著者
石井 健一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.657, pp.85-89, 2004-02-13

近年の情報技術の進展は,人間のコミュニケーション行動そのものに大きな変革をもたらした.しかし,我々の前には依然円滑なコミュニケーションを妨げる様々な壁が立ちはだかっている.コミュニケーション研究はこのコミュニケーションの壁を突破し,感動までも共有できる理想的なコミュニケーションの実現を目指している.本稿はコミュニケーション研究に関する様々な課題と期待について述べた.
著者
齋藤 友幸 内山 尚志 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.332, pp.59-64, 2001-09-28
被引用文献数
3

本研究は、高齢者の労働を支援するための環境を作り出すことを目的としている。我々は、精神疲労を低減させる事に着目し、疲労を低減させる光環境の構築を試みた。まず、光環境システムの構築を行った。次に、光環境システムを用いて、各色(白、赤、青、黄)における精神疲労を測定した。精神疲労を誘発させる課題は、計算課題を用いた。精神疲労の評価は、フリッカー値、握力、被験者の主観評価を用いた。結果、黄色の環境では、他の色と比べて精神疲労が有意に低減を見出したので報告する。
著者
雛元 孝夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.391, pp.119-124, 2009-01-15

現代制御理論,ディジタル制御論,ディジタル信号処理の間には理論的側面からみて幾つかの共通点や類似点が存在する.これらの三者は互いに影響し合って発展している.特に,状態空間アプローチでは学問分野の区別がつきにくい.ここでは,制御と信号処理の融合という観点からディジタル信号処理に関連した状態空間アプローチについて,黎明期から最近の発展まで簡単に復習する.
著者
谷沢 昭行 古藤 晋一郎 中條 健 菊池 義浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.644, pp.85-88, 2004-01-28
被引用文献数
2

H.264では,様々な予測ブロック形状や予測信号生成手段が用意されており,多数の符号化モードの中から,最適なモードを選択することで符号化効率の向上が得られている.しかし,Lagrangeの未定乗数法に基づいたレート-歪み最適化モード判定を用いると,符号化効率が大幅に向上する反面,演算量が膨大になるという問題がある.本稿では,階層的且つ適応的にモード数を削減することで,符号化効率の低下を抑えつつ高速に好適な符号化モードを決定する手法を提案する.
著者
大島 直樹 山口 雄大 デシルバ ラビンドラ 岡田 美智男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.190, pp.33-38, 2011-08-19

多人数会話の流れの中で,光の照射する位置を調整するスポットライト型のクリーチャ(Sociable Spotlight)は,人と人との社会的な相互行為にどのように織り込まれていくのだろう.本発表では,多人数インタラクションに参加する参与者たちがスポットライトの動きを一つのリソースとして取り込みながら相互行為を組織する様子を観察したビデオデータの例を手掛かりに,社会的相互行為の組織化の基底にある「場」に対する構成的な理解に向けた一つの方法について議論する.
著者
井上 泰夫 石川 直人 中島 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.626, pp.67-72, 2002-01-22
参考文献数
6
被引用文献数
6

近年の交通量増加に伴い, 交通事故の多発が深刻な社会問題となっている.交通事故の要因の多くは運転者の不注意によるものである.そこで本研究では, 運転者の不注意による事故防止を目的とし, 動画像処理による道路標識の自動検出・認識の新たな手法を提案する.本研究では, 標識の特徴となる部分に注目し, 標識以外の情報を画像上から除去することによって, 精度の良い標識検出を実現した.また高精度な標識検出・認識を保ちつつ, 計算コストを抑えることによりソフトウェアベースでのリアルタイム処理を実現した.
著者
夏目 武 佐藤 吉信 小野寺 勝重 西 干機
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.431, pp.27-30, 2006-12-08

2006年IEC/TC56-Dependability,ディペンダビリティに関わる標準化国際会議が英国ロンドン市で9月11日から15日まで開催された。14カ国、50名の各国代表が参画、日本からは著者等4名が参加した。会議はWG1-用語、WG2-試験統汁道具立て、WG3-管理保全、WG4-システムとソフトウェアの作業グループ単位で作業が運営されていて、進捗状況の報告、まとめ、問題提起等は週の始めと終わりの半日を使った全体会議として運営された。今回は通常の規格審議の会議に加えて、日本から次の件が提案され説明された。1.廃版になったフォーマルデザインレビューのコンセプトを復活し、ディペンダビリティ管理体系を整備する事に関する新規作業項目(NWI)の正式提案前の意見調整、2.old IEC 60300-3-6:ディペンダピリティ管理におけるソフトアェアの側面の新たな考えかたで来春には日本提案として提出する基本的原案の概要説明と規格化のための進捗管理の新手法の提案。3.2007年秋季に予定されている東京会議の基本的計画案の経過をTC56と議長に報告し調整することでであった。この会議報告と併せて近年の動きと重ねて規格化の流れと技術的動向を考察する。
著者
山川 恵子 伊藤 憲治 湯本 真人 宇野 彰 狩野 章太郎 加我 君孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.656, pp.19-24, 2004-02-12

縦書き・横書きの表記形式の単語、シンボル、ラインを中心視野に提示し、視覚誘発脳磁場の比較を行った。全頭および左右側頭部の被験者全員分のRMS(Root Mean Square)を算出し、およそ5ms毎に縦・横×刺激の種類(2×3)の分散分析を行い、条件ごとの反応に有意差がみられるかを検討した。単語の処理においてのみ出現する反応として、(1)180-200ms、(2)250msあたり、(3)370msあたりをピークとする三つの成分(N180、RP、P300)が共通して確認された。どの成分においても単語刺激では縦書きの反応が横書きよりも一貫して強く、縦書き文字の処理は横書きに比べ何かしらの高度あるいは困難な過程が含まれることが示唆された。縦書き・横書き文字の脳内の認知処理における本質的な違いが示唆され、これまでの研究で議論されてきたような読みにおける縦書きの効率の悪さは、サッケードや眼球運動によってのみ起因するものではない可能性が示された。
著者
入江 英嗣 荻野 健 勝沼 聡 清水 一人 栗田 弘之 五島 正裕 坂井 修一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.3, pp.49-54, 2006-04-07
被引用文献数
3

今日のコンピュータシステムのディペンダビリティは、多くの層に渡る多様な技術を必要とし、維持することが難しくなっている。本論文では、システムの一元的なディペンダビリティ維持を支援するプロセッサとして、一つ一つの命令実行をチェックするプロセッサモデルを提案し、必要となる機能を列挙する。更に、それらの機能を統合したときのオーバヘッドと今後の最適化を概観する。
著者
並木 育夫 目黒 義隆 青木 茂明 入江 一成 野村 知義 斉藤 一重
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.338-347, 1997-06-25
参考文献数
9
被引用文献数
21

NTTでは, 21世紀のサービスビジョンVI&P (Visual Intelligent and Personal communication service : 新高度情報通信サービス) を実現するため, 広範囲にわたるNTTの技術を結集して, ネットワークとアプリケーションの総合的な機能確認と技術評価を行うVI&P総合実験を研究所で展開している. 高臨場感マルチメディア通信会議システムは, VI&P総合実験の一環として開発したものであり, まるで同じ部屋にいて対話しているような高い臨場感を実現することがねらいである. 本システムでは, お互いの距離を意識することなく, 3地点間の自然で円滑な対話が可能な会議環境を実現する. このために, 110インチの2連超高精細大画面による等身大の自然な人物映像表示, 発話者の位置までわかる音声, 高品質なHDTV映像伝送, および一体感をかもし出す臨場感の高い会議環境の4要素をインテグレートした. この結果, 遠隔地にいる複数の人物が等身大で, あたかも同じテーブルにいるかのような高い臨場感の会議システムを実現することができた. 本システムによって, 人物の高精細かつ等身大表示, 映像と音像の一致, そして一体感のある会議環境が可能となり, 21世紀に向けた「場」の雰囲気の共有を尊重した新しいコンセプトの通信会議を提案した.
著者
中村 康久 松本 直樹 尾作 勝弥 田島 幸治 富樫 俊文 遠藤 賢
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.688, pp.43-48, 2006-03-21

安全性と先進性を提供するために、日常生活空間と車内空間のシームレス化実現を目指したVMC(Vehicle Mobile Convergence)コンセプトについて紹介する。また、VMCコンセプトの第一弾として、パソコン(ポータル)・ケータイ・カーナビ間での位置付加情報に関する連携サービスの実現例を紹介し、実証実験を通じて、サービスの有効性(操作性・利便性・経済性)を確認する。
著者
李 斗煥 山田 貴之 芝 宏礼 山口 陽 上原 一浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.441, pp.129-134, 2010-02-24
参考文献数
11

Rapid developments and changes of wireless radio environments require a unified platform which can flexibly deal with various wireless radio systems. To satisfy this requirement, we proposed a heterogeneous network system which is composed of flexible access points and protocol-free signal processing part. As a partial fulfillment of the proposed system, we employ compressed sensing technology to realize a highly flexible and efficient radio wave data reception and transmission. Compressed sensing is a new framework for solving an ill-posed inverse problem of sparse signal. Direct translation of compressed sensing in the sense of wireless technology is as follow: radio wave data can be received, transmitted, and reconstructed using sub-Nyquist rate information without aliasing provided that radio wave is sparse. Considering the scarce usage of frequency resources, compressed sensing is suitable for various scenarios in wireless technology. To provide a full understanding of our approach, we first provide basic knowledge of compressed sensing. Then, describe new radio wave data compression methods which provide a highly efficient radio wave data transmission.
著者
吉田 好 新田 直子 馬場口 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.470, pp.347-352, 2010-03-08

映像編集は一般に,素材映像から選択された部分映像の並び替えにより実現される.本研究は,専門家により制作された編集映像を事例映像として用いることにより,一般ユーザによるホームビデオを素材映像とする映像編集の支援を目指す.提案手法では,まず,事例映像の各ショットを,特徴量の量子化に基づきシンボル化する.次に,素材映像をカメラワークの切り替わりでセグメントに分割し,各シンボルへの適合度及び,ホームビデオ特有の手振れなどに関連する知覚品質の2つの尺度に基づき,セグメントを評価する.事例映像から得られたシンボル列及び,シンボルへの適合度・知覚品質・時系列に応じて配置されたセグメントをインタフェース上に提示し,映像編集におけるセグメントの選択・配置を支援する.
著者
佐藤 大樹 菅原 俊治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.105, pp.31-35, 2010-06-18

本論文ではユーザのブラウザの閲覧履歴から探索行動と探索目的ページの抽出方法を提案する.近年,ウェブページの爆発的な増加に伴い,ウェブページ推薦の研究が盛んに行われている.我々は,小グループにおける検索サイトを利用した情報探索においての推薦システムをめざしている.特にウェブページ全体を推薦の対象としながらも,ユーザへの負担が少ないことを狙っているが,その実現にはいくつかの課題がある.本論文ではこの中で特に,推薦対象を自動抽出するという課題に対し,ユーザのブラウザの閲覧履歴に基づいた探索行動と探索終了ページの抽出手法を提案し,さらに終了ページが探索の目的ページ(推薦対象ページの候補)となる割合を調べた.評価実験の結果,52.3%の割合で探索行動を抽出でき,そのとき87.0%の割合で探索結果として有用なウェブページを抽出できた.
著者
是津 耕司 田中 浩也 池田 新平 金 星〓 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.191, pp.121-126, 2003-07-10
被引用文献数
3

Webブラウジングでは,現在閲覧しているWebページのWeb空間における位置付けやリンク先の情報を把握することが重要である.筆者らは,これまで,現在閲覧しているWebページの周辺を様々な形式で呈示してユーザをナビゲーションするシステムを提案してきた.一方,こうした周辺情報に基づくナビゲーションは,人間の都市的行動における"散策行動"をWeb上で支援するものと考えられ,ユーザに当初目的としてなかった情報への発見や遭遇を促す.本論文では,これらの機構を体系化し,新たなWebブラウジングの方式を提案する.