著者
横本 拓也 前田 洋輔 宮澤 匠 山上 朋彦 阿部 克也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.264, pp.1-4, 2011-10-19

複合ターゲットを用いた反応性スパッタリング法を用いてCuAlO_2薄膜の作製と構造評価を行った。本研究での複合ターゲットはAl円板上に三角形のCu板を載せただけという簡易な構造をしている。Alのターゲット面積比率(Al/(Al+Cu))を大きくしていくと膜中のAlとCuの比を制御できることがわかり、また酸素流量を増加させることでCuターゲットのスパッタレートが減少し、相対的にAl元素の組成比が増加することがわかった。Alの面積比率95%、酸素流量3sccmの時、ストイキオメトリーに近い膜を得ることができた。また、この膜のXRD測定を行ったところアモルファスライクな膜であることがわかった。
著者
阿部 克也 横本 拓也 前田 洋輔 宮澤 匠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.176, pp.51-54, 2011-08-03

Cuターゲット上にAl板を配置した複合ターゲットを用いたRFマグネトロンスパッタ法によって、p型透明酸化物半導体として期待されるCuAlO_2薄膜の作製を試みた。Alターゲット面積比Al/(Cu+Al)を変化させ成膜を行った結果、面積比を70%とAlリッチにすることでストイキオメトリに近い膜組成が得られることが分かった。しかしながらXRD測定の結果から、as-depositionではアモルファスライクな薄膜であることが明らかとなった。作製した膜に800℃以上のアニールを施した結果、配向性のあるCuAlO_2膜を形成することに成功した。また、Taucプロットにより見積もった光学的バンドギャップは、CuAlO_2の報告値である3.5eVに近い3.6eVであり、アニール後の膜構造がデラフォサイト構造のCuAlO_2であることを確認した。
著者
河谷 大和 柏崎 礼生 高井 昌彰 高井 那美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.414, pp.113-118, 2010-02-08
参考文献数
11
被引用文献数
1

近年,日本を代表するデジタルコンテンツとしてアニメ作品が注目され,特に,萌えアニメ作品と呼ばれる作品群が著しく増加している.また,アニメ人物キャラクターの魅力=萌えという概念が社会的にも広く認知されつつあり,萌えをコンセプトとする様々なビジネスの市場展開が活発である.そのような中,多種多様なアニメコンテンツ群から好みのものを自身の萌え基準で容易に検索分類したいというニーズが高まっている.そこで本稿では,萌えアニメキャラクターの顔画像に特化した萌え因子特徴抽出と評価法について述べ,これを応用したアニメキャラクター画像検索・分類システムの開発・実装及び実行結果について述べる.本システムを用いることで,アニメキャラクター画像データの萌え因子を自動分析し,ユーザの萌え基準に基づいた画像データの分類や検索が可能である.
著者
タィン・ヒェップ ファム フイ・ホアン グェン 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.340, pp.169-174, 2010-12-09

複数送受信アンテナを用いるMIMO(Multiple-Input,Multiple-Output)通信技術はプロードバンドワイヤレス実現の必須技術であると考えられている.今後,MIMOによる情報伝送のサービスエリア充実により,所定空間へのサービス充実が見込まれる.MIMOリレーアンテナをいかに活用し,MIMOの特徴である高速伝送と高信頼性な通信を維持した状態で,所定空間への中継機能を実現する研究が重要となる.各リレーノードにおける送信電力及び各ノード間の距離が変わることにより通信路容量が変わる.送信電力が固定した場合,ノード間の距離を最適し,高通信路容量を得ることができた.しかし,リレーノードを必ずしも所望の場所に設置できるのではないので,送信電力及び伝搬距離を同時に最適し,システムの通信路容量を検討する.
著者
井上 弘士 Moshnyaga Vasily G. 村上 和彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.27, pp.55-60, 2002-04-12

これまでに我々は,ダイレグト・マップ命令キャッシュの低消費エネルギー化を目的として,ヒストリ・ベース・タグ比較(HBTC:History Based Tag-Comparison)方式を提案した.従来型キャッシュでは,ヒット/ミス判定のために,タグ比較が毎アクセス実行される.これに対し,HBTCキャッシュでは,プログラムの実行履歴に基づき必要に応じてタグ比較を行う.そして,無駄なタグ比較処理を動的に検出・削除し,命令キャッシュの低消費エネルギー化を実現する.本稿では,これまでに提案したHBTCキャッシュを改良し,オーバヘッドの小さい新しい実現方式を示す.また,信号処理アプリケーションを中心としたベンチマーク・プログラムを用いて,性能ならびに消費エネルギーに関するより詳細な評価を行う.
著者
中野 浩嗣 伊藤 靖朗 川上 賢介 重本 耕司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.198, pp.79-84, 2009-09-10
被引用文献数
3

本稿では,単純,スケーラブル,かつポータブルで,FPGAに実装可能なTiny processing systemを提案する.このシステムは,16-bitのプロセッサ,クロスアセンブラ,クロスコンパイラを含んでいる.このシステムのソースコードは極めて少なく,16-bitのプロセッサはVerilog HDLで268行で書かれている.クロスアセンブラは38行のPerlスクリプトである.クロスコンパイラは,23行の字句解析のためのFlex文法ファイルと,90行の構文解析とコード生成のためのBison文法ファイルから構成される.よって,このTiny processing systemは容易に理解でき,機能拡張も難しくない.このシステムの教育と小型組込みシステムへの応用を示す.
著者
水野 聖也 大澤 純 原 隆浩 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.101, pp.33-38, 2014-06-14

近年,パーソナライズされた情報推薦の技術が普及しており,それに伴って,嗜好抽出の重要性が高まっている.本稿では,ユーザがスマートデバイスにインストールしているアプリケーションを基に,嗜好抽出を行う手法を提案する.この手法では,マーケット上に記載されているアプリケーションの説明文からキーワードを抽出し,各キーワードを,キーワードの特徴度,アプリケーションの固有度,アプリケーションの1日の平均利用時間に基づいた3つ指標を用いてスコアリングを行うことにより,キーワードとその重要度を表すスコアの形式でユーザの嗜好を表現する.被験者実験の結果,保有アプリケーションが嗜好抽出の情報源として有用であることが確認された.また,結果をもとに各スコアリング指標の特性の検証を行ったところ,保有アプリケーション数が十分多いユーザに対して,アプリケーションの固有度に基づくスコアが有効である傾向が見られた.また,端末の利用時間の長いユーザに対して,アプリケーションの利用時間に基づくスコアの有効性が示唆された.
著者
三好 孝典 今村 孝 小山 慎哉 大場 譲 市村 智康 沢口 義人 北川 秀夫 青木 悠祐 兼重 明宏 上木 諭 河合 康典 斉藤 徹 高久 有一 上 泰 川田 昌克 内堀 晃彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.501, pp.11-16, 2014-03-10

インターネットにより生み出されるソーシャルコミュニケーションは,何万人・何億人もの人々がお互いに映像や音声を共有し合う人類が経験したことのないコミュニケーションを実現している.しかしながら,これまでに世界中の人々がお互いの力覚を同時に共有し,コミュニケーションを行った例はほとんど報告されていない.本報告では,マルチラテラル遠隔制御を応用し,全国8ヶ所での仮想綱引き実験による力覚共有を報告すると共に,従来行われてきた手法との比較,検討を行う.
著者
柴田 勝征
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.428, pp.17-22, 2012-01-28

日本の小学校算数教育において落ちこぼれる子が多い、繰り上がりのある足し算、繰り下がりのある足し算について、福岡県の教師たちが、『上の桁から計算してゆく』という方法を4年間実践してみて、一人の落ちこぼれも出さず、しかも生徒の所属学年の1年上の学年の課題までも積極的に出来るようにさせた。発表者は、この驚くべき成功の原因は、『下からボトムアップ(ズームアウト)』で思考する西洋人と『上からトップダウン(ズームイン)』で思考する東洋人の精神構造の違いによるものと考える。
著者
岡本 英之 神子 一男 手島 卓也 西村 夏哉 春日 健 大室 仁 吉江 央樹 原 育成 久保田 能徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.71, pp.13-18, 2007-05-18

我々は可視光領域で発光可能なEr^<3+>添加フッ化物ファイバ(F-EDF)を信頼性の高い通信用974nmLDで励起し、アップコンバージョンレーザ(543nm)を構成した。レーザの目標特性として、CW発振で安定(RMS<0.1%)、かつ高出力(シングルモード出力>10mW)としており、現時点ではRMS<3%程度のノイズが確認されている。これまでに、緑色光の安定発振にはESA(^4I_<13/2>→^2H_<9/2>)制御の必要性が示唆されているが[1][3〜7]、発振機構に不明確な点がある。今回は、850nm発光と543nm発光の時間変動を比較し、発光過程を調査した。
著者
津野田 賢伸 高田 雅士 秋田 庸平 田中 博志 佐藤 真琴 伊藤 雅樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.451, pp.37-41, 2005-11-24
被引用文献数
31 7

動的に機能を変更可能なALUを二次元配列状に接続した演算セルアレイをベースとし, 各種ホストCPUと接続可能なディジタルメディア処理向け動的再構成プロセッサであるフレキシブルエンジン(Flexible Engine/Generic ALU array, FE-GA)を開発した.FE-GAは, 自由度の高い内部データ転送を可能とするクロスバネットワーク, 多バンクの演算用ローカルメモリに加え, コンフィギュレーションデータの効率的な2レベルの階層記憶とバックグラウンド転送, および自律的に動作するシーケンス制御を可能とする周辺機能モジュールを備え, 独立性の高いサブシステムとして動作することを特徴とする.
著者
飯島 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.420, pp.73-78, 2015-01-19

計算機可読な契約約款や法令のための視覚的モデリングとボキャブラリーについて述べる.法令表現には視覚的なルール表現を用いる.ボキャブラリーに関しては,本報告では,様相(モダリティ)について取り上げる.既にある契約約款や法令を解析するというよりも,先に視覚的言語でモデル化することで,契約約款や法令をモデルベール開発することを目的とする.これにより,より分かりやすい言葉で言い換えたり,他言語へ翻訳することを容易にするだけでなく,情報システムへの迅速な反映を目標としている.
著者
山田 尚史 愛須 英之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.471, pp.43-48, 2008-01-21
被引用文献数
1

エレベーター群管理制御は乗客へのサービスを効率化するようにかごを割当てることが主な役割である。この効率化を図るためには、(1)現時点のかご割当がサービスヘ与える影響だけを考慮するのではなく、(2)将来までに亘るかご割当がサービスヘ与える影響を考慮する必要がある。この問題(2)に対して、将来までに亘り発生する複数個ホール呼びのかご割当問題を組合せ最適化問題として捉え、Aアルゴリズムを応用した群管理制御方法を提案し、その性能評価を報告する。
著者
鳴海 拓志 佐藤 宗彦 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.375, pp.311-316, 2010-01-14

味覚は,化学的信号の組み合わせからだけではなく,温度や食感,視覚,嗅覚,記憶といったようなさまざまな要素の組み合わせから認識される.このような複雑さをもつゆえに,これまで味覚情報を提示するディスプレイに関してはあまり研究がなされてこなかった.一方でこのような味覚の特性を利用し,正確な化学信号の組み合わせを実現するのではなく,化学的信号とその他の刺激を同時に提示することで味覚を提示するアプローチを取ることも考えられる.本研究では,視覚と味覚のクロスモダリティを利用した味覚ディスプレイとして,LED光源を用いて飲料の色を変化させることで,飲料を飲む人が感じる味を変化させる手法について検討をおこなった.本発表では,そのような味覚ディスプレイの評価実験と,インタラクションを取り入れることによる応用の可能性について報告する.
著者
清田 公保 中山 典子 藤澤 和子 井上 智義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.746, pp.19-24, 2004-03-18
参考文献数
4
被引用文献数
4

本研究では文字や言葉を十分に利用できない知的障害児のコンピュータリテラシー教育に関して,視覚シンボルとメディア情報を用いたコミュニケーション支援を提案し,知的障害児における情報処理教育の導入を試みる.コミュニケーション支援の完全な理想形態は,様々な障害を持つ人同士が必要とする情報を補完的に完備したシステムであるとの観点に立ち,画像や音声,テキストなどに等価な協調性を持たせた共通メディア情報言語の概念を新たに導入する.研究事例として知的障害児に対してコンピュータを用いた情報伝達の情報教育を目指し,視覚シンボルを媒体とした電子メールソフトを開発する.提案システムを児童に利用してもらった結果,視覚シンボルをコンピュータによる情報交換のメディアとすることによって電子メールの利用の可能性を見いだした.
著者
竹野 和彦 松岡 保静
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.393, pp.49-53, 2011-01-20
参考文献数
6
被引用文献数
1

現在,省エネ化や環境対策として研究開発が進められているスマートハウス向けの宅内電力センサーにスマートタップが広く検討されている.しかし,現状のスマートタップでは個別に設置が必要でコストの問題やデータ通信に課題がある.また,今後スマートハウス向けの蓄電池(リチウムイオン電池)を内蔵した機器も増えてくると予想され,その管理も必要になってくる.上記の課題を解決する方法ために,電力・電池管理のためのICを家電機器に組み込み方式による電力・電池管理技術の検討を進めている.本検討では,この電力・電池管理技術を電池パックに適用したスマートバッテリ技術をモバイル機器(携帯電話)に適用して,電力の測定や電池の管理技術に関しての検証手法を提案し,試作した結果を述べる.
著者
楊 広宇 松本 哲也 竹内 義則 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.473, pp.151-156, 2013-03-04

本研究はカメラで撮影した文書画像中の湾曲・射影歪を除去することにより文字情報を取得する手法を提案する.提案手法では,画像から文字候補を取得後,文字候補間の重複関係により行ごとに組み分け,4次多項式を用いてテキストラインの湾曲を近似する.そして,文書左右エッジを使って推定した複比と消失点により縦方向を推定し,画像をグリッドに分割する.その後,各グリッドの射影変換行列を計算することにより補正を行う.実際に撮影した文書画像50枚(英語文書画像:30枚,日本語/中国語文書画像:20枚)を用いた実験により,提案手法の有効性を確認した.
著者
上嶋 勇祐 井上 中順 篠田 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.441, pp.185-190, 2013-02-14

この研究では、大量のインターネット映像の中から、対象のイベントを検出するイベント検出を目的とする。ここでの「イベント」は、「誕生日会」や「乗り物のタイヤ交換」など、いくつかの動作や物体の組み合わせで構成される事象を指す。イベント検出を対象とした多くの研究では、局所特徴抽出と特徴量のモデル化による手法が用いられている。特徴量の中でも、動作を表す時空間特徴量がイベント検出に効果的であることが示されているが、カメラの動きに対して頑健でないという問題がある。本論文では、この問題に対し、オプティカルフローによるカメラの動き推定とその補正を適用した時空間特徴量を提案する。この特徴量を含む、相補的な特徴量をそれぞれGMM supervectorによってモデル化し、SVMの入力として用いることでイベント検出を行う。TRECVID2012 Multimedia Event Detectionタスクで、Mean Normalized Detection Cost O.5296となり、参加17機関中3番目の精度であった。
著者
岡島 亜希子 松井 龍之介 畑 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.303, pp.31-35, 2012-11-12

金属回折格子の表面近傍を相対論的速度まで加速させた電子ビームを走らせると電磁波放射が得られることは、スミス・パーセル(SP)効果として1950年代から知られている。Urata等が非線形的にSP放射が強まる(超放射)ことを報告して以来、様々な観点からSP超放射の研究が広くなされてきた。とりわけテラヘルツ(THz)自由電子レーザー(FEL)として知られるチューナブルかつテーブルトップ型のTHz放射源を実現するものとして期待されている。SP超放射を得るためには、電子ビームと誘起された表面波の相互作用による電子ビームのバンチ化か重要な役割を果たすとされている。我々は簡素化PIC-FDTD法を用いて、THzの高周波プレバンチ電子ビームによるSP超放射特性の数値解析に取り組んでいる。このモデルでは電子バンチがガウス分布関数で与えられる電荷密度分布を持った単一の粒子であると仮定し、電子バンチの運動を二次元平面に制限している。電子の加速エネルギーが同一であっても、電子ビームのプレバンチ周波数を変化させることによりチューナブルなTHz-SP超放射を得ることができる。我々の知見は、次世代のチューナブル、テーブルトップ型のTHz-SP-FELの開発に新たな道を切り拓くだろう。
著者
江端 佑介 川村 秀憲 鈴木 恵二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.439, pp.7-10, 2010-02-22

YouTubeを始めとする動画共有サイトが隆盛である.これらのサイトは,ただ動画を共有するだけでなく,ユーザ同士でコミュニケーションを取ったり,動画にコメントを付与したりするようなSNSとしての機能を持ち合わせている.中でも近年,動画に付与されたコメントを用いた研究が広く行われているほか,YouTubeにて提供されているAPIにコメントを収集する機能が存在するなど,コメント機能に対する注目が集まっている.本研究では,「タイトル」や「タグ」などを始めとする動画に付与できる情報の中で,動画を視聴したユーザが付与できる唯一の情報がコメントであることを鑑み,コメントには動画の特徴を表す情報が存在するとの仮定のもと,コメントの特徴を用いた関連動画の提示手法を提案した.具体的には,一つの動画に付与された最大1000件のコメントを一つの文書としてみなし,tf-idf法を用いてコメント文書毎の特徴ベクトルを算出した.また,あるユーザが視聴した動画コメントの特徴ベクトルを合成したコメント傾向ベクトルと,他の動画の特徴ベクトルとの類似度を計算し,関連動画として提示した.