著者
Erlacher Daniel Masato Fujii Shunichi Tazuke Tetsuji Sugiyama Ganzert Florian Stumbrys Tadas Schredl Michael
出版者
Japan Society of Physical Education, Health and Sport Sciences
雑誌
International Journal of Sport and Health Science (ISSN:13481509)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.117-122, 2022 (Released:2022-07-01)
参考文献数
29

In a previous questionnaire study with German professional athletes, we showed that the prevalence of lucid dreaming in athletes is 57% and that about 5% of athletes use their lucid dreams to practice sport skills while asleep. The present study applied a Japanese translation of the same questionnaire to a Japanese sample of college athletes to explore cultural differences. We found that about 41% of Japanese athletes stated that they experienced a lucid dream at least once in their lives, 18% experienced them once a month or more frequently, while 3.6% of athletes used lucid dreams for their sport practice. The frequency of lucid dreams in Japanese athletes was lower than in the German athletes, indicating potential cultural differences. Yet lucid dream practice does appear to have a cross-cultural applicability.
著者
花香 淳一
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.702-704, 2022 (Released:2022-07-01)
参考文献数
8

がん化学療法中の患者は,強い有害事象のため,深刻な身体的および精神的不安を抱えやすいと言える。患者自身の治療意欲や生活の質維持のために,薬剤師が,医師や看護師と協働して,その専門性を活かした患者への情報提供を継続し,医師に種々の提案をすることは重要な意味を持つ。今回,小山記念病院の活動を例示しつつ,病院薬剤師の外来化学療法患者への介入状況等を処方提案の有用性を交えて紹介する。
著者
中野 貴文 川村 和章 椎谷 亨 山本 龍生 向井 義晴
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.215-220, 2022-06-30 (Released:2022-06-30)
参考文献数
23

目的:活動性根面齲蝕に類似した象牙質病巣を作製し,ジェルタイプのフッ化物含有知覚過敏治療材の塗布時間の違いによる病巣変化と進行停止効果について,TMR(Transverse microradiography)を用いて検討を行った. 材料と方法:フッ化物含有象牙質知覚過敏治療材として,MSコートHysブロックジェルを使用した.ウシ歯根部象牙質に耐酸性バーニッシュを塗布し,2×3mmの被験面を作製した.実験群はBaseline lesion群,Control群,30s-Tr群,5min-Tr群の4群とした.4群とも脱灰溶液(1.5mM CaCl2,0.9mM KH2PO4,50mM酢酸,0.2ppm F,pH 5.0)を注いで24時間37°Cで基準病巣を作製した後,Baseline lesion群はこの直後にTMR分析を行った.他の3群は各処理を行った後に96時間脱灰を行い,TMR分析を行った.被験面処理方法は,Control群では脱イオン水を30秒間,30 s-Tr群ではHysブロックジェルを30秒間,5min-Tr群ではHysブロックジェルを5分間塗布した.すべての群の試料から薄切片を切り出した後,TMR撮影してミネラルプロファイルから脱灰深度とミネラル喪失量を測定した.統計分析はKruskal-Wallis検定ならびにSteel-Dwassの多重比較検定により,有意水準5%で実施した. 結果:5min-Tr群のミネラルプロファイルはControl群に比較し顕著に高いミネラルvol%を示し,特に表層部は約45vol%であった.各群の病巣深度は,Baseline lesion群で71.5μm,Control群で165.8μm,30 s-Tr群で155.7μm,5min-Tr群で100.1μmであり,ミネラル喪失量は,Baseline lesion群で2,020.0vol%×μm,Control群で4,727.5vol%×μm,30 s-Tr群で3,592.5vol%×μm,5min-Tr群で2,102.5vol%×μmであった.病巣深度およびミネラル喪失量とも,5min-Tr群はControl群および30s-Tr群に比較し有意に小さな値を示した. 結論:表層の再石灰化が乏しい根面脱灰病巣に対し,MSコートHysブロックジェルを規定の塗布時間を超えて5分間処理することにより,効果的な病巣進行停止効果が認められた.
著者
小林 篤 上野 耕平 藤岡 洋
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.91, no.7, pp.411-415, 2022-07-01 (Released:2022-07-01)
参考文献数
36

窒化ニオブ(NbN)は,単一光子検出器や量子ビットに搭載されている超伝導材料である.興味深いことに,NbNはワイドギャップ半導体AlNと格子整合性が高いため,両材料の持つ機能をエピタキシャル成長によって融合できる可能性がある.しかしながら,AlNをはじめとする窒化物半導体にエピタキシャル成長させたNbN薄膜の基礎的な特性には不明な点が多い.本稿では,スパッタ法でAlN上に成長させたNbN薄膜の構造特性と電気特性について紹介する.さらに,AlNとNbNの結晶構造の相違がNbNの双晶を生み出すメカニズムを示し,NbN双晶の制御技術についても紹介する.
著者
高野 勝美 山吉 康弘 鈴木 貴彦 増田 純平 武田 利浩 野本 弘平
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.18-29, 2022 (Released:2022-06-01)
参考文献数
28

たくさんの情報を遠くまで運べる光通信技術の進歩により,スマートフォンなどで便利に情報をやりとりできる時代です.光通信はどのように行われているのか,そういった疑問に答えるために,発光ダイオードやレーザダイオードを光らせて,光に音を乗せて送ってみます.本稿では,手軽に入手できる光部品,電子部品で電子回路を組み立て作る光送信機と光受信機を紹介します.光無線通信,可視光通信,光ファイバ通信を体感できます.現実の光通信で使われている技術の系譜について文献等を引用しながら解説します.
著者
米谷 優子
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.16-35, 2019-05-01 (Released:2019-06-14)

学校図書館は,児童文庫等と呼ばれていた過去から,戦後には「学校図書館」と呼ばれるようになってきた。しかし,現在でもなお公的文書で「図書室」の語も散見される。本研究では,学校図書館の呼称の用いられ方の現状を,教育施設,図書館,及び建築の各視点から検討し,呼称と機能の認識について考察した。呼称の相違は,学校図書館の機能の捉え方・認識の差を反映している。「専門」の「人」がいる「図書館」として認識されその機能が強化されるよう,「学校図書館」の語を徹底することが必要である。
著者
天野 晃 大波 純一 山地 一禎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.229-235, 2022-05-28 (Released:2022-07-01)
参考文献数
12

研究データ共有の活発化や研究評価再検討の動きから,学術情報検索サービスへの需要は高まりつつあるが,その構成要素となる機能は明らかではない.そのため,本研究では,国内外の59の学術情報検索サービスを対象として画面機能に注目,これを抽出・項目化し,比較分析を行った.項目化では31の項目が得られ,該当する機能の有無による0/1ベクトルとして現した.報告では,項目のベクトルに基づく計量的な分析,および各サービスを観察して得られた特徴について述べる.
著者
池谷 瑠絵 大波 純⼀ 金沢 輝⼀ 高久 雅生 山地 ⼀禎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.218-228, 2022-05-28 (Released:2022-07-01)
参考文献数
38

論文や引用等の独自DBを持ち,研究評価指標等の情報を提供するサービスにWeb of Science (WoS)やScopusがある.これらの基盤にオープンアクセスの研究成果物を集約する学術情報基盤を加えた海外主要4基盤のダッシュボードを比較分析した.提供される指標を分類して各基盤の特徴を可視化した結果,商用系は研究IR,学術系はオープンサイエンスに関わる指標に特徴があり,新たな指標を採用する例も観察された.
著者
住吉 康大
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2021年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.122, 2021 (Released:2021-03-29)

現在,日本では「多拠点居住」や「アドレスホッパー」などのように,自ら定住的な生活を離脱し,複数の地域で観光よりも深い関わりを持つ一方,移住ほど強く根付くことはなく,移動を続けることで得られるメリットを享受しようとする生活様式が注目されている.しかし,現時点では新奇な事象であり,十分な研究蓄積がないため,既存の概念との関係を踏まえ,どのように定位するか検討する必要がある.既に,同様の生活に対して「複数地域居住」や「多拠点生活」など,様々な呼称が林立している状態であり,研究を進める際の大きな障壁となっている.報告者は,この状況を踏まえて,「個人が,主体的に,特定の地域・拠点を基盤とした定住的な生活を離脱して,恒常的な移動を中心に据えた生活を志向する変化」に注目することが重要であると考え,「脱定住化」として提起した.本発表では,生活の質を重視した主体的な移動行動である点が類似している「ライフスタイル移住」の概念と,恒常的な移動を前提とした生活であるという点が類似している「ノマド」の概念とに関する先行研究を検討し,新たに「脱定住化」を導入する意義について考察する.
著者
小島 史照
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.7, pp.263-268, 2022-07-01 (Released:2022-07-01)

製薬関連企業の特許調査の実務者の集まりである日本FARMDOC協議会(JFA)では,毎年5-6件の研究テーマを設定して活動している。本稿では「Markush構造研究会」「製造方法研究会」の2件について成果を紹介する。Markush構造研究会では2017年当時,利用可能であったデータベースについて機能の詳細を調査するとともに,複数の調査事例における結果の比較・考察を行った。2021年の製造方法研究会では,低分子化合物および調査の網羅性に課題がある大環状化合物の製造方法特許について調査手法を検討し,有益な調査ノウハウを得ることができた。さらに,各種調査事例においてPatSnapはCAplusを補完できる可能性が示されたことから,今年度も研究を継続している。