えたフタトゲチマダニの唾液腺内で感染力を持つまでに成熟することが確認された.

1 0 0 0 ECOC2007報告

著者
忠隈 昌輝 高橋 正典 今村 勝徳 杉崎 隆一 八木 健 森本 政仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.451, pp.1-4, 2008-01-17

2007年9月16日〜20日にドイツ・ベルリンにて開催されたECOC2007の概要を報告する。約450件の報告の中から光ファイバ技術関連のトピックスを概説する
著者
清水 健太郎 中島 和江 高橋 りょう子 小倉 裕司 和佐 勝史 大西 光雄
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

【視察】低栄養の病態解析のためトレーサーや間接熱量計などを用いた先進的な臨床研究を行っているUniversity of Texas Medical Branch (UTMB)に訪問・視察した。UTMBでは、臨床研究のための独自の病棟をもっており、医師・看護師などの医療スタッフなどの人的配置のみならず、食事を作るキッチンはもとより、間接熱量計、筋生検、動静脈採血などの手技ができる設備面でも、臨床研究の登録から実施までの手続きも整った体制になっている。研究テーマとして、高齢化と栄養に焦点をあてており、同化を促すための遺伝子発現や治療法の開発に非常に熱心に取り組みを行っていた。このような実践的、臨床的な栄養の研究体制は日本では見当たらず、隔世の感があった。視察だけでなく、日本でのアミノ酸、脂肪、代謝におけるテーマについて日本側からも講演、質疑応答を行い情報交換を行った。【研究】昨年に引き続き後向きの低栄養患者の解析のため、当院の栄養管理計画書を調査した。データの抽出可能であった約7000人の患者のうち、低栄養状態から心停止にいたる可能性があるリフィーディング症候群の基準のひとつであるBMI 16kg/m^2以下の患者は、約3%に認められた。このデータを元に、入院患者全体に対して新たな低栄養への予防対策を講ずることが可能である。【学会】第27回日本静脈経腸栄養学会では、ICUの栄養管理についてのシンポジウム「リフィーディング症候群の早期発見・早期対応~心合併症を伴う症例から」と題して講演及び意見交換を行った。以上の訪問・視察と現在の当院での状況を基に、病院全体のスクリーニング体制や多職種によるかかわりのさらなる整備を検討している。
著者
高橋 浩二郎 柳原 延章 豊平 由美子
出版者
産業医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

交感神経系のモデル実験である培養ウシ副腎髄質細胞を用いて植物由来化合物のカテコールアミン(CA)動態について検討した。その結果、蜜柑の果皮成分のノビレチン、タバコの葉の成分ニコチン及び大豆成分のゲニステインは、それぞれCA生合成-分泌や再取り込みに影響を及ぼすことが明らかとなった。これらの化合物は、日常生活において食物や嗜好品として摂取しており、その薬理学的な影響については今後注意深く見守らなければならない。
著者
岡 美智代 恩幣 宏美 川村 佐和子 村上 みち子 山名 栄子 上星 浩子 高橋 さつき 越井 英美子
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

患者、看護職、医療費削減という3方向に効果のある患者教育プログラムを学ぶための、看護職向けの学習システムの開発と評価を目的とした研究を行った。その結果、6ステップからなるEASE(イーズ)プログラムの学習システムを開発した。またその学習システムの効果として、患者のセルフマネジメント行動の向上、看護職の適切な発話内容が明らかになった。医療費の試算では、676億6144万円の削減効果が見いだされた。
著者
森田 浩 刀根 薫 福山 博文 上田 徹 廣津 信義 関谷 和之 実積 寿也 刀根 薫 福山 博文 上田 徹 廣津 信義 実積 寿也 関谷 和之 高橋 新吾 篠原 正明
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

DEAにおける理論と応用の両面からの展開とその融合研究を行った。ネットワークDEAや不確実性下のDEA、評価指標の開発などの理論的貢献とこれらの成果の多様な分野への適用による事例研究における応用面での貢献を得ることができた。さらに、国際シンポジウムの開催や外国人研究者の招へいなどによる国際交流の活性化および国内におけるDEA研究の中心的役割を果たすことができた。
著者
山本 哲也 高橋 成子 花川 隆 浦山 慎一 福山 秀直 江島 義道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.143, pp.23-28, 2006-06-29

立体運動効果とは、前額平行面内において視軸について回転する2次元の視覚刺激によって、あたかも3次元の物体が運動しているかのように知覚される現象である。これを刺激に用いることによって、奥行き、運動、形態の3つの情報処理を分離することが可能である。本研究では、運動と形態が奥行き知覚に対してどのように寄与するかを明らかにするために、fMRI実験を行った。その結果、MT+、LO、V3Bを含む後頭側頭領域は、奥行きの抽出に重要な役割を果たしていることが示唆された。DIPSM、DIPSAを含む背側頭頂間領域は知覚された3次元物体の運動軌道の計算、V3A、V7、VIPSを含む腹側頭頂間領域は高次領域で高度な処理を行うための情報抽出に関わっていると考えられた。
著者
高橋 純一 山根 久典
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究では,酸化物系新規熱電変換セラミックス材料として一次元結晶構造・一次元組織を有するカルシウムコバルト酸化物Ca_3Co_2O_6系単結晶材料を創製し,室温から約1100Kの温度範囲における熱電特性を測定するとともに材料の次元性と特性の関係を明らかにした.Ca_3Co_2O_6はCoO_6八面体とCoO_6三角プリズムが面共有で交互積層した[Co_2O_6]_∞鎖とCa^<2+>イオン列が結晶構造のc軸方向に並行配列した擬一次元結晶構造を持つ.K_2CO_3を融剤としたフラックス法により長さ7mm,太さ0.7mm程度で一次元的な柱状形態を呈するCa_3Co_2O_6単結晶,および,(Ca,Bi)_3(Co,M)_2O_6単結晶(M=Fe,Cu)の合成に成功した.単結晶X線ラウエ写真およびプリセッション写真より,これらの結晶の伸張方向がc軸であることを確認した.大気中での電気抵抗率(ρ),および,ゼーベック係数(S)の温度依存性から,Ca_3Co_2O_6単結晶(c軸),および,(Ca,Bi)_3(Co,M)_2O_6単結晶(c軸)はp型半導体であることが示された.Ca_3Co_2O_6単結晶の出力因子S^2ρ^<-1>は測定温度範囲で温度の上昇に伴い単調増加し,1000Kにおける出力因子値は2.33×10^<-4>Wm^<-1>K^<-2>であった.この値は比較として測定した多結晶Ca_3Co_2O_6(1.02×10^<-5>Wm^<-1>K^<-2>)と比べて一桁高い.また.(Ca,Bi)_3(Co,Fe)_2O_6単結晶(c軸),および,(Ca,Bi)_3(Co,Cu)_2O_6単結晶(c軸)の出力因子はドープされていないCa_3Co_2O_6よりも2〜4倍高くなることがわかった.
著者
高橋 靖 シャクルトン ジョン
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.71-80, 1999-05-31
被引用文献数
1

本研究は, テレビ視聴者の嗜好に合った番組ジャンルを自動推薦することを目標として, 非線形正準相関分析と年令・性別視聴率分析から年令・性別ならびにテレビ視聴態度・価値観因子のジャンル推薦モデルを導き, 番組・ジャンル推薦機構においてそれを活用する場合の諸問題を考察した。その結果, モデル構築に関する次の指標を得た。1.両モデルを番組・ジャンル推薦機構における汎用知識ベースとして併用することにより効果的なジャンル推薦ができる。2.汎用知識ベースは, 年令・性別の1位から3位までの推薦ジャンル, 並びにテレビ視聴態度・価値観因子の推薦ジャンルのデータを生活場面ごとに持ち, 視聴者の個人プロファイルデータを得て推薦を実行することができる。3.汎用知識ベースと視聴履歴による学習・推薦は, ジャンル推薦において相互補完的な機能を果たす。4.両モデルの優先順位は, 生活場面の特性に応じて選ぶことができる。
著者
斉藤 明 末木 文美士 高橋 孝信 土田 龍太郎 丸井 浩 下田 正弘 渡辺 章悟 石井 公成
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、H15年5月に開催された第48回ICES(国際東方学者会議、東方学会主催)におけるシンポジウム(「大乗仏教、その起源と実態-近年の論争と最新の研究成果から」)を皮切りに、総計10名の研究分担者がそれぞれの分担テーマに取り組み、これまでに12回の研究会、8回の講演会、印度学仏教学会等の国内学会、IAHR(国際宗教学宗教史学会)、ICANAS(国際アジア北アフリカ研究会議)、IABS(国際仏教学会)、ICES(国際東方学者会議)他の国際学会等を通して研究発表を重ね、'ここに研究成果をとりまとめるに至った。また、研究成果の一部は、H18年度の第51回ICESにおいて「大乗仏教、その虚像と実像-経典から論書へ」と題するシンポジウムにおいて公開した。本シンポジウムでの発表内容の一部は、H20年に刊行されるActa Asiatica,The Institute of Eastern Cultureの特集号(vol.96,"What is Mahayana Buddhism")に掲載予定である。本研究により、在家者による参拝という信仰形態をふまえ、新たなブッダ観・菩薩観のもとに経典運動として-既存の諸部派の中から-スタートした大乗仏教運動は、時期的には仏像の誕生とも呼応して、起源後から次第に影響力を増し、3世紀以降には最初期の経典をもとに多くの論書(大乗戒の思想を含む)を成立させるに至ったという大乗仏教の起源と実態に関する経緯の一端が明らかとなった。大乗仏教徒(mahayanika,mahayanayayin)とは、こうして成立した『般若経』『華厳経』『法華経』『阿弥陀経』等の大乗経典をも仏説として受け入れる出家、在家双方の支持者であり、これらの経典はいずれもそれぞれを支持するグループ(菩薩集団)独自のブッダ観あるいは菩薩観を、宗教文学にふさわしい物語性とともに、空や智慧、仏身論や菩薩の階梯などを論じる論書としての性格を帯びながら表明している。本研究では、これらの詳細を各研究分担者がそれぞれの専門を通して解明するという貴重な研究成果を得ることに成功した。本研究成果報告書は、いずれもこの研究期間内に研究代表者、研究分担者、および上記ICES,IAHRにおけるシンポジウムへの招聴研究者がもたらした研究成果の一端である。
著者
筒井 義郎 大竹 文雄 藤田 一郎 晝間 文彦 高橋 泰城
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

時間割引は多くの経済実験において、少額を早く受け取るオプションと多額を遅く受け取るオプションのどちらを選択するか、というタスクで測定される。本研究課題は、(1)遅れ(現在から最初のオプションまでの時間)と期間(2つのオプションの間の時間)を明示的に分離して、それぞれが時間割引に与える効果を特定する、(2)喫煙が時間割引に対してもたらす効果について明らかにする、という2つの課題を主たる目的とする。(1)については、これまでに行った実験の結果を論文にまとめ、本年度6月にJournal of Risk and Uncertaintyに掲載した。(2)については、昨年度早稲田大学で行った、非喫煙者と喫煙者、断煙者と非断煙者を比較する実験の結果を分析した。その結果、喫煙者は非喫煙者に比べて高い時間割引を示すことが明らかにされた。また、断煙者は非断煙者よりも、お金に対しては高い割引率を示すが、タバコについては、むしろ忍耐強くなるという結果を得た。この後者の結果の頑健性については疑問があり、詳細な実験条件設定に問題がある可能性を検討して、それらを改良した実験を本年1月と2月に大阪大学において実施した。その結果は現在解析中であるが、おおむね、喫煙者は非喫煙者に比べて高い時間割引を示す点にでは早稲田実験と同じである。断煙者と非断煙者を比べると、お金については両者の時間割引には差がなく、タバコについては、断煙者の方がよりせっかちになるという結果が得られた。今年度の実験結果の方が直観に整合的であるが、両方の結果をどのようにまとめていくかは検討中である。一方、fMRI実験については、早稲田大学健康科学部の正木教授の協力が得られ、本年2月と3月に、異時点間選択を行っている喫煙者の脳画像を撮像した。引き続き、行動実験の結果をまとめつつ、断煙者および非喫煙者についても撮像していく。
著者
澤田 むつ代 高橋 裕次 丸山 士郎 浅見 龍介 西山 厚
出版者
独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

東京国立博物館が所蔵する「正倉院頒布裂」を中心に、正倉院関係の「裂帖」、模写と模織、さらに正倉院関連資料について、研究成果報告書を制作した。これには各作品の名称、素材、技法、用途等の基本情報に加え、織物では文丈、〓間幅を、染物にあっては文様一単位の寸法も付して作品本体を立体的、かつ詳細に掲示した。各作品については、染織品の微妙な色合いを重視して、カラーで掲載した。これらの公開は今後の正倉院裂研究には欠かせぬものとなる。