1 0 0 0 OA 南山余録

著者
東牧堂 (武) 編
出版者
民友社
巻号頁・発行日
1912
著者
馬場 明道 松田 敏夫 橋本 均 新谷 紀人 塩田 清二 矢田 俊彦
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

神経ペプチドPACAPは、神経伝達物質、神経栄養因子として種々の生理機能に関与すると予測されている。本研究は、精神疾患、糖尿病の分子レベルでの病態発現におけるPACAPの関与を、遺伝子の発現変化とその機能解析により究明し、これら病態の新規創薬標的分子の同定ならびに治療薬開発に資することを目的として計画・実施し、以下の知見を得た。1.PACAP遺伝子欠損(KO)マウスの異常表現型として、概日リズムの光同調障害、海馬神経可塑性の異常、神経因性疼痛および炎症性疼痛の欠如、エタノール感受性の低下など、多岐の中枢機能変化を見出し、中枢神経機能におけるPACAPの予測外の働きを明らかにした。2.KOマウスが示す種々の異常行動が、精神興奮薬アンフェタミンで改善されること等から、PACAPとヒト注意欠陥多動症(ADHD)との関連を示し、更なる薬理学的解析から、本病態の治療効果に5-HT_<IA>受容体が重要な働きを担うことを示唆した。また、PACAPとIL-6のKOマウスを用いた検討から、外因性・内因性のPACAPによる脳傷害保護作用にIL-6が大きく関与することを明らかとした。3.膵臓β細胞特異的PACAP過剰発現マウスを用いたI型およびII型糖尿病モデルでの検討から、糖尿病時の膵β細胞増殖作用や、ラ氏島過形成の制御への関与など、PACAPに関する全く新しい知見を見出した。また本マウスの膵島に対し、laser capture microdissection(LCM)およびDNA microarray解析を行なうことで、糖尿病態下の膵β細胞増殖制御に関与するいくつかの遺伝子を見出した。4.ベルギーとの国際共同研究により、PACAPが責任因子である初めてのヒト症例を見出し、その病態とPACAP遺伝子改変動物の解析から、内因性のPACAPが血小板活性化の抑制因子として働くことを明らかとした。
著者
谷本 奈穂
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.39-52, 2011-01-21

科学は女性と疎遠なものであると捉える認識がある一方で,美容という領域においては,科学は女性をアピールするものとして扱われて続けてきた.本稿は,化粧品広告,および美容雑誌における科学的言説の特徴を考察するものである. 考察の結果,第二次世界大戦以前の科学とは,西洋を模範とする衛生を目指すものであったのに対して,1980年代以降の科学とは,成分を全面に押し出すものであると分かった.また80年代以降,一方で科学そのものが権威として機能し,それへの信仰や依存があること,ところが他方で,科学がわざわざ自然と融合した形で表現されることも見いだした. つまり,近年の科学信仰の中には,科学に対する潜在的な不安も同時に存在する.そこで,不安を和らげるような自然物イメージが,科学に付与されることになる.科学と自然が共犯関係を結ぶことで,より強固な科学信仰を生み出すというパラドックスが,美容の科学における言説に発見できる. People commonly think that women have been alienated from the field of science, however the science of beauty (for example, cosmetics) has appealed to women. In this study, I attempt to explore the features of scientific discourse in advertisements on cosmetics and in beauty magazines.Through this analysis, I find that people believe ads’ science claims and have trusted science blindly since 1980’s, where as before World War II , we focused on hygiene modeled upon the West. I also find that scientific words are tied with natural images.Blind faith in science, ironically, leads to potential distrust of science. To ease this anxiety, natural images are associated with scientific words.In analyzing the beauty science discourse, I examine the paradox that belief in science is strengthened by its unscientific association with natural images.
著者
清水 潤三
出版者
三田史学会
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.p227-232, 1977-10

論文
著者
太幡 直也
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.91, no.1, pp.34-43, 2020
被引用文献数
2

<p>The items of the Cognition of Lying Scale were developed based on the expectancy–value theory in terms of expectancy and the value of telling lies. A factor analysis of undergraduates' responses indicated three factors: Cognition of negative aspects of lying (7 items), Cognition of the potential for lying well (4 items), and Cognition of the genetic determination for lying well (3 items). Studies 1 and 2 confirmed that the Cognition of Lying Scale is reliable and has construct validity. The relationships between the factors and the number of lies told on the previous day were examined in Study 3, which indicated that Cognition of negative aspects of lying was negatively correlated with the number of lies told on the previous day.</p>
著者
真部 真里子 久賀 奈央子 牧野 麻美
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成18年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.16, 2006 (Released:2006-09-07)

【目的】腸管上皮細胞は、生体に必要な栄養素を取り込むだけでなく、異物の侵入を排除する物理的バリアである。タイトジャンクションと呼ばれる密着結合により互いに接着して、物質を選択的に輸送している。しかし、酸化ストレスに晒されると、種々の細胞構成成分が損傷し異物の侵入を許すことから、身体活動に悪影響を及ぼすと考えられる。そこで、本研究では、野菜による腸管上皮細胞における酸化ストレス防御能について検討した。【方法】腸管上皮細胞モデルであるヒト結腸癌由来Caco-2細胞に、過酸化水素を添加し酸化ストレス状態とした。酸化ストレスによる細胞損傷の指標として、経時的な経上皮膜電気抵抗値測定によるタイトジャンクションの密着度、LDH活性測定による細胞膜の健全性ならびに細胞内グルタチオン量を用いた。【結果】生のピーマン、ブロッコリー、アスパラガスの水抽出液を添加すると、酸化ストレスによる細胞損傷が抑制された。アスパラガスでは、茹で加熱、レンジ加熱を行ってもその効果は維持された。一方、カボチャ添加では、生では酸化ストレス防御能は認められなかったが、茹で加熱、レンジ加熱を施すと酸化ストレスによるタイトジャンクションの弛緩や細胞膜の損傷を抑制できた。また、ゴボウ添加では、生、茹で加熱品ともに酸化ストレスによる細胞損傷を抑制できなかったが、レンジ加熱では、細胞内グルタチオン量以外の測定項目においてやや酸化ストレス抑制傾向が認められた。このように、腸管での酸化ストレス防御能を期待して野菜を摂取する場合、調理方法を考慮する必要があると考えられる。また酸化ストレス防御能は、一指標ではなくいくつかの指標を用いて検討する必要性が示唆された。
著者
三浦 裕子
出版者
武蔵野大学能楽資料センター
雑誌
武蔵野大学能楽資料センター紀要 = Journal of the Noh Research Archives, Musashino University (ISSN:1880053X)
巻号頁・発行日
no.24, pp.2-28, 2013-03-31

2011年度武蔵野大学能楽資料センター公開講座 能・狂言と近代国家 その2
著者
藤本 憲正 中村 光 福永 真哉 京林 由季子
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.201-207, 2016 (Released:2016-05-20)
参考文献数
18

比喩文の理解課題を作成し,健常高齢者(統制群),コミュニケーション障害を認めない右半球損傷者(右なし群),それを認める右半球損傷者(右あり群),左半球損傷の失語症者(失語群),それぞれ15名に実施した.比喩文は一般的になじみの低い直喩文30題とし(例:道は,血管のようだ),検者がそれを読み上げた後,その意味に最も合う文を4つの選択肢から選ぶよう求めた.さらに同じ比喩の口頭説明課題とトークンテスト(TT)を実施した.結果は,統制群と比較し,右なし群では比喩理解課題,TTともに同等の得点であり,右あり群では特に比喩理解課題で有意な低下を示し,失語群では比喩理解課題,TTともに有意な低下を示した.比喩理解課題と比喩説明課題の得点には有意な相関関係が認められた.右半球損傷における比喩理解障害を議論する際は,コミュニケーション障害の有無を考慮する必要があると考えた.
著者
近藤,隆二郎
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
no.13, 2007-10-31

参加型と称される計画づくりの現場では,「ワークショップ=正当な参加」という暗黙の了解があるため,ワークショップそのものが目的化してしまう危うさや,結果として,生活感と乖離した抽象的なビジョンが決められていく傾向がある。形式的な参加に行政も市民もが妥協しているとも言える。市民が何らかのかたちで継続的に「かかわる」ことができる計画が必要である。そのためには,決定と所有が必須となる。末石冨太郎が言うように,何をさせられているかがわからない=何が可能かがあいまいなことにも問題がある。その絡み合いを紐解くことが市民調査の必要性でもある。また,現場へのかかわり(実践)をいかに共有していくかが鍵となる。抽象的な指針を超えて,そこに具体的なかかわり方を導き,体験していかねばならない。そこで,身体的参加を提起したい。身体が地域にどうかかわるかを捉えたい。正統的周辺参加として,「身体で覚える」学習プロセスを重視したい。身体パタンのデータベース化と,計画に基づく新しい身体パタンとがどう関係するか,どう体得されていくかによって,計画の実効性が左右される。民俗学や社会学が蓄積してきた,ライフヒストリー的あるいは文化生態学的な蓄積もあらためて身体パタンとして解釈すれば,この身体的参加データベースに寄与することができる。ここで専門家に求められる役割は,(1)いかに現在のシステムが絡み合っているかをひもとく役割,(2)身体のパタン・ランゲージを見いだす役割,(3)創発する場をコーディネート/メディエートする役割,である。
著者
大久保 直美
出版者
一般社団法人 植物化学調節学会
雑誌
植物の生長調節 (ISSN:13465406)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.60-65, 2018 (Released:2018-06-22)
参考文献数
6

Oriental hybrid lily flowers have a nice fragrance. Especially in a confined space, however, the scent can be perceived as too strong and therefore unpleasant. Lilium cv. ‘Casa Blanca’, a typical oriental hybrid cultivar, has a large pure-white flower with strong smell. We clarified that the compounds responsible for the strong fragrance of ‘Casa Blanca’ are aromatics. We succeeded in decreasing the emissions of scent compounds and made the fragrance milder throughout the period of use as an ornamental by application of an inhibitor of PAL. Here I introduce the characteristics of floral scents, the scent suppression method of lily and the outline of development of fragrance suppressor for ornamental flower.