著者
高橋 優三 長野 功 呉 志良
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.355-359, 2009 (Released:2010-09-01)
参考文献数
2
被引用文献数
1

1) プレゼンテーション技術は重要であるが,この技術付与のための時間を正規の医学部カリキュラムに盛り込む余裕は少ない.学生が発表を上手に行うことの重要性に気がつき,かつそのコツを学ぶ事を目的に,自己評価(学生が自分の発表を)および同僚評価(学生が同僚の発表を)する評価シートを作成した.2) この評価シートには,プレゼンテーションの技術についてチェック項目が網羅されている.このチェック項目の近辺には,それに関連した発表技術のコツが併記され,チェックの作業をしているうちに,その技術を学べるように工夫されている.3)この評価シートは,学生と教員両者に役立つ.学生は発表の仕方を自から学び,教員は発表内容の指導に専念できる.
著者
三輪 公忠
出版者
上智大学
雑誌
ソフィア (ISSN:04896432)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.96-101, 1971-06
著者
真船 えり
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.35-56, 1998-12

1. はじめに2. 精神的実体と人格の同一性3. 人格の同一性についてのヒュームの問い4. 「附論」におけるヒュームの'迷路'5. おわりにIn A Treatise of Human Nature, I, iv, 6, Hume presents his arguments on the issue of personal identity. In the previous section, he discussed the issue of the substance of the soul, assumed to be the a priori foundation of personal identity in those days. The purpose of this paper is to clarify one of Hume's intentions in discussing the problem of personal identity. This paper attempts to examine (1) the relationship between the notion of the substance of the soul and the problem of personal identity, (2) Hume's question about the problem of personal identity, and (3) the meaning of Hume's labyrinth of personal identity. In the course of examining these issues, it will be shown that Hume did not mean to deny the existence of the self when he called the notion of substance or personal identity 'fiction' in his arguments. Because Hume used the word 'fiction' in his own meaning, related with the imagination. Hume's programme is not the justification of the belief of personal identity, but an explanation of the origin of the notion. Further, Hume's labyrinth suggests, paradoxically, the hope of special treatment for the problem of personal identity.
著者
門倉 光隆 野中 誠 山本 滋 片岡 大輔 伊谷野 克佳 柴田 雅彦 谷尾 昇 川田 忠典 高場 利博
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.14, no.7, pp.785-790, 2000-11-15
被引用文献数
2

術後呼吸困難感の表現や程度は患者によって様々であり, 疼痛の有無など不確定要素が含まれるため定量的評価は困難とされている.そこで「度合いスケール」のうちvisual analog scale(VAS)を用いて開胸術前後における呼吸困難感の評価を行った.胸腔鏡下手術を除く肺部分切除23例, 肺葉切除27例の計50例を対象とし, 術前および術後120病日の間で定期的にVAS測定とHugh-Jones呼吸困難度分類(H-J)評価, 呼吸機能検査, 血液ガス分析を施行した.VASとH-J分類は良好な相関関係を示したが, VASと呼吸機能検査結果との間では, 術前FEV_<1.0>%, PFとの間, 術後は最大吸気量との間以外に相関関係は得られなかった.なお, 術後H-Jは速やかに術前の分布状態まで回復したのに対してVASでの回復は遅延し, さらにH-JI度に属する患者の中に僅かながらも呼吸努力感や不快感の存在が確認された.VAS測定は僅かな呼吸困難感の変化を連続的数値で定量評価する方法として妥当と考えられた.
著者
田中 雄次
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学社会文化研究 (ISSN:1348530X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.67-90, 2006-03-31

この論考は、ハリウッドにおいて生涯重要な位置を占め続けたルビッチの幾つかの作品と、1920年代にハリウッドへ進出したF.W.ムルナウの作品、ドイツ最初の近代的なプロデューサーであり、映画のビジネスとしての要請と芸術上の要請を結びつけるすべを熟知していたE.ポマーのハリウッドでの活動、それにハリウッドで数本の作品に出演し第1回のアカデミー賞男優賞を獲得した名優E.ヤニングスの活動を中心に、ドイツ国民映画がハリウッドでの影響下でどのように変容したかを検討することに主眼を置く。
著者
今井 康文 森田 英毅 高瀬 徹 古賀 博之
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.55, no.509, pp.147-151, 1989-01-25
被引用文献数
7 7

Time-dependent thermal stress singularities at a semi-infinite crack tip associated with a transient temperature field have been analyzed on an infinite plate with a point heat source near the crack tip. As the heating begins, a mode I singularity increases gradually with time, but, after showing its maximum, decreases to be negative. This singularity variation causes a crack to start growing at some instance, but soon after to stop. That is, crack growth may be controlled, which is desirable for a cutting device for brittle materials. Deflection of a heating point from a crack line results in a mode II stress singularity, which also leads a crack to swerve from the original crack line. In an experiment using glass plates, a crack was successfully controlled to grow and also to branch in any angle toward the heat source as long as the heating location was kept appropriately apart from the crack tip.
著者
青森地方気象台
出版者
気象庁
巻号頁・発行日
vol.2010, 2010-01-14
著者
武内 恵美子 山田 奨治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.9, pp.73-80, 2007-01-27

本研究は、江戸時代の上方歌舞伎における演奏者の活動傾向を、主成分分析を行うことによって解明しようとする試みである。安政5(1858)年から慶応3(1867)年までの10年間に発行された上方の役割番付511点を基礎データとし、演奏者の劇場への出演傾向を調査した。さらに主成分分析を行うことによってそこに一定の要素すなわち「角」「中」「天満」の各劇場への主成分が検出できることがわかった。このことから、演奏者の歌舞伎への出演傾向は劇場の「格」と関係があり、ある程度の劇場に固定して出演する傾向を示す演奏者が存在すること、したがって「格」が演奏者にも適用される可能性があることを解明することができた。In this study, I attempted to analyze the casting pattern of Kabuki musicians in the Kyoto and Osaka area by using the Principal Component Analysis. I constructed a data from 511 Kabuki "yakuwari Bandukd\ casting programs of the Kyoto and Osaka area in the Edo period, from which I extracted some casting patterns of the musicians. The analysis of the data shows that there had been several principles of each theater such as "Kadd\ "NaJca" and "Tenma". The analysis also enables to illuminate that the casting pattern of musicians is determined by "kakii\ these principles of each theater which are considered as a rank. Moreover, the analysis of data implies that the rank of theater is applied to the rank of groups of musicians.
著者
藤野 寛之
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.230-241, 2007-11-01

イギリスの国立図書館ブリティッシュ・ライブラリー(British Library)は,1972年の成立から現在にいたるまでに,6回にわたる将来計画としての「戦略計画(Strategic Plan)」を発表し,その存在をアピールしてきた。本稿は,この「戦略計画」がそれぞれどのような内容を持ち,計画がどのように変遷していったか,その背景に何があったかを見きわめる試みである。ブリティッシュ・ライブラリーの「戦略計画」は自己の改革を目指したものであったが,図書館の将来の方向への改善と軌道修正を含んでいるため,今後に続く取り組みもまた,世界の図書館界から注目されることになろう。
著者
太田 伸広 Ohta Nobuhiro
出版者
三重大学人文学部文化学科
雑誌
人文論叢 (ISSN:02897253)
巻号頁・発行日
no.26, pp.41-73, 2009

一方的恋愛結婚は、柏手の意思を確認せず、一方的な恋愛感情で相手をもらう結婚である。一方的恋愛結婚の特徴の一つは、一方的に惚れ、結婚しようとする者は、社会的地位、身分が相手より上で、しかも男性だということである。もう一つは、一方的恋愛結婚は相手の意思、考え、感情などを無視した結婚であるにもかかわらず、実際にはそれが苦難、困窮、いじめ、迫害からの主人公の救済になっていることである。そしていじめたり、迫害した者は悲惨な罰を受けることが多い。次は、グリム童話と『日本の昔ばなし』の相違点である。前者では、家の干渉などまったくなく、惚れて結婚しようとする者が自分の思いをはっきりと打ち明けて結婚するが、後者では、一方的に惚れて結婚しようとするほどに積極的な気持ち、愛情があるのに、自らの思いを相手に打ち明けない話が半数近くもある。親任せ、家任せなのである。グリム童話では主人公はほとんど全員が外見の美しさに惚れるが、『日本の昔ばなし』では主人公の多くが内面の美しさに惚れる。
著者
山下 雅永
出版者
北海道教育大学
雑誌
情緒障害教育研究紀要 (ISSN:0287914X)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.47-52, 1989-03-11

自閉症の子どもに接触を求めようと笑顔で近寄っていく。そうすると,たいていはめんどうな様子で斥けられることがほとんどである。自閉児が時おり見せる常同行動,自症行為,機械的なことばのくり返しといったものの中には,私たちが理解できるしるしの何一つもないように思われる。自閉児の世界は,私たちの世界とは全く異なったところに存在するかのようである。 私はT君という一人の自閉症の子どもと関わりをもった。このT君と私の世界が近づき重なり合うことがあるのか,その接点はどこに見い出されるのか。このことがまず何よりも重要な課題であった。このT君との共有点を見い出すべく試行錯誤をくり返したが,関わりのきっかけは身体を介しての遊びによって得られ,その後は身体を通じての活動を多く試み,二人の共有体験を深めることに努めた。この共有体験の深まりの中で,二人の間で徐々にサインが育っていくに至り,このことがまた,新たな関わりの道を開くきっかけとなった。

2 0 0 0 OA 児童の自殺

著者
三田谷啓 編
出版者
三田谷啓
巻号頁・発行日
1916
著者
金森 修
出版者
岩波書店
雑誌
思想 (ISSN:03862755)
巻号頁・発行日
no.958, pp.100-128, 2004-02
著者
大野木 裕明
出版者
仁愛大学
雑誌
仁愛大学研究紀要. 人間生活学部篇 (ISSN:21853363)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.97-107, 2010-12-30

太宰治の小説「瘤取り」(『お伽草紙』所収)に現れる登場人物2名のキャラクターを心理学的方法によって把握するために、研究1では分析ツールとして「ジョハリの窓」理論を用いて作品中のキャラクター記述の箇所を分類整理した。研究2ではSD 法(5件法12尺度)を大学生男女合計181名に対して実施し、彼らが読後にイメージとして抱いた登場人物2名のプロフィールを検討した。