著者
西田 和広 水谷 浩之 津留 正臣 川上 憲司 檜枝 護重
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.63, pp.83-86, 2008-05-22
被引用文献数
1

低位相雑音VCOの構成として,線路共振器に能動回路および同調回路をそれぞれタップ結合で接続したデュアルタップ結合型線路共振器を用いたVCOを提案する.共振器の解析式を導出し,数値計算により,外部Qと共振周波数の可変帯域幅とがタップ位置によって独立に設定可能であることを示している.能動回路にGaAs 2um HBTを用い,共振器にアルミナ基板を用いた12GHz帯における試作の結果,能動回路の接続位置により位相雑音が,同調回路の接続位置により発振周波数の可変帯域幅が,それぞれ独立に設定できることを確認している.また,可変帯域幅226MHz(1.88%)において,100kHz離順における位相雑音-117.6〜-114.4dBc/Hzを得,本構成の有効性を確認している.
著者
森 英雄 安部 圭祐 竹谷 哲也 依田 一朗 小谷 信司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.587, pp.1-6, 2004-01-16
被引用文献数
1

視覚障害者は通い慣れた駅のプラットホーム等でもしばしば勘違いから事故に遭う.本システムは帽子に着けたビデオカメラ・傾斜計,画像処理装置,位置検出装置,スピーカ,バイブレータ,バッテリから構成する.このシステムは駅プラットホームを認識し,視覚障害者にバイブレータでどの方向に歩けば良いかを伝え,スピーカから音声でランドマークや分岐点等のより複雑な情報を伝える.本システムは単なる道案内システムではなく,利用者を交通事故などから守るシステムである.本稿では4つのサブシステム,すなわち画像処理システム,位置推測システム,経路ベース誘導システム,ヒューマンインタフェースを開発し,駅プラットホームで実験した.
著者
田中 宏宜 板井 陽俊 安川 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.467, pp.7-10, 2014-02-27

人間の足音には固有の特徴があり,我々は足音を聞くことで個人を認識することがある.近年,歩行足音による個人識別が可能であることが示され,足音の解析や識別率の向上に関する研究が進められるとともに,足音から様々な情報を抽出するシステムへの応用が期待されている.足音を用いた個人の自動判別が可能となればセキュリティシステムの一環として防犯対策,早期犯人逮捕などに貢献できるシステムを実現できる.本研究では従来研究では適用されていないHMMを用いた歩行足音の識別を試みる.
著者
塩見 英久 岡村 康行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.69, pp.53-58, 2014-05-30

近年、シミュレーション技術はますます複雑化が進んでおり、煩雑なコーディング作業を軽減する技術の発展が望まれている。数式処理システムを用いて差分法の漸化式を導出する試みは広く行われているが、FortranやC言語などを対象にするものが多い。GPUやFPGAなどを用いたヘテロジーニアスコンピューティングなどでは、それぞれのアーキテクチャに適した言語でコーディングできることが望ましい。本研究では、プログラミングと数式処理が高度に融合し柔軟な処理が可能なsympyを用いてSIMD的な操作体系を備えた配列向けの自動コード生成に取り組み、所望のコードを得ることができたので報告する。
著者
川原 昭文 東 亮太郎 池田 雄一郎 河合 賢 加藤 佳一 早川 幸夫 辻 清孝 米田 慎一 姫野 敦史 島川 一彦 高木 剛 三河 巧 青野 邦年
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.15, pp.13-18, 2012-04-16
被引用文献数
1

TaOxを用いたReRAMの高速な書換え性能とクロスポイントメモリセルアレイ構成におけるスニーク電流を低減する書込みアーキテクチャにより、443MB/s(サイクル時間17.2ns、64bit並列)と、従来比約2倍の高速な書込みを実現する0.18μm 8Mbit多層クロスポイント型ReRAMマクロを開発した。
著者
大庭 隼人 宋 中錫 高倉 弘喜 岡部 寿男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.465, pp.31-36, 2007-01-11

ネットワーク不正侵入検知システム(IDS)は誤検出が多く、ログが膨大になることが知られている。そのため、管理者の負荷を軽減すべく種々のデータマイニング手法や可視化手法が提案されている。現状ではそのテストデータにはKDDCup'99のデータが広く利用されているが、データが作成時期が古く現在のIDSログデータとは異なる点が多い。本研究では、京都大学に設置されたIDSのログデータを用い、両データの違いを明確化すると共に学習に基づく可視化手法を提案する。
著者
上原 亜由子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.227, pp.13-15, 2004-07-20

保険会社における損害調査の役割、及び現場から見たリスク管理
著者
三浦 佳世 上村 俊介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.356, pp.59-64, 2008-12-11
被引用文献数
2

対象の運動や速度感を伝える絵画的手法にモーション・ラインがある。とりわけ,マンガで多用されるこの技法は,オノマトペ(擬音語・擬態語)と併用されて,より効果的に用いられることが多い。本研究では,様々なモーション・ライン(絵画情報)と,モーション・ラインから喚起されるオノマトペに対し,マグニチュード・エスティメーション法を用いて,それぞれの速度感を測定し,「表現」と「印象」との関係を分析するとともに,絵画情報と言語情報という異なる処理経路に基づく感性表現の関係性について考察した。その結果,直線のモーション・ラインは擬音語と対応し,速度感を正確に伝えるのに有効であるのに対し,正弦波状のモーション・ラインは擬態語と対応し,運動対象の軌跡や様態を伝えるのに有効であることが示された。また,直線のモーション・ラインでは,本数が増えるにしたがい速度感の増大することも示された。モーション・ラインが表現技法にとどまらず視覚系での運動情報処理を反映していると考えると,本数の効果は示唆的である。
著者
菊井 玄一郎 門内 健太 高橋 寛幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.196, pp.31-36, 2012-08-23

検索サービスに入力される検索語のうち入力頻度が急上昇したものを「検索ホットワード」(バースト語)と呼ぶ。本稿では、これらの語が検索エンジンやブログ、twitterで経時的にどのような頻度で言及されているかを分析するとともに、検索頻度が急上昇した要因となる事象がこれらの書き込みから推定可能かを検討した。その結果、twitterでの言及のバーストが検索クエリ頻度上昇の先行すること、バーストの時間がその契機となった事象(例えば、TV番組での指示対象事物の露出など)にかなり即応的であることなどがわかった。また、急上昇ワードの「由来」や急上昇となった「要因」がtwitterの分析によって70%程度推定可能であることなどが分かった。
著者
小林 謙太郎 新田 直也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.269, pp.111-116, 2013-10-17

大規模ソフトウェアの開発において,開発初期におけるアーキテクチャの選択は,その後のプロジェクトの成否を大きく左右する.しかしながら,実際の開発においてアーキテクチャをどのように選択すればよいかについては,設計者の経験に依存する部分が大きく,アーキテクチャ選択のための決定的な手法は確立されていないのが現状である.そこで本研究では,レイヤアーキテクチャを対象に,選択したアーキテクチャが要求仕様から抽出した実行シナリオと適合しているか否かを評価する手法を提案する.事例研究として,本研究室で開発した3D格闘ゲームの実行シナリオおよび初期アーキテクチャに対して本手法の適用を行った.その結果,本手法による評価結果が,当該プロジェクトにおいて初期アーキテクチャをほぼ変更することなく開発完了したという事実とよく一致していることがわかった.
著者
三井 健史 伊藤 智也 中西 勇人 濱川 礼
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.73, pp.1-6, 2014-05-30

本論文では,SNSの投稿に含まれた感情を記録するライフログシステム「Emote」について述べる.近年,様々なライフログシステムが流行している.ライフログのために画像情報,音声情報,位置情報,感情情報などを記録している.画像情報,音声情報,位置情報はデバイス機器の発達により自動化が発達した.だが,感情取得の自動化は中々進んでいない.そこでTwitter, Facebookの投稿文の感情を分析し,分析結果を自動的に記録していくライフログシステム「Emote」を開発した.「Emote」ではTwitter, Facebook各投稿から感情分析を行い,各感情を可視化し手軽に利用できるライフログシステムの提供を目的とする.事前にSNS (Twitter)の投稿データ,約3万件を収集し,これらの投稿から自然言語処理とナイーブベイズ分類器を用いて単語ごとの感情を学習させた.「Emote」では,その学習データを用いてTwitter, Facebookに投稿されている各文章の感情を決定している.それらを用いて,各投稿を自動的に6つの感情に当てはめ感情をカレンダーとともに色で表現している.
著者
酒井 佑 松下 陽介 松田 崇弘 山本 幹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.204, pp.37-40, 2003-07-11

本研究では,無線リンク上の誤り制御としてARQを用いた無線TCPの伝送特性に注目している.ARQは無線端末が固定の基地局と接続する静的な環境においてはTCPの性能改善に対して有効であることが知られている.しかしハンドオーバが発生する動的な環境では,基地局においてARQの再送処理によりリンクレイヤバッファに蓄積されたフレームはハンドオーバ時に廃棄されるため,必ずしも有効であるとは限らない.本研究では計算機シミュレーションにより,ARQのパラメータである最大再送回数に依存して,TCPの伝送特性はハンドオーバにより著しく劣化することを示した.本研究の結果は,移動通信では静的見地からだけでなく動的見地からもARQの設計を行う必要があることを示している.
著者
早舩 嘉博 塩本 公平 井上 一郎 大木 英司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.355, pp.31-36, 2006-11-09

Internet Protocol (IP)による通信インフラは、サービスの多様化を促し、現時点では想像しえないキラーサービスが登場する可能性を秘めており、今後の通信ネットワークには、キラーサービスの登場に伴う想定外のトラヒック変動に対応する能力が求められるであろう。また、通信ネットワークが社会インフラとしての重要性を増すにつれ、想定外の故障・災害に対しても、能力の低下を極力抑える仕組みが通信ネットワークに求められると想定している。我々は、通信ネットワークとして、ルータと伝送装置から構成される光レイヤとIPレイヤのマルチレイヤバックボーンネットワーク(マルチレイヤ網)を対象とし、自動収集したトラヒック情報を基に、ルータと伝送装置を連携させてトラヒック制御するマルチレイヤ網運用制御システムを試作し、ネットワーク状態の急激な変化に対応した運用制御の基本動作の実証実験を行った。本稿では、我々が試作したマルチレイヤ網運用制御システムおよびそれを用いた所内実験について述べる。
著者
笹尾 昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.293, pp.25-30, 2002-08-23

GPSをめぐる防衛技術特に妨害技術と対妨害技術の動向について述べる。妨害技術については、米ロの実例を中心に、対妨害技術については身近な対応策から抜本的な案まで数種について説明する。
著者
原木 大典 鈴木 智也 池口 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.676, pp.43-48, 2006-03-14

自然界など複雑なシステムにおいて生成された時系列データを解析及び予測するために、様々な手法が提案されている.その手法の有用性を評価する指標として、平均二乗誤差が用いられることが多い.この指標は、予測値を局所的な1点に定めた時の真値との誤差の平均を評価する.一方、台風の通過予報円のように、今後の状態変化を大域的な視点から予測領域として示すことも重要である.このような予測領域提示の従来法の一つにアンサンブル予測がある.アンサンブル予測とは、複数の近傍群から個別に予測器を構成し、複数の予測値を得ることで、予測領域を算出する手法である.本研究では,予測領域の算出にブートストラップ法を適用することで、アンサンブル予測との予測性能を比較する.さらに、数値シミュレーションにより、効率的な予測領域の算出にはブートストラップ法が非常に有用であることを示す.