著者
後藤 月江 遠藤 千鶴
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】近年、豆腐製造工程で大量に生じるオカラを乾燥させた「乾燥オカラ」は、食物繊維や大豆たんぱく質、イソフラボンを豊富に含む健康食品として見直され、それらを利用した食品が注目されている。「乾燥オカラ」を揚げ物料理の衣として用いた場合の、衣の付着率、吸油率、極性化合物量を求め、さらに官能評価を行い、乾燥オカラの衣としての利用について検討した。<br>【方法】乾燥オカラはソヤミールおよびおからパウダー(さとの雪食品(株))を使用し、衣の付着率を求めた。植物油5種類を用い調理を行い、調理前後の油の重量差から吸油率を求めた。極性化合物量はデジタル食用油テスター((株)テスト- testo270)を用い、調理前後の油の極性酸化物量を測定した。官能評価は本学の学生と教員を対象に、5段階評点法により行った。統計解析はSPSS ver.20を使用し、クロス集計を行った。<br>【結果】「トンカツ」、「エビフライ」、「コロッケ」、「唐揚げ」の、衣の付着率を求めた結果、パン粉に比べ乾燥オカラの方が低かった。吸油率は油の種類により違いが認められた。しかし、揚げ物の素材料によって同一の油であっても衣の種類により吸油率が異なり、パン粉の方が低くなる場合もあった。極性化合物量でも素材料が異なると同一の油であっても極性化合物増加量が異なったが、唐揚げは全ての油で乾燥オカラの方が極性化合物量の増加が非常に高かった。官能評価では「トンカツ」、「エビフライ」は全ての項目でパン粉を衣にしたものが、好ましい評価を得た。しかし、唐揚げは10歳~40歳代で乾燥オカラのものが高い評価を得た。揚げ物料理の種類により、乾燥オカラを揚げ物料理の衣として利用できることが示唆された。
著者
西原 百合枝 池口 舞 田﨑 奈緒子 藤本 彩花 朝倉 富子 舟木 淳子
出版者
日本調理科学会
雑誌
大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017-08-31

【目的】高齢者は食事摂取量低下などによって、タンパク質やエネルギーなどが不足しがちとなる。本研究では、われわれが嚥下困難者用食品として作製しているパン粥において、不足しやすい栄養を補給することを目的に、タンパク質を多く含む大豆製品を添加したパンを作製し、これらのパンを使用したパン粥の作製を検討した。<br />【方法】パンはホームベーカリー(SD-BMT2000、パナソニック株式会社)を用いて作製した。大豆製品はきな粉、おからパウダー、大豆粉を使用し、それぞれ強力粉重量の20%を置き換えた。これらのパン(きな粉20%、おからパウダー20%、大豆粉20%)について、比容積を測定した。その後、パンのクラムを水とともに攪拌、加熱しパン粥を作製した。パン粥はクリープメータ(株式会社山電)を用いてテクスチャー解析を行った。<br />【結果】パンの比容積は、きな粉20% 3.10±0.06 ml/g、おからパウダー20% 1.50±0.03 ml/gとなり小さかったため、4.35±0.10 ml/gとなった大豆粉20%についてパン粥を作製した。加熱時間5分30秒間のパン粥を45±2℃で測定した場合のパン粥の硬さは0.69±0.06 kPa、付着性は0.42±0.09 kJ/m<sup>3</sup>、凝集性は0.70±0.04となった。20±2℃で測定した場合の硬さは1.46±0.28 kPa、付着性は0.79±0.14 kJ/m<sup>3</sup>、凝集性は0.62±0.05となった。これらの値は消費者庁のえん下困難者用食品たる表示の許可基準に当てはまっており、大豆粉を添加したパンを使用したパン粥は、嚥下困難者用食品として利用できる可能性があると考えられた。<br />本研究の一部は、総合科学技術・イノベーション会議のSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)「次世代農林水産業創造技術」によって実施された。
著者
金山 麻美 高橋 さとみ 宮島 央奈 岩森 大 伊藤 直子 山崎 貴子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.105, 2011

【目的】食事は健康維持に重要な役割を持つが、加齢に伴い咀嚼機能が低下し、高齢者では摂取する食品が制限される。そのため、施設や病院などでは咀嚼・嚥下困難者に対して、個々の状態に応じた食事を提供する必要がある。本研究では、高齢者の食事の実態を知るため、施設高齢者の料理の嗜好と咀嚼力、食事のテクスチャーとの関連について調べた。<BR>【方法】平成22年5~7月に新潟県内の高齢者施設(ケアハウス)2施設に入居しており、身体的に自立している高齢者を対象とした。事前に研究目的・内容を説明し、同意が得られた41名(K施設23名、N施設18名)に対し、一般的な料理および施設で提供されている料理の嗜好度、食べられない食事とその理由、歯の残存数について聞き取り調査をした。また、施設で提供している食事のテクスチャーおよび残食の有無について調査した。<BR>【結果】普段食べている食事について、普通に食べられると答えた者(普通群)は30名、軟らかくしてあれば食べられると答えた者(低咀嚼群)は11名であった。平均残存歯数は、普通群12.7本、低咀嚼群3.0本であった。一般的な料理では、タコの刺身やステーキなどが硬いという理由から全体的に嗜好度が低く、低咀嚼群は普通群に比べ、肉料理の嗜好度が低かった。一方、施設で提供している料理では、比較的硬いものでも嗜好度が高い料理があり、硬さと嗜好度や残食率との間に関連は見られなかった。この理由として、今回調査した施設で提供している料理の硬さはほとんどユニバーサルデザインフードの区分1(5×10<SUP>5</SUP> N/m<SUP>2</SUP>)以下であり、一般的な料理よりも軟らかく調理してあったことに加え、対象者が比較的咀嚼能力が高かったことが考えられる。
著者
ヒューズ 美代 谷口(山田) 亜樹子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.157, 2011

【<B>目的<B>】豆類は昔から好まれ食されている身近な植物性食品で、ミネラル、食物繊維が豊富で機能性があることから、食品素材として注目されている。そこで、本研究では豆類に関する知識および嗜好性に関してアンケート調査を行い、女子大生の豆類に対する意識調査を行った。<BR>【<B>方法<B>】アンケート調査は、20歳前後の女子大生(132名)を対象に実施した。調査項目は豆類に対する嗜好、摂取頻度、認知度、よく食べる豆料理、豆類を使った食品開発に関するアイディア等である。<BR>【<B>結果<B>】アンケート調査の結果、83%が豆を好きと答え、64%が週1回以上食べていると答えた。よく食べる豆の種類は、「大豆」が91%と最も多く、2位「小豆」21%、3位「落花生」10%と続いた。豆の認知度については「大豆」、「小豆」の認知度がそれぞれ90%、72%と高く、以下「えんどう」39%、「枝豆」37%、「そらまめ」36%と続いた。よく食べる豆料理については、1位「煮豆」、2位「納豆料理」、3位「豆腐料理」と和風料理が多く占めた。これに対し、食べてみたい豆料理は、1位「ケーキ」、2位「スープ」及び「アイス・ジェラート」、4位「ハンバーグ」と洋風料理が多く占め、「よく食べる豆料理=和食」、「食べてみたい豆料理=洋食」と相反した結果となった。最後に、豆類を使った新規食品の開発について記述してもらったところ、「アイス」「ケーキ」「プリン」など菓子類の回答が68%と最も多く、「ハンバーグ」10%、「パスタ」「ラーメン」など麺類が9%と続いた。以上の結果より、今後は従来の和風中心の豆料理だけでなく、ヘルシー志向の高い消費者のニーズに合った洋風料理・菓子への応用・発展を検討する必要があると考えられた。
著者
小谷 スミ子 佐藤 優子
出版者
日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.66, 2004 (Released:2004-09-09)

目的 白飯は保存によりデンプンが老化し食味は硬くボソボソする。特にアミロース含量の高い米は老化しやすい。これを防ぐため柑橘果汁、食酢などを添加して炊飯する方法が考案されている。これらの飯に含まれるレジスタントスターチ(以下RSと略)を測定すると同時にRS生成に及ぼすアミロース含量と保存の影響について検討した。方法 1.試料:平成15年度新潟産コシヒカリ、平成15年度滋賀産日本晴、平成12年度タイ産タイ米、2.試料の調製:白飯は米に重量の1.5倍の水を加え、酢飯は米と炊き水合計重量の6%の食酢を炊き水に添加し、全自動炊飯器JNL-T551 Wで炊飯した。3.試料の保存:炊き上がり後、あらかじめ洗って水を切っておいた飯台に移し、ぬれ布巾をかけ放冷した。その後およそ100gずつ秤量し、市販の食品包装用ラップフィルムに包み、室温(23℃)および冷蔵(4℃)で2日間保存した。4.RSの定量:Goni等(1996)の方法を一部改変して測定した。5.アミロースの定量:Mestres等(1996)のDSCを用いた方法で測定した。結果 1.食酢を加えて炊飯することでいずれの米も粘りは増した。2.コシヒカリ、日本晴、タイ米を炊飯した白飯のRS量はそれぞれ0.10±0.02%、0.14±0.04%、0.77±0.02%であり、酢飯のRS量はそれぞれ0.11±0.03%、0.17±0.02%、0.50±0.08%であった。食酢添加によりタイ米のRS量は著しく減少した。3.すべての飯は保存によりRS量が増加し、酢飯のRS増加量は白飯より多かった。4.タイ米の酢飯は、保存により白飯と同程度のRS量になった。
著者
青山,佐喜子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, 2004-02-20

This study was conducted to elucidate when and how the dietary habits in the Kansai area evolved that are characterized by the mild taste and light coloring of prepared food. We evaluated the number of times the words "shoyu (soy sauce)", "usu-shoyu" and "ki-shoyu" appeared in 76 major cookery books published during the Edo period, with "tamari" and "irizake" used for comparison. The characteristic use of these seasonings, the authors origins and the dates these books were published were also extracted. The number of times written were 2,808 for "shoyu" 314 for "tamari", 1,166 for "irizake," 230 for "usu-shoyu" and 205 for "ki-shoyu". Although the name "usu-shoyu" was found, "'usukuchi-shoyu" was not found. " Usu-shoyu" and "ki-shoyu" appeared mostly in the cookery books written by authors from the Kansai area. The number of references to "tamari" and "irizake" decreased during the early part of the Edo period, and references to "usu-shoyu" and "ki-shoyu" increased during the middle of the Edo period. These results imply that the dietary habits characterized by a mild taste and light coloring in the Kansai area were formed in the middle of the Edo period.
著者
武山 進一 笹島 正彦 関村 照吉 遠山 良
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.14, pp.85, 2002

盛岡冷麺は澱粉含量が高く、独特の食感を有している。しかし、茹でたのち短時間でその食感が失われるために、うどん、そば、中華麺のような茹で麺での販売には向かない。そこで、茹で麺状態での製品化をめざして電子レンジで再加熱して調理する方法(レンジアップ冷麺)を検討した。茹で時間を1分にして調整した冷麺を7℃で冷蔵保存した場合、冷麺100gの加熱時間は600Wの電子レンジで80秒であった。冷麺を電子レンジで加熱すると、その食感はゴムの様な弾力性が増した。テンシプレッサーによる物性測定では、Hardness(かたさ)、Work(破断エネルギー)ともに減少した。物性変化の抑制を目的とし、大豆レシチンを添加したところ、弾力性の質の変化を少なくすることが出来た。
著者
岩村 もと子 三宅 紀子
出版者
日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.170, 2015 (Released:2015-08-24)

【目的】タケノコは和食の特徴である旬を感じさせる食材のひとつである。海外からの安価なタケノコの輸入の増加などにより、水煮タケノコの利用はあるものの、家庭での生鮮タケノコからの調理が少なくなってきている。各地で放置竹林も問題となっている。多くの調理書などではタケノコのあく抜きは米ぬかを用いた方法が示されているが、本研究ではタケノコの簡便なあく抜きの方法について検討した。【方法】日本におけるこれまでのタケノコのあく抜き法について文献調査を行い、アジアの国々についても、在留外国人に聞き取り調査を行った。次にあく抜き方法について検討を行った。タケノコは2015年4月、鎌倉市内の竹林で採取し、収穫3日後のものを用いた。10%米ぬか、0.3%重曹、50%牛乳、アルカリイオン水、1.75%そば粉(そば湯)を用いてゆで、ゆで汁に浸漬して冷却し、水洗い後15時間水に浸漬したものを試料とした。20歳代のパネル(女性31名)により、えぐ味の強さ、硬さ、色・香り・食感の好みなどの評価項目について5段階の評点法を用いて官能評価を実施した。【結果】文献調査の結果、日本でのあく抜き法として、何も添加せずにゆでる「湯煮」が長く行われてきたが、明治末期には婦人総合誌に米ぬかを用いた方法が記載されていた。また、アジアの国々においても「水でゆでる」「塩水でゆでる」が多かった。収穫後時間の経過したものはあく抜きが必要となるが、官能評価の結果、いずれの方法においてもえぐ味の強さに差は認められなかったが、色の好みおよび硬さについて有意差が認められ、重曹を用いた試料での褐色化および組織の軟化によるものと考えられた。米ぬかを含めていずれの方法によってもあく抜きが可能であることが示唆された。
著者
小出 あつみ 山内 知子 武藤 亜有 大羽 和子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.92, 2006

<BR><B>目的:</B>最近、食肉中に存在する抗疲労ジペプチド、アンセリン(Ans)・カルノシン(Car)に抗酸化作用があることと、牛肉・豚肉に比べ鶏肉中に多く含まれることが報告された。本研究は、鶏肉中のAas・Carを有効に活かす貯蔵と加熱調理操作を探ることを目的に実施した。<BR><B>方法:</B>試料は屠殺後32時間以内のブロイラー(B肉)、三河赤鶏(M肉)、名古屋コーチン(K肉)の生肉、貯蔵肉、加熱調理肉を用いた。Ans・Carの含有量比較は、部位別、種類別、貯蔵方法別、加熱調理操作別に行った。加熱は電子レンジ、真空調理、スチーム、フライ、ロースト、ボイルで行った。試料肉を5%スルホサルチル酸溶液で抽出し、Ans・Car含有量を ODS C18カラムHPLC法で測定した。ラジカル捕捉活性は試料肉を80%エタノールで抽出し、DPPH法で測定した。<BR><B> 結果:</B>ジペプチドのAns・Car含有量は生肉、貯蔵肉、加熱肉で、もも肉より胸肉で有意に多かった。これらの含有量比率(生の胸肉⁄もも肉)は、Ansで3.28倍、Carで2.84倍が最大であった。鶏種類別では、Ans・Carともに有意にB肉に多く、K肉で少なかった。胸生肉比較で、AnsではB肉中にK肉の1.16倍、Carで2.15倍と多かった。塊生肉を冷凍貯蔵してもAnc・Car量は変化しなかったが、ミンチ肉にして冷凍貯蔵すると有意に増加した。増加量はB胸肉よりK胸肉で多く、Ancは1.43倍、Carは2.3倍に増加した。加熱調理操作によりAns・Car量は全般に減少したが、B胸肉の真空調理、ボイル(茹で汁含む)で、K胸肉のスチーム、フライでAns量は変化しなかった。
著者
新澤 祥惠 川村 昭子 中村 喜代美
出版者
日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.226, 2017 (Released:2017-08-31)

【目的】石川県におけるおやつの特徴を検討した。【方法】平成25~27年に実施した「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」の聞き書き調査(穴水町、金沢市、野々市町、白山市、小松市、白峰村)及び文献等により検討した。【結果】1)石川県全域で出現するものは「かき餅(欠餅とも書く)」がある。1月下旬に寒の餅をつき、赤、青の色をつけたり、黒豆、切り昆布、胡麻など混ぜてトボ型に入れ、薄く切ったものを縄で結んで屋内で乾燥するものである。これを1年中焼いて食したが、細かく切って煎り、砂糖や黒砂糖をまぶした「はぜ」としても利用した。「かき餅」は農山村では自家製であるが、都市部では菓子屋で搗いたもちを切ってもらい、自宅で干した。 2)「かき餅」以外にも餅類は多く、正月の終わりには、お鏡をおろして「善哉」とし、春と秋の彼岸、報恩講にはご飯を半殺し(半分だけつぶす)にした「おはぎ」を作った。また、春にはよもぎ団子、初夏になるとササゲを塩味にゆでてもちにまぶした「ささげ餅」が、また、笹のあるところでは笹の葉に包んだ笹餅が作られた。この他、春や秋に訪れるパクーン業者(パクーンとは米を煎り砂糖をまぶしたもの)に煎り米を作ってもらった。 3)夏は、スイカ、まくわ瓜、みの瓜を、秋は柿、ぐみ、栗、イチジクなどの果実がよく食べられた。渋柿は干してさわし柿とした。 4)以上の他に、大麦粉に砂糖を入れて水で掻いた「おちらし」、さつまいもを蒸して細く切り乾燥させた「干しいも」、さつまいもやじゃが芋(砂糖を加える)をつぶした「茶きん絞り」やテングサから作ったところてん、ザラメから作ったカラメル焼きなどが出現した。 5)白峰村では炒り豆や豆板、びやゆり・じゃが芋のデンプンに砂糖を入れ湯でかいた葛湯、かまし粉を番茶で掻いて砂糖を入れたおちらしや、栃の実の粉で作ったとち餅などこの地域独特のものがみられた。
著者
長尾 慶子 十河 桜子 三神 彩子 松田 麗子 喜多 記子 荻野 泰子 萱島 由香 杉山 宜子 加藤 和子 土屋 京子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.189, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 現在の家庭での日常の食事献立における朝食・昼食・夕食別に上位頻出メニューを取り上げ、それぞれについて、エコロジーを配慮した調理をすることによる、ガス・電気・水・生ゴミ量のCO<SUB>2</SUB>削減効果を検討した。<BR><B>【方法】</B><BR> 測定の対象にした献立は、トースト、ベーコンエッグ、チャーハン、味噌汁、魚のたれ焼き、野菜浸し、和風煮物、カレーライスである。それぞれの献立を通常のレシピにそって調理した時と、エコロジー的配慮で調理した時とで測定した。ガス・電気・水の使用量は調理台横に敷設した各測定器とパソコンを連動させて調理に伴う使用量の経時変化と積算量を記録させ、生ゴミ量はチラシのゴミ入れを使用し終了後に計量した。それらの積算一次エネルギーの換算量とCO<SUB>2</SUB>換算量を算出し、比較検討した。<BR><B>【結果】</B><BR> トースト:トースター(電気)とグリル(ガス)では一次エネルギーに差はみられないが、CO<SUB>2</SUB>排出量はグリル使用が少ない。ベーコンエッグ:鉄よりもテフロン鍋使用がCO<SUB>2</SUB>排出量が少なく、且つ〔油・水なし・蓋使用〕法が特に効果的である。チャーハン:飯と卵の加え方3通り法のうち、飯に生卵を合わせ炒める方法が、飯のべたつきも少なくCO<SUB>2</SUB>排出量が少ない。魚焼き:フライパンよりもグリル使用、且つ魚を1/2に切ると加熱時間の短縮と一次エネルギー削減になる。味噌汁:煮干はあらかじめ粉末にしておくと使用量が1/2で済む。野菜浸し:茹で水量は3倍量で済み、他の茹で物と合わせて使用すると効率的である。煮物:落し蓋、油の使用が効率的。カレーライス:煮込み加減の好みでガス使用量に差が見られた。野菜の切り方や水量を工夫することで生ゴミおよび水使用量の減少効果が大であった。
著者
中村 眞理子 後藤 葉子
出版者
日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.205, 2015 (Released:2015-08-24)

【目的】調理の姿勢は、「右利きの場合、左の骨盤に拳を当ててまな板から45度くらいの角度で右を向く」とあり、包丁を持つ手は自然に真っ直ぐになり、疲れない一番楽な正しい姿勢とされている。脳血管障害後遺症による片麻痺者のリハビリテーションでは、調理訓練は重要な項目であり、片手で調理するための道具の工夫(自助具)や、立位バランスや耐久性の程度により、立位や座位での作業の検討がなされている。しかし、固定の代償など片手動作での調理に対応する方策に主眼が置かれており、構えに対する視点は希薄であるのが現状である。今回、障害者への調理動作訓練をより効果的に行うための視点として構えに注目し、健常者で自助具使用による構えの変化を検討した。【方法】大学生20名を対象とした(平均年齢21.1±0.58歳、男性8名、女性12名)。①~④の条件で、調理台上にまな板をセットした状態で包丁を持ち、調理台と体幹との角度をゴニオメーターで測定した。包丁は右手で把持①両手使用での構え(自助具使用なし)②片手動作(右手のみ使用・自助具使用なし)③自助具(ロッキングナイフ)使用での片手動作④自助具(釘付きまな板)使用での片手動作。加えて、課題終了後に感想を自由記載してもらった。【結果】①と②の結果の間に5度以上増加した群(以下A群)(11名)、5度以上の減少した群(以下B群)(9名)で比較した結果、①では両群に差はないが、①と③④の結果を比較すると、A群では③がB群では④が通常の構えに近いものとなった。両群の通常の構えに差はないことから、片手動作になったときの構えの変化という対象者の姿勢の代償の方策の違いにより、適応する自助具に違いがあることが示唆された。
著者
中嶋 名菜 福山 豊 松添 直隆 北野 直子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】近年、農業人口の減少、核家族化、食生活の洋風化などの社会的変化により行事食を家庭で作る機会が減り、伝統的な行事食が次の世代へ伝承されない傾向にある。そこで阿蘇神社を中心に現在でも数々の農耕祭事が行われている阿蘇地域において、行事食ならびに郷土料理の喫食状況を明らかにすることを目的とした。【方法】2012年4-8月、阿蘇7市町村在住の女性780名を対象に、日本調理科学会特別研究の質問票を基に、行事食、郷土料理に関する調査を行った。基本属性(性、年齢、居住地区、家族構成)に不備のある者を除いた430名を解析対象とし、喫食状況について年代(40歳代以下、50・60歳代、70歳代以上)、世帯別(単身世帯、同世帯、2世帯、3世帯以上)に比較した。【結果】阿蘇地域においては、正月、節分、上巳、土用の丑の日、大晦日の行事の経験はどの年代においても90%以上が経験していた。七草・春分の日・盂蘭盆・お月見・秋分の日・春祭り・秋祭りが40歳代以下の者が50歳代以上より経験率が有意に低かった(p<0.05)。また、お節料理では、年代が高いほど家庭で作る割合が高かったが、世帯別では有意な差は見られなかった。郷土料理では、高菜飯やだご汁、いなりずしなどは全体の喫食経験がほぼ100%であるのに対し、すぼ豆腐に関しては70歳代以上でも経験率が60%未満であり、赤ど漬け、とうきび飯、ひこずり、すぼ豆腐、のっぺ汁、栗飯において年代間で喫食経験に有意差が見られ、年代が高いほど高かった(p<0.05)。以上より、阿蘇地域の行事食や郷土料理は年代が低いほど伝承度合が低く、行事、調理法や食品の種類によって伝承の容易さに相違がある可能性が示唆された。
著者
阿部 優子 石川 雅子 会田 久仁子 小林 睦子 菊池 節子 半澤 明子 角野 猛 石村 由美子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.17, pp.153, 2005

<BR>目的 福島県は地理的環境などから山間部の会津地方、平野部の中通り地方、海岸部の浜通り地方の3地域に区分される。これらの地域は気候風土が異なり、それぞれの食生活にも強い地域性が存在することが知られている。しかし、近年の高速交通網の発達、人的交流などによって、その地域性も解消しつつあることも考えられる。本調査は、近年の福島県内の食生活、食文化の地域性を魚介類の種類とその調理方法において、調査・考察することを目的として実施し、先に会津地方の魚介類調査結果について報告した。今回、いわき市での食生活の特徴、魚介類の調理・加工の特徴、更に、本地方独特の魚介類の料理・加工方法などの調査結果を報告する。<BR>方法 平成15年2_から_3月にアンケート調査及び聞き取り調査を併行して行なった。調査は福島県いわき市内に10年以上居住している18世帯で、調査対象者は各世帯の主たる調理担当者に対して行った。<BR>結果 いわき市は太平洋に面した地域で、小名浜漁港をはじめとして、多くの漁港が存在し、日々多種類の魚が水揚げされている。従って、日常食としては、多種の魚介類が刺身、煮魚、焼き魚などで食されていた。また、大量に水揚げされた魚介類は塩漬け、干物、みりん干しなどに加工して販売されており、各家庭において保存食として日常的に用いられていた。行事食としては正月・祭事時に「鮟鱇鍋」、「鯛の塩焼き」「喜知次の煮付け」などが食されていた。また、土用の丑の日に「鰻の蒲焼き」が食されていた。本地方独特の料理・加工法として、「秋刀魚のぽうぽう焼き」、「秋刀魚鍋」、「秋刀魚のみりん干し」、「秋刀魚のなめろう」、「鮟鱇鍋(鮟鱇のどぶ汁)」、「鮟鱇の供酢」、「どんこ汁」、「メヒカリの天ぷら」などが食されていることがわかった。なお、本地域では一世帯あたり年間平均42種類の魚介類を食し、平均78種類の魚介類調理法が存在した。
著者
栗 彩子 森 美紗希 宮内 莉華 谷口(山田) 亜樹子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】カレーはインドで生まれ、明治時代に日本に入ってきたと言われている。今日では日本の国民食とまで言われるようになり、各地域の名産品やその土地で取れる食材を使ったいろいろなカレーが食べられている。さらに近年、健康志向の高まりにより、カレーの栄養価値が見直され、その第3次機能に強い関心が寄せられている。しかしながら、カレーの利用方法といえば「カレーライス」というように、そのバリエーションには限りがあり、カレーに含まれるスパイスの種類や栄養価値もあまり知られていないのが現状である。<br />そこで演者らは、カレーの基礎特性を明らかにし、健康効果・効能につて考え、さらに地場産の食材を用いた、簡単においしくできる新たなカレーレシピの考案を試みることとした。<br /><br />【方法】文献調査から、カレーの基礎特性を明らかにし、どのような健康効果・効能をもたらすのかを検討した。 <br />新規料理については、市販カレー粉、神奈川県産のキャベツ、しらす、大豆、雑穀を用いて新たなカレー料理を考案し、調理した。また、栄養計算を行った。<br /><br />【結果】<br />(1)カレーの基礎特性<br />文献調査より、カレーには30種類以上の様々なパイスが存在することがわかった。中でも代表的なものとして、コリアンダー、クミン、フェヌグリーク、ターメリック、オレガノ、ペッパー、フェネル、ジンジャー、オニオン、カルダモンなど10種類のスパイスがカレーに用いられている。また、これらのスパイスについてさらに調査した結果、漢方薬として使われていたものが多く、肝臓・胃腸の働きを良くする、せき止め、疲労回復、殺菌作用、下痢止め、風邪・肥満・二日酔い・冷え性・肩凝り予防など様々な健康効果があることがわかった。<br />(2)新規カレーレシピの紹介<br />神奈川県産の食材を用いてカレー春雨、 カレー鍋、カレー雑穀リゾット、大豆カレーの4つのレシピを考案し調理した。
著者
亀井 文 渡邉 明恵
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】 さつまいも(芋)は食物繊維(DF)を多く含むでんぷん性食品である。先行研究では、生と加熱調理した芋のDF量を比べると、加熱調理によって不溶性食物繊維(IDF)量が増加傾向にあることが報告されている。レジスタントスターチ(RS)は胃や小腸で消化されることなく大腸に達するでんぷんであり、DF様のプレバイオティクスとして近年注目されている。また、RSは水に不溶であるので、定法の分析ではIDFの一部とされている可能性が高い。我々は先に、芋の蒸し加熱、電子レンジ加熱のRS量を報告している。本研究では、加熱調理した芋のRS量とIDF量を測定し、加熱調理によるIDF量の変化とRS生成との関わりについて検討した。<br>【方法】 徳島県産の鳴門金時(平成22年11月収穫)を用いて、生、茹で加熱(沸騰後15分間)、蒸し加熱(蒸気20分間)、電子レンジ加熱(200w・5分間)の4条件で試料調製を行った。RS測定用試料は、生と加熱直後にメタノールを加えて乳鉢中で磨砕しながら脱水した。その後、メタノールとアセトンで洗浄後、室温で乾燥しRS量を測定した。IDF測定用試料は生と加熱調理後に40℃20時間乾燥させたものを試料とした。RS量及びIDF量はメガザイム社のキットを用いた。<br>【結果】 RS量は、生が12.0%、茹でが8.8%、蒸しが10.2%、レンジ加熱が5.2%であった。IDF量は、生が5.0%、茹でが7.3%、蒸しが6.0%、レンジ加熱が6.2%であった。茹でおよび蒸し加熱はRS量がIDF量よりも多く、レンジ加熱はRS量がIDF量よりも少ない結果であり、芋のRS量とIDF量は定量法の違いにより数値を比較することは難しいと考えられた。
著者
川原﨑 淑子 青山 佐喜子 橘 ゆかり 三浦 加代子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

〈目的〉平成21.22年度日本調理科学会特別研究として実施された「行事食」の調査結果を平成22年から24年度までの3年間に渡り報告してきた。今回は前報告の結果から行事食の喫食経験の高かった40歳以上の方のデータを基に地域間の比較を行った。地域比較を行うことで地域を顧み、伝統食、郷土料理の良さを考える一助となればと考えている。〈方法〉平成21.22年度日本調理科学会特別研究として全国統一様式の調査用紙を用いた。対象は和歌山県に10年以上在住している大学生・短大生とその親、また和歌山県福祉保健部、教育委員会関係機関の協力を得て、更には食生活改善推進協議会会員を中心に食育関係団体会員、地域の研究会に参加した市民とした。これらのデータから40歳以上の方504名を対象とし、和歌山を紀南(126名)、紀中(95名)、紀北(283名)の3地区に分けSPSS(Ver.18)でχ2検定を行った。〈結果〉40歳以上の行事の経験90%以上はお正月、節分、大みそか、クリスマス、土用丑の日、お月見、で低いのは春祭り28%、重陽11%であった。行事食の喫食経験が地域別で有意差が認められたのはお正月、節分、上巳、端午、七夕、盂蘭盆、お月見、冬至、クリスマス、大みそか、春祭り、秋祭りであり、お正月の屠蘇の喫食経験は紀中が低かった。雑煮における地域の違いとしては紀北、紀中は白みそ雑煮で丸餅使用、紀南はすまし雑煮で角餅使用であった。おせち料理の料理類にはほとんど差はなったが、魚料理と肉料理に有意差が認められた。その他の行事でも紀北の経験が高く、紀南は祭りでの寿司やご飯、だんごに特徴がみられた。紀中は盂蘭盆のもちやお月見のだんごに有意差が認められた。
著者
根津 美智子 依田 萬代 樋口 千鶴
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

【目的】山梨県と本学は2008年から連携事業を行っている。事業活動はゼミ演習が多く、本ゼミは県からの要請で本県特産品「あけの金時芋」の知名度向上とお菓子レシピ開発を行った。2010年から2011年の学生の取り組み内容を報告する。【方法】2010年にさつま芋に関するアンケート調査を行い、あけの金時芋のお菓子レシピの開発及び「やまなし食のマッチングフエァー2011年」に参加し、学園祭でお菓子販売と評価アンケートを行った。また、両2年間あけの金時芋の知名度調査(学生・主婦)を行った。【結果・考察】レシピ作成に当たり学生、主婦にアンケート調査を行った。さつま芋は学生、主婦共96%以上に好まれ、味では甘さが共に約7割好まれていた。どの位の頻度で食べるは、学生月1回34%、主婦週1から2回が68%で主婦層の摂取率が高かった。さつま芋料理は天ぷら、大学芋が両者共に約3割食べられ、その他の料理は少なかった。芋菓子として思いつくものは学生スィーツポテト70%、主婦47%次いで芋ケンピ学生、主婦共約2割でお菓子として知っている種類が少ないことが伺えた。あけの金時芋を使用したお菓子レシピを18種作成し「あけのサンドアイス」、「あけのボール」、「あけの李ナッツ」の3品を「やまなし食のマッチングフエアー2011」に出展し試食してもらった。「あけの李ナッツ」の評価が最も高く、学園祭でもこの3品を販売した「あけの李ナッツ」の評価が高かった。併せてあけの金時芋の宣伝・販売も行った。2010年の知名度は学生15%、主婦25%、2011年では学生54%、主婦42%と学内での指導、メデァ、新聞等の情報発信などから知名度の向上は見られたが、更なる宣伝活動が必要と感じた。販路開拓には市場調査・分析、価格設定、広告・宣伝などの広報活動などのマーケティングが重要であると感じた。
著者
立山 千草 坂口 淳 本間 伸夫
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.17, pp.174, 2005

<br>【目的】地域の風土に根ざした多様な地方野菜は四季折々の郷土料理の素材としてその地域で生活する者の健康をも支えてきたと考えられる。しかし、現在、全国地方野菜、地方品種の作物における生産と消費の現状および今後の展望については、様々な視点から注目を集めながらも不明な部分が多く、新潟県の地方野菜においてもおおよそ同様な状況下にある。そこで、新潟県の37種の地方野菜に関する認識の程度を把握する目的で調査を行った。<BR>【方法】県立新潟女子短期大学生活科学科食物栄養専攻生、専攻科食物栄養専攻生の96名およびその家族(72名)を対象に新潟県の地方野菜に関する事項について2004年12月に調査票を用いた記述方法によるアンケート調査を行った。さらに、インターネット会社の協力を受け、2005年3月にWeb上でネット調査登録している全国約35万人を年代(20から29歳、30から39歳、40から49歳、50から59歳の4段階)ごとに無作為抽出し、アンケート協力の依頼のメールを送付し、アンケート調査(n=701)を実施した。<BR>【結果】37品種の地方野菜について、本学学生とその家族(回答者168名)に調査を行った結果、知名度が高い品種、極めて低く、食べたことがない品種も複数存在することがわかった。一方、本学関係者の間で知名度が比較的高い品種について全国ネットによる知名度調査の結果、今回のアンケートではじめて知ったと答えたパネリストがほとんどであった。地方野菜が市場に流通されることなく生産された土地で消費される傾向にあること、歴史にはあまり関心がなく、利用に強い関心がもたれていることが原因と考えられる。
著者
西堀 すき江 小出 あつみ 山内 知子 間宮 貴代子 松本 貴志子 森山 三千江 山本 淳子 近藤 みゆき 石井 貴子 小濱 絵美 加藤 治美 伊藤 正江 筒井 和美 野田 雅子 亥子 紗世 菱田 朋香 熊谷 千佳
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】愛知県は尾張地方と三河地方に分かれる。また、名古屋は江戸時代より経済活動が盛んで、昭和の初期には既に人口100万人を擁した大都市で、商業や工業が発展していた。周辺の農村地帯は、豊かな生産性の高い土地で、農村特有の食文化を形成していた。一方、海岸地区では海辺に自生する植物で、奥三河の山里では木の葉でもちを包んだりし、身近な自然からの恵を利用した食文化を形成していた。<br />【方法】愛知県を①名古屋市,②尾張水郷(海部),③尾張稲沢(尾張北部),④愛知海岸(知多,西三河・東三河の海岸,渥美),⑤西三河・安城,⑥東三河・豊橋,⑦愛知山間・奥三河の7地区に分け,聞き書き調査,並びに料理の撮影を行った。聞き書き調査は,平成24・25年,撮影は平成27年に行った。聞き書きは,各地区に長年暮らし,その地域の家庭料理を伝承されている方を調査対象者とした。撮影に当たっての料理作成は,聞き書き対象者が高齢であるため,各地区の伝統的家庭料理の保存活動を行っている団体・個人などに作成依頼を行った。先の調査を収録した『日本の食生活全集(23) 聞き書 愛知食事』を参考にした。<br />【結果】茶の湯の盛んな名古屋地区は、有名な和菓子屋が数軒有り、来客時のお茶菓子や、通常のおやつは店で購入することが多かった。名古屋の和菓子として名高いういろうも購入していた。農村地帯では、稲作や年中行事に関わるおやつが多かった。奥三河地区では、貴重な米を使った五平もちはご馳走であった。また、雪深く、正月は花が咲かないことから作るもち花や、身近なほう葉を使ったほう葉もちと山間部の特徴が見られた。また、米が貴重で、もちを搗く時は、普段は必ず大豆、きび、あわ、よもぎなどを混ぜて搗いた。