著者
磯崎 隆徳 森野 博章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.479, pp.157-162, 2015-03-02

コミックマーケットなど大規模イベントでは参加者が会場内でWebから関連コンテンツを受信することが多く,この場合セルラー網の受信速度が急激に悪化する.この問題に対処する方法として会場内に無線メッシュ網を設置し,メッシュ網を有線でインターネットアクセス回線に接続して参加者にこの無線メッシュ網からコンテンツを受信させることが挙げられる.参加者は一般に趣向が似ており,受信するコンテンツも互いに類似性が高いと考えられるため,網の各APにコンテンツキャッシュを置くことで受信速度がより向上すると考えられる.本研究では,この想定の下で各コンテンツは会場内に設営される特定のブースから局所的に高い頻度で受信される傾向があるものとして,受信頻度の局所性を考慮したキャッシュ置換ポリシーを用いることで,各ユーザの受信速度を向上させる方式を提案する.
著者
鈴木 康夫 井城 祥光 上原 和浩 川口 英治 中嶋 信生 濱井 龍明 原田 博司 藤井 輝也 横井 時彦 横山 幸男 日高 良一 小田 浩司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.217, pp.109-116, 2005-07-21
参考文献数
9

フィールドでのソフトウェア交換が可能になる将来を想定して、ソフトウェア無線機の開発、証明、流通、インストール関するシミュレーションシステムを製作し、検証実験を行った。
著者
田畑 光義 大井 恭子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.437, pp.1-6, 2005-11-25
参考文献数
16

本研究は中学生を対象に英語でパラグラフを書くことを目的にしたweb掲示板の実践研究である。参加者が書いた作品をネット上に公開することで, 「書くこと」の必然性が確かめられ, 互いの考えを読み合うことを通し, 学ぶ場が作られる。しかしながら中学段階では英語の習得は初歩段階である。そこで上級者(英語教育専攻学部生)による『web上』でのフィードバックを加えることによって, 学習者個々への支援ばかりか, web掲示板上での参加者に学びを共有することができ, さらに書き直しにもつながった。これらの実践を通して参加者の書いた作品ならび授業後の振り返りに変容が見られた。
著者
佐藤 隆夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.470, pp.13-18, 2002-11-14
参考文献数
5
被引用文献数
2

視線の知覚,とりわけ「目が合う」という感覚は,我々の社会生活にとって重要な役割を果たしている.ここでは,我々の一連の研究から,視線知覚の水平方向での精度,それに対する距離の効果.眼球運動の検出の精度,視線知覚の奥行き方向での精度,視線知覚における目の形の効果,頭部回転効果と呼ばれる現象に関する実験的な検討を報告する.そのうち,もっとも興味深いものは,視線知覚の精度が観察距離に依存せず,視線供給者側の視線変移角としてほぼ一定になると言うことである.この結果は,視線知覚が,黒目のエッジなどの詳細な情報に依存せず,顔や目の幅などによって正規化された相対的な低解像度の要因に依存することを示している.
著者
YU Chen JIANG Xiaohong HORIGUCHI Susumu
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on information and systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.719-727, 2006-02-01
参考文献数
22

A combination of horizontal expansion and vertical stacking of optical Banyan (HVOB) is the general architecture for building Banyan-based optical cross-connects (OXCs), and the intrinsic crosstalk problem of optical signals is a major constraint in designing OXCs. In this paper, we analyze the blocking behavior of HVOB networks and develop the lower bound on blocking probability of a HVOB network that is free of first-order crosstalk in switching elements. The proposed lower-bound is significant because it provides network designers an effective tool to estimate the minimum blocking probability they can expect from a HVOB architecture regardless what kind of routing strategy to be adopted. Our lower bound can accurately depict the overall blocking behavior in terms of the minimum blocking probability in a HVOB network, as verified by extensive simulation based on a network simulator with both random routing and packing routing strategies. Surprisingly, the simulated and theoretical results show that our lower bound can be used to efficiently estimate the blocking probability of HVOB networks applying packing strategy. Thus, our analytical model can guide network designers to find the tradeoff among the number of planes (stacked copies), the number of SEs, the number of stages and blocking probability in a HVOB network applying packing strategy.
著者
榎本 美香 石崎 雅人 小磯 花絵 伝 康晴 水上 悦雄 矢野 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.445, pp.45-50, 2004-11-11
参考文献数
10
被引用文献数
1

本稿では,会話相互行為の実証的な分析にふさわしい単位について考察するために,これまでに提案されているいくつかの単位間の比較を行う.比較する分析単位として間休止単位・韻律単位・節単位・スラッシュ単位・ターン構成単位を取り上げる.まず,各単位の判定基準に基づき,共通データ(3人会話)の単位区切りを行う.次に,ターン構成単位を軸としてその他の単位との境界の一致傾向を調べる.また,数量化II類を用いてターン構成単位の境界の有無をその他の単位から予測するモデルを構成し,ターン構成単位へのそれぞれの単位の影響について検討する.分析の結果,ターン構成単位との一致が強いのは節単位・スラッシュ単位であり,予測モデルに大きな影響を与えるのは節単位と一部の韻律単位であることを示す.
著者
青木 一真 黒柳 奨 クグレ マウリシオ ヌグロホ アント サトリヨ 岩田 彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. D-II (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.12, pp.2291-2300, 2005-12-01
参考文献数
12
被引用文献数
4

本論文ではSVMにおけるマージンをベースとした特徴選択手法を提案する.しかし一般的なマージン(Normal Marginと呼ぶことにする)の場合,マージンの大きさとSVMの学習により得られる識別関数の良さが適切に対応しない場合があることが明らかとなった.すなわち,Normal Marginを評価値とした特徴選択を行って得られた特徴セットが,必ずしも最良の識別関数を与えるとは限らない.そこでこの問題を解決するために Confident Margin(CM)という新しい評価基準を導入し,それを用いた特徴選択アルゴリズム SBS-CM を提案する. SBS-CM による人工データや実データを用いた実験を行った結果,従来手法よりも良い結果を得ることができた.また評価値CMの値の変化から最適な特徴セットをおおよそ求めることが可能であった.
著者
TAN Boon-Keat YOSHIMURA Ryuji MATSUOKA Toshimasa TANIGUCHI Kenji
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on information and systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.84, no.11, pp.1521-1527, 2001-11-01
被引用文献数
4

This paper describes a new architecture-based microprocessor, a dynamically programmable parallel processor (DPPP), that consists of large numbers of simplified ALUs (sALU) as processing blocks. All sALUs are interconnected via a code division multiple-access bus interface that provides complete routing flexibility by establishing connections virtually through code-matching instead of physical wires. This feature is utilized further to achieve high parallelism and fault tolerance. High fault tolerance is realized without the limitations of conventional fabrication-based techniques nor providing spare elements. Another feature of the DPPP is its simple programmability, as it can be configured by compiling numerical formula input using the provided user auto-program interface. A prototype chip based on the proposed architecture has been implemented on a 4.5 mm × 4.5 mm chip using 0.6 µm CMOS process.
著者
宗廣 孝継 小林 潤一 吉田 満 松岡 順一 上田 芳信 開沼 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.257, pp.53-57, 2013-10-22

通信やレーダ用途において,フェーズドアレー方式のシステムが検討されている.この方式では,指向性の高い電磁波ビームを形成するため,アレー素子の小型化と高出力化,高効率化の要求がある.そこで,これらの要求を同時に満たす増幅器として,フェーズドアレーレーダシステムへの応用を念頭に置いたMPM(マイクロ波増幅モジュール)に適する9〜10GHzの周波数範囲で高周波出力800W以上,総合効率41%,寸法20mm(W)×20mm(H)×213mm(L),質量0.4kgのミニTWT(小型進行波管)を開発したので報告する.
著者
古賀 徹 松宮 正人 宮保 徹 水谷 和宏 鵜澤 裕一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-09-05

パッケージや配線材質等から入射したα粒子がセルデータを破壊するソフトエラーは、その入射条件に大きく依存することが指摘されている。一般に入射エネルギーが低く、入射角が浅い場合がワーストケースとされ、より多くの発生電荷がノード部分拡散層へ収集される。このことは加速線源を用いたソフトエラー試験において、セルと加速線源の位置にり不均一なFail bit分布を表わす事を示している。われわれは相似型セルと同一周辺回路で構成するSRAMを試作、評価を行ってきた。そして、今回デバイス内の各セルブロック別のFail bitの比較を行い、入射条件の違いによる影響について調査を行った。
著者
飯塚 重善 小松原 明哲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.426, pp.165-169, 2014-02-01

筆者らは,『ソーシャルメディアに関しては,"情報の受け手の,情報に対する信頼"は,従来の信頼できる発信源による"質"を備えた情報であるか否かに関わらず,その"量"の多さによって形成される信頼もある』という仮説を掲げ,情報受信者の評価に着目した「発信源のクオリティと受け手のリテラシー」および情報量の多さが及ぼす情報の信頼性への影響に着目した「多量化による情報への信頼性」について解明することとした.本稿では,最近多発している「炎上」の事例やそれらについて分析している文献等から,「炎上」について,その現象を見つめるとともに,「炎上」ではない,発信者の意図に反した範囲にまで拡散されてしまった実例を挙げ,Twitterで発信された情報の想定外拡散について検討している.
著者
佐方 連 村田 英一 吉田 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.342, pp.135-142, 2000-10-05
参考文献数
8

近年, 安全・快適・効率的な交通を目的とした高度道路交通システム(ITS)の構築が推進されている.ITSにおける車車間通信は, 各車両が自ら通信制御を行う自律分散システムとなる.この通信方式として複数キャリア周波数を用いた時分割方式を仮定した場合, 周波数及び通信スロットの選択が課題となる.ここで, 車両が同一周波数を使用する車群を形成し車群内において異なる送信スロットを用いるシステムを考える.車両は自律分散的に周波数・送信スロットを選択し, 車群形成する.本稿では車群形成方式として受信電力が大きく且つ使用スロット数の多い周波数を選択する方式を提案する.また, この方式はスロット競合を検出し解決を促すアルゴリズムや車群分割のアルゴリズムも含む.本研究では車両がランダムに周波数・送信スロットを使用した状態からの車群形成特性を計算機シミュレーションにより検討した.検討の結果, 短時間での車群形成での車群形成を実現できることを確認したので報告する.
著者
川村 春美 乾 敏郎 鈴木 智 徳永 幸生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-2, 情報・システム 2-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.1046-1056, 1997-05-25
参考文献数
7
被引用文献数
5

カラー画像から, 照明光の色を推定する手法の一つに, 物体の平均の色が灰色であると仮定(灰色仮説)し, 画像の平均の色を照明光の色として推定する手法がある. この手法は, 照明光の推定値が物体の平均の色に依存するため, 仮説が成り立たない場合, 推定精度が低下することが問題であった. 本論文では, 相異なる照明光下における共通物体からの反射光の平均の色が, 黒体放射軌跡上にある場合に, 灰色仮説が局所的に成立すること, および, その場合に, 共通物体からの反射光の平均を照明光の色として推定できることを示す. 更に反射光の平均と照明光の色とが知覚的に同一である場合の照明光推定の方法および実験結果を示す. また, 相異なる複数物体における反射光の中から灰色仮説が成立するような色の組合せを選択する方法も示す
著者
大久保 美也子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.380, pp.17-20, 2014-12-19

2014年8月17日から21日の期間に米・サンターバーバラ大学にて開催された,国際暗号研究学会(IACR)主催の暗号国際会議CRYPTO 2014について報告する.
著者
森 幸男 相川 直幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06

本報告では、ウェーブレット変換した音声をスペクトログラムのような音声画像で表し、画像認識処理によって音声認識することを試みた。
著者
大谷 真 倉林 宏明 伊東 一典 橋本 昌巳 香山 瑞恵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.177, pp.29-34, 2013-08-09

バイノーラル方式による立体音響再生システムの再生系の一つとして,小数のスピーカとクロストークキャンセラを用いるトランスオーラル再生システムがある.ヘッドホン再生とは異なり,頭部及び耳介への装置の接触なしにバイノーラル信号を呈示できることがトランスオーラル再生の利点であるが,トランスオーラル再生で利用されるクロストークキャンセラが音像定位や聴覚による空間知覚において重要な役割を果たす頭部運動に対して頑健でないため,受聴者の頭部運動が制限されるという問題があった.そこで,我々は深度画像を利用した非接触ヘッドトラッキングを利用して,頭部運動に追従してクロストークキャンセラフィルタを更新する動的トランスオーラル再生システムを開発した.開発した動的トランスオーラル再生システムを用いた音像定位実験の結果から,頭部運動条件では,頭部静止条件よりも音像方向が高い精度で知覚され,開発したシステムが有効に働いていることが分かった.一方,音像距離については頭部静止条件の方が高い精度で知覚される場合が見られた.また,両条件において頭内定位はほとんど生じなかった.
著者
安藤 聡 酒井 正彦 坂部 俊樹 草刈 圭一朗 西田 直樹 ANDO Satoshi SAKAI Masahiko SAKABE Toshiki KUSAKARI Keiichirou NISHIDA Naoki
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.23, pp.43-48, 2012-05

Malbolgeは最も難解なプログラミング言語として知られている.高級アセンブリ言語の開発によりMalbolgeプログラムの作成が可能になっているものの,プログラム中で使用できる変数の値の最大値が固定されておりゲーデルコーディングが不可能であるため,配列機能がないのは記述力不足であった.本論文ではこの問題を解決するため,高級アセンブラに用いられている実現手法を整理し,これに配列機能のための命令である領域確保命令と間接参照命令を追加する方法を提案する. Malbolge is known to be one of the most esoteric programming languages. Although it is possible to write programs in Malbolge by the development of a high-level assembly language, lack of facility to manage individual data in a group of data like an array in language causes problem because Godel-coding is impossible in a program due to bounded values in variables. In this paper, in order to solve this problem, we show implementation issues used in the assembler in well-organized manner and propose a method for implementing a memory allocation instruction and an indirect reference instruction for array facility into the assembler.
著者
石谷 康人 鈴木 優 布目 光生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.605, pp.7-12, 2007-03-08
参考文献数
10
被引用文献数
2

本論文では、Webブラウザ上で閲覧している文書を起点として関連文書を次々とたどる連鎖検索(Chaining search)のための新しいインターフェース技術を提案する。本インターフェース技術では、ユーザがペンやマウスなどのポインティングデバイスにより閲覧文書中の語句を選択すると、意味クラス解析技術により語句の意味を決定し、意図推定技術により語句の意味から検索方法を列挙およびメニュー化してユーザに提示するようになっている。ユーザは提示された検索方法のメニューにおいて適切なものを選択するだけで、選択した語句に関連する情報を的確に検索できるようになっている。このとき本インターフェースでは、検索方法に応じて、ユーザが選択した語句に補助キーワードを追加して絞り込み検索を実施する。15人の被験者を対象とした実験で本インターフェースの検索性能とユーザ満足度を評価したところ、ユーザビリティの高さと絞り込み検索の有効性を確認することができた。