著者
渡邊 幾子 植田 和美
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成23年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.175, 2011 (Released:2011-08-30)

【目的】ういろうの歴史は古く鎌倉時代に中国から伝わったとされる。名古屋、山口、京都をはじめ全国各地でういろうは作られており、主原料やその配合割合により特性があると考えられる。徳島でも全国的な知名度は低いが小豆あん、米粉、砂糖を主原料とした阿波ういろう(以下、阿波)が寛政年間に作られ始め、現在も親しまれている。アンケート調査から、ういろうの有名な地域としてあげられた名古屋、山口の市販ういろう(以下、名古屋、山口)と阿波を比較検討し、その地域特性を明らかにすることを目的とした。【方法】2008年度にアンケート調査を実施し、その結果から名古屋と山口の各5種ずつを用いて、破断強度、水分含量、糖度、色彩を測定し、阿波10種と比較検討した。【結果】アンケート結果から、ういろうが有名と思う地域は名古屋が72.7%と最も高く、徳島24.2%、京都3.5%、山口2.5%と続いた。これはアンケート対象者が徳島県在住者であることが影響し、徳島が2位となったと考えられた。ういろうの品質表示から主原料は、阿波が米粉、名古屋は米粉と澱粉、山口は小麦粉、澱粉およびわらび粉を使用している傾向がみられた。これらの破断強度を測定した結果、破断応力では阿波が9.311×104N/m2と最もかたく、名古屋5.135×104N/m2と山口5.667×104N/m2は近似していた。水分含量では阿波が34.65%と最も少なく、名古屋44.34%、山口44.47%となった。いずれも阿波と名古屋、阿波と山口で有意に差(p<0.01)がみられた。この3地域の比較から、阿波は水分含量が少なく、かたいという特性がみられた。
著者
松井 正枝 中平 真由巳 高村 仁知 的場 輝佳
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成15年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.22, 2003 (Released:2003-09-04)

アルミニウムは,食品関係の器具容器の素材として広く用いられています.アルミニウム摂取とアルツハイマ_-_症の間に因果関係があるのではないかと指摘する論文がAlfreyらによって発表されて以来,これに関する多くの研究が報告されている.しかし,アルミニウム製調理器具からのアルミニウム溶出に関する報告は多いが,実際に食する料理中のアルミニウム溶出量を測定した報告は少ない.前回の我々の報告において,家庭で行う調理条件で酸性およびアルカリ性の際立った料理を選び,料理中のタンパク質や油のアルミニウム溶出への影響を見るために検討を行い,タンパク質,油の存在は,アルミニウムの溶出を抑制する効果があるという結果を得た.そこで今回は,酸性の料理である,ジャム,およびアルカリ性の料理であるインスタントラーメンを用いアミノ酸のアルミニウム溶出に及ぼす影響を見た.アミノ酸には,グルタミン酸とイノシン酸を用いた. 使用するアルミニウム鍋は,アルミニウム製調理器具から溶出するアルミニウムについてのいくつかの報告があるが,いずれも未使用鍋を用いたものであるため,未使用鍋と繰り返し使用鍋のアルミニウム溶出におよぼす影響について検討を行った.その結果,酸性,アルカリ性の料理共にアルミニウム鍋を繰り返し使用してもアルミニウム溶出量に影響はなかった.アルマイト鍋でも同様の結果を得た.次に,酸性の料理であるあんずジャムおよび干しあんずジャム調理中にアミノ酸を加えることにより,アルミニウムの溶出が抑えられた.アルカリ性であるインスタントラーメンでは,加熱前後の調味料添加によるアルミニウム溶出への影響を検討した結果,加熱前に調味料を添加した時アルミニウムの溶出が抑えられた.今回の実験では、アミノ酸添加量を0.1,0.5 %としたが,アミノ酸の添加量を0.1から0.5%に増やしても効果に差はなかった.
著者
堤 愛子 川崎 寛也 水澤 一
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成23年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.177, 2011 (Released:2011-08-30)

【目的】食品は様々な味成分や香り成分を含んでいる。いくつかの味や香りは閾値以上だが、閾値以下の成分も含まれているはずである。味覚閾値のうち検知閾値は味の質はわからないが、水とは異なることが感知される閾値とされる。苦味は生得的に忌避される味質であるが、後味が長いことが知られており、検知閾値以下であれば、苦味とは認識されず何らかの刺激をもたらすものと考えられた。そこで、本研究では、閾値以下の苦味がうま味の感じ方に及ぼす影響を、ヒト官能評価を用いて検討した。【方法】100mm Visual analogue scaleを用い、被験者は19-20歳の男女とした。試料は味物質を単体または混合した常温の水溶液とした。苦味物質として硫酸キニーネとナリンジン、うま味物質としてグルタミン酸ナトリウム、食品としてかつお風味調味料を用いた。【結果】閾値以下の硫酸キニーネを含むうま味溶液と含まないうま味溶液のうま味強度を調べたところ、閾値以下の硫酸キニーネを含むうま味溶液のうま味強度が高い傾向であった。一方、閾値以下のナリンジンでは有意な差は検出されなかった。閾値以下の硫酸キニーネの効果を食品においても確認するために、市販のかつお風味調味料を用いた検討を行った結果、うま味強度については有意な増強がみられたが、かつお風味については影響が見られなかった。同様に、うま味の後味の長さに対する影響を検討したところ、閾値以下の硫酸キニーネを混合することにより、うま味の後味は有意に伸びた結果を得た。以上より、閾値以下の苦味は食品のうまみ強度を増強し、うま味の後味を延長させる効果があることが示唆された。
著者
村上 恵 森脇 千陽 梅原 志保 岡田 梨沙 吉良 ひとみ
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成23年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.22, 2011 (Released:2011-08-30)

【目的】スパゲティの好ましいゆで状態は「アルデンテ」という言葉が用いられ、スパゲティのおいしさにはその食感が重要視されている。著者らはこれまでに、スパゲティの硬さ及びアルデンテは破断応力と正の相関があり、ゆで水に含まれる金属塩類がスパゲティの硬さに影響を及ぼすことを報告している。そこで、本研究では水に含まれるCaイオンやMgイオンがスパゲティの硬さにどのような影響を与えるかを検討するため、ゆで水にそれらの金属塩類を添加し、検討を行った。【方法】金属塩類としてCaSO4、MgSO4、Na2SO4の3種類を用いた。これらの金属塩類を超純水に添加してゆで水とし、スパゲティをゆでた。スパゲティはイタリア産の直径1.6mmのものを用いた。それぞれのゆで水についてpH測定、温度測定、残渣測定を行った。また、ゆでたスパゲティについては破断測定を行った。【結果】pH測定では、スパゲティを加えず、水のみを加熱した場合ではCaSO4添加水、MgSO4添加水のpHは加熱後の方が有意に低かった。スパゲティを加えて加熱した場合では、Na2SO4添加水のpHは加熱後の方が有意に高く、CaSO4添加水、MgSO4添加水のpHは加熱後の方が有意に低くなった。温度上昇の経過については、各ゆで水間の差は見られなかった。ゆで水中の残渣測定では、CaSO4添加水、MgSO4添加水では見かけ上のゆで溶けは多くなったが、スパゲティ由来の残渣量に差は認められなかった。破断測定によるスパゲティの硬さへの影響はCaSO4>MgSO4>Na2SO4の順となった。Na2SO4によるパスタの硬さへの影響は認められなかった。
著者
洪許 于絹 石井 克枝
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成15年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.9, 2003 (Released:2003-09-04)

【目的】台湾の家庭では薬膳スープを作り、食されている。四物湯はその中でもよく作られているスープである。本研究は台湾の家庭の調理方法により、加熱時間による呈味と呈味成分の変化を調べるともに、日本人を対象に嗜好調査を行った。【方法】生薬は台湾の漢方専門店で購入し、鶏肉は市販手羽元を用いた。四物湯の調製は鶏肉480gと生薬(当帰・熟地・川芎・芍薬)47gと純水1150ml(台湾ではこの1/3量を使用するのが一般的)を加えて加熱した。加熱時間は30、45、60、90分とした。加熱には「大同電鍋」(間接釜式の電気炊飯器)を用いた。スープは加熱終了後1000mlに定容した。呈味成分の測定試料は一定量のスープを同量のn-ヘキサンで脱脂し、終濃度80%のエタノールで除タンパク後、減圧蒸留した。呈味成分はIMP、イノシン、ヒポキサンチン(HPLC)、還元糖(ソモギ・ネルソン法)、乳酸(酵素法)、タンパク質(Lowry法)を測定し、さらに、スープの官能検査(2点識別・嗜好法変法)を行った。【結果】IMPは45分のスープにもっとも多く含まれ、タンパク 質や還元糖は90分のスープで多く、乳酸は60、90分で多い傾向がみられた。呈味成分全体としてみると、60分スープの量がもっとも多かった。官能検査では45分のスープを基本として比較した。30分はうま味やこくがなく、60分はうま味やこくが弱い傾向であったが有意差はなく、90分はうま味やこくが少なく好ましくないと評価された。官能検査では、45分のスープが最もおいしいと評価された。台湾の家庭では加熱時間を経験的におよそ1時間としており、その加熱時間の妥当性が明らかになった。
著者
小田 きく子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成16年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.16, 2004 (Released:2004-09-09)

[目的] 日本では米飯を握ったものを通称「おにぎり」と呼び、最近ではコンビニエン スストアーで大人気で、種類も多種類販売されている。そこで、全国各地ではこの米 飯を握ったものを何と呼び、中身に何を入れて、どんな形に握るか等を調査し、新し い「おにぎり」の開発を目的とした。[方法] 農山漁村文化協会発行の「日本の食生活全集」全47巻を資料として、この中に出てくる「おにぎり」に関する項目を_丸1_呼び方 _丸2_形 _丸3_米の種類 _丸4_中身(具)_丸5_外側_丸6_調理法 _丸7_利用法の7項目に分類し、その傾向を調べた。[結果] 資料の集計結果339個の「おにぎり」に関する事項があった。全国的にみると、_丸1_呼び方ではおにぎり・おむすび・握り飯の順に多く、_丸2_形では三角・丸・球の順に多く、_丸3_米の種類ではうるち米が最も多く、次いで麦飯・炊き込み飯の順であった。_丸4_中身では具なしが最も多く、次いで梅干・漬物の順で、_丸5_外側には何もつけないが最も多く、次いで味噌・黄な粉の順で、定番の「のり」はわずか18個で5%にすぎなかった。_丸6_調理法ではただ握るだけが最も多く、次いで握って焼くであった。_丸7_利用法では「農作業時の昼食」が最も多く、次いで「山仕事の昼食」・「おやつ」・「運動会」時であった。地域別に比較すると、その地域独特のものがあり、また全国各地にかならず「おにぎり」があることがわかった。そして共通していえることは、「保存できるもの」であり、その土地の「知恵と文化」を食べるといえる。
著者
桒田 寛子 木村 安美 石井 香代子 山口 享子 渕上 倫子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成26年度(一社)日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.30, 2014 (Released:2014-10-02)

【目的】フライパンは主に炒める、焼く調理で用いるが、近年、手間や早さ等の理由から、茹でる、揚げる調理を行う際にもフライパンを使用している家庭が増加傾向にあり、メニューに対しての調理器具の固定概念が変化しつつあると推察される。使用頻度の高いフライパンを用いて、茹でるなどの調理を行い、鍋を用いたときの調理時間、調理性などと比較し、フライパン類を活用した最適メニューの提案を行うことを目的とした。 【方法】直径26cmのフライパンと直径18cmの鍋(上下2段)を用いてカボチャの煮物を同重量調理し、破断応力を測定した。また調味後の官能評価を行った。フライパン調理に最適なメニューの開発を行い、フライパンと鍋を用いて再現し、エネルギー消費量と加熱調理時間を測定した。 【結果】フライパンと鍋を比較すると、鍋の方が軟化が遅かった。また、鍋は上段と下段で煮え方が異なり、上段の方が、またカボチャの中心部の方が軟化が遅かった。調味後の官能評価において、鍋の上下段で有意差が見られた。鍋の場合、2段に分けることで味にムラができるため、フライパンの方が味が均等に染み込んだ。フライパンは、「焼く」メニューでは鍋に対し加熱調理時間が33%早く、ガス消費量は4%削減できた。これは火力を強めに設定し短時間で調理できるためと示唆された。また、「煮る」「揚げる」「茹でる」場合、フライパンでの調理が加熱調理時間で17%早く、ガスの消費量は4%削減できた。「蒸す」「炊く」場合、ガスの消費量では鍋調理が優位であった。フライパン調理の特徴として、加熱時間が短いメニューほどフライパンの優位性は増し、調理時間が長く、かつ弱火となるメニューではフライパンの優位性が低下した。
著者
取替 恵 佐藤 生一
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2019

<p>【目的】現在,日本人における漬物の摂取頻度の減少がみられる。本研究では,産学連携事業の一環として名古屋市西区にある(株)ほった様より漬物の提供を受け,漬物を使ったパンレシピを開発し,漬物離れしている人々に再度関心を持ってもらうことを目的とした。</p><p>【方法】ピザやサンドイッチ等と漬物を組み合わせ,試作を行ったが,味や見た目を検討した結果,最も相性が良いとの結論に至ったカレーパンで官能評価を行った。試作の結果,生地に対して,しば漬けと福神漬けは12%,紅しょうがは8%加えることとした。またカレーフィリングにはたくあんを使用し,16%加えることとした。対象者は,本学学生栄養士専攻24名,製菓専攻9名,教職員11名とした。漬物の摂取頻度,居住形態,好きな漬物については,自記式質問紙を用いて調査した。カレーパンの味と見た目の官能評価については,良いと思った順に1位,2位,3位と順位をつけ,順位和を基に分析を行った。</p><p>【結果および考察】漬物の摂取頻度は学生に比べ,教職員が最も高く,居住形態は「その他」と答えた人が栄養士専攻と教職員にみられたことから,居住形態が若者の漬物離れに関係しているのではないかと推察される。好きな漬物については,たくあんが一番好まれたことから,スーパー等で入手しやすいからではないかと推察される。味の評価では製菓専攻のみ,しば漬けが有意に好まれ,見た目の評価ではどの対象からも,紅しょうがと福神漬けが好まれる傾向であった。味と見た目の評価の結果から,漬物とカレーパンは合うことがわかった。今後もパン,洋菓子,和菓子と相性の良い漬物や食材を発見し,レシピ開発につながり,漬物が身近なものと感じていただけたら幸いである。</p>
著者
柴田 圭子 高見 朋子 渡邉 容子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 2019年度大会(一社)日本調理科学
巻号頁・発行日
pp.134, 2019 (Released:2019-08-26)

【目的】食品添加物として市販されるホタテ貝殻焼成カルシウム(以下,貝殻Ca)は,主成分が酸化カルシウムで,水と反応すると強いアルカリ性を呈し,野菜・果物類の抗菌洗浄に利用される。この貝殻Caの特性を利用し,洗米に使用することで貯蔵米の食味の向上を図ることが可能と考え,その有用性を検討した。【方法】貝殻Caは洗浄用に0.03% (w/v)の水溶液(以降,貝殻Ca水)に調製して使用した。試料米にはコシヒカリ(2013年度,山形県産)を用い,実験は2017〜2018年に実施した。米300gを脱イオン水1L/回×5回洗浄したものを対照試料,同じ5回洗浄のうち2回目のみ貝殻Ca水を用いたものを貝殻Ca水洗浄試料とした。飯は米の1.5倍加水して60分浸漬後,電気炊飯器で炊飯した。米粒のSEM観察および脂肪酸度の測定,飯粒の力学的測定(テクスチャー解析),飯の食味評価は分析型と嗜好型の官能評価を行い,更に飯のテクスチャーと味の評価はTDS法,におい評価はTI法を用いた。【結果および考察】貝殻Ca洗浄水はpH11.9だが,炊飯直前の浸漬液はpH7.4となった。米粒表面の構造は,貝殻Ca水洗浄試料と対照試料に顕著な差はないが,米の脂肪酸度は前者が有意に低値であった。飯の炊上り倍率・飯粒の形状に有意差はなかった。飯粒を80%圧縮した際,貝殻Ca水洗浄試料は最大荷重と凝集性で低値,付着性は高値の傾向がみられ,飯粒外周がかため,内部はやわらかめである事が示唆された。TDS法では,貝殻Ca水洗浄試料はもちもちして,後味の甘味が持続する傾向であった。TI法による対照試料と比較した貝殻Ca水洗浄試料の古米臭の強度は,約45%と評価され,低減効果が認められた。
著者
松本 美鈴
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.17, pp.31, 2005

<br>【目的】わが国では、年中行事には日常とは異なる特別の食べ物を供えて祝い、皆が揃って食事を共にしてきた。しかし、正月を初めとして、伝統的年中行事は、われわれの生活から失われつつあるといわれて久しい。正月の3が日の間、おせち料理や雑煮を、食べ続ける家庭は少なくなり、時代とともに行事食の意義は薄れ、変容している。そこで、本研究では、女子学生の家庭における行事と食べ物の関わりの実態調査を行い、わが国の家庭における行事食の変化を捉えることを目的とした。<br>【方法】都内の女子短大および女子大学の家政系に通う学生を対象として、留め置き法によって調査紙に回答を求めた。調査は、年中行事あるいは人生儀礼行事などの実施状況と食べ物について、また、地域や親族との関わりなどに関する設問を設定した。さらに、日本の食生活全集(農文協)を資料として用い、各地域における行事と食べ物について調査し、現代の女子大生の家庭における行事食との比較を行った。<br>【結果】女子学生の家庭における、代表的な行事は、正月、クリスマス、誕生日であった。伝統的年中行事である正月には、おせち料理や雑煮が祝いの席に用意された。また、クリスマスや家族の誕生日のような新しい年中行事には、クリスマスケーキのような西洋菓子と家族の好きな料理が食卓に整えられ、家族と共に食卓を囲んでいた。立春の前夜に行われる節分には、豆を食べるに加えて、恵方巻きを食べるという答えが多く、行事食への中食産業の影響が見受けられた。なお、女子学生の家庭における行事食の出現頻度は、居住地の地域性やコミュニティーとの関わり方などにより異なるように思われた。<BR>
著者
遠藤 千鶴 西堀 尚良
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成23年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.51, 2011 (Released:2011-08-30)

【目的】ポリアミンによる動脈硬化抑制、抗老化、炎症抑制などの効果が報告されて以来、食事からのポリアミン摂取が注目され、食品中のポリアミン含有量が報告されるようになってきた。一方、制御栄養の側面から、実際の摂取量を明らかにすることが必要であり、調理・加工によるポリアミン量の変動を明らかにすることが重要であると考えられる。そのため、演者らは加熱によるポリアミン量の変動について研究を重ねており、前回の大豆に続き、今回は、きのこ類の加熱前後のポリアミン含有量の変動を検討した。 【方法】試料のきのこ類にはしいたけ、まいたけ、なめこ、しめじ、エリンギ、えのき、マッシュルームを使用した。試料は荒みじんにした後、一定量を秤量し、加熱は600W電子レンジを使用し、加熱時間は60秒間、「茹でる」はビーカーに水を加えて、同レンジで90秒間加熱した。その後、5%トリクロロ酢酸を加え、ホモジナイズ後、遠心分離し、得られた上澄みを液体クロマトグラフィーで分析した。分析はポストカラムOPA法により行った。【結果】きのこ類に含まれているポリアミンは種類や産地により検出成分、含有量に差があるものの、共通に含まれていた成分はスペルミジンで、量も多く含まれていた。その他の成分として、プトレスシンはまいたけ、ブナシメジ、エリンギに含まれ、アグマチンはまいたけのみから検出された。きのこの主要なポリアミンであるスペルミジンの茹で加熱による損失率は、しいたけで26~37%、まいたけ21~33%、しめじ8~28%、エリンギ16~40%、えのき31~45%であった。また、まいたけに含まれているプトレスシンは「茹で」加熱により、約85%の損失が認められ、ポリアミン成分により損失率に差があった。
著者
村上 恵 吉良 ひとみ 乾 恵理 松本 雄大
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成22年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.80, 2010 (Released:2010-08-27)

【目的】水の硬度は地域によって異なり、調理特性に何らかの影響を与えると考えられている。天ぷらではカラッとした軽いテクスチャーの衣が望まれるため、衣の調製は冷水(15℃)を用いて小麦粉をさっくりと混ぜ合わすことでグルテン形成を抑制する必要がある。そこで本研究では天ぷら衣の調製に使用する水に着目した。天ぷら衣の調製に軟水と硬水を用いて衣を揚げ、官能評価および衣の破断強度を測定し、食感に及ぼす影響について検討した。【方法】天ぷら衣として薄力粉60gに15℃の水90mlを加え15回撹拌したバッターを用いた。水は硬度20の軟水と硬度1468の硬水を使用した。この種を鍋に約3gずつ20個投入し、170℃で4分間揚げた。水を加えた直後(放置時間0分)の衣と15分放置した衣を調製し、揚げ上がり10分後の衣4種類を試料とした。これらの衣について、20歳代の大学職員および学生を被験者として7段階評点法、順位法による官能評価を行った。【結果】官能評価の結果、硬水を使用すると放置時間0分、15分共に食感、味、総合評価の評点が軟水を用いた時よりも有意に高く、サクサクした衣に仕上がる事が明らかとなった。順位法より4種類の試料は硬水0分、硬水15分、軟水0分、軟水15分の順で有意に好まれた。また、総合評価とにおい、食感、味の間の評価に正の相関がみられた。破断強度を測定すると、硬水で調整した衣は、軟水よりも破断応力、破断歪率とも低い値を示し、もろく軽い食感であることを示した。従って、衣調製時に硬水を用いると、食感や味が良い衣に仕上がると考えられた。
著者
森山 三千江
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成29年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.19, 2017 (Released:2017-08-31)

目的:クローン病は近年、その患者数が急増している炎症性腸疾患である。その原因は遺伝的要因、環境要因などのうち生活習慣、中でも日本の食生活の欧米化が大きく影響を与えると言われているが、現時点では原因不明の難病とされている。発症年齢は10歳代後半から20歳代に多く、男女別では2:1で男性に多い。クローン病の治療法として栄養療法から最終手段としては手術であるが、この病気は食事に対する免疫反応という説が有力であるため、特に重要なのは栄養療法だと考えられている。クローン病患者が食事療法や絶食時に精神的に辛い思いをすることが多いため、患者の食生活が精神面にどのように影響するのかを関係性を追跡し、より精神的が良好に過ごせる方法を模索することを目的とした。方法:クローン病患者28名を対象とし、手術歴に加えて質問項目として現在の症状、身体的要素、家庭生活及び社会生活の要素、精神的背景、家族及び交友関係、などの36項目について5段階評価で回答を得た。結果及び考察:回答者は男性17名、女性11名で14歳から54歳であった。食事制限として脂質の少ないもの、肉、ファストフード、食物繊維など消化の悪いものを避ける、外食をしないなどの回答が得られた。また辛いと感じることで腹痛、吐き気、下血や入退院の繰り返し、学校で何も食べられない、職場での理解が得られないことなどが挙げられた。さらに、鬱やパニック障害などで通院している者もおり、病気に対する不安を訴えるものが半数以上であった。こうした患者に対して家族や職場など周囲の理解が大きな支えが重要であり、さらには若年層の発症を抑えるような食生活を探求していくことも大きな課題と考えられる。
著者
光崎 龍子 坂口 和子 光崎 研一 高木 敬彦 森 真弓 鈴木 啓子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.330-333, 1999-11-20
参考文献数
11
被引用文献数
1

ドクダミ茶加工の採取時期としては,一般に花のような白い総ほうが終わる頃が適していると言われている。そこで,ドクダミの成長期を「萌芽期」,「結実期」,「本葉期」と名付け,この3期と,結実期の「葉部」,「花部」の2種類の無機成分含有量を分析した。さらに,採取時期の意義を,相関分析,主成分分析法により解析を試みた。1.ドクダミの無機成分は,カリウムがもっとも多く,カルシウム,マグネシウム,鉄,マンガン,亜鉛は成長とともに増加し、銅は複相単為生殖後の花部に多い。2.カリウムとカルシウムは6:1,マンガンとマグネシウムは80:1ほどの比率で増加し,カルシウム・カリウムと銅では反比例する関係があり,花部,本葉期に認められる。3.主成分分析では第1主成分に,カルシウム,マグネシウム,カリウム,マンガンと銅が抽出され、ドクダミの無機成分を構成する主な成分と複相単為性生殖により増加する成分と考えられ,第2主成分の鉄,亜鉛は複相単為生殖に深く関与する成分と考えられる。4.成長期別の主成分分析法では,2次元布置図から花部の特異性が推測ができる。5.以上のことから,経験的にいわれているドクダミ採取時期は総ほうの終わる頃がよいとされるが、3成長期と花部、葉部に分けることにより明確にできた。ゆえに,昨今の食生活に派生する味覚異常や高齢者の無機成分摂取不足などの改善には,手軽に日常的な飲用が望ましい薬用植物と考えられる。
著者
木村 秀喜
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成29年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.170, 2017 (Released:2017-08-31)

【目的】減塩レシピコンクールに砂糖で魚をしめ、酒粕に漬け、南蛮漬け風にしたところ美味しい料理が出来た。そこで砂糖で締め、酒粕に漬けた魚と塩でしめた魚の嗜好差の有無について検討した。【方法】塩で締めた標準試料と砂糖で締めた試料を2点嗜好試験で官能評価を実施し、全員が終了後に円卓法により意見を聴取した。パネルは魚食による食育活動を行っているボランティア団体企画員(スタッフ)15人、試料に用いた魚種は身が均質な小型のアンコウを用いた。試料は15gとした。標準試料15個に対し4%重量の食塩を振りまぶし、砂糖締めは食塩0gで同量の砂糖を振りまぶした。各々15分間放置し、粕床にリードペーパーで挟み20分間漬けた。各々米粉をまぶし、少量の植物油でソテーした。冷めた状態のものを喫食し、質問紙でどちらが好みかのみを聞いた。粕床は酒粕400g、本みりん200gをビニール袋に入れ、良く揉み、42℃のお湯につけ10分放置後、再び良く揉んだ。全体がなじみ、温度が上がったところでとりだし、1晩常温で放置したものを2セット準備した。円卓法はどちらを選択したかを通知後、自由に討議した。【結果】標準試料を好んだパネルは8人、砂糖で締めたものは7人で、試料間に統計的に有意な差はなかった。(α=5%)円卓法では、締まり方が砂糖の方が良かった、塩分添加がなくとも食べることができるが塩分があればより美味しいなどの意見があった。魚を砂糖で締めて粕漬にすることは、減塩で美味しい料理になる可能性が示唆された。今後は砂糖締めと酒粕漬による魚肉の変化、魚種、ソテー以外の調理法など、広く検討したい。
著者
中嶋 名菜 福山 豊 松添 直隆 北野 直子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】近年、農業人口の減少、核家族化、食生活の洋風化などの社会的変化により行事食を家庭で作る機会が減り、伝統的な行事食が次の世代へ伝承されない傾向にある。そこで阿蘇神社を中心に現在でも数々の農耕祭事が行われている阿蘇地域において、行事食ならびに郷土料理の喫食状況を明らかにすることを目的とした。【方法】2012年4-8月、阿蘇7市町村在住の女性780名を対象に、日本調理科学会特別研究の質問票を基に、行事食、郷土料理に関する調査を行った。基本属性(性、年齢、居住地区、家族構成)に不備のある者を除いた430名を解析対象とし、喫食状況について年代(40歳代以下、50・60歳代、70歳代以上)、世帯別(単身世帯、同世帯、2世帯、3世帯以上)に比較した。【結果】阿蘇地域においては、正月、節分、上巳、土用の丑の日、大晦日の行事の経験はどの年代においても90%以上が経験していた。七草・春分の日・盂蘭盆・お月見・秋分の日・春祭り・秋祭りが40歳代以下の者が50歳代以上より経験率が有意に低かった(p<0.05)。また、お節料理では、年代が高いほど家庭で作る割合が高かったが、世帯別では有意な差は見られなかった。郷土料理では、高菜飯やだご汁、いなりずしなどは全体の喫食経験がほぼ100%であるのに対し、すぼ豆腐に関しては70歳代以上でも経験率が60%未満であり、赤ど漬け、とうきび飯、ひこずり、すぼ豆腐、のっぺ汁、栗飯において年代間で喫食経験に有意差が見られ、年代が高いほど高かった(p<0.05)。以上より、阿蘇地域の行事食や郷土料理は年代が低いほど伝承度合が低く、行事、調理法や食品の種類によって伝承の容易さに相違がある可能性が示唆された。
著者
中澤 弥子 佐藤 晶子 小木曽 加奈 吉岡 由美 鈴木 和江 高崎 禎子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成23年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.113, 2011 (Released:2011-08-30)

【目的】長野県では、一年を通じて家の最大の節目を年取りの行事とする傾向が強く、年神棚にご馳走をお供えし、一年の無事の感謝と新しい年の豊作を祈り、家族揃ってご馳走で祝う習慣1)がある。本研究では長野県の大晦日と正月の行事食の継承の実態と現在の特徴について、平成21~22年度調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学 行事食・儀礼食」で行った調査結果を基に明らかにすることを目的とした。 【方法】アンケート回答者のうち、長野県内に10年以上住み、現在も住んでいる人および現在長野県内に住み、他県に10年以上住んだ経験はあるが、行事食に長野県の影響を受けている人の正月と大晦日のデータ(計686人)を集計し分析を行った。 【結果】回答者の年齢層は、10~20代50%、30~40代33%、50代13%、60~80代4%であった。大晦日の認知度は99%、行事食の経験が98%と高く、年取りの祝い料理については、喫食経験ありが67%で、毎年食べるが53%を占めた。年越しそばは喫食経験ありが90%と高く、毎年食べるが57%、毎年ではないが食べるが19%と高率であった。鮭料理の喫食経験ありは62%で毎年食べるが35%、鰤料理の喫食経験ありは54%、毎年食べるが23%であり、現在も鮭や鰤などの年取り魚が年取りの祝い料理として食されていた。その他、海なし県である長野県において肉料理の回答は少なく、刺身、数の子、握り寿司などの海産物がご馳走として好まれ食されている様子がうかがわれた。1)「聞き書 長野の食事」、p348、農山漁村文化協会 (1986)
著者
高橋 洋子 安藤 友里恵 山口 智子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】 新潟県内の家庭で親しまれてきた郷土料理のうち、これまで研究の対象にされたことが殆どなかった&lsquo;くじら汁&rsquo;に着目した。地域や世代による喫食経験や喫食状況を明らかにするとともに、その背景について検討することを目的とした。<br>【方法】 2012年10~12月に、新潟県内在住の男女を対象にアンケート調査を行い、868名の回答を年代・性別・居住地域に分けて分析した。<br>【結果】 &lsquo;くじら汁&rsquo;について、新潟県内の次のような状況が明らかになった。(1)認知・喫食状況:認知度・喫食経験度とも若い世代ほど低く、70歳以上では全員が「食べたことがある」のに対し、19歳以下では認知度が48%・喫食経験度は21%であった。なお、喫食回数は全ての年代で減少傾向にあり、喫食経験者の62%が「以前に比べて食べる回数が減った」と回答した。これらのことから、鯨肉の流通状況の変化が&lsquo;くじら汁&rsquo;の認知・喫食状況に影響を及ぼしている様子が示唆された。(2)嗜好性:性別では男性に、年齢では年代が高いほど、好まれる傾向にあった。独特のにおいと油っぽさ、食感などにより、好き嫌いが分かれ、喫食経験者のうち「好き」は46%、「嫌い」は24%であった。(3)具材と喫食時期:塩くじらのほか、新潟市周辺では&lsquo;なす&rsquo;、中越地方では&lsquo;ゆうがお&rsquo;が多く使われ、夏に食す人が多かった。一方、下越地方の阿賀町では&lsquo;うるい&rsquo;(山菜)を使用し、春に食す人が多くみられ、地域による使用具材の特徴と、それを反映した喫食時期が明らかになった。今後は、他県の&lsquo;くじら汁&rsquo;と比較するなどして、新潟県の郷土料理としての&lsquo;くじら汁&rsquo;の実態を明らかにしていきたい。
著者
井上 瑞穂 高橋 亜由美 久保 加織
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成26年度(一社)日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.107, 2014 (Released:2014-10-02)

【目的】近年、生活スタイルの変化に伴って調理の簡便化が求められ、冷凍食品や総菜などが数多く販売されている。お弁当用の冷凍食品も多く、なかには自然解凍を提案する商品もあるが、解凍法による成分の違いは明らかになっていない。一方、野菜はビタミンや無機質、食物繊維の供給源として重要な食品であるが、栄養素のなかでもビタミンCは、調理中の損失が大きいことが報告されている。本研究では代表的な野菜の一つであるホウレンソウに含まれるビタミンC量の加熱と冷凍、および解凍による変化を調べた。【方法】試料には、生鮮野菜として2013年11月に岐阜県産、2013年12月と2014年4月に滋賀県産のホウレンソウを、市販冷凍食品として「ほうれん草3種のおかず」(N社製)をそれぞれ大津市内のスーパーマーケットから購入して用いた。ホウレンソウはゆでた後、醤油を添加して冷凍庫内で2週間冷凍した。解凍は電子レンジ解凍、あるいは20℃で5時間の自然解凍とした。ビタミンCはHPLCによって定量した。【結果】ホウレンソウ中の総ビタミンC量は、試料間でのばらつきが大きく、収穫時期、個体や部位による含有量の違いが大きくみられた。ホウレンソウをゆでると加熱による酸化、分解、水への溶出により総ビタミンC量は大きく減少し、醤油を添加するとさらに減少したが、冷凍による変化はあまりみられなかった。生鮮野菜から調製した冷凍品も、購入した冷凍食品もともに自然解凍よりも電子レンジ解凍の方がビタミンCの残存率が高い傾向が認められた。これは、電子レンジ解凍では内部温度の上昇により酸化酵素が失活するためと考えられ、解凍には電子レンジを用いる方が望ましいと判断した。
著者
原 知子 加藤 美香
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成14年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.101, 2002 (Released:2003-04-02)

天ぷら衣に重曹やしょうが汁を添加することによって軽い衣に揚げあがることはよく知られているが、「酢」を添加した場合の影響については記述は少ない。そこで、身近な調味料である米酢を用いて、天ぷら衣に添加してみたところ、重曹と同様に、官能評価において「さくさく度」「軽さ」の向上が認められた。ただし、米酢の場合には添加量が粉の1/6(酢容量ml/粉重量g)程度でも酢自体の味が衣に反映されてくる。衣の生地の状態については、酢を添加することによって、衣の「流れやすさ」が有意に大きくなり、その結果、揚げ種に衣をつける際にも薄くつきやすいというメリットがあると考えられた。