著者
小松 真一 土本 まゆみ 松井 元 真木 一茂 松本 峰男
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第41回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.S5-3, 2014 (Released:2014-08-26)

治療用ペプチドワクチンを含む「治療用がんワクチン」は、がんの治療法として、外科的療法、放射線療法、化学療法に次ぐ「第4の治療法」として期待されているが、未だ臨床試験において主要評価項目を達成した能動免疫療法に該当する「治療用がんワクチン」は承認されていない。治療用ペプチドワクチンを対象とした非臨床安全性評価に関するガイドラインは、いまだ国内外を問わず存在しない。また、WHOのGuidelines on the nonclinical evaluation of vaccine adjuvants and adjuvanted vaccines(2013)では、原則のいくつかが、がんなどに対するアジュバント添加治療ワクチンの非臨床試験にも当てはまるかもしれないとされているに過ぎない。厚生労働科学研究費補助金(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業)「ワクチンの非臨床研究ガイドライン策定に関する調査研究」の活動として、治療用ペプチドワクチンのための非臨床安全性試験について検討した。今回、研究成果として投稿した“Considerations for non-clinical safety studies of therapeutic peptide vaccines”(治療用ペプチドワクチンのための非臨床安全性試験に関するコンシダレーションペーパー)を基に、調査研究班が考えた治療用ペプチドワクチンのための非臨床安全性試験について解説する。

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著者
佐藤義輔 編
出版者
佐藤義輔
巻号頁・発行日
vol.後編, 1913
著者
中山 哲 ニシャン ナイエル
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では不均一系触媒反応において、熱揺らぎや溶媒効果が触媒活性に及ぼす影響を第一原理計算によって検討した。特に、酸化セリウム触媒を対象とした第一原理分子動力学計算を行い、界面の酸・塩基点の役割や酸化還元特性について検討した。具体的には、酸化セリウムに2-シアノピリジンが吸着することで強塩基点が発現する機構に関しては、特異な吸着構造を見出し、アクリルニトリルのメタノール付加反応に対して、メタノール溶媒を露わに含んだ計算を行い、反応機構を解明した。また、二酸化炭素とメタノールからの炭酸ジメチル合成においても、分子動力学計算によって酸素欠陥を介する中間体の存在を明らかにした。
著者
櫻井 孝平 増原 英彦
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.3_141-3_152, 2007 (Released:2007-08-31)

本研究はアスペクト指向プログラミング(AOP)の新たなポイントカット機構として,テストに基づいたポイントカットを提案する.AOP言語はアスペクトを適用する時点を指示しなければならない.既存のAOP言語のポイントカットは,アスペクトが適用されるプログラム中の型名やメソッド名により指示を行うため,プログラムの些細な変更に応じてアスペクトの変更が必要であった.テストに基づいたポイントカットでは,テストを通じて間接的にアスペクトが適用される時点を指示する.そのため,プログラムの変更時にテストも修正される前提の下では,ポイントカット記述の変更が必要なくなる.またテストに基づいたポイントカットは,テストごとに異なる実行履歴を利用して,プログラムの実行時の実行履歴に依存したアスペクトの適用を指示することができる.そのため,適用するプログラムの特定の分岐などの時点を詳細に指示する必要がなくなり,簡潔な記述を得ることができる.実際にいくつかの事例に対してテストに基づいたポイントカットを利用し,ほとんどの場合に既存のAspectJによる記述よりも変更に強く簡潔な記述が可能であることを確認した.
著者
板倉 勝高 井出 策夫 竹内 淳彦 北村 嘉行
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.403-424, 1964-08-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
25
被引用文献数
3

本研究は日本の工業を地域的に把握するために,最大の集中地域である京浜工業地帯の地域構造を明らかにしようとしたものである.そのために,まず工業地帯の領域を合理的に設定したうえで, 30人以上全工場の業種別分布図を基礎にして地帯内の工場分布を分折するとともに,工場間の地域的結合関係,すなわち生産構造を明らかにした. 京浜の工業において占める重化学工業の割合は厳密にみると極めて低く,工業地帯を特色づけるものではない.したがって,重化学を主体としている臨海地域のもつ意義は小さい. 京浜の工業を特色づけるものは自動車,テレビ,カメラなど耐久消費財を中心とする組立工業と,日用消費財を中心とする雑貨工業とであって城南と城東とを核心とした生産組織をそれぞれ形造っている.核心地域における工場は両部門とも,技術的にも特殊化され,また,同一製品の生産量が少ない製品を小単位ずつ,多くの種類にわたって生産している,すなわち「多種,小単位,特殊」生産を特色としており,それらが相互に強い結合関係を有しながら集中しているものであり,これを中心的大都市工業の特質と考えることができる.工業地域の拡大も,核心地域内における生産関係の変化によるものであり,したがって,京浜工業地帯の地域構造も,この核心地域によって規定されている.
著者
川口 雄一
出版者
天使大学
雑誌
天使大学紀要 (ISSN:13464388)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.113-120, 2009-06-30

電子メールの安全性対策として、アンチスパム、アンチウィルスはたいへん重要である。利用者個々のコンピュータにアンチウィルスが導入されることが常識となりつつあるように思われるが、同じく著者の感覚として、すべての利用者において、セキュリティ意識がアンチウィルス導入に肯定的となっているわけでもない。本稿ではこのような背景のもと、電子メール管理コンピュータ上にアンチウィルスとアンチスパムを構築することは安全性対策として有効であると考え、オープンソースソフトウェアを利用して具体的に構築する手順につい述べる。構築にあたっては、解説文書にほぼそのまま従うことで何も問題はなかった。構築試験の結果、アンチウィルスとアンチスパムはうまく動いていることがわかった。
著者
荒木 寿友
出版者
日本道徳教育学会
雑誌
道徳と教育 (ISSN:02887797)
巻号頁・発行日
no.336, pp.119, 2018 (Released:2020-08-01)

本稿では、道徳の授業において用いられる教材、とりわけ読み物教材が資質・能力を育んでいく教材になりえているのかについて検討し、これからの道徳授業においてどのような教材が必要となってくるのか示すことを目的とした。この検討にあたり、まず道徳の授業における教育内容と教材の関係、すなわち「教材を教える」のか「教材で教える」のかについて概観した。次いで、道徳の授業において定番となっている読み物教材を取り上げ、それらの多くは具体的な望ましい姿が描かれ、明示的にも暗黙的にもそれを児童生徒に伝達していることから、そのような読み物教材を「価値伝達型読み物教材」とした。価値伝達型教材は教授主義に基づいており、それに代わるものとして認知主義、状況主義などを取り上げ、 それらに基づく教材の可能性を示した。最終的に、資質・能力を育んでいく道徳の教材「資質・能力育成型教材」について考察を加えた。
著者
安藤 真美 北尾 悟 小幡 明雄
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成27年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.67, 2015 (Released:2015-08-24)

【目的】生醤油は、製造工程において火入れ(加熱処理)を行っていないため、鮮やかな色や風味が豊かである特徴を有している。また酵素類が失活していないため、食材に対してたんぱく質分解作用などを活用することも期待できる。これまでにイカ肉を生醤油に漬けると、肉質が柔らかくなり、官能評価でも有意に好まれる結果を得た1)。そこで、本研究では、肉料理に醤油が使われることが多い現状をふまえ、生醤油の牛肉に対する調理特性を調べた。【方法】比較的均一な肉質である牛もも肉(国産)を、100%または50%濃度にした濃口生醤油(試験区:キッコーマン製)または濃口醤油(対照区:キッコーマン製)に25℃で8時間または20時間浸漬後、未加熱および加熱(沸騰水中2分)したものを分析に用いた。分析項目は、プロテアーゼ活性(しょうゆ試験法)、色調(測色色差計)、破断応力(レオメーター)、食塩量(伝導度式塩分計)、アミノ酸量(アミノ酸分析計)、たんぱく質組成(SDS-PAGE)、および官能検査(評点法)である。【結果】未加熱の場合、浸漬後の牛肉の塩分量に比例して硬くなったが、どの条件でも試験区の方が柔らかかった。加熱の場合も同様に塩分量に比例して硬くなったが、50%濃度では試験区の方が対照区よりも柔らかかった。軟化の原因は、遊離アミノ酸量およびSDS-PAGEの結果から、食塩による脱水ではなく、たんぱく質分解酵素に起因するものと推察された。100%濃度で20時間浸漬した試料と、50%濃度で8時間浸漬した試料について官能評価を実施したところ、香り・やわらかさ、おいしさ(総合評価)において試験区のほうが高い評価であった。実際の調理に応用するために、醤油濃度・浸漬時間および温度などの詳細な検討が必要である。1)2014年度日本食生活学会
著者
Kazuya Ooi
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.1037-1043, 2021-08-01 (Released:2021-08-01)
参考文献数
42
被引用文献数
4

Dry skin is a common symptom of various conditions, and elderly individuals commonly exhibit this physiological symptom. Dry skin develops owing to sebum deficiency; however, the use of moisturizers can typically overcome this issue, particularly in patients in whom there are no other skin problems. If dry skin is left untreated, itching and eczema can occur, resulting in skin damage. Additionally, hemodialysis patients exhibit reduced barrier function and can experience pain associated with repeated needle insertion; the repeated use of lidocaine tape to manage the pain can cause further skin damage. To reduce the occurrence of dry skin, the skin is hydrated using moisturizers. Dry skin is also prominent in patients with varicose veins in the lower extremities, and many biochemical studies have shown that skin immunity is altered in patients with dry skin. Moreover, the incidences of dry skin and pruritus differ in male and female patients. Furthermore, in elderly patients, zinc deficiency is likely to cause dry skin, and zinc supplementation may maintain skin hydration. To date, few reports have described dry skin from a clinical point of view. In this review, research on dry skin is presented, and the findings of basic research studies are integrated.
著者
山村 尊房 大貫 まろみ 長岡 裕
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.138-151, 2012 (Released:2012-06-20)
参考文献数
16

小学校における児童の水分補給方法として水筒持参が各地にみられ,学校での水道の役割が変化している.本研究は,水筒持参の潜在的な原因や問題の構造を探り,政策的な取り組みにつなげるため,小学生を持つ母親を対象として,様々な心理要因と水筒持参に至る思考過程から潜在変数と観測変数を想定したオンラインアンケートを実施した.調査の結果,飲料水の選択には地域的な差異があり,子供に水筒を持たせたいと考える親は西日本を中心に多く,東日本にも広がっていることがわかった.共分散構造分析によるデータ解析の結果,水筒持参は,学校水道への不満感によって生じ,それは学校への不満に強い影響を受け水道水質への信頼感の欠如に影響されていることが明らかになった.これらの知見を踏まえた取り組みを関係者が連携して行うことが必要である.
著者
高岩 義信
出版者
日本アーカイブズ学会
雑誌
アーカイブズ学研究 (ISSN:1349578X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.11-29, 2010

<p>自然科学の研究記録のアーカイブズは研究者の社会への説明責任を担保するのに必要であるといわれるがその意味を論ずる。また研究記録をその生成される状況から考察しアーカイブズの観点からの特徴をみる。また研究記録のうち観測・実験データをアーカイブする場合の課題を論じ、それが研究における不正の追及でどのように機能するか事例によって考察する。</p>
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1540, pp.38-42, 2010-05-10

現場の責任者は、神戸製鋼所・高砂製作所の高砂機械センターで大型空気圧縮機の製造工程で働く松山祐樹さん(24歳、上の写真右から2人目)だ。細身の長身に茶髪といった風貌。そんな今時の若者が、海外の現場で全権を任され、外国人従業員とともに汗を流している。 松山さんは、まだ入社6年目。香川県の工業高校を卒業して神戸製鋼に入社した。
著者
臼杵 勲 山越 康裕 鶴丸 俊明 D.ツェヴェンドルジ 董新林 佐川 正敏 千田 嘉博
出版者
札幌学院大学総合研究所
巻号頁・発行日
2010-03-31

開催:札幌学院大学総合研究所・モンゴル科学アカデミー考古学研究所 研究協定締結記念 国際シンポジウム 開催日:2009-12-23 開催場所:札幌学院大学G館 SGUホール