著者
堀井 亮
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

従来の経済成長モデルにおいては、財の量・質・バラエティーの少なくとの1つにおいて指数関数的増大がなければ定常的な経済成長が不可能である。しかし、本研究により(1)新しい部門が発展に従って継続的に発生する、(2)各部門の産出する財に対する消費者の限界効用の弾力性が消費量に対して一定以上の程度で逓減する、かつ(3)各部門の財価格が一定以上の速度で逓減する、という3つの条件があれば、新技術による部門数の線形な増加によって定常的な経済成長が可能になることが明らかになった。
著者
安野 陽子
出版者
東北大学
雑誌
東北大学歯学雑誌 (ISSN:02873915)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.23-35, 1992-06-29
被引用文献数
3

今日, 口臭は関心の高い問題となりつつあり, 口臭の予防への関心は歯槽膿漏, 虫歯についで多いとの報告がある。しかし, 一般成人における口臭の有病率については質問紙法や外来患者についての報告しかなく, 未だに明らかにされているとはいえない。そこで, 宮城県一農村地区の成人健診受診者462名より, 無作為抽出した153名(男性75名, 女性78名, 平均年齢50.3歳)を対象に, 口臭の有病調査を行った。先ず, 不快な口のニオイを口臭とみなし, その強度を2名の判定者が評価し, また, いくつかの判別可能な口のニオイの質についても記録した。あわせて, 口臭の自覚等に関する質問紙調査を実施し, 官能評価との関係について検討を加えた。その結果, 2名の判定者による口臭の有無判定が一致したのは138例で, そのうち口臭ありと判定されたのは46例, 口臭なしと判定されたのは92例であった。2者により口臭ありと判定された者を口臭有病者とみなすと, その率は対象者の30.1%であった。口のニオイの質については, なんらかのニオイの判別されたのが126例あり, また, 判別された口のニオイの総数は195であった。口臭が明らかにあると判定された9例では必ず硫化物臭が認められ, 硫化物を口臭の指標として用いることの有用性を示していた。質問紙による口臭の自覚等は実際の口臭判定結果と対応しておらず, 口臭の有病調査には直接口臭を判定することが不可欠と考えた。
著者
森 啓 中森 享
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

古生代の四放サンゴ及び中生代以降に知られる六放サンゴには、骨格外側にしわをきざんでいる種属がある。このしわは一般に成長輪と呼ばれ、日輪、月輪、年輪が知られている。このサンゴの成長輪によって、一年の日数は地質時代が若くなるにつれて少なくなってきた、という解釈が現在の定説となっている。本研究の目的は、この定説の基礎となっている日輪等を再検討することである。研究試料として第四系琉球層群産の単体サンゴTruncatoflabellum formosumと、群体サンゴTrachy-phyllia geoffroiを用い、SEMによって成長輪の幅、数を調べ、あわせて骨格の酸素安定同位体比によって年間成長率を測定した。T.farmosumの成長輪幅は0.05〜0.20mmで、年間成長率は3.0〜3.8mm(平均33mm)である。これは一年に平均24の成長輪が発達していることを示し、一つひとつの成長輪は日輪ではないと考えられる。一方T.geoffroiの成長輪幅は5〜20μmに集中し、年間成長率は二つのサンゴ体で、それぞれ4.0〜4.8mm、2.0〜3.1mmであった。この場合、成長輪を日輪とすると、年間成長率とよく符号する。またこの成長輪幅は他の研究で求められた日輪幅とほゞ一致している。四放サンゴの成長輪幅は50μmあるいはそれ以上で、六放サンゴの日輪幅よりかなり大きく、もしこれを日輪とすれば、年間成長率はきわめて高いものとなり、薄片等によって推定されてきた成長率と大きく異っている。以上の結果、(1)六放サンゴには2種類の成長輪が認められ、一つは日輪、もう一つは2週間に1つできる成長輪である。後者の幅は四放サンゴのそれにほゞ一致する。この事実は、従来の定説の基礎となった成長輪形成の基本的解釈に誤りがあると結論され、旧来の一年の日数の経年変化は再検討されるべきことを示している。
著者
細井 義夫 池畑 広伸 小野 哲也
出版者
東北大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1996

ヒトの放射線高感受性遺伝病である、毛細血管拡張性運動失調症(ataxia telengiectasia、 AT)の原因遺伝子ATMの発現や活性を修飾することにより、癌細胞の放射線感受性を高めることが可能かどうかを確かめるたもの基礎的実験を行った。まず臨床的に放射線抵抗性であることが知られている悪性脳腫瘍において、ATMのRNA量がどのように変化しているかを調べた。Glioblastoma4例、Astrocytoma grade III4例、Astrocytoma grade II例について検討を加えた。手術標本よりtotal RNAをAGPCにより調整し、RT-PCR法により半定量した。その結果、Gliobalstomaでは4例中1例で、Astrocytoma gradeIIIでは4例中3例でATMのRNAが正常脳に比較して増大していた。ATMの異常をヘテロに持つ人由来の細胞は、正常細胞に比べ放射線高感度感受性であるという報告がある。従って、放射線感受性とATM遺伝子産物量との間に相関関係が認められる可能性がsる。このため、放射線抵抗性癌でATMの発現が高いとしたならべ、それが放射線感受性と関係しているかどうかを検討する必要が考えられる。次にアンチセンスとセンスATMが癌細胞の放射線感受性に及びす影響を検討した。アンチセンス、センスATMは転写開始部位より22baseの長さで作成した。投与量は20μMとなるように1日3回投与した。投与は4日間行い、投与開始より3日間に放射線を照射した。使用した細胞は、培養脳腫瘍細胞T98Gを用いた。その結果、このプロトコールは細胞毒性がみとめられ、た。また、放射線感受性に関しては、アンチセンスATMの投与によりT98Gの放射線感受性は高められたが、センスATMの投与によっても放射線感受性は高くなった。これは毒性によるためだと考えられるが、投与量を変更することが必要だと考えられた。
著者
渕野 貴生
出版者
東北大学
雑誌
法学 (ISSN:03855082)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.194-250, 1999-06
著者
浜口 博之 西村 太志 林 信太郎 KAVOTHA K.S. MIFUNDU Wafu NDONTONI Zan 森田 裕一 笠原 稔 田中 和夫 WAFULA Mifundu ZANA Ndontoni WAFULA Mifun ZANA Ndonton KAVOTA K.S.
出版者
東北大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1990

この研究は,(1)ホットスポット火山の多いアフリカ大陸の深部構造の解明,並びに(2)ニアムラギラ火山のマグマ活動調査の2項目に大きく分けられる.1990年度の現地調査は予定通り実施され,当初の目的は達成された.1991年度は,現地調査の最中の9月23日にザイ-ルの首都キンシャサを中心に政情不安に端を発した暴動が起こり,日本大使館の退避観告に基づき調査を途中で中断し,隣国に緊急避難しそのまま帰国する結果となった.このため,この年度の調査事項の実施については,不完全なものにならざるを得なかった.以下,2年間の研究実績を項目別に分けて簡潔に示す.1.広帯域地震観測.0.05秒〜370秒に渡って一様な感度を持つCMGー3型とパソコンを用いた地震波収録装置を,1990年度はザイ-ル東部のルイロ地震観測所(LWI)に設置した.1991年度は,キンシャサ効外のビンザ気象局の地下地震計室(BNZ)に設置したが,最後の調整の直前に暴動が起こり,一部未完な状態のまま今日まで観測は続けられている.従って,地震計の再調整を含む良好なデ-タの取得は今後の課題として残された.この観測と並行して実施してきたアフリカ大陸下の深部構造については,(イ)アフリカ直下でコア・マントル境界(CMB)が盛り上がっていること,(ロ)マントル最下部のD"領域ではS波速度が3〜5%遅いこと,逆に,アフリカ大陸の外では数%速いこと,並びに,(ハ)コア表面の温度は,アフリカ大陸を含むA半球がその反対側の太平洋を含むP半球より数10mケルビン高温であること,などが明かとなった.これらの結果はアフリカ大陸に於いてホットスポット火山の密度が高い理由の解釈に重要な手がかりとなる.2.火山性地震・微動観測.1990年度は,CRSN(ザイ-ル自然科学研究所)の定常観測点(4点)の他に,8月13日〜11月29日まで火山地域内で8点の臨時地震観測を実施した.11月20日にこの地域では過去最大のM4の地震がニイラゴンゴ火山南方10kmに起きた.観測結果はこの地震により火山性地震やマグマ活動は励起されず,逆に地溝帯中軸の地震が活発化した事が明らかにされた.また,ニアムラギラの側噴火(キタツングルワ)のストロンポリ式噴火に伴う地震は火口直下0.2〜0.5kmの深さに集中し,その発震機構はマグマの噴出時に働くほぼ鉛直下方のSingle Fo
著者
SUZUKI Hideji
出版者
東北大学
雑誌
Science reports of the Research Institutes, Tohoku University. Ser. A, Physics, chemistry and metallurgy (ISSN:00408808)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.455-463, 1952
被引用文献数
5

A mechanism of interaction between a dislocation and solute atoms was discussed. It was shown to be reasonable to account for the difference in mechanical behaviours between face-centred and body-centred cubic crystals from the different locking mechanisms between these two types of crystals, the former being locked by a weaker but wider interaction range. while the latter being captured in a stronger and narrower valley of potential energy, the so-called Cottrell's atomosphere. The former results in a low critical shear stress which is almost independent of temperature and rate of strain. The latter gives rise to a very high critical shear stress at low temperatures, which, however, rapidly decreases with the rise of temperature.
著者
坂本 澄彦 晴山 雅人 細川 真澄男 高井 良尋 大川 智彦 堀内 淳一
出版者
東北大学
雑誌
がん特別研究
巻号頁・発行日
1992

基礎研究に於いては低線量全身照射とBRMとの併用によって免疫賦活効果が増強されるか否かの検討が行われた。先ずOK-432に就いてWHT/Htマウスの偏平上皮がんでは、照射2日前に投与した場合に、TD50アッセイによる実験結果は低線量全身照射による免疫賦活効果が増強される事が示された。又、C3H/Heマウスの繊維肉腫を使用し、腫瘍成長曲線を用いてOK-432と低線量全身照射の併用効果を検討した実験でも同しような結果が得られた。一方、放射線照射によるサイトカイン産生能に及ぼす影響を検討しているが、未だ予備実験の段階であるが、IL-2産生能は0.1Gy,1Gy,3Gyの全身照射で何れも強く抑制され、TNF産生能は3Gyで約2倍に増強されていると言う結果を得ている。次にがん細胞膜に於けるYH206矢CEAのような腫瘍関連抗原、主要組織適合抗原の1つであるMHC Class-I及び接着分子の最も代表的なICAM-Iが放射線照射によって高まる事が分かった。次に、臨床研究に於いては、I及びII期の非ホジキンリンパ腫94例の解析を行い、全身及び半身照射と局所照射の併用群と局所照射単独群との効果が比較検討された。その結果は全身または半身照射併用群では、未だ観察期間は十分ではないが、I期、II期共に明らかに良好な結果を予想させるものがある。組織型をintermediate gradeに限定すると併用群と非併用群との間に統計的有意差が認められている。次に、低線量全身または半身照射が行われた肺癌、子宮頚癌、食道癌、悪性リンパ腫などについて、その副作用を検討したが、全例で白血球、リンパ球、血小板の著明な減少とか、悪心、嘔吐などの副作用は認められない事、が明らかになった。次年度には悪性リンパ腫以外の腫瘍に対する全身照射と局所照射の結果が、出てくる予定である。
著者
大槻 勤 大野 かおる
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

環境の変化が崩壊定数(半減期)に最も現れやすいと予想される核外電子捕獲(Electron Capture(EC)崩壊は核外の1sや2s電子が原子核に捕獲されて崩壊する。本研究者らはフラーレン(C_<60>)内にEC崩壊核種である^7Beを内包させることに成功したことにより、^7Beの半減期測定が可能となった。本研究ではフラーレンという特殊な環境にある^7Beの半減期がどれほど変化するか調べることを目的とする。本年度までに、フラーレン中の^7Beの半減期がヘリウム温度の環境下でどれほど変化するかを調べた。また、ベリリウム金属中でも^7Beの半減期がヘリウム温度でどれほど変化するかを調べた。分子動力学計算を駆使して^7Beの原子核位置での電子密度を調べ、実験・理論両面から核外の電子状態がEC崩壊にどれほど影響を及ぼすか解明した。その結果、以下の研究成果が得られた。1)金属ベリリウム中の^7Beの半減期は室温で53.25日、C_<60>中の^7Beの半減期はT=5Kで52.45日であった。この半減期の差異は約1.5%短く、これまでの観測で最大の達いとなった。2)^7Beをドープした金属ベリリウムをT=5Kに冷却した場合と室温中の場合では約0.3%後者の方が半減期が長くなることが分かった。3)密度汎関数理論・局所密度近似(LDA)に基づき、研究分担者(大野)が開発した全電子第一原理計算手法(全電子混合基底法)を用いて、各々の実験のケースに沿った原子核位置での電子密度を決定した。これらの成果はアメリカ物理学会誌等に投稿中である。
著者
幸地 省子 手島 貞一
出版者
東北大学
雑誌
東北大学歯学雑誌 (ISSN:02873915)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.70-75, 1997-06
被引用文献数
4

宮城県内の111産科医療施設を対象として, 1994年11月1日から1995年10月31日までの1年間に出生した口唇裂口蓋裂等顎顔面奇形が認められた児の発生数と, その出生状況について調査した。日本人出生数14,707児中26児に口唇裂口蓋裂がみられた。口唇裂口蓋裂の発生率は, 0.177%であった。性別裂型別発生率は, 男児で口唇裂が0.081%, 口唇口蓋裂と口蓋裂がそれぞれ0,067%, 女児で口唇裂が0.055%, 口唇口蓋裂と口蓋裂がそれぞれ0.041%であった。他の顎顔面奇形の発生はなかった。合併症が認められたのは6児, 23.1%であった。在胎週齢, 出生体重等出生状況においては, 母集団と差がみられなかった。
著者
森田 直子
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、1970年代に入るまでは低級文化と見なされていたコミックスの文化的認知について、芸術、教育、文化的機構などとの関係から考察するものである。まずコミック作家が経験した文化的闘争の最古の一例として、19世紀スイスの作家ロドルフ・テプフェールの経歴をとりあげた。かれの理論的テクスト等の分析から当時におけるコミックスの文化的認知の困難さとその背景を明らかにした。また、現代の日本とフランスについて、コミックスと諸芸術の関係、子ども観、教育制度などの違いをふまえ、文化的認知度をはかるための有効な方法論を吟味するとともに、今後の国際的なコミックス研究のありかたについて提言も行った。
著者
小野 哲也 池畑 広伸
出版者
東北大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1995

ヒトが環境中の有害物質に曝されるときは少量ずつを長期にわたる場合が多いが、この時のリスクが大量を1回だけ曝されたときに比べどうなるかはほとんど分かっていない。本研究では遺伝子に働いて突然変異を誘発することが証明されている放射線を用い、4Gy(大量)1回照射と0.15Gy(少量)78回分割照射時に誘発される突然変異がどれ程違うかについて検討した。突然変異はヒトのリスク評価に最も有用と思われるマウスを用いた。ただしこのマウスは突然変異の検出が容易に行えるように開発された大腸菌lacZ遺伝子導入マウス(Muta)を用いた。非照射での脾臓における突然変異頻度は(7.64±2.72)×10^<-5>であるのに対し、4GyのX線を照射後16週待ったものでは(12.11±4.31)×10^<-5>であり照射による増加は約1.6倍であった。他方1回0.15Gyを週3回づづ6カ月間(26週間)照射し続けた後16週間待ったものでは(14.42±6.34)×10^<-5>であった。この時に同じエイジで非照射のものでは(8.08±1.48)×10^<-5>であったので、X線による誘発は1.8倍となる。放射線による突然変異誘発は多くの場合線量に比例することが分かっているので、今回のシステムにもそれが成り立つと仮定すると、上記のデータは大量1回照射時の誘発が1.12×10^<-5>/Gyであり、少量長期照射の場合は0.54×10^<-5>/Gyであることを示し、長期照射のリスクは1回照射時の約50%に減少することを示している。今回の実験から少量を長期に暴露された時は大量を一時に暴露された時よりリスクが低下することが分かったが、実験データには誤差が大きいことから定量的な解析のためには今後さらに高い線量の放射線を使って再調査する必要がある。
著者
末包 文彦 久世 正弘 住吉 孝行 川崎 健夫 田村 詔生 原 俊雄 坂本 泰伸 長坂 康史 宮田 等 福田 善之 元木 正和 石塚 正基 古田 久敬 前田 順平 松原 綱之 E. Chauveau T. Bezerra 中島 恭平 岐部 佳朗 T. Mueller M. Bongrand 渡辺 秀樹 早川 知克
出版者
東北大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2008

フランスのショーズ原子力発電所にニュートリノ検出器を建設し、原子炉ニュートリノにより第3のニュートリノ振動を確認し、θ13と呼ばれるニュートリノ混合角の測定を様々な解析方法で行った.(ダブルショー実験)これにより、ニュートリノ振動角が全て決定され、ニュートリノ振動によるCP非保存やニュートリノの質量階層性の測定に道を拓き、ニュートリノ物理の新展開を導いた.また、質量二乗差(Δm^2_<31>)を原子炉ニュートリノ振動の距離依存性の解析から世界で初めて測定した.
著者
濱 広幸 柏木 茂 日出 富士雄 田中 均 高橋 俊晴 鈴木 伸介 河合 正之 宮原 房史 南部 健一 武藤 俊哉
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008-05-12

独自の考案で設計・製作した独立2空洞型熱陰極高周波電子銃から引き出された電子ビームの縦方向位相空間分布を操作して、進行波加速構造を用いる速度圧縮法に最適な分布に整形し、100フェムト秒あるいはそれ以下の超短パルス電子ビームを生成する技術をほぼ確立した。加えて加速器システムを構築し、50MeVまでの電子ビーム加速に成功したことから、偏向磁石あるいはアンジュレータを用いてコヒーレントなテラヘルツ放射を発生できる光源加速器が完成され、法令が規定する放射線管理区域に適合した加速器研究施設を開設することができた。
著者
BACATIO C. D. KUBOTERA H. NANZYO M. YAMADA I.
出版者
東北大学
雑誌
Journal of integrated field science
巻号頁・発行日
vol.2, pp.19-27, 2005-03

Intavas Techno Demo Farm is situated in high elevation of 1, 220 meters above sea level, with cool temperature and without pronounced dry season. The soil has low pH (5.24, average) and medium total carbon (4.3%) in the surface. Phosphorus retention is relatively high (77.5%, ave.), low cation exchange capacity (12 cmol(+) kg^<-1> ave.) and low base saturation (13%, ave.). Clay content is 45% (ave.) and bulk density of 1.1 Mg m^<-3> in average. Micrograph of the thin section of Bw_1 horizon reveals that void content is very small (6%). Voids are vughy and are not interconnected. In crossed nicol there were no clay illuviation seen. Total element analysis revealed that Intavas soils have about 60% Al_2O_3 but very low in SiO_2, 16.05% only. This indicates an advanced weathering that Si has been leached out and Al precipitated. As to the primary minerals, opaque minerals predominate with the presence of hornblende in heavy minerals. For light minerals, weathered particles predominate with the presence of mica, quartz and volcanic glass. Selective dissolution analysis reveals that Al_o is relatively high as compared to Fe_o and Si_o. However, these elements have the same pattern that irregularly decrease with depth and increase in the buried A horizon. Fe_p is relatively high followed by Al_p that significantly decreases with depth. The data show that amorphous materials are higher in surface and buried A horizons. Electron micrograph of BA shows no defined form that can be considered as amorphous materials. Bw_2 shows angular shapes that correspond to gibbsites and halloysite as indicated by spheroid configurations. X-ray diffraction pattern exhibits small and weak peak at 7 A in BA horizon. This peak corresponds to the presence of halloysite. The sharp and strong peaks at 4.8 A and 4.3 A in BA and Bw_2 horizons correspond to gibbsite. According to the selective dissolution analysis, electron microscopy and X-ray diffraction analysis, the dominant clay mineral in BA horizon is gibbsite and followed by amorphous material and small amount of halloysite. On the other hand, gibbsite dominate Bw_2 horizon followed by halloysite. Based on the physical, chemical, mineralogical and thin section analyses, the TDF soil can be classified as fine clayey, acid, isothermic, gibbsittic, Oxic Dystrudepts. It can be considered as soil with partial rejuvenation by volcanic ash material. As compared with soils without rejuvenation, this soil has higher total carbon, phosphorus retention, lower bulk density relatively, high amorphous materials in the surface and halloysite in the subsoils.Philippine soilsOxic Dystrudeptstephravolcanic glasshalloysitegibbsitedark and high humus surface
著者
柳田 賢二
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

現在中央アジアでリングァフランカ(民族間共通語)として話されているロシア語には話者の母語の系統論的および類型論的差異を越えた共通性があり、このことはそれが以前に一旦ピジン化(言語接触による簡略化)を経て成立したクレオール言語(ピジン化を経て発生した新言語)である可能性を示唆する。他方、中央アジアにおいて民族間・国家間の共通語として機能しうるのは今後ともロシア語のみであり、その必要性にもかかわらず現在のように経済苦に起因する質量ともに劣悪なロシア語教育が続いた場合、それは再び本格的なピジン化に晒される可能性がある。
著者
榎本 兵治 木下 睦 金 放鳴 田路 和幸 篠田 弘造 洪 承燮
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

水熱反応による有機化合物の資源化(炭素質物質の循環)反応における水の反応溶媒としての直接的な関わり、ならびにヘテロ原子近傍の構造が反応に及ぼす影響について調べ、資源化反応の最適条件を検討するための基礎的知見を得ることを目的とする。平成11年度から12年度かけて設計製作した高温高圧セルを用いて平成13年度は亜臨界〜超臨界水中における有機物のラマン散乱スペクトルを観察することにより、熱反応により生成した化合物の反応物、生成物の相違をその場反応の観察を可能にする実験系を確立することを目的として構造解析を中心に検討した。1.超臨界水振動分光解析システム、現有設備であるNMR、GCMSを用い、反応前後での有機化合物中のヘテロ原子を中心とした構造の変化について解析するための基礎的な検討をビチュメン中の硫黄化合物について行った。2.その場反応観察セルを用いた高温高圧条件でのラマン散乱スペクトルを測定し、他の研究グループが報告している超臨界水のOH伸縮振動の温度シフトならびにピークのシャープ化を確認し、装置の性能を確証した。引き続きアルカリ水溶液を用いた系の温度シフトを測定すると共に、モデル化合物として低分子硫黄化合物を用いた超臨界水中での分解実験を行い、その場反応スペクトル解析による、中間生成物を含む反応物、生成物の構造変化のデータを取得し、その他の超臨界水熱反応系にも応用可能な実験系であることを確かめた。また、アルカリを含む超臨界水中での有機物のラマンスペクトルの測定は過去に例を見ない。
著者
佐藤 正明 大橋 俊朗 神崎 展 出口 真次 坂元 尚哉 安達 泰治 安達 泰治 小椋 利彦 大橋 一正
出版者
東北大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2008

我々の身体には多くの力を感じる細胞があり、組織や器官が力に応じて機能を発揮するよう制御されているが、その機構は不明であった。本研究では、血管壁、骨、骨格筋の細胞を主たる対象にした。その結果、細胞が接着している部位や細胞の形を決める役目をしている細胞骨格などがセンサの働きをして、シグナルの機能を果たしているタンパク質も分かった。また、生体の発生過程の器官形成において力が重要な役割を果たしていることが明らかとなってきた。