著者
竹田 一郎
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.24, no.11, pp.686-691, 1975-11-10
被引用文献数
1

ガスクロマトグラフィーの保持値のデータを収集しておき、定性分析に有効に利用する方法を確立した。本法による定性分析は、保持値のデータを対数尺によりグラフ用紙上に転載後、未知試料と既知試料との横座標軸上の位置を比較することにより行われる。叉、等間隔尺及び対数尺を使用することにより、保持指数、保持時間、保持比などを任意に使用して、データの書き込み、読み出しが可能であり、更にピークの有効理論段数が分かれば、用紙上に記載されている、任意の2成分のピークの分離の程度の推定も可能である。ガスクロマトグラフィーによる日常分析に本法を使用すれば、本質的に保持指数システムによるデータ処理が、容易に機械的に行える。
著者
興津 裕康
出版者
近畿大学
雑誌
生駒経済論叢 (ISSN:13488686)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.95-105, 2004-04-25

本稿は,会計教育の観点から企業会計原則を考えようとするものである。企業会計原則を遠い昔の遺物と考えている人もいれば,未だ大きな存在意義を持っているとみている人もいる。企業会計原則それ自体は,大きく変わる経済的環境に十分対応できなくなり,その結果,国際会計基準などを考慮して多くの会計基準が公表されている。しかしながら,わが国の会計学,会計制度,会計教育の近代化は,企業会計原則に由来しているということを事実として受け止めなければならない。たしかに,会計基準が多く公表されている現在,会計基準が企業会計原則にみる処理基準に代わって機能している一面がみられる。しかしながら,あくまでも,企業会計原則にみる考え方を否定するものではない。たとえ,新しい会計基準が出てきても,会計教育のエッセンスは,この企業会計原則から出ているということができる。

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著者
伊藤平章 著
出版者
誠之堂
巻号頁・発行日
vol.上, 1897
著者
稲田 勝美 薮本 陽一
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.689-694, 1989-12-05
被引用文献数
6

制御環境下での植物生産に好適な環境条件を明らかにするため, 連続照明下での光質, 恒温下での日長, および連続照明下での変温の影響を調べた。光質については, 赤色光/遠赤色光 (R/F) 比が著しく高い場合を除けば, 赤色光の光量子量が多いほど, また赤色光/青色光 (R/B) 比が大きいほど生長は促進された。日長は長いほど生長は旺盛となり24 h日長 (連続照明) で最大となったが, 乾物生産に対する照明効率は20 h日長で最も高かった。連続照明下で, 日平均20℃, 高低差5℃とした変温を与えると, 恒温下に比べて生長は促進され, レタスでは21.7℃, 16 hと16.7℃, 8 h (16 H/8 L), ハツカダイコンでは20.8℃, 20 hと15.8℃, 4 h (20 H/4 L) または16 H/8 Lの変温下で最も効率が高かった。ハツカダイコンでは, 変温によって増大した乾物はもっばら貯蔵根に分配された。本研究から, R/B比10またはそれ以上, R/F比1〜2の光質をもつランプで日長を20 h前後とし, これに変温を組合せた条件が植物の栄養生長の促進に有効であろうと結論した。
著者
倉賀野 妙子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.107-113, 2005-04-20
参考文献数
45
被引用文献数
2
著者
依藤 進
出版者
社団法人日本循環器学会
雑誌
日本循環器學誌 (ISSN:00471828)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.393-396, 1958-09-20

The author reported the value of stroke-volume and momentum of cardiac ejection of normal subjects obtained by ballistocardiogram, and at the same time these methods of measurement were critically examined. As ballistocardiogram showes, as previously reported, the impulse wave of circulation which is mediated by human body, the values obtained by it inevitably contain some degree of inexactness. In quantitative investigation by ballistocardiogram if we want to get the minimum error of it, it is better to use the value of momentum of cardiac ejection, where survey of the relation of it to other physiologic functions is sacrificed. In order to supplement this weak point, one needs deducing stroke-volume from ballistocardiogram, though its value is not so exact. In the latter it is advisable to investigate the relative changes in same subject.
著者
小野田 恭久 今村 昌子
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.101-105, 1980-02-20
被引用文献数
2

茶浸出液中の残留農薬分析操作に, 塩基性酢酸鉛による除タンニン操作を加え, 各農薬の抽出法を検討し, 以下のような結果を得た.1) 茶浸出液と抽出溶媒間のエマルジョンの生成が抑制され, 分離が良好となり, 脱水操作も短時間に行なうことができ, 告示法にくらべ高回収率を得ることができた.また, このとき大部分の色素類も同時に除去され, ガスクロマトグラム上の夾雑ピークの数も減少するなど, 茶浸出液中の残留農薬分析において, 塩基性酢酸鉛による除タンニン操作はきわめて有効な手段であった.2) メソミルの抽出溶媒は酢酸エチルがよく, 告示法の操作を省略できた.3) 告示法では, DMTP, イソキサチオン, PAP, ホサロン, TPNで抽出精製法がすべて異なっているが, 本試験の結果, 同一溶媒による同時抽出が可能となり, 操作の省略や抽出溶媒の種類を少なくすることができるなど, 分析試料の調整法が簡便となった.
著者
松尾 健志 石原 楷輔 菊池 三郎
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.603-610, 1991-06-01
被引用文献数
1

妊娠中期に超音波検査で前置胎盤と診断される症例の頻度が分娩時に比し異常に高いといわれ, その理由はいまだ不明な点も多い. そこで経腹・経直腸および経腔の各走査法で本症診断の基本となる頚管像検出能を比較検討し, さらに妊娠中期に前置胎盤と診断された症例の超音波所見について経時的検討を行ない上記理由の解明を試みた. 1. 各走査法による頚管像検出能 : 1) 頚管像の検出率は, 妊娠12〜23週では経腹走査法52.0〜62.5%に比し経直腸・経腔走査法ではそれぞれ85.7〜87.5%, 100%であつた. 2) 経腹走査法では子宮峡部を同定できなかつた. 2. 前置胎盤と診断された症例における超音波所見の経時的変化 : 1)経直腸走査法による観察 (1) 妊娠16〜20週において, 経腹走査法で胎盤位置を診断した965例のうち低置, 前置とされた64例, 12例は, 経直腸走査法では低置43例 (4.5%), 前置4例 (0.4%)と診断された. (2) 前置と診断された4例は以後分娩時までその位置診断に変更がなく帝切時に前置胎盤と確認された. (3) 低置から正常位へ診断が変更された症例の頻度は妊娠32週未満では79.1%で, それ以後の11.1%に比し有意に高かつた (P<0.05). 2)経腔走査法による観察 (1) 妊娠13〜20週において胎盤位置を診断し, 261症例のうち低置および前置はそれぞれ18例 (6.9%), 13例 (5.0%)で前置は全例に峡部像を認めた. (2) 峡部が全例消失した妊娠22週までには前置は2例 (0.8%)のみとなり, 以後分娩時までその位置診断に変更はなく帝切時に前置胎盤が確認された.(3) 低置18例のうち分娩時までに診断が変更された症例の頻度は88.9%であつた. 以上より, 妊娠中期に前置胎盤と診断される症例の多くは, 頚管像検出能が低い経腹走査法により, 子宮下節伸展に伴い内子宮口との位置関係が変化しやすい低置胎盤を前置胎盤と誤認した症例であり, 一部に子宮峡部消失前の診断例も含まれていたと考えられた.
著者
松田 進勇
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.175-178, 1972
著者
吉村 淳一 川上 愛 石塚 悦子 川崎 昭一
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.849-851, 2004 (Released:2005-03-29)
参考文献数
3

これまでの頭皮裂創処置では, 縫合後抜糸までガーゼで創を保護し洗髪は制限されていたため, 頭皮のかゆみや髪のべたつきなどの不快感, テープをはがす時の痛みの訴えが日常的に聞かれていた。そこで創部を開放し, 早期洗髪を行ってもらう方法につき検討した。頭皮裂創患者40例を対象に, 縫合後2日前後の早期に創を開放し, 洗髪を行ってもらい, 合併症の有無をチェックし処置についての感想について聞き取り調査を行った。その結果感染や癒合不全はなく, 大多数例に好感がもたれ, より快適な創傷処置法の一つの選択肢として有用であると考えられた。
著者
垰田 高広 原 康 増田 弘行 根津 欣典 山王 なほ子 寺本 明 竹腰 進 長村 義之 多川 政弘
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.1-7, 2006-01-25

正常ビーグル犬における下垂体切除後の飲水量と尿量の顕著な増大を主徴とする尿崩症様症状は, 術後2週間以内に自然消退することが報告されているが, その機序についての詳細は明らかにされていない.そこで, 健常犬に対して下垂体切除を行い, 下垂体切除が高張食塩水負荷による血清ナトリウム濃度, 血清浸透圧の上昇に対するアルギニンバソプレッシン(AVP)分泌動態に及ぼす影響について調査した.さらに下垂体切除後の間脳視床下部組織における室傍核および視索上核のAVP産生および分泌細胞である大細胞性ニューロンの細胞数を計測することにより, 下垂体切除がAVP産生能に及ぼす影響についても検討した.高張食塩水負荷試験の結果では, 下垂体切除後においても血漿AVP濃度は食塩水負荷に反応してわずかな上昇を示したが, その割合は対照群と比較して大きく低下しており, 1ヶ月および3ヶ月間の観察期間内では臨床的に尿崩症様症状を抑制するものの, 急激な食塩水負荷に反応できるほど回復していないものと考えられた.間脳視床下部の室傍核と視索上核の免疫組織化学的調査では, 下垂体切除によってAVP陽性細胞数が減少する傾向が示された.これらの結果から, 下垂体切除により大細胞性ニューロンの機能的, 数的減少が認められたこととなり, 術後におけるAVP分泌能の回復は臨床的な術後尿崩症様症状の改善と関連していないことが示唆された.
著者
喜多 善史 大口 滋 森田 善一郎
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.711-719, 1978-05-01

For the precise measurement of the electrical resistivity of molten metals at high temperature, the four-probe method has been improved by use of a newly designed cell in which the four electrodes made of the same material as the specimen were installed. The results of the preliminary experiment on molten tin and copper were in excellent agreement with those of the previous studies by other investigators, and it was proved that "the improved four-probe method" was quite suitable for the measurement of the electrical resistivity of molten metals at high temperature. The electrical resistivity of molten iron, cobalt and nickel, obtained in the temperature range from melting point to about 1660℃ (iron) and 1620℃ (cobalt and nickel), showed a linear dependency on temperature as represented by the following equations. Fe : ρ(μΩ・cm)=0.0154t(℃)+112.3 Co : ρ(μΩ・cm)=0.0192t(℃)+91.8 Ni : ρ(μΩ・cm)=0.0116t(℃)+70.2 Probable error in the measurement was estimated to be about ±0.2%. The ratio of the resistivity of the liquid metal (ρ_l) to the solid metal (ρ_s) at melting point was evaluated to be 1.06, 1.14 and 1.40 for Fe, Co and Ni respectively.