著者
川上 栄子 森下 紗帆
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.28, 2016

<br><br><b>【目的】</b>日本の食文化において緑茶は欠かすことのできないものであり、最近では、緑茶が健康に及ぼす好効果も評価されている。また、静岡県では日本有数な緑茶の産地として有名であるが、急須で入れる緑茶(リーフ)を飲む習慣が薄れ、家庭でもペットボトル緑茶が飲まれている現状がある。そこで、その実態を明らかにするために、緑茶離れが進んでいる大学生を対象にアンケートを行なった。<br><br><b>【対象及び方法】</b>本調査は、2015年6月~12月の間に、授業において説明の上、同意が得られた学生に対して、自己記入アンケート形式で行われた。対象者は、H市内の2校に通う大学生213名で、その内訳はT大学169名(女98名、男71名)、S大学44名(女35名、男9名)である。アンケート調査は4項目とした。質問内容は属性、各食事の主食の内容、各食事における1日の飲料の種類及び量、1日の食事以外に飲む飲料の種類及び量である。統計分析はSPSS(ver.20)により行なった。有意水準は5%とした。<br><br><b>【結果】</b>対象者の年齢、体形、居住状況は以下の通りであった。T大学の平均年齢は19.8歳、S大学は20.0歳。T大学の自己申告の体形が、やせ22名(13%)、普通123名(72.8%)、肥満24名(14.2%)。S大学はやせ3名(6.8%)、普通29名(65.9%)、肥満12名(27.3%)であった。また。T大学の居住状況は単身62名(36.7%)、核家族82名(49.1%)、3世帯同居24名(14.2%)。S大学は単身16名(36.4%)、核家族19名(43.2%)、3世帯同居9名(20.4%)であった。2大学間の属性に大きな差異がなかったため213名の調査結果をまとめた結果、朝食時では緑茶(リーフ)が16.4%、ペットボトル緑茶が15.5%であり、昼食時では緑茶(リーフ)が12.7%、ペットボトル緑茶が37.1%で、夕食時は、緑茶(リーフ)が21.6%、ペットボトル緑茶が18.3%という結果であった。<br><br><b>【結論】</b>緑茶は、昼食時では緑茶(リーフ)よりペットボトル緑茶が飲まれている。朝食時と夕食時においては、ペットボトル緑茶より緑茶(リーフ)が飲まれていることがわかった。
著者
山崎 貴子 伊藤 直子 岩森 大 堀田 康雄 村山 篤子 古田 和浩 金子 慶子 田中 照也
出版者
日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.105, 2007 (Released:2007-08-30)

【目的】 硬さのために食用としての利用度が低い牛肉の部位について低温スチーミング調理により軟らかく食べやすくなることを報告した。一方、食肉の軟化としてキウイ、パパイヤやショウガなどのプロテアーゼの利用による報告もある。低温スチーミング調理は任意の温度管理が容易のため、種々の内在性および外から添加した酵素を最大限利用することができることが特徴である。そこで、低温スチーミング調理とキノコのプロテアーゼを併用した食肉軟化について検討した。 【方法】 キノコにはカゼイン分解活性の高かったマイタケを用いた。マイタケに2倍量の水を加えてろ過したものを抽出液として牛肉とともに加熱した。比較として、マイタケ抽出液のかわりに水、ショウガ抽出液を用いたものについても同様に行い、加熱後溶出したペプチド・アミノ酸量、遊離グルタミン酸量、肉の物性測定および官能検査により評価した。さらに低温スチーミング調理による効果をみるため、70℃2hスチーミングしたものと茹で10分加熱したものを比較した。 【結果】 肉をマイタケ抽出液とともに加熱すると、水やショウガ抽出液とともに加熱した場合より、溶出したペプチド・アミノ酸量、グルタミン酸量が多かった。また物性測定、官能評価の結果でも肉が軟らかくなっていた。スチーミングしたものと茹でたものではスチーミングしたものの方が全体的に評価が高く、特にマイタケ抽出液とともに低温スチーミングをした肉について高い評価が得られた。
著者
杉山 寿美 平岡 美紀 大重 友佳 石永 正隆
出版者
日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.107, 2007 (Released:2007-08-30)

【目的】 結合組織蛋白質コラーゲンは三重らせん部位とテロペプタイド部位で構成,食肉の硬さを決定している。我々は生姜プロテアーゼがコラーゲン繊維の構造が緩む条件下でテロペプタイド部位のみに作用することを報告している。このことは生姜搾汁が生肉の筋繊維を分解する一方でコラーゲン繊維を分解せず「すじ」が残ることを示している。本研究は新調理システムでの食肉蛋白質の変化を把握・利用し,生姜搾汁でコラーゲンを分解,食肉を軟化することを目的とした。 【方法】 鶏もも肉は中心温度75℃までオーブンで加熱した。その後,65℃の温湿蔵庫で保存したもの,急速冷却し再加熱したもの,生姜搾汁を加熱前後で添加したものを試料とした。コラーゲンは酸可溶性コラーゲン:ASC,ペプシン可溶化コラーゲン:PSC,不溶性コラーゲン:ISCとして抽出し,定量した。剪断強度はかみそり刃を装着したレオメーターで筋線維に垂直方向で測定した。 【結果】 加熱により総コラーゲン量は減少しゼラチン化が認められたが,ISC量は増加しコラーゲン繊維の収縮が推察された。加熱肉のISC量は冷却保存・再加熱したもののISC量と同程度であったが,温蔵したものでは著しく減少した。生姜搾汁を加熱後(温蔵前)に添加した場合は,総コラーゲン量,ISC量が著しく減少した。これは収縮したコラーゲン繊維がゼラチン化するとともに,構造弛緩に伴いプロテアーゼが作用した結果であると考えられた。この総コラーゲン量,ISC量の減少と剪断強度の低下,官能評価の結果は一致していた。すなわち,温蔵中のコラーゲンの構造変化とプロテアーゼ作用を利用することで,噛み切りやすい鶏肉が調製されることが示された。
著者
名倉,秀子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, 2003-05-20

雑煮の構成内容から地域の特徴を知る目的で,全国を12地域に分割し,各地域に在住する学生の家庭を対象に,アンケートによる実態調査を行った。雑煮のもち,だし,調味料,具,盛り付けの器,伝承など雑煮の地域的な特徴について以下のような結果が得られた。1)もちの形態は角もちが北陸,東海以北,丸もちが近畿以西にそれぞれ80%以上出現した。もちの扱い方は「焼く」が関東以北4地域,「ゆでる」が北陸,中国,北九州の3地域,「そのまま汁へ」が東海,近畿1,近畿2,四国,南九州の5地域に分類できた。2)だしの種類は魚介類が東海および中国以西,肉類が東北,海藻類が北海道,北陸,九州,野菜・きのこ類が九州でやや高めの出現率を示した。3)調味料の種類から,すまし仕立て系が北海道,東北,関東1,関東2,北陸,東海,中国,北九州,南九州の9地域,味噌仕立て系が近畿1,近畿2,四国の3地域に分類できた。4)具の種類は人参,大根,鶏肉が全国的に高い割合で出現した。野菜類の緑色系において,北海道の三つ葉,東北のせり,関東1の小松菜,関東2と北陸の三つ葉,東海のもち菜,近畿1の水菜,近畿2と中国のほうれん草,北九州のかつお菜,南九州の京菜にみられるように地域に限られた野菜や正月の期間だけの野菜が出現していた。また,かまぼこやなるとの出現は地域の特徴を捉えていた。5)盛りつけの器の材質は全国的に椀の出現率が70%をしめ,母方系統の雑煮を20〜29年前から調理していることが明らかとなり,伝承について地域的な特徴は見出せなかった。
著者
久保 加織 吉田 愛 石川 直美 堀越 昌子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.174, 2010

<B>目的</B> 輸入柑橘類には、防カビ剤としてポストハーベスト農薬が使用されることが多い。本研究では、日本で食品添加物として使用が認可されている防カビ剤のなかの一つであるイマザリルのレモン各部位での残留濃度を調べた。さらに、イマザリルが添加されている米国産レモンを用いて、保存や洗浄、調理によってどの程度その量が変化するかについて調べた。<BR><B>方法</B> 試料には、2005年~2009年に京都市内あるいは大津市内の小売店から購入した国産および米国産のレモンを用いた。イマザリルは、厚生労働省公定試験法に基づいて抽出後、高速液体クロマトグラフィーにより分析した。レモンの保存は、10℃に設定した冷蔵庫内で行った。洗浄は、水洗やゆでこぼしのほか、洗剤や重曹、酢酸、エタノールを用いて行った。レモンの調理として、レモンティー、レモンのハチミツ漬け、レモンのすりおろした皮とレモン汁を加えたマドレーヌを調製した。<BR><B>結果</B> イマザリル使用の米国産レモンからは、イマザリルが基準内濃度で検出され、内皮や果汁に比べると外皮の残留量が高かった。10℃保存では、国産レモンは約1ヶ月で傷みがみられたが、米国産レモンに変化はみられず、4カ月保存後もイマザリル量の減少はなかった。レモンを水洗した後のイマザリル量は47.6%に減少した。レモンをハチミツに漬けたり、紅茶に加えたりすることで、ハチミツや紅茶にイマザリルが溶出し、50ml紅茶に10gのレモンを30秒間浸漬した時の紅茶への溶出は47.1%であった。焼成後のマドレーヌからもイマザリルが検出され、残存率は51.0%であった。以上のことから、洗浄や調理を行ってもかなりの量のイマザリルが食品中に残存することがわかった。
著者
川崎 寛也 赤木 陽子 笠松 千夏 青木 義満
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1029, 2009

<BR>【目的】中華炒め調理は、鉄製の中華鍋を用いた高温短時間加熱にあおり操作が加わり、一般人には制御が難しい技術である。我々は、中華炒め調理中の鍋温度、具温度の経時変化を赤外線サーモ動画像により取得するシステムを構築した。本研究では、中華炒め調理中の温度変化に及ぼすあおり、攪拌操作の影響を知るために、熱画像と可視画像から得られた特徴量の有効性を検討した。<BR>【方法】調理専門者(中国四川料理店料理長)に回鍋肉(豚肉200g、キャベツ300g、ピーマン40g、長ネギ30g、市販合わせ調味料)を調理してもらい、赤外線サーモグラフィ(TVS-500、Avio社製)により熱動画像と可視動画像を撮影した。画像の炒め領域から以下3通りの解析を行った。(1)鍋底領域と縁領域を指定して温度変化を取得し、(2)鍋、お玉の動き、具の重心の動きをグラフ化、(3)鍋に占める具面積の時間的推移を求めた。さらにあおりのみでお玉を使用しないモデル調理を行い、温度変化を比較した。<BR>【結果】(1) あおり前後では鍋底、縁、具すべて温度変化が大きく、領域別温度変化のタイミングは鍋縁領域、具、底領域の順に高温となった。(2)鍋とお玉の動きは交互に現れた。具はあおり時に大きく移動し、続くお玉による攪拌により、常に動いている状態であった。(3)鍋における具の占有率は、あおりにより下がり、お玉による炒めで上昇した。あおりのみでお玉を使用しない調理では、調理途中の具温度のばらつきが大きく、仕上がり温度も低かった。中華炒め調理におけるあおり操作は高温の鍋縁に具を移動させ、焦げる前に反転させる役割、お玉はあおりによりかたまった具を広げ、高温の鍋底に接触させて温度を上昇させる役割であることが本システムを活用することで明らかになった。
著者
秋吉 澄子 小林 康子 柴田 文 原田 香 川上 育代 中嶋 名菜 北野 直子 戸次 元子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】地域に残されている特徴ある家庭料理を、聞き書き調査により地域の暮らしの背景とともに記録し、各地域の家庭料理研究の基礎資料、家庭・教育現場での資料、次世代へ伝え継ぐ資料などとして活用することを目的とし、(一社)日本調理科学会の特別研究「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」が実施された。<br /><br />【方法】熊本県内を6地区(阿蘇、県北、熊本近郊、県南、天草、球磨)に分類し、11名の協力者を対象に聞き書き調査を行った。その調査結果や参考文献を基に、おやつの特徴を検討した。<br /><br />【結果】おやつは農繁期の小昼(こびる=熊本弁でおやつのこと)としてよく食べられ、小麦粉を使用したものが多かった。熊本近郊では小麦粉の団子に大豆を混ぜた「豆だご」や、輪切りにしたからいもを包んだ「いきなり団子」が挙げられた。県北ではその土地で採れる里芋や栗を小麦粉の団子で包んだ「里芋団子」や「栗団子」、米の粉にゆずの皮、味噌、砂糖、水を加えて練り、竹の皮に包んで蒸した「ゆべし」があった。県南では夏場に「みょうがまんじゅう」が作られ、八代地区では神社の祭りで「雪もち」が食べられていた。天草では特産であるからいもを使った「こっぱ餅」や﨑津名物の「杉ようかん」があった。球磨では3月の神社の祭りで作られる「お嶽まんじゅう」や、からいもともち米を一緒に炊いてついた「ねったんぼ」が食べられていた。その他、小麦粉を使って簡単にできるおやつとして「あんこかし」や「べろだご」、「焼きだご」が県内各地で作られていた。
著者
吉田 達郎 小笠原 靖 岡田 千穂 押賀 佐知子 赤野 裕文 畑江 敬子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.20, pp.60, 2008

<BR>【目的】<BR> 食酢を用いた減塩調味は実際の料理で広く利用されているが、どの程度の食酢の添加が減塩に効果があるのか詳細な検討は為されていない。本研究は実際の料理において食酢の添加が塩味に及ぼす影響を官能評価によって調べ、食酢を用いた減塩調味に関する知見を得ることを目的とした。本研究では、食塩濃度が異なり塩味強度が有意に識別される2種の料理が、食酢の添加で塩味強度が有意には識別されなくなることを減塩効果と定義した。<BR>【方法】<BR> 1)具材を含む中華スープ;酸度0.01~0.04%となる量の食酢を食塩濃度の低いスープにのみ添加し、食塩濃度の高いスープと塩味強度を2点識別法で比較した。2)サンラータン;両方のスープに酸度0.135%となる量の食酢を添加した場合を同様に調査した。3)豆腐;醤油に食酢を加えた酢醤油を豆腐にかけた場合の塩味強度を醤油単独の場合と比較した。また、食酢の代わりに水で希釈した醤油の評価も実施した。<BR>【結果】<BR> 1)では米酢で酸度0.01%、穀物酢で0.02%、米黒酢で0.04%分の食酢の添加で減塩率12.5%の減塩効果が確認された。2)では3種の食酢で減塩率12.5%および25%の減塩効果が確認された。3)では減塩率12.5%の減塩効果は確認できなかったが、同じ食塩濃度での比較では希釈した醤油よりも酢醤油の方が塩味が有意に強かった。1)3)で食酢の添加による塩味の増強効果が確認されが、その場合の食酢の濃度範囲や減塩効果は限定的であった。一方、3)で酸味を感じるために塩味が弱くても嗜好されたことや2)で酸味を強く利かせた場合に塩味の差が識別されなくなったことから、塩味の不足を酸味で補う調味法もまた有効な減塩法であると考えられた。
著者
三田 有紀子 大島 千穂 續 順子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

[目的] 平成21・22年度日本調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学:行事食・儀礼食」の一環として実施したアンケートから、本研究では東海地域を中心とした年中行事および行事食について調査し、五節句(人日、上巳、端午、七夕、重陽)の行事食に注目をしてその現状と継承の実態を世代間別に明らかにすることを目的とした。[方法] 対象者は、東海三県である愛知県、岐阜県、三重県在住の女子学生492名とその家族400名(親338名、祖父母62名)、合計892名を対象にアンケート回答者の属性と年中行事及び行事食の認知・喫食状況についてアンケート調査を実施した。[結果]五節句における行事では、人日、上巳、端午、七夕で各世代80%以上の高い認知度がみられたのに対し、重陽で各世代20%以下と非常に低い認知度であった。各世代間では、人日、上巳、七夕で学生世代の認知度が親世代と比べて有意に高くなり、七夕では祖父母世代とも同様の結果となった。一方、行事の経験は上巳で学生世代が親世代より有意に高くなり、各世代とも認知度の低い重陽では祖父母世代が他世代と比較して経験度が高くなった。また、各行事食の喫食経験では学生世代と他世代で経験度の違いがみられ、その多くは学生世代の喫食経験が他世代と比べて低下していた。しかし、人日の七草粥、上巳のもち・菓子およびすし、端午のちまきと柏餅では学生世代で60%程度の喫食経験が認められたことから、行事の認知が行事食の喫食経験を維持していると推察され、行事の認知度の高い七夕では同様の傾向がみられなかったためこのような関連性が確立されていないと考えられる。
著者
三浦 さつき 太田 暁子 喜多野 宣子 志垣 瞳 島村 知歩 冨岡 典子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.199, 2010

【目的】近年、伝統的な行事食の伝承が少なくなっているといわれる。本報では、平成21、22年度の日本調理科学会特別研究として実施した「行事食調査」から、年末年始の行事食を中心に、奈良県の現状を把握し、世代間による認知度や喫食経験などの違いについて明らかにすることを目的とする。<BR>【方法】平成21年12月~平成22年3月、日本調理科学会「行事食調査」の全国統一様式による調査票により、大学生およびその家族にアンケート調査を実施した。そのうち、奈良県在住者251名(学生157名、家族94名)を対象にして、正月、人日・七草、大晦日の行事の認知度、行事食の喫食経験や調理状況について検討を行った。<BR>【結果】行事の認知・経験については、正月と大晦日は学生・家族ともほぼ100%であったが、人日・七草の認知は学生83%、家族90%であり、経験は学生57%、家族83%であった。年末年始の行事食においては、学生・家族とも喫食経験が90%以上と高かった料理は、雑煮、黒豆、かまぼこ、年越しそばであり、毎年食べている人がほとんどであった。正月の赤飯、大晦日の祝い料理やいわし料理は、喫食経験が低かった。雑煮、七草粥、年越しそばは、家庭で作って食べる割合が高かったが、昆布巻き、きんとん、だて巻き卵、かまぼこは、作って食べる割合よりも買って食べる割合のほうが高かった。学生と家族で比較すると、屠蘇、煮しめ、なます、七草粥の喫食経験に違いがみられ、家族よりも学生のほうが、年末年始の行事食の喫食経験や家庭で作って食べる人の割合が低い傾向がみられた。
著者
依田 萬代 根津 美智子 樋口 千鶴
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2014

【目的】近年、社会状況の大きな変化により日本の食生活が画一化され、各地の特産品を利用した郷土料理は薄れつつあり、又行事食も伝承力が薄らいでいる。そこで、今回はお正月料理を中心に伝承の現状について検討した。【方法】2009年11月~2013年11月の5年間の変化を山梨県内に存在する大学生及び保護者の合計1520名(回収率98%)を対象としてX<sup>2</sup>検定により分析した。【結果と考察】山梨県は地域性、気候風土も相まって地域に根ざした食文化を形成してきた。郷土料理のイメージとしての項目ではほうとう、地産地消、郷土愛の順であり、5年間の変化は4~5割とほうとうが最も高かった。郷土料理が減少傾向に対し、何とかしなければならないが56~75%と大幅に増加し郷土料理が減っていくことへの危機感を持ち継承の希薄化の回答も増加した。お正月料理の伝承者は6割が家族に教わり、調理時間を要す、材料の準備が大変、調理法が困難、価格が高いが示されお正月料理の工夫点としては色彩、味付け、地場産物、山梨県の特産品、栄養バランスを図る、海の物と山の物使用、盛り合わせの順であった。お正月関連行事では、七草粥やどんど焼き団子の摂取も平均で約60%と高かった。又、正月料理の作成率は65歳以上が最も高く、中でも金平牛蒡は各年齢共に70%以上の傾向が見られ、次いで雑煮餅であった。食文化の伝承には食教育の充実、産官学連携など食育活動の実践が大切である。今後も地域活性化に繋げ継続的、効果的な展開になるように取り組みたい。
著者
太田 暁子 志垣 瞳 冨岡 典子 福本 タミ子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.150, 2010

【目的】近年、食生活の変化から野菜の摂取不足が指摘されている。日本調理科学会近畿支部食文化分科会では近畿2府4県の家庭における野菜の利用について調査を実施した。奈良県では前報(20年・21年度大会)に続き、本報では行事食における野菜の利用について報告する。【方法】調査時期は2007年10月~2008年1月。奈良県在住の家庭の調理担当者を対象に、留め置き又は聞き取り調査を実施した。奈良市(以下、都市部)73件、奈良市周辺・山間部(以下、農村部)57件の回答から行事における野菜の利用について、地域別、年齢別に検討した。【結果】行事で利用する野菜は55種類あった。行事別に野菜の利用をみると、正月ではにんじんが22.6%と最も多く、次いで、ごぼう、れんこん、だいこんの根菜類が上位にあがり、この4種で正月に利用する野菜の69.2%を占め、煮しめ・なます・たたきごぼう・雑煮に利用された。七草では七草パックを使った七草粥、節分では巻きずしに三つ葉・かんぴょう、ひな祭りではちらしずしににんじん・れんこん、盆には供物になす、冬至では煮物にかぼちゃ、クリスマスではサラダや付け合せににんじん、大晦日では年越しそばに青ねぎの出現頻度が高かった。地域別で比較すると、都市部では正月・ひな祭りに野菜の利用が多かったが、一方、農村部では正月・端午の節供・春祭り・秋祭り・七夕・盆・祝い事など種々の行事に野菜が利用され、供物に不可欠なものとしても野菜は多く用いられたことから、都市部とは異なった食習慣の地域性が示唆された。年齢別にみる野菜の利用は、調理担当者が50歳以上の家庭では、正月・七草・盆の行事に野菜を多く利用し、50歳以下ではクリスマスにおける利用が多かった。また、冬至にかぼちゃを食べる習慣は地域・年齢・就業の違いに関わらず健康を願って食べられていた。
著者
金丸 芳 遠藤 千鶴 高橋 啓子 松下 純子 後藤 月江 武田 珠美 長尾 久美子 有内 尚子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

【目的】前大会で、徳島県における行事食・儀礼食の認知と経験、料理の喫食の状況を年齢区分別で比較した。そこで今回、県を地形の特徴で4区分した地域の現状を比較した。 <br>【方法】調査は留め置き法で行い、10年以上徳島県在住者240名を、徳島市105名・北部(平野部)49名・西部(山間部)47名・南部(沿岸部)39名に4区分し、行事の認知と経験、料理の喫食についてクロス集計(有意差:&chi;<sup>2</sup>検定)をした。 <br>【結果】<u>徳島市は</u>人日の経験度、お節の黒豆・昆布巻・きんとん・魚料理、人日の七草粥、上巳の潮汁の喫食度が高く、百日祝の経験度は低いが、行事全体でみると高い傾向にあり、豊かさが伺えた。<u>北部は</u>土用の丑、百日祝、結納の経験度、お節の田作り・煮しめ・蒲鉾、上巳の潮汁、結納の各種料理の喫食度が高いが、お節の魚料理の喫食度は低かった。他地域より結納、土用の丑の行事を重んじている傾向があった。<u>南部は</u>クリスマスの経験度が高かった。一方、経験度の低い行事は、秋祭り、冬至、土用の丑、結納であり、喫食度の低い料理はお節の黒豆・田作り・昆布巻・きんとん・煮しめ、節分の鰯料理、上巳の潮汁、冬至の南瓜煮物、お七夜の尾頭付魚、初誕生の餅、葬儀の精進料理、結納の各種料理であった。漁業が盛んな沿岸部にも関わらず、魚料理の喫食が低かった。<u>西部は</u>秋祭り、冬至の経験度、節分の鰯料理、冬至の南瓜煮物、お七夜の尾頭付魚、初誕生の餅、葬儀の精進料理の喫食度が高く、人日、クリスマスの経験度、お節の蒲鉾・肉料理、人日の七草粥の喫食度は低かった。他地域では経験度・喫食度の低い行事が西部では高い傾向にあった。以上、地域間に有意差があり、重視する行事に特徴が認められた。&nbsp;
著者
升井 洋至 片寄 眞木子 坂本 薫 田中 紀子 原 知子 本多 佐知子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.195, 2010

【<B>目 的</B>】現在、平成21、22年度日本調理科学会特別研究として全国統一様式を用い、行事食についての認知状況、摂食状況等を調査中である。今回は特に年末年始の行事食について、兵庫県の大学生の家庭における現状を把握することを目的とした。<BR>【<B>目 的</B>】日本調理科学会近畿支部担当の調査区域内(大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山)で実施した2499名の調査データ中、兵庫在住者534名を対象とした。年末年始の行事食として、屠蘇、雑煮、お節料理、七草粥、年越しそば等を取り上げ、認知度、食経験について集計を行った。<BR>【<B>結 果</B>】調査対象者の性別は女性464名、男性70名であった。「屠蘇」においては52%が未経験であり、毎年喫食をする割合は19%であった。「雑煮」では83%が毎年喫食し、80%が家庭で調理、すましと白みそ雑煮の割合はほぼ等しく、両方を食べるものが9%であった。餅の形では「丸もち」の使用が多かった。雑煮以外の餅料理として「焼き餅」「きな粉餅」等があげられていた。「小豆飯・赤飯」の正月における喫食は10%で、お節料理中「なます」(68%)以外、「黒豆」「数の子」「田作り」等は75%以上の喫食経験があり、「昆布巻き」は毎年食べる割合が低かった。魚・肉料理の喫食状況は、えび、ぶり、鯛および牛、鶏、豚の順に多く食されていた。「七草粥」については86%が認知しているが、経験は60%で「毎年食べる」28.5%、「時々食べる」15.7%であった。食材はせり・なずな等の青菜を中心とするものが多かった。大みそかでは「年越しそば」(93.8%)の喫食経験に対し、「年取りの祝膳」(12.7%)、「尾頭つきいわし料理」(7.8%)の喫食経験は低かった。現在、喫食状況の変化、入手方法等の面からも検討している。
著者
加藤 和子 成田 亮子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

<b>幼稚園教諭・保育士養成専門学校学生の行事食に対する意識調査<br></b><b></b>○&nbsp; 加藤和子<sup>1)</sup>,成田亮子<sup>1)<br></sup><sup>1)</sup>東京家政大<br><br>&nbsp;【目的】発表者らは今まで、本学栄養学科に所属する学生に対して、行事食・儀礼食について調査を行ってきた。その結果、親世代より学生世代の方が行事食の喫食経験が少ない傾向がみられた。本来なら、各家庭や地域において伝承される行事食であるが、今後教育の現場においての役割も重要になると考え、幼児期の「食育」を担当する幼稚園教諭・保育士養成の専門学校生に、アンケート調査を行ったので報告する。【方法】日本調理科学会特別研究‐行事食・儀礼食‐におけるアンケート用紙に基づいた調査用紙を配布し、その場で回答してもらい回収した。(回収率100%) 調査期間は平成25年5月。都内幼稚園教諭・保育士養成専門学校生126名を対象とした。東京・埼玉・千葉・神奈川県より通学の学生である。調査内容は、祖父母との同居経験、年中行事におけるそれぞれの行事食の認知と喫食経験、喫食状況についてである。【結果】年越しそば、雑煮、黒豆・数の子などのおせち料理とクリスマスの鶏肉料理を、行事食としてほとんどの学生が認識をしていた。雑煮、かまぼこ、クリスマスの鶏肉料理とケーキは100%の喫食率であった。行事食としての認知度が低かったのは、屠蘇、重陽の節句の菊料理などであった。喫食状況において、外で食べるとの回答の中に少数ではあるが、七草粥・蛤の潮汁・ちまきや柏餅・菊ご飯などを「給食で食べたことがある」との回答がみられた。このことより、保育園や学校においての給食指導や、行事食のメニューによって、次世代に行事食を伝承していることがわかった。
著者
土岐 信子 山内 睦子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

<b>目的</b>:本研究は、平成21~23年度に日本調理科学会で行なわれた行事食の全国調査に参画したものである。今回はその中で、筆者らが担当した部分において、大学生の五節句に関して検討を行なった。<b><br>方法</b>:栄養士養成課程の学生89名を対象とし、全国統一調査用紙を用いて2009年12月に実施し、SPSSを用いて分析を行なった。<br><b>結果・考察</b>:コレスポンデンス分析の結果、端午と七夕との間で関連性が示され、端午の行事食の喫食経験者は、七夕の行事食の喫食経験もあることが示された。各節句においては、人日では七草粥の喫食経験者は49.4%と半数を下回った。上巳では、喫食経験の最も高い物はちらしずしの73.0%、最も値の低い物は押しずしの3.4%であった。また、ちらしずしの喫食経験者は、あられも食べていることが示された。端午では、喫食経験の最も高い物はちまきの69.7%、最も低い物は菖蒲酒0.0%であった。また、ちまきの喫食経験者は柏餅も食べていることが示された。七夕では、喫食経験の最も高い物はそうめんの46.1%、最も低い物は煮しめ・ところてんの4.5%であった。また、煮しめの喫食経験者は、ところてんも食べていることが示された。重陽ではいずれも喫食経験率が非常に低く、重陽の行事食は一般的に食されていないと考えられる。今後の課題として、本学が所在する岐阜県東濃地域の行事食について調査を行なって行きたいと考える。
著者
加藤 和子 成田 亮子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.91, 2011

【目的】日本調理科学会平成22年度大会において、日本の各地や家庭において伝承されてきた行事食について、本学学生の家庭にみた現状について中間報告を行った。今年度は、本学学生の家庭における行事食の支度方法と、行事食の継続状況について検討を行った。【方法】本学家政学部栄養学科・短期大学部栄養科1~4年生の学生とその家庭に全国統一アンケート用紙を平成12年12月に配布し、冬期休業中の留め置き法により回収した。回答アンケートは総数697件、この内10代:175件、20代:247件を学生世代、主たる調理担当者として40代:109件、50代:127件を親世代として項目ごとに集計を行った。【結果】各年中行事における行事食喫食経験者の内、「毎年食べる」行事食は、学生世代では正月:雑煮、クリスマス:ケーキ、親世代は正月:雑煮、黒豆、かまぼこ、煮しめ、大晦日:年越しそば、クリスマス:ケーキが80%以上であった。さらに「家庭で作る」行事食として、学生、親世代共に正月:雑煮、人日:七草粥、その他に学生世代では正月:焼き餅、きな粉餅、親世代は正月:ぜんざい、汁粉、あんこ餅、上巳:蛤の潮汁、盂蘭盆:精進料理、煮しめ、冬至:南瓜の煮物が多かった。また喫食経験者は少ないが、「家庭で作る」割合が高い行事食もみられた。「買う」行事食の割合は、親世代では正月:かまぼこ、土用:鰻の蒲焼きが80%以上、学生世代は節分:炒り豆、上巳:餅・菓子、端午:柏餅、クリスマス:ケーキが70%以上であった。現在では「食べなくなった」行事食は、学生、親世代共に上巳:白酒、その他に親世代では正月:屠蘇、春分の日:精進料理、七夕:赤飯、月見:小芋、春祭り:だんご・餅、秋祭り:ご飯・すし、だんご・餅であった。
著者
橘 ゆかり 三浦 加代子 石崎 千賀 川原崎 淑子 青山 佐喜子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.189, 2010

【<B>目的</B>】伝統的な祝いや祭りの行事では、風土に根ざした食べ物が先人の知恵で作られ、行事食として日本各地で様々な形で伝承されてきた。しかし、生活様式が変化すると共に稲作にかかわる行事そのものが廃れてきた。家庭で行事食を作る機会が減り、伝統的な行事食が親から子へ伝承されない傾向にあると考えられる。今回の調査は日本調理科学会の平成21・22年度の特別研究の一環として、行事食の認知状況や摂食状況などを調査することにより、和歌山県の調理文化の現状を把握し、行事食の伝承の状況を明らかにすることを目的とした。<BR>【<B>方法</B>】平成21・22年度の日本調理科学会特別研究の全国統一様式の調査用紙を用いて調査を行った。近畿に在住する大学・短期大学の学生およびその親に調査への協力を依頼した。和歌山県の調査対象者は調査に同意した学生およびその親の中で、和歌山県に10年以上在住している人を対象とした。今回は調査項目の中で、大みそか、正月および人日(七草)における行事食の現状を分析した。<BR>【<B>結果および考察</B>】学生と親世代の行事食の喫食経験や認知度を比較した。「屠蘇」、「昆布巻き」、「田作り」「煮しめ」「なます」や「七草粥」などの喫食経験が親子世代間で異なる傾向が認められた。親子世代間で喫食経験に差があまり認められなかった行事食は、正月の「雑煮」「黒豆」、大みそかの「年越しそば」などであった。喫食状況においても同様の傾向が認められた。さらに同一家庭内での学生と親の喫食状況を比較した。家庭内で同じ行事食が供食されていると考えられるが、親子間で喫食状況が異なる行事食が認められ、家庭内での行事食の伝承力が低下していることが推測された。
著者
本多 佐知子 林 利恵子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.123, 2010

【目的】野菜は季節及び地域の影響が大きく、行事食に使われる際には、言い伝えもあり、食文化が反映されやすい食材である。日本調理科学会近畿支部食文化分科会では、2007年10~12月に、近畿2府4県の家庭における野菜の利用状況、調理方法、料理、行事食などを把握する為の調査を行った。一昨年、昨年に引き続き、本年度は野菜に特化した家庭で行われている行事食や使われる野菜の種類、年齢の違い等、兵庫県の現状を報告する。【方法】 調査時期:2007年10~12月、調査対象者:兵庫県在住者(県庁所在地とそれ以外の地域)の調理担当者、調査方法:直接記入法(留置法)による、有効回答数140部、回収率83.3%であった。その内、行事食の有効回答数129部、回答率92.1%であった。調査内容:17に分類した行事の料理名や供物、使用する野菜名、その野菜を用いる理由・由来等を記載する質問項目によった。【結果】 アンケート調査から兵庫県在住者が実施する主なものとして、80%の家庭で正月の行事食があげられる。正月の行事食は50歳以上、50歳未満の年代に限らず実施している。冬至も全体として54%となったが、正月と同様に年代に限らず半数以上が行っている。続いて七草47%、ひな祭り45%、節分41%、盆25%、大晦日19%、クリスマス17%となる。七草と盆は50歳以上の年代の方が実施している割合が多いが、節分とひな祭りは50歳未満の方が多い傾向になった。料理件数でも正月が多く、冬至、ひな祭り、七草、節分、盆の順に続くが、正月の行事食に使われている野菜の種類は32種類もあげられた。盆でも使われる野菜の種類が多く29種類になった。正月に使われる野菜としてくわいは上位6位に入っている。このように行事特有に使われる野菜に、七草粥の「七草」や節分の巻き寿司の「かんぴょう」、盆の「なす」「きゅうり」「かぼちゃ」があげられる。かぼちゃは、夏より12月の冬至の煮物として、代表的な野菜になっている。日本料理である正月の節句料理や盆の精進料理には、野菜が多く使われている。野菜の言い伝えもあり、健康にいいという理由からよく利用されているといえる。節分の巻き寿司は、毎年恵方に向かって丸かじりするという行事食であるが、宣伝効果もあり、根づいてきている。
著者
石田(坂根) 千津恵 藤江 未沙
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2014

【目的】伝統的な郷土の家庭料理が次世代へ伝え継がれることを目指し、日本調理科学会の平成24~25年度特別研究の一環として、島根県における家庭料理の継承の現状把握と地域住民が伝え継ぎたいと考えている料理を調べることを目的にアンケート調査および聞き書き調査を行った。<br>【方法】「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」島根県アンケートおよび聞き書き調査を実施した。調査期間は平成25年9月から平成26年1月であった。アンケートは島根県在住の一般男女20~80歳代の計90名を対象に自記式アンケート調査を行い、聞き書き調査は日本調理科学会のガイドラインに従い島根県で生まれ育ち、その地域で30年以上居住している40~80歳代の女性13名を対象に現地に赴き調査を行った。<br>【結果】アンケート調査より、「作ったことがある料理」としてしじみの味噌汁、赤貝を用いたのっぺ汁や赤貝ご飯の他に、ちまきや雑煮などの行事食が上位10品に挙がった。ちまきは端午の節句に作られる料理で、平成22年度の「年中行事食」の調査結果からも認知度が高いことが報告されており、実際に多くの人が作っていることが明らかとなった。しかし、雑煮や赤貝料理は60~70歳代では約8割が作ったことがあると回答した一方で、特に20歳代では約2割しか作った経験がなく20歳代と60~70歳代との回答結果には有意な差が認められた。聞き書き調査では、「昔は作っていた」と半数以上の人が回答した料理は、島根県西部5品(のべだんご、芋だんご、ぬり餅、こうせん、おまん寿司)、東部7品(クジラ汁、七草粥、松茸ご飯、こうせん、ゴズ・セイゴの干物、ふき餅)であった。