著者
後藤 敏行
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.68-74, 2010-02-01

コンピュータゲームは一大産業化し,現代文化の要素になっているため,保存して後世に残す必要があると考えられる。保存に対する課題には,メディアの短命さや技術の陳腐化がある。対策にはマイグレーション,エミュレーション等があり,特にエミュレーションに期待が集まる。だが,完成された技術ではまだなく,著作権や特許権を侵害する可能性もある。複数のコンピュータゲームアーカイブがすでに設立され,運用を開始している。それらは,世界のすべてのコンピュータゲームを収集するには至っていない。今後の施策として,ゲーム会社とコンピュータゲームアーカイブの連携協力や,図書館界の一層のコミットメントを提言する。
著者
Kentaro Iwata Asako Doi Goh Ohji Hideaki Oka Yuichiro Oba Kohei Takimoto Wataru Igarashi David H. Gremillion Toshihiko Shimada
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
vol.49, no.22, pp.2423-2432, 2010 (Released:2010-11-15)
参考文献数
27
被引用文献数
43 66

Introduction Sivelestat is neutrophil elastase inhibitor, which is widely used in Japan for the treatment of acute lung injury. However, the clinical efficacy of the medication has not been convincingly demonstrated. Methods We conducted a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials on sivelestat for the treatment of acute lung injury and acute respiratory distress syndrome. Studies were identified using MEDLINE, EMBASE, Cochrane library, conference proceedings, and references of included studies. Authors were contacted if necessary. ICHUSHI, the Japanese database for medical literature and conference proceedings was also used for the search, since many studies on sivelestat were published in Japanese language and not registered in major databases such as MEDLINE. The primary outcome was mortality within 28-30 days after randomization. Relative risks were pooled with the random effect model. Results 8 trials were included in the analysis. There was no difference in mortality within 28-30 days after randomization (relative risk 0.95, 95% confidence interval 0.72 to 1.26). Subgroup analysis conducted only on studies conducted in Japan showed the same result (0.59, 0.28 to 1.28). There was no difference in mechanical ventilation days (standardized mean difference -0.43, -1.12 to 0.27), but sivelestat was associated with a better short term PaO2/FiO2 ratio (0.30, 0.05 to 0.56). Heterogeneity was not significant for the main analysis and funnel plot did not suggest publication bias. Conclusion Sivelestat was not associated with decreased mortality, even when including studies published in Japanese language.
著者
安藤 直子
出版者
東北福祉大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

これまで遺伝資源としてまた文化資源として保護されてきた農用馬や在来馬を、保護に止まらず積極的に活用することを求める日本馬事協会の方針転換により、生産・飼養者が「生きた文化財」としての馬の価値を捉え直し、文化財に経済的な価値を付与する様相を分析した。特に天然記念物としての在来馬を文化財保護制度の枠組みの中で活用する際に生じる様々な問題を分析し、文化を資源化し活用する際の主体の戦略を考察した。
著者
田ヶ谷 浩邦
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.129, no.1, pp.42-46, 2007-01-01
被引用文献数
1 3

不眠はありふれた訴えであるが,その原因はさまざまで,睡眠薬以外の治療法が適切な不眠や,睡眠薬により悪化する睡眠障害があるため,薬物療法開始前に十分な鑑別が必要である.催眠作用をもつ薬物として,バルビツール酸系睡眠薬,非バルビツール系睡眠薬,ベンゾジアゼピン系睡眠薬,非ベンゾジアゼピン系睡眠薬,抗ヒスタミン作用をもつ薬剤がある.慢性の非器質性不眠症に対して効果・安全性とも優れているのはベンゾジアゼピン系睡眠薬,非ベンゾジアゼピン系睡眠薬である.健忘,転倒などの副作用や常用量依存の防止のため,1)治療目標を控えめに設定する,2)少量を毎日服用する,3)エタノールと併用しない,4)患者の自己判断で用量を変更しない,など服薬指導を行う.不眠への不安・恐怖感を緩和し,不眠を悪化させる習慣を是正するため,「眠くないのに無理に布団の中で過ごさない」など認知行動療法の併用が有効である.<br>
著者
大泉 拓
出版者
東京大学大学院工学系研究科 電気系工学専攻
巻号頁・発行日
2010-03-24

報告番号: ; 学位授与年月日: 2010-03-24 ; 学位の種別: 修士 ; 学位の種類: 修士(工学) ; 学位記番号: ; 研究科・専攻: 工学系研究科電気系工学専攻
著者
井上 嘉孝
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
no.53, pp.72-84, 2007

本稿では、人々に恐怖をかき立てる代表的な怪物である吸血鬼とその変化を取り上げる。死の観念をめぐる文化や宗教性といった背景を抜きにして吸血鬼を論じることはできない。しかしそのような議論に立ち入ることは最低限に留め、心理臨床の視点から吸血鬼と恐れについて検討し、それが心にとって何を意味するか考察していきたい。
著者
林 織部 西村 邦裕 阿部 浩二 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.21, pp.85-90, 2009-06-08
被引用文献数
2

現在,インターネット上の動画共有サイトなどに大量の動画情報が存在する.この中から興味のある動画や面白い動画を効率的に見ることができることが望ましい.現在の視聴スタイルは一度に一つの動画を見るというもので,大量の情報を短時間で見ることには適していない.そこで本研究では,大量の動画を見るためには大画面ディスプレイを用い,複数の動画を同時視聴することが良いのでは,と考え実装し検証を行った.この際,ただ同時視聴するのみでなく,どの部分に注目するべきかといったガイドが必要である.このため大画面における視覚刺激を用いた対象への注意喚起の検証を合わせて行った.また,注目すべき部分の抽出のために実際の動画共有サイトの視聴ログを解析し,注目すべき部分の抽出を行った.
著者
大西 仁 望月 要
出版者
独立行政法人メディア教育開発センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

情報通信システムの応答遅延はシステムの使い勝手を悪くする一因である。本研究では、人間の認知・行動特性に注目し、その観点から(1)通信システムの応答遅延の影響を評価する、(2影響を減じる方法を開発することを目的とし、以下の成果を得た。(1)ユーザが気づかない程度の小さな遅延でもユーザの半ば無意識的な学習のパフォーマンスが低下することを示した。(2)遅延により生じた余計な間を小音量の雑音で埋めることにより遅延の影響を減じることができることを示した。(3)映像と音声の非同期が与える影響は、母語の自然発話とその他では大きく特性が異なることを示した。また、 映像と音声の非同期(ずれ)が与える影響の評価は、閾値(ターゲット)付近のずれで測定しないと、順応(なれ)の影響で測定値がずれてしまい、逆に順応の性質を利用すれば非同期の許容限が広がり、遅延量を減らすことができることを示した。
著者
川端 厚子 登倉 尋實
巻号頁・発行日
1997 (Released:1997-04-01)

夕刻から入床までの間携帯型電話を使用する際、そこから発生する電磁波は人体生理に相当影響することが判明した。すなわち、使用中並びに使用後、脳温度を反映する鼓膜温度を有意に上昇させ、さらにまた、松果体から分泌されるメラトニンホルモンを有意に減少させることが判った。さらに、電気敷き布団から発生する電磁波も唾液中の免疫グロブリンAを有意に減少させることも判った。以上のように、夕刻から入床前にかけて電磁波を発生する携帯電話の使用や電磁波を発生する布団を使用して睡眠をとることは電磁波の発生量が極めて微量であっても鼓膜温度の夕刻から夜間にかけての自然の下降を妨げ、メラトニンの分泌量を抑制し、さらには免疫系に1種である免疫グロブリンAに分泌量を抑制することが明らかになった。さらに物理実験で、電磁波は対象物を加温する性質を持つことを明らかにした。携帯電話の使用時、鼓膜温度が上昇することは、電磁波のこの性質を反映すると思われる。夕刻自然に脳温が下降する際、運動により脳温を上昇させると、夜間のメラトニン分泌量が抑制されるという文献を考慮すると、電磁波により脳温の下降が抑えられその結果としてメラトニンの分泌量が減少した考察されよう。さらに、携帯電話使用により入床前、また、睡眠中、中核温度に深い下降が妨げられたことは、深い睡眠を妨げることになるのみならず、免疫系の免疫グロブリンAの分泌も抑制された事実は健康の維持増進の視点からも問題は大きいと思料されよう。
著者
瀬川
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
no.224, pp.1001-1002, 1900-10-26
著者
堀田 晴子 澤村 貫太 井上 健
出版者
関西学院大学
雑誌
臨床教育心理学研究
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1-8, 2007-03

本研究では,心拍テンポ音楽が心身に与える影響について,心拍変動を中心に検討した。モーツアルトの『ディベルティメントK. 136第2楽章』について,3種類のテンポすなわち(1)被験者自身の心拍数で常時変化するテンポ(心拍テンポ),(2)聴取前1分間の平均心拍数による固定テンポ,(3)聴取時の心拍数に無関係のランダムテンポを用いた。音楽聴取時の心拍変動のパワースペクトルから,LF/HFとHF/Totalを算出した。心拍テンポ音楽でHFが大きく,副交感神経優位となり,最もリラクゼーション効果があったと考えられた。各テンポ音楽提示後の心理評定については,「好き-嫌い」の項目のみ有意差があり,心拍テンポ音楽がランダム音楽よりも好まれることが示された。それ以外の項目では有意差はなかったが,全体の傾向としては,心拍テンポ音楽が最も肯定的な印象を与えたようであった。今後,テンポの区別をもう少し明確化すること,被験者が実験室でより自然に音楽を聴けるよう配慮すること,また,音楽刺激として被験者が好む音楽を用いることにより,心拍テンポ音楽の効果についてより深く検討することができると思われる。
著者
後藤 政幸 荒巻 輝代 芳原 達也
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.29-37, 2002-03
被引用文献数
2

ミネラルウォーター,茶,果汁飲料等の500mlペットボトル飲料は「リキャップできる」,「携帯に便利」等の特性により,室内・外を問わず生活の種々の場面で多く飲用されている。しかしこの利便性に伴う飲用習慣が細菌増殖を引き起こし,ひいては衛生学的な問題が生じると懸念する。著者らは実験的にペットボトル飲料に実際の飲用習慣に近似した内容の細菌汚染をさせ,その飲料水中の細菌数の変化を観察して衛生学的な問題を検討した。5種の小型ペットボトル飲料(ミネラルウォーター,茶,果汁飲料,乳酸飲料,スポーツ飲料各1種)に唾液と手指で汚染させた生理食塩水を定量的に加え,15℃および36℃の温度条件下で2,5,10,20時間保存した試料について一般細菌と大腸菌群の菌数を測定した。結果,一般細菌に関しては,ミネラルウォーターと茶の場合,15℃および36℃共に2時間保存以後,時間の経過に伴い菌数は増加した。増加傾向は高温保存の方が大きかった。また,2時間保存の時点で飲料水水質基準に不適合となった。これらに対して果汁飲料,乳酸飲料およびスポーツ飲料は接種した細菌数が2時間保存以後,減少する成績が得られた。菌数の減少は時間の経過に従い大きくなる傾向を示し,特に両温度条件共に果汁飲料の2時間保存時に顕著であった。大腸菌群は,5回測定中2回の36℃保存のミネラルウォーターと茶の場合にだけ検出されたが,他の試料からは検出されなかった。特に,ミネラルウォーターの20時間,茶の10時間と20時間保存時に大腸菌群数の増加は著しかった。以上の成績から,小型ペットボトル飲料をリキャップに伴う数回の口付け飲用や野外への携帯で不潔に取り扱う等,日常の飲用形態で利用した場合,飲料水の種類によっては飲料水水質基準の細菌項目に対して不適合となる飲料水を摂取する可能性があり,衛生学的に問題となることが判明した。
著者
深尾 隆則
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

1. 屋外型飛行船システムの構築初年度購入した全長12mの屋外型飛行船にGPS,IMU,風速・風向センサを装着し、組み込み型の小型計算機などにより自律飛行船ロボットに必要なシステムの構築を行っているが、今年度は送受信機系の信頼性を高める改修を行った。2. 実地試験8月初旬から4週間を北海道大樹町の多目的航空公園で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力の下、実機実験を行った。今年度は特に、高度維持制御に関する実験を集中的に行い、旋回時や風が強い時に見られたピッチングの変動が抑えられ、また支持した高度への移動も可能になった。3. データ解析、シミュレータ構築空力特性に関する理論モデルの構築を行った。これは風洞試験なしで飛行船モデルを構築するためであり、将来の飛行船開発に役立つものである。また、JAXAの協力下で、実機実験により得たデータを用い、比較検討を行った。さらに、この理論モデルや風の理論モデルを導入した飛行船シミュレータの作成を行った。4. 情報収集システムの開発画像情報収集システムに関しては、ステレオカメラを回転させる回転型ステレオカメラを考案し、建造物などを高解像度に撮影できるシステムを開発した。収集された情報の多さなど、通常のステレオシステムよりも非常に有効な情報収集手段であることが明らかとなった。
著者
西村 清和
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.1-14, 2003-03-31

In his film "Strike", Eisenstein abruptly cuts from a shot of the slaughter of workers to one of the slaughter of a steer. Such a cutting is understood as a typical example of film metaphor, while it has been not incontrovertible among theorists whether it is a real metaphor. Do film metaphors or, more generally, visual metaphors exist in the world? We could enumerate three types of traditional theories of metaphor, i.e. the substitution, the comparison, and the interaction theory. These have a conception in common that metaphor is, just like synecdoche and metonymy, a relation between two things referred to by two words. Meanwhile, influenced by Max Black's epistemological view of metaphor, philosophers often use the word 'metaphor' in the expanded sense including 'analog-model' or 'symbol'. It is sure that an analog-model is a mode of recognizing the world based on the relation between two things. But metaphor is, we claim, nothing other than a linguistic phenomenon of predicative modification of a subject. If it is true, it follows that metaphor in its proper form can not appear at the dimension of such visual images as paintings and films.