著者
北村 健司
出版者
一般社団法人 電気設備学会
雑誌
電気設備学会誌 (ISSN:09100350)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.240-243, 2019 (Released:2019-05-10)
参考文献数
3
著者
三野 善央 下寺 信次 井上 新平 藤田 博一
出版者
大阪府立大学社会福祉学部
雑誌
社會問題研究
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.41-48, 2005-03

背景:家族心理教育によって統合失調症の再発が予防されることが明らかにされてきた.一方,それにより医療コストが節約されるか否かは明確ではない.研究方法:研究対象は再発リスクの大きい高EE (expressed emotion)の家族と共に生活する統合失調症患者とした.心理教育群は家族が心理教育および集中的家族セッションを受けた者および心理教育とその後のサポートを受けた者,合計30名とし,比較対照群としては過去の著者らのコホート研究での高EE群を選んだ.これら対象者の退院後9ヵ月間の医療コストを比較検討した.このとき身体疾患に関する医療費は除外した.外来医療費,追跡期間中の在院期間,および入院医療費,合計医療費の平均値を,心理教育群と比較対照群との間でt検定を用いて比較した.また,合計医療費の分布を考慮して,全対象者の合計医療費の中央値で二分し,中央値以上の医療費が必要だった患者の割合をカイ二乗検定を用いて比較した.結果:外来医療コストの平均値を比較すると,両群間で有意な差は認められなかった.入院医療コストを比較すると,心理教育群の平均値は27万円で,対照群の47万円よりも小さくなっていたが,その差は有意なレベルには達しなかった.心理教育群の合計コストは平均50万円で,対照群の71万円よりも小さくなっていたが,やはり有意な差は認められなかった.中央値以上の合計医療コストの割合は心理教育群では23%であったが,対照群では54%であり,有意差が認められた.結論:家族心理教育の再入院予防効果によって,心理教育群の医療コストは対照群と比較して軽減される.

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著者
ソンメル 著
出版者
加藤鎮吉等
巻号頁・発行日
1887
著者
董 伊莎
出版者
関西大学大学院東アジア文化研究科
雑誌
文化交渉 : 東アジア文化研究科院生論集 : journal of the Graduate School of East Asian Cultures (ISSN:21874395)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.67-84, 2016-11-30

The first Goryō-e ceremony (a ceremony held to appease evil gods and the spirits of the dead) was held during the Heian period in 863. Subsequent Goryō-e ceremonies underwent significant changes, eventually resulting in the spirit that was the focus of ritual appeasement in the original Goryō-e being replaced by a new spirit known as Ekijin. There has been much previous research looking at the origins of this change. This work looks at a possible link between the Chinese deity known as Karakami, mentioned in the Shunki, and the Japanese deity Ekijin. From this link it can be seen that Ekijin was originally a foreign deity. Also, after an examination of records from the Nara to Heian periods, it can be seen that the concept of plagues introduced during the Tenpyō period from foreign sources deeply influenced Japanese beliefs surrounding plague and the Goryō-e ceremony. The new beliefs imported from China share a common concept with that of the original Goryō-e ceremony, namely the idea of rei. This provided a basis for the acceptance of the new foreign beliefs, which eventually resulted in Ekijin becoming the main subject of appeasement. In conclusion, foreign ideas about plague influenced not only ideas about Ekijin, but were also assimilated into the Goryō-e belief system.
著者
高橋 春子 和田 恵美子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.190-195, 1972-05-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
5

It seems that colors play an : important role in providing the good environment for the very young children and in cultivating the noble sentiment in them. In many cases, mothers and teachers create the environment according to their own preference. However, feeling and desire of little children should be concerned and their sense of beauty should be nurtured. Consequently study was made on the color preference shown by the kindergarteners, the resemblance between the results obtained by the three methods described below, and the relations between favorite colors among color samples and colors of their clothing.1. Subjects : 180 boys and girls of Shotoku Kindergarten and 400 of Ogaki North Kindergarten2. Dates of test : May and June in 19693. Method of elucidating preference : (1) Using the colored paper(2) Using abstract figures(3) Using paper dolls4. Results : (1) The test result by method (1) shows no difference in color preference between boys and girls of 3 years old. They both are fond of “red”. When they become older, girls still like “red”, while boys like “blue” or “yellow”. Girls' color preference is likely to be changeless, but in the case of boys it varies in a wide range.(2) Four or five year old boys like “blue”, and dislike “red”. Girls who like “red” dislike “blue”. Generally speaking, the young children who like “red” dislike “blue”.(3) Children who show their decided color preference in the tests using color samples have the same color preference in selecting their clothes.Color preference of little children is heteronomous and therefore it is greatly affected by their environment.
出版者
創元社
巻号頁・発行日
vol.1(古代編), 1954

ギリシャ神話18篇,ホーマ物語(呉茂一訳),北欧神話14篇,イソップ(新村出訳)を收む。 (日本図書館協会)
著者
勝本 憲治 吉田 悠一 才脇 直樹 西田 正吾
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会論文誌 (ISSN:13425668)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, pp.295-302, 2003-06-15 (Released:2011-10-13)
参考文献数
10

In this paper, we propose a spacial music score. Although many number of studies have been made on multimedia technology in the musical field over the past few decades, there is little attention to notation. The purpose of this paper is to construct more flexible and easily understandable visual music score for the music which is needed to be complicatedly controlled. The prototype system is developed for evalution, and it is confirmed that the user can make music easily by using the system.
著者
井家 益和 小澤 洋介
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.137, no.3, pp.150-153, 2011 (Released:2011-03-10)
参考文献数
12
被引用文献数
2 1

自家培養表皮「ジェイス」は,ヒト細胞を用いた日本初の再生医療製品であり,2007年に承認された.自家培養表皮は,患者自身の皮膚を原材料として作製した表皮細胞シートである.ジェイスの製造は,3T3-J2細胞のフィーダーと,ウシ胎児血清や増殖因子を添加した培地を用いて表皮細胞を培養するGreen法を採用しており,数cm2の皮膚から体表をすべて覆う面積の表皮細胞シートを製造することができる.ジェイスを広範囲熱傷の熱傷創面に適用すると,表皮細胞が生着することによって創が閉鎖される.ジェイスの生着は,移植部位の状態に大きく影響されることがわかっている.生着を阻害する要因には,感染,炎症,物理的刺激,細胞傷害性物質などが考えられる.ジェイスの有効性を発揮させるために,わが国の医療現場に適した移植手技が標準化されることが望ましい.再生医療製品では,細胞毒性が低い併用薬の選択が求められることから,薬理学的なサポートも重要である.
著者
吉本 弥生
出版者
独立行政法人 石川工業高等専門学校
雑誌
石川工業高等専門学校紀要 (ISSN:02866110)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.25-30, 2019 (Released:2020-01-17)
参考文献数
13

本稿では、三島由紀夫『近代能楽集』より戯曲「卒塔婆小町」を取り上げ、同時代及び、謡曲「卒塔婆小町」との比較から、三島由紀夫の作品世界を考察した。特に、原曲の百夜通いを遂げることのできなかった深草少将の無念が小町に憑依する場面について、これと戯曲における「老婆」の小町像を比較 し、分析した。 他に、三島の作中に登場する「百年」に注目したところ、夏目漱石の「夢十夜」とモチーフが重なったことから、これについても触れ、三島由紀夫が夏目漱石から受けた影響を検討した。その結果、「卒塔婆小町」には、謡曲との関連同様、漱石の作品とのつながりも見ることができたのである。
著者
濱田 綾
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第85回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PO-091, 2021 (Released:2022-03-30)

人は加齢と共に,あるいは限界が感じられる環境や条件下(転居や卒業など)で,残された時間が有限であるという知覚が強まるとされている。本研究は中年期のライフイベントである定年退職を取り上げ,未来の時間的展望と個人の役割及び就労状況との関連についての検討を行った。定年退職予定者及び経験者である55歳~72歳の男性434名を対象とし,Web調査を実施した。調査内容として就労状況,定年退職経験の有無,未来展望尺度:日本語版(池内・長田,2014),中西・三川(1987)などを参考に作成した[仕事][家族や家庭][個人活動]役割に関する項目への回答を求めた。未来展望尺度得点について,定年退職予定者と経験者の比較では有意な差は認められなかった。また,各役割を平均値で高群と低群に分け,就労状況との2要因分散分析を行ったところ,各役割群と就労状況の主効果が有意であったが,交互作用は認められなかった。役割高群が低群より,また就労している方が無職より高い得点を示した。結果より,一時点の定年退職経験ではなく,個人の役割と就労状況が中年期~老年期の未来の時間的展望に影響すると考えられる。
著者
山岸 博 舘石 充 寺地 徹 村山 誠治
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.526-531, 1998-07-15 (Released:2008-01-31)
参考文献数
17
被引用文献数
11 14

日本のハマダイコン3系統, 栽培ダイコン8品種および野生種R. raphanistrum 3系統の合計61個体を用いてRAPD分析を行い, 品種・系統内の個体間変異を調査すると共に, クラスター分析によってハマダイコンと他の2種類のダイコンとの関係を推定した.RAPD分析のためのPCRは7種類の10塩基プライマーを用いて個体単位で行った.PCRの結果, 供試個体間で多型を示す73の増幅断片を得たので, これらの断片の有無に関する類似比を, 全個体間1830組合せで算出した.栽培ダイコンは, '小瀬菜, チベット系ダイコン'の2つの在来品種を除き, 80%以上の高い品種内個体間類似比を示した.これに対して, ハマダイコンは70%弱, R. raphanistrumは50∿73%と低い系統内類似比を示し, 集団内での個体間変異が大きいことが示唆された.しかしながら, これら2つの野生ダイコンとも他の系統のハマダイコン又はR. raphanistrumの個体との類似比は系統内のそれに比べて明らかに低かった.個体間類似比を用いたクラスター分析の結果, 一部の例外を除いて同一の品種・系統に属する個体は, 各品種・系統特有のクラスターに含まれた.供試したハマダイコン3系統は, まず3系統で1つのクラスターを形成し, その後多くの栽培ダイコンが含まれるクラスターとの間で大きいクラスターを形成した.栽培ダイコンのうち'時なし'と'みの早生'の2品種は他の大部分の栽培ダイコンとハマダイコンが形成する大きいクラスターには含まれなかった.またR. raphanistrumはハマダイコン, 栽培ダイコンのいずれとも異なる位置を占めた.これらのことから, 日本のハマダイコンは, 野生種R. raphanistrumとは異なり, 栽培ダイコンに遺伝的に近縁な一群の野生ダイコンであることが示唆された.しかしハマダイコンの成立に直接関与したと考えられる栽培ダイコンは, 今回の調査では見出されなかった.
著者
仁田 亮
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.85-91, 2018-08-30 (Released:2019-08-01)
参考文献数
22

キネシンスーパーファミリータンパク質は,微小管上を一方向性に動く分子モーターである.その機能は,細胞内物質輸送に留まらず,染色体分裂の牽引,左右軸の決定,シグナル伝達の制御,線毛の長さの調節など多岐に渡っている.私はこれまで,X線結晶構造解析法やクライオ電子顕微鏡構造解析法を用いて,キネシンの多彩な機能を支える分子構造基盤を明らかにして来た.本解説では,微小管のプラス端方向へ順行性に動くKinesin-3,逆行性に動くKinesin-14,微小管を脱重合するKinesin-13,そして順行性に動き,かつ微小管を脱重合するKinesin-8の4種類の機能の異なるキネシンを取り上げ,それぞれの動作を支える構造基盤を概説する.キネシンは,微小管との結合・解離という基本の素過程を維持しながらも,微小管結合面の構造を改変したり,キネシンの動力部位の構造変化を増幅する構造を添加したりするなどして,多様な機能を獲得することができたと考えられる.