著者
関沢 清久 手塚 光彦 福島 健泰
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

ヒスタミンN-メチルトランスフェラーゼ(HMT)活性がモルモット及び人において、鼻粘膜を含む気道全体に存在することを生化学的、遺伝子学的手法で明らかにし、その産生細胞が粘膜上皮と血管内皮に存在することをHMTmRNAを染色して同定した。HMT阻害剤により、人気道におけるヒスタミンに対する収縮反応が増強され、又モルモット気道においてヒスタミン及び抗原-抗体反応による気道収縮や毛細血管透過性亢進が増強され、気道におけるヒスタミンの分解が主にHMTで行こなわれていることが示された。モルモットで、センダイウイルスを経鼻的に投与し、ウイルス感染をおこすと、気道上皮の脱落と共にヒスタミン吸入による気道収縮反応が増強された。ウイルス感染モルモットでは、気道のHMT活性が正常の半分以下に低下し、HMT阻害剤による増強反応がみられないことより、以前から人で観察されていた。ウイルス感染後の気道過敏性亢進は、気道上皮傷害に伴うHMT活性の低下による可能性が示唆された。以上より、HMTが鼻アレルギー及び気管支喘息の病態と深く関係していることが示された。私達は以上の基礎的検討を基に、人の腎臓からRNAを抽出し、cDNAのライブラリーを作成し、ラットcDNAプローベを用いて、人HMT遺伝子をクローニングした。これより、リコンビナントHMTの作成が可能になり、気管支喘息及び鼻アレルギーの治療に応用し得ると共に、人の鼻及び気道でIn situハイブリダイゼーション法によるHMT産生細胞の精細な検討が可能となった。
著者
秋永 一枝 兼築 清恵 上野 和昭
出版者
早稲田大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1985

「アクセント史資料索引」として、昭和58年度に秋永一枝編『言語国訛竹柏園旧蔵本影印ならびに声譜索引』(第1号)、昭和59年度に上野和昭編『御巫本日本書紀私記声点付和訓索引』(第2号)、秋永一枝編『永治二年本古今和歌集声点住記資料ならびに声点付語彙索引』『顕昭 後拾遺抄注・顕昭 散木集注声点注記資料ならびに声点付語彙索引』(合綴、第3号)にひき続いて、昭和60年度『古語拾遺声点付語彙索引』『乾元本日本書記所引日本紀私記声点付語彙索引』(合綴、第4号)を秋永の指導のもとに鈴木豊が編纂・刊行・昭和61年度、『近松世話物浄瑠璃胡麻章付語彙索引体言篇』(第5号)を共同研究者兼築が編纂・刊行した。また、上記資料刊行とともにそれぞれ資料の調査に伴う問題点や研究を以下のように発表した。秋永は「「やまとうた」と「やまとうり」」・「古今集声点本における形容詞のアクセント」の古今集声点本に関する論考2篇を発表した。共同研究者上野は平曲譜本に関する論考を、兼築は義太夫節正本に反映したアクセントについての論考を発表した。(裏面記入の論文)以上の史的資料の研究と同時に、アクセント史解明に不可欠の日本諸方言アクセントの調査の一環として、秋永が、四国、瀬戸内海島嶼の調査を、上野が、高松、徳島、京都、大阪の、兼築が大阪の調査を行った。うち、秋永が「愛媛県魚島における老年層のアクセント」「魚島アクセントの変遷」を発表した。また、池田要氏調査の京都、大阪アクセント資料を『日本国語大辞典』記載の京都アクセント注記と同じ形に直し、50音順に並べる作業を、研究分担者全員と、鈴木豊,佐藤栄作で行い、刊行の準備とした。
著者
長谷川 信
出版者
静岡大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

本研究の課題は、国内の商社活動に対して国際カルテルが与えた影響を大倉商事(大倉組)の事例を中心に明らかにすることである。ドイツAEG社は1900年代以降、拡大しつつある日本の電気機械市場への進出を図った。その際、AEGの輸入代理店として市場拡大に取り組んだのが大倉組であった。しかし、1910年代に入ってから、大倉組はそれ自身では解決できない商社活動への制約を受けた。それは、アメリカGE社とAEGの間で結ばれた国際協定に端を発していた。1903年のGE・AEG協定そのものは日本市場を対象としていなかったが、GEは1909年に芝浦製作所と提携し、日本市場における芝浦の排他的権利を認めた。そして、GはAEGと大倉組に対して、芝浦の排他的権利を尊重するよう要求した。GEの要求を受け入れることは、大倉組がAEG製品の輸入販売業務を続けられないことを意味しており、大倉組はこの要求をそのまま受け入れることは出来なかった。最終的には、GEとAEG・大倉組との間で話し合いが行なわれ、大倉組はAEG製品の輸入業務を続けることが出来た。けれども、大倉組・AEGの日本市場における活動には制約が課せられた。具体的には、タ-ビンに関して1913年に芝浦とAEGの間で協定が締結され、(1)GE・芝浦は日本における専売権をAEGに与え、AEGは製造販売権を芝浦に与える、(2)AEGは日本で販売した製品の特許使用料、コミッションを芝浦に支払う、(3)過去4年間の実績に基づいて両者の販売比率を定めることになった。1910年代に入って、GEは、国際協定および特許協定を利用して、自己のテリトリ-を拡大する戦略を採ったと考えられる。そして、このGEの企業戦略によって、大倉組(大倉商事)の商社活動とAEGの日本における事業展開は制約を受けることになった。
著者
河西 宏祐 松戸 武彦 三宅 明正
出版者
千葉大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

1 本研究は, 日本における産業別労働組織が,どのような構造的, 機能的特質をもっているかを, 歴史的, 実態的に解明することを目的とした.2 まず歴史的研究についてみれば, 戦後の主要労働争議に関して, 数多くの文書資料を収集した他, 当時の関係者から証言を収集した. これらを分析, 検討を加えた結果, 次の諸点が明らかとなった.(1)日本では戦後の約10年間, 企業別組合よりも産業別組合が運動思想における主流の位置を占め, 産業別労使関係が主たる労使関係制度を作りだしていた.(2)1955年前後, 主要な産業において大争議が瀕発し, それを契機として産業別組合の解体, そして企業別組合の時代へと推移している. したがって日本において企業別組合が制度として定着するのは, 1955年以降である.3 1955年以降の現在に至る「企業別組合主義」の時代について, 海運, 造船, 私鉄などの各産業の産業別組織について実態調査を行なった結果, 次のことが明らかとなった.(1)これら, 日本の産業構造の中軸を支えてきた各産業においては, 現在においても, 産業別労災組織の影響力がきわめて強い.(2)最近, 労働運動の停滞がいわれる中にあって, これらの産業では, むしろ逆に組合運動の活性化の傾向がみられる.(3)各産業における組合運動の活性化の条件は, 次のものである. <1>産業別組織が産業政策を作成し, 経営者側団体との交渉, 協議を通じて, その実現に成功している. <2>産業別組織が労働条件に関するモデル水準を設定しそのための到達闘争を指導する他, 強力な産業別機能を展開している. <3>産業別組織が労働管理制度を平等原理によって再構成し, その中の人事考課の余地を少なくしている.
著者
加藤 讓 野津 和己 古家 寛司 谷川 敬一郎
出版者
島根医科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

下垂体成長ホルモンならびにプロラクチンの分泌は視床下部に存在するセロトニンによって促進的に調節されている。セロトニンは下垂体に直接作用するのではなく、視床下部の成長ホルモン分泌促進因子(GRF)を介して成長ホルモン分泌を促進し、プロラクチン分泌促進因子の1つであるVIPを介してプロラクチン分泌を促進する。我々はVIPの分泌に視床下部ガラニンが関与することを見出した。本研究ではセロトニンとガラニンとの関係についてラットを用いて詳細に検討した。ラットの脳室内にセロトニンやガラニンを注入すると血漿プロラクチンは用量反応的に増加した。しかしガラニンの投与はセロトニンによるプロラクチン分泌に相加的な影響を与えなかった。セロトニンのH_1受容体拮抗剤メチセルジドの前投与はガラニンによるプロラクチン分泌を部分的に抑制した。しかしセロトニンH_2ならびにH_3受容体拮抗剤の前投与はガラニンによるプロラクチン分泌に影響を与えなかった。セロトニン合成阻害剤であるパラクロロフェニ-ルアラニンの前投与はガラニンによるプロラクチン分泌を明らかに増強した。この効果はセロトニン神経阻害剤5、6ジハイドロトリプタミンの投与によって部分的に抑制された。パラクロロフェニ-ルアラニンはセロトニンによるプロラクチン分泌を増強させた。この効果はセロトニン受容体の感受性の増大によると考えられた。従ってガラニンによるプロラクチン分泌にセロトニン受容体が少なくとも部分的に関与することが示唆される。次に成長にホルモン分泌は視床下部ソマトスタチンニよって抑制されるが、ソマトスタチンノ誘導体である酢酸オクとレオチドはより強力かつ待続的な下垂体成長ホルモン分泌抑制作用を示した。従って視床下部ペプチドの誘導体ないし拮抗剤による成長ホルモンやプロラクチン分泌の抑制効果は、これらの神経ペプチドが下垂体腫瘍に対する薬物療法に応用可能である。
著者
相良 節夫 大林 正直 壇上 光昭 村田 純一 和田 清 熊丸 耕介 三木 康臣
出版者
九州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

本研究では、(1)多変数線形システム(2)未知パタン変動システム(3)分布定数システム(4)電力システムの4種のシステムを対象としている。以下、各対象システムごとに順に研究成果の概要をまとめる。(1)一般化最小2乗推定値を得るための計算効率のようアルゴリズムを提案し、またバイアス補償最小2乗法を入出力に観測雑音がある場合に拡張した。最小2乗法の数値的不安定性のシステム・雑音特性との関連を解析した。さらに、多変数システムの表現法として、ベクトル差分方程式の重複形表現の有効性を明らかにした。(2)未知パタン変動として現れるシステムの故障の有効な診断法として、簡易診断部と精密診断部からなる階層的診断法を提案し、故障検出感度の事前評価法を考案した。また、診断の困難な適応制御システムを対象に、ファジィ推論法に基づく診断手法を開発した。さらに、分散形システムに対して、さブシステムごとに推定結果を統合して適切な診断を行うコ-ディネ-タの設計法を提案した。(3)分布定数システムの有限次元近似手法であるガラ-キン法について、座標関数の選び方と近似精度との関係を解析した。また、偏徴分方程式のパラメ-タ同定手法として、数値積分フィルタ・最適ディジタルフィルタを用いた手法を提案した。一方、高温金属面と沸騰水との境界の関度や熱流続の特性を、直接測定することなく分布定数システムの境界条件推定問題として求める方法を開発した。(4)複雑なシステムのモデル化が必要となる電力負荷予測について考察し、モデルを自動選択する1日先負荷予測、気温モデルによる負荷時系列の定常化処理を行う1週間負荷予測の各手法を開発した。また、発電機制御の新しい方式を提案し、簡単な構成によって制御性能・ロバスト性とも大幅に向上できることを示した。
著者
渡邉 守
出版者
三重大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

野外で活動中の蝶類の糖濃度選好性を調べるため、三重県津市周辺と長野県白馬地区でナミアゲハとキアゲハ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、モンキチョウを捕獲した。捕獲個体は、直ちに、あらかじめ成分・濃度を数段階に設定しておいた糖溶液を3分間与え、その間の吸飲量を測定した。アゲハ類では20%糖溶液が最も好まれ、蒸留水は少ししか吸飲されなかった。日令の進んだ成虫ほど吸飲量は多く、雌の方が雄よりも多く吸飲した。一方、シロチョウ類でも20%糖溶液が最も好まれていた。モンシロチョウは糖濃度の違いの感受性が低く、スジグロシロチョウが高かった。また、モンキチョウは蒸留水をかなり吸飲することが分った。しかしシロチョウ類では、日令の違いによる吸飲量の差は得られなかった。これらの結果をそれぞれの種の生息地選択の観点から考察した。室内ではナミアゲハの雌を羽化させ、濃度を数段階に設定した糖溶液をそれぞれ1日1回3分間ずつ与えて吸飲量を調べた。雌は室温で常時三角紙内に静置するか室内のケ-ジ、戸外の網室で飼育した。20%糖溶液を与えた雌の寿命が最も長くなった。また、実験に供した雌を様々な日令で解剖し、保有していた卵数を数えた。これらの雌はすべて未交尾のまま保ち、産卵をさせなかったところ、低濃度の糖溶液を与え続けた雌では日令が進むと成熟卵の再吸収が認められた。「水」のみを与えた個体は絶食させたが個体よりも寿命が延びることも分かった。脂肪体の減少傾向は糖摂取量の少ない個体ほど強く、多い個体ほど弱かった。保有している成熟卵数は高濃度の糖溶液を吸飲した個体ほど多かった。この傾向は日令が進むほど顕著となっている。これらの結果を比較すると、摂取された糖は成虫の体を維持すりばかりでなく、卵成熟のためのエネルギ-源として使われていたことがわかった。
著者
水野 紀子
出版者
名古屋大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

日本固有の家族法を体現する存在である戸籍制度と、西欧法を継受した民法との間には根本的な矛盾が存在する。戸籍制度と民法が前提とする身分登録制度である自分証書制度との間にある相違は、単に個人別登録か家族ごとの登録かというものにとどまらず、戸籍は、国民登録兼親族登録兼住民登録である点で、出生・婚姻・死亡の単なる証拠書類にすぎない身分証書と基本的に異なっている。この相違がわが国の家族法に及ぼした影響は大きく、しかしその相違について無自覚であったため解釈は混乱している。平成4年度は、この矛盾があらわれている典型的なテーマのうち、実親子関係法について「比較婚外子法」、婚姻法について「重婚に関する一考察」、相続について「相続回復請求権に関する一考察」を著して、それぞれの問題を明らかにしたほか、日本の戸籍制度全体にわたってその特徴と将来像を描いた論文「戸籍制度」を執筆した。実親子関係法では、戸籍制度の特殊性故に虚偽出生届による戸籍を訂正する必要から生じた諸実務が、嫡出否認や認知など民法の設けている要件規定を事実上空洞化する傾向にある。その構造を明らかにした上で、現状の日本法の実務がどのような特殊性と難点をもっているかを描いた。婚姻法では、戸籍の届出制に基礎をおく協議離婚制度とそれが意思確認機能を持たないが故に必要となった協議離婚無効確認訴訟という日本法独特の訴訟類型、その結果生ずる重婚という日本にしかない特異な重婚類型に、構造上重婚が可能な身分証書制度下の民法がもつ重婚規定が適用されることから生じる問題を明らかにした。また、相続法においては、相続人がどこにどれだけいるかということが戸籍によってわかるという条件は、西欧法にはない。それがわからない身分証書制度を前提として形成されてきた相続回復請求権などの制度が、日本法に導入されたときどのような特異な機能を果たすことになったかを研究した。
著者
奈良 信雄 村上 直巳
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

急性骨髄性白血病の治療成績は向上しているが、現在においてもなお難治性である。今後治療成績をさらに向上させるには、患者の予後を正確に予知し、個々の患者に即応した理論的な治療を行う必要がある。本研究では、白血病細胞の増殖能こちにサイトカイン遺伝子発現と予後が相関するかどうかを検討した。まず白血病細胞集団の増殖は、その中の一部の白血病性幹細胞によって維持されていることが確認された。白血病性幹細胞には自己再性能があり、その強弱が患者の予後と相関する事実が見出された。そこで、白血病性幹細胞の増殖機構をさらに検討した。白血病性幹細胞の増殖は、G-CSF、GM-CSF、IL-3、SCFなどのサイトカインによって刺激されることが分かった。その刺激効果は患者間で差異があったが、CSFの刺激効果と患者の予後には有意な相関は見られなかった。白血病細胞にはこれらのCSF遺伝子の発現している症例があった。ただし、サイトカイン遺伝子発現と患者の予後には有意な関連は見られなかった。白血病性幹細胞の自己再生能は種々のサイトカインネットワークによる制御を受けていることが立証されたが、その詳細な機構は解決されていない。今後の研究において、白血病性幹細胞の増殖機構を分子レベルで明らかにし、白血病性幹細胞の根絶を目指した治療体系の確立が重要と考えられる。
著者
中島 正 千木 昌人
出版者
金沢大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

本研究では,アシルシランシリルエノールエーテル(I)とアセタール類との反応による3-アルコキシアシルシラン誘導体の立体選択的生成と,これを利用する3または4連続不斉中心の選択的構築法について検討した。カルボニル基のα位にメチレン基を有するアシルシランをエノール化させ,生じたエノラートを塩化シランで捕捉してIを良好な収率で得た。エノール化剤としてのLDAの使用はZおよびE-Iの混合物を,ホスホニウムジイリドではE-Iを立体選択的に得た。E-またはZ-Iとアルデヒドジメチルアセタール類のアルドール反応ではいずれのIからも2,3-anti-3-メトキシ-1-シリル-1-アルカノン(II)が優先的に生じた。また,エーテル炭素置換基がフェニル及び直鎖アルキル基のIとベンズアルデヒドアセタールとの反応で最も高い立体選択性(d.e=92-96%)が認められた。E-Iとd,1-フエニルプロピオンアルデヒドジメチルアセタールアルドールとの反応では,3連続不斉中心を有する2,3-syn-3,4-syn-3-メトキシアシルシラン(V)が高立体選択的に生成し,3,4位炭素の相対配置とともに2,3位炭素のそれも規制されることが明らかとなった。IIおよびVにアルキルまたはフェニルリチウムを反応させ,対応する3および4連続不斉中心を持つ3-メトキシ-1-シリル-1-アルカノール(IIIおよびVI)を定量的かつ高ジアステレオ選択的に得た(d.e=80-99%)。IIIおよびVIのフッ素アニオン試薬による脱シリルプロトン化は,2,3位炭素間の相対立体配置に関係なく,定量的かつ立体特異的に進み対応する1,2-anti-3-メトキシ-1-アルカノール(IVおよびVII)を生じた(d.e=>99%)。
著者
鈴木 洋昭
出版者
岐阜女子大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1988

戦後四十数年間の岐阜県議会議員の社会的属性の分析を中心とした地方議員の利益代表性についての研究を更に発展させて、地方政治を支えあるいは動かしてきた「地方名望家層」-具体的には酒造業を営む地方の名士-の変容に焦点をあてて、岐阜県の政治文化を分析し、社会学的な考察をくわえてきた。平成元年度の研究は、当初の研究目的に従い、研究計画どおりの方法で実施してきた。前年度の研究において、当初から予想されたとおり、本研究にとって重要な基礎的資料の収集、とくに政治的パトロン関係の資料収集が困難であった為に、本年度の研究は、(1)酒造業者の家系の歴史的調査,(2)酒造業者の家系をたどり、メンバ-の経歴分析のなかでの政治的役職者の調査、(3)政治的パトロン関係の調査の(1)〜(3)の調査の資料整理をおこない、研究結果のまとめをおこなった。以下、平成元年度の研究結果のまとめを記しておく。大衆政党の出現が地方名望家の政治参加に大きな変化をもたらしたことは周知の事実であるが、岐阜県内においても、政治家の輩出基盤としての酒造業者に変化がみられる。昭和63年度の研究結果のまとめとして、酒造業者の政治参加には三様の関わり方があることを指摘したが、最近の傾向として、自ら政治に参加するのではなく、政治家とパトロン関係をもつことによって政治に参加する方向へと変化がみられる。そして、その変化は政治家の職務の専門化等に対応した政治家自身の特性の変化によるばかりではなく、経営規模の変化や経済成長との関わりのなかでの変化によるものであることを指摘したい。
著者
狭間 節子 橋本 是浩
出版者
大阪教育大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

主要な研究成果は、次の3点に要約できる。(1)ジオボード(格子点)を使った数学的活動の特性を明確にし、その特性を活かした小・中・高校の数学的活動の枠組みを決定し、教材策定を行った。ジオボードの活動は、ボード上の図形間の関係についての子どもの気づきや疑問から出発し、分析、分類を通して関係を精密にし、推測を検証・精錬し、一般化及び形式化に至る数学化の過程であり、特に、関係の分析は、総合・統合を介する分析として、次の点を明確にした:(1)全体的・直観的把握から分析へ (2)図形の外部との関係へ広がる分析(3)移動や拡大・縮小と結びつく分析 (4)ジオボードから格子点へ広がる分析(5)長さ、面積などの連続量を、点や線分の数などの分離量に結びつける分析(2)上記の特性を活かした数学的活動の枠組みを設定し、素材開発と教材策定を行った。【小学校 低・中学年】実際的操作や観察を基に形を動的に全体的・直観的に捉え、分類する活動・形づくりと形の変形(★) *周一定な図形の面積(★)【小学校 高学年〜中学校 前期】分析・分類により推測を検証・精錬し、一般化へいたる活動*図形の等周変形 *正方形くずし(★)*フェアリ-数列 ・ピックの定理の発見的アプローチ(★)【中学校 後期〜高校】格子点を使った関係の一般化、形式化、及び局部的な論理的構成の活動*等周変形とピックの定理 *オイラーの定理を用いたピックの定理の証明上記*印の題材は素材開発にあたり、★印は授業実践によって検討、検証した。(3)実践では、ジオボードの数学的活動は、手(実際的操作)と目(イメージ)と頭(思考)と口(言語表現・伝達)が同時に働く、認知的・情意的両面からの子どもの"whole brain"の活動として検証された。トランプ型「ジオカード」考案により、分析・分類を手軽に興味ある活動にした。グループ活動による成果も大きく、また次の課題意識へつながるオープンエンドの様相を呈したことは注目に値する。
著者
葉山 杉夫 中務 真人
出版者
関西医科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

二足起立姿勢をとらせたニホンザルに対するX線写真撮影の結果,猿まわしの調教をうけたサルの脊柱にはヒト的な特徴である腰椎前弯が発生していることが判明した。ニホンザルをはじめヒト以外のほとんどの霊長類の脊柱には胸腰部を通じ後弯しか存在しない。四肢性歩行者である彼らの胸腰椎は腹側に凸な曲げモーメントに耐える構造になっている。一方,調教ザルに認められた腰椎前弯の機能的意義は二足性起立時に,1)腰椎に発生する曲げモーメントを減少させる,2)体幹を起立させる固有背筋のテコ比を高め,効率的な筋活動を可能にする,3)体の重心を背側方向に移動させ,体重を支える後肢の負担を軽減させる,ことにあると考えられる。さらに,腰椎前弯の発達度と,調教期間,調教方法との関係について検討した。一般に,調教期間が長いサル(3年以上)は,短いサル(約1年未満)よりも顕著な弯曲を示す。また前者では,四肢性姿勢時でも腰椎前弯が認められるが,後者では弯曲は失われ通常のニホンザルに近い状態を示す。しかしながら,調教期間の長い個体群についてみると,調教期間が必ずしも前弯度と相関をしていない。腰椎前弯の発達の程度には第一に調教期間,第二に個体が潜在的に持っている能力の程度が関係していると考えられる。三番目の要因として,二足歩行のための調教方法の違いが示された。調教の初期段階で二足起立姿勢を維持する訓練を受けたサルは,始めから立って歩く訓練を受けたサルに比べ,同程度の調教期間の経過後,より顕著な脊柱の代償性弯曲を示す。
著者
植野 洋志
出版者
大阪医科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

ゴシポールの多岐にわたる作用機構の解明の為に、二枚貝であるSpisula solidissimaの精子をモデルとして実験を進めた。まずは、精子の細胞膜表面に存在するゴシポールの受容体と思われるタンパク質の同定を目標とした。Spisulaより多量の精子を採取し、Triton X-100を含む緩衝液で精子を処理後、可溶化されたタンパク質の精製をアフィニティーカラムを使って試みた。アフィニティーカラムには、ゴシポール、および、ゴシポールの酸化物であり、精子とのインターラクションの後、誘導されると思われるゴシポロンを幾種かの市販のアフィニティーゲルにカップリングさせたものを準備した。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による解析の結果、幾種の特徴的なバンドが観測された。その内、3種類のタンパク質をゴシポール受容体として精製をおこなった。ゴシポールの構造類似化合物および誘導体と精子との相互作用を検討した。これにより、ゴシポールの構造上、どの部位がその生理作用発現に関与するかを知る事ができると考えた。20種近い構造類似物および誘導体が及ぼす精子の運動能力、酸素消費量、そして卵子との受精効率への効果を比較検討した。その結果、アルデヒド基の存在は全ての生理作用に必須であり、受精効率と構造上との間での相関はなかったものの、ゴシポロンの生成には第2芳香族環に存在する水素原子の存在が必要であることが判明した。ゴシポールのもつ生理作用をより深く理解する意味で精子運動を阻害する他の化合物、例えばカルシウムチャンネルブロッカーやtricyclic antidepressant剤の作用を検討した。これらの試薬とゴシポールとの拮抗作用も検討した。近年、生殖のメカニズムに神経伝達物質であるGABAおよびGABAの合成を司るグルタミン酸デカルボキシラーゼの関与が示唆されており、我々は偶然に抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ抗体が前出のゴシポール受容体タンパク質の一部と反応することを見つけた。現在、その意味合いを解明中であるが、GABAを通じての精子運動の制御機構は未だ知られておらず今後の課題として興味深い。
著者
小野 秀樹 松本 欣三 太田 茂
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1988

フェニルエチルアミン(PEA)は生体内に存在する微量アミンであり,精神機能と関わりがあると考えられている。その化学構造や薬理作用は覚醒剤のものと類似している。これらの薬物は様々な薬理作用を発現するが,作用と立体構造の関係は不明である。著者らはすでに、これらの薬物は脊髄反射の系において,少量では下行性ノルアドレナリン神経の終末よりノルアドレナリンを放出させることにより、単シナプス反射(MSR)を増強し、高用量ではセロトニン受容体へ作用することによってMSRを抑制することを示している。本研究においては、ノルアドレナリン放出作用・セロトニンアゴニスト作用と立体構造との関係について実験した。PEAのフェニル基とアミノ基窒素が近い形で固定されていると考えることができるノミフェンシンおよびマジンドールは下行性神経からのノルアドレナリン放出により、MSRを増強した。さらにMSR増強作用と腺条体の〔^3H〕マジンドール結合阻害作用の間には良い相関があった。PEAのフェニル基とアミノ基窒素が遠い形で固定されている2-アミノテトラリン類はセロトニンアゴニスト作用によりMSRを抑制した。光学活性体についてはR体に活性があった。これらの結果から,PEAおよび覚醒剤のノルアドレナリン放出作用は、フェニル基とアミノ基が近い形のコンフォメーションの時に生じ、セロトニンアゴニスト作用は遠い形のコンフォメーションの時に生じることが示唆された。以上、単純な系であり定量的な実験が可能な脊髄反射を用いて得られた結果ではあるが、この解釈は運動量増加作用(脳でのノルアドレナリン放出による)および幻覚作用(脳でのセロトニン_2アゴニスト作用による)にもあてはまるものと考えられた。
著者
大森 哲郎 井上 猛
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

視察法および赤外線センサー運動量測定装置を用いて移所運動や常同行動を観察し、覚醒剤反復投与による行動過敏性(逆耐性)形成のさいの、グルタミン酸の関与を行動学的に検討した。また覚醒剤大量投与時にみられるドーパミン(DA)やセロトニン神経変性のメカニズムを、DAとグルタミン酸の放出動態を指標に、脳内透析実験を用いて研究した。覚醒剤とNMDA受容体競合的拮抗薬の併用反復投与は、非競合的拮抗薬の場合と同様に、行動過敏性形成を阻止することを明らかにした。このことから行動過敏性形成におけるNMDA受容体の関与が一層明確になった。覚醒剤を大量投与すると、DA放出は線条体と側坐核の両部位で昂進するが、グルタミン酸放出は線条体のみで昂進することを示した。DA神経変性は線条体に限局するので、グルタミン酸放出の昂進はこれと関連する可能性がある。セロトニン神経変性は、両部位において等しく認められるので、グルタミン酸放出の昂進は直接には関連しないと思われる。NMDA受容体拮抗薬は、セロトニン神経変性もDA神経変性と同様に抑制するが、その作用点は今後の検討課題である。さらに、NMDA型グルタミン酸受容体刺激に引き続き細胞内では一酸化窒素(NO)の生成が促進され、これが生理的に重要な意味を有するという最新の知見に導かれて、一酸化窒素合成阻害薬が覚醒剤の急性行動効果や行動過敏性形成にどのような影響を及ぼすかについて検討した。その結果、急性行動効果については、移所運動促進作用および常同行動発現作用ともある程度抑制することを示した。また行動過敏性形成については、移所運動の過敏性には影響がないが、常同行動に関しては、いくぶん減弱させることを見い出した。以上の実験所見から、覚醒剤精神病の発現にグルタミン酸神経伝達が関与していることが示唆される。
著者
海野 福寿
出版者
明治大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

1990年5月の慮泰愚韓国大統領の来日を契機に提起された朝鮮人強制連行問題は、その後の韓国人被害者が提訴した補償請求裁判やジャーナリスト・市民グループによる調査研究によって、動員の実態が明らかにされつつある。それは日本人に朝鮮植民地支配の責任を自覚させるうえで大きな役割を果たしたが、歴史学的見地からみた時、いまだ体系的・構造的にはとらえられていないように思われる。本研究は、そのような現状をふまえ、主として公開資料によりながら朝鮮人強制連行を政策史的観点から跡づけようとするこころみである。主要論点は以下のとおりである。1.強制連行の定義:植民地における強制連行の"強制性"を物理的強制としてではなく、法律と命令による法的強制に求めた。これにより占領地における労働力徴発や俘虜の強制労働と区別した。2.強制連行政策:3段階に区分される強制連行の政策的展開を、朝鮮における労働力再配分計画および戦争末期の軍要員確保政策との関連で位置づけた。3.動員規模:国外への動員数のみならず、朝鮮国内動員数についても把握することに努めた。推計値は国外119万人、国内319万人である。4.動員実態:韓国政府記録保存所所蔵の「倭政時被徴用者名簿」により慶尚北道48,021人分、慶尚南道29,864人分について実態分析を行った。5.違法性:1930年国際労働総会採択の「強制労働ニ関スル条約」等の労働規約の観点から朝鮮人強制連行の違法性と日本政府の責任を明らかにした。
著者
早瀬 文孝
出版者
明治大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

ラットに発がん性ヘテロ環アミノ化合物を与えると,肝臓に前がん病変のマーカー酵素である胎盤型グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST-P)の発現を経て,肝がんを誘発することが知られている。本研究ではラット初代培養肝細胞を無血清培地でPrimariaディッシュを用いてスフェロイド培養し,化学発がん過程におけるメラノイジン(MEL)添加の抑制効果について調べた。MELはグルコースとグリシンの非透析性画分より調製した。発がん性物質にはMeIQx、Trp-P-2を用いた。対照群をMEL無添加群とし、各濃度のMELを添加した群についてMELの化学発がん抑制作用を検討した。5日間の培養後、肝細胞のアルカリフォスファターゼ活性を測定したところ著しい変動は認められず、肝機能は維持されていると推察された。その肝細胞を用い、MeIQxによるGST-PmRNAの発現誘導がスフェロイド培養細胞で認められるかについて、抗GST-P抗体を用いたELISAによってGST-Pタンパク質の検出を行った。その結果、10nM〜1μMのMeIQx添加で対照群と比較し、有意にGST-Pタンパク質の発現が上昇した。そこで5日間の培養細胞から全RNAを抽出し、GST-PのcDNAをプローブとしてノーザンプロット分析を行った。その結果、10nM添加のMeIQxおよび7.8nM添加のTrp-P-2群のGST-P mRNAの発現はそれぞれ無添加群の4.1、9.2倍に増加した。これらの群に0.1%あるいは0.01%MELを発がん性物質と同時に添加することにより発がん性物質無添加群とほぼ同レベルまで抑制された。本研究の結果からMELがMeIQx、Trp-P-2によるGST-P mRNAの発現誘導をほぼ完全に抑制することが明らかとなった。これはヘテロ環アミノ化合物がMELに吸着されること、中間代謝活性化体であるヒドロキシルアミン体がMELとの反応により不活性化されるためであると推察される。
著者
関口 順
出版者
埼玉大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

本研究課題の対象である『司馬法』の研究蓄積は従来無きに等しかったが、最近、田旭東氏による成果が中国で出ていることが分った。これは学位論文であるため、現在同氏に内容を照会中である。この論文を作製したのち田氏は『司馬法浅説』という簡単な概説書を著したが(1989年5月出版)、それはその学位論文の成果を反映しているようである。その書によって推測すれば、田氏の研究は書誌学的な考証を主としており、思想史的な研究視角による本課題とは取り組みの傾向を異にすると言える。研究代表者(関口)は思想史的研究の立場に立ちつつ、本年度は逸文の収集に努めた。張〓の『司馬法逸文』一巻;黄以周の『軍礼司馬法攷徴』二巻;〓〓の『司馬法逸文』一巻;銭煕祚の『司馬法逸文』一巻などを基とし、さらに若干の原資料を調査した。それらの逸文は、大体において零細なものであったので、これらの逸文を整理し、資料集を出版する事とした。その計画では、次のようになっている。タイトルは『司馬法資料集成』。内容は1.思想史的分析に基づいた書誌的解題。2.現行本『司馬法』の校勘、注釈と翻訳。3.逸文の網羅的集成と内容に即した整理。現行本は明らかに残欠の文章の集成であり、全体の構成を多少なりとも伺うには逸文を重視しなければならないだろう。逸文および現行本の内容を総合して考えると、『司馬法』の構成は、1.平時における王官(王者の官職)司馬の職務、その主な内容は軍制の整備や軍賦の管掌、2.戦時における王師(王者の軍隊)の軍礼・軍法ーーの二つが大きな柱となっていると思われる。いずれも王者の統治の観点から王官・王師を論じている。このうち、司馬の職務は『周礼』と類を同じくし、軍礼・軍法は、韓信が整備したとされる漢の軍法(沈家本:漢律〓遺巻二十一)の理念形態を開示するものである。
著者
遠藤 辰雄 谷口 恭
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1985

電気ゾンデとして降水粒子の電荷と雲内の大気電位傾度の二要素を交互に時分割で測定して送信するものを製作した。これをレーダにて予め到来時を予測した降雪雲に合わせて飛揚し、それを自動追尾するラジオゾンデ受信機の空中線制御の方位角に合わせてレーダの縦断面の走査をしながら追跡した。得られた観測結果の7例中6例について、降雪雲の下部半分や雲底近くは正の電位傾度であるのに対して、上半分や雲頂近くでは、逆に負の電位傾度であることが共通していた。このことは降雪雲の電気的性質の一つとして特筆すべきことである。例外のケースはレーダエコーから判断して、一連の攪乱の末期のものであったと判断された。電気ゾンデとレーダの同時観測については、最も条件の良い例から順に詳しく解析してみた。そのレーダのRHI図の縦断面図によるとエコーが尾流雲の形で風のシャーによって進行方向に対して約2/3の勾配で前傾しているのがわかった。これは海上から上陸すると、さらに前傾が進んでいくが、電気ゾンデは幸いに、その尾流の中をつらぬく様に飛航した。その中で雲の下部は正電場で、そこの降水粒子の電荷の負が卓越していた。また雲の上半分の電場は負で、そこの電荷は正で逆相関である。電場の符号の変り目には空間電荷密度が算出されるので、雲層全体の中層付近は正の空間電荷が存在していることになる。また雲頂近くには負の空間電荷が同様に計算される。冬の雷は通常の落雷と異って正の電荷が落ちることで注目されている。この研究によって得られた電気的構造によると、その正電荷は雲の中層の空間電荷か、またわ雲の上半分に存在する降水粒子の正電荷のいずれかであるが、それらに対する反対符号の電荷と単に重力分離しているだけでなく風のシヤーによって水平にひきはなされていて、これが大地に対し露出するために正極性落雷になると考えられる。