著者
松山 剛 渡部 広一 河岡 司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.26, pp.173-180, 2007-03-16

コンピュータによる円滑な会話を実現するためには,人間が持つ常識的な知識や,社会生活を営むための文化に関する国語や算数などの教養知識からなる常識知識を用いて,文章を理解することが必要になる.日常会話の中には数量を含む文章や演算が必要な文章があり,人間は常識知識を用いて言葉の意味,文脈,数量の論理関係の判断を行うことにより文章を理解している.そこで,数量を含む文章の代表的なものとして,演算が必要な算数に関する文章である算数問題に着目し,その解決を目指す.そして,辞書や常識知識を用いて,自然言語文章から対象とする問題を判定し,正しく判定された問題に関しては解答を求める算数問題解決システムを構築する.There are sentences including the word about quantity and sentences which needs calculations in the daily conversation. We humans understand the sentences by judging meaning of the word, the context and logical relation of the amount with "Commonsense Knowledge." We focus on "arithmetic problem" which is typically including the word which means an amount. And the problem needs an calculations, too. We construct Solution System in Arithmetic Problem using "Commonsense Knowledge." This system is able to judge "arithmetic problem" from natural language sentences, and answers the problem judged from those sentences correctly by using dictionaries and "Commonsense Knowledge."
出版者
校倉書房
雑誌
歴史評論 (ISSN:03868907)
巻号頁・発行日
no.720, pp.1-75, 2010-04
著者
坂本 研一 菅野 徹 山川 睦 吉田 和生 山添 麗子 村上 洋介
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.91-94, 2002-01-25
被引用文献数
3

2000年に92年ぶりに日本で口蹄疫の発生があった.宮崎県の第3発生農家の黒和牛のプロバング材料を牛腎臓細胞等に接種して2日後に円形細胞が浮遊する細胞変性効果が認められた.RT-PCR法で口蹄疫ウイルスに特異的な遺伝子の増幅が認められた.抗原検出ELISA法で分離された口蹄疫ウイルスがOタイプであることを同定した.この分離ウイルスのVPl遺伝子の塩基配列を決定した.
著者
小野 智弘 本村 陽一 麻生 英樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.111, pp.79-84, 2005-11-15
被引用文献数
3

近年の情報やコンテンツの爆発的な増大およびユーザニーズの多様化に伴い,ユーザが欲する情報の選択を支援する推薦システムへの要求が益々高まっている.映画鑑賞の場合,家族と観るか恋人と観るか,元気であるか沈んでいるか等,状況や気分に応じてユーザの嗜好は変化する.これまでの推薦方式はユーザの履歴情報やプロファイル,コンテンツの特徴に基づいて推薦を行う方式が主流でユーザの状況に関わらず同じ結果となってしまう.一方場所などの状況に基づいて推薦候補を絞りこむ方式も提案されているが同一の状況に対してはどのユーザにも同じコンテンツが推薦されてしまう.筆者らはこれらの問題を解決するためにユーザの履歴やプロファイル等の情報と気分や場所などの状況の依存関係をベイジアンネットにより表現し,個人差と状況に応じて最適なコンテンツを推薦する方式の研究を行っており,本発表ではこの経過を報告する.With the flood of various information and contents through the Internet, the need for recommendation systems that assist users in finding the information they desire is increasing. In case of movie recommendation, user preference may change according to his situation such as mood and location etc.. Existing approaches which use user profiles and/or histories are insufficient as they provide the same results regardless of users' situation. Context-aware methods such as location-based services are neither sufficient as they cannot provide personalized recommendation. In this paper we propose a recommendation system which achieves context-aware personalized recommendation based on Bayesian network by making use of various information related to user profiles, histories, situations, and content attributes.
著者
安田 比呂志
出版者
日本橋学館大学
雑誌
紀要 (ISSN:13480154)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.15-27, 2007-03-01

ディヴィッド・ギャリックの改作版『ロミオとジュリエット』は、「恋人としてのロミオ像」を確立し、1748 年の初演以降、97 年にわたってイギリスの劇場で高い人気を誇っていた。その一方で、18 世紀には、「恋愛」という主題が非倫理的・反社会的な性質を伴うものであり、したがって悲劇には不適切であるという認識が浸透していた。本稿の目的は、当時の倫理的規範に反するとさえ考えられる「恋人としてのロミオ像」の確立を、ギャリックがどのようにして可能にしていたのかを、18 世紀の『ロミオとジュリエット』を巡る議論と彼のテキストの分析を通して明らかにすることにある。ギャリックのテキストには、18 世紀当時『ロミオとジュリエット』が抱えるとされていた様々な問題に対処しようとする改作意図が具体化されている。「韻文と言葉遊び」の多くを削除し、プロットや登場人物の性格付づけを簡潔かつ明瞭にし、性的な言及を減らすことで、語法的・構造的・倫理的な問題を解消しているのである。ギャリックは、更に、恋人たちの恋愛の周辺に親たちの争いという枠組みを設定し、親たちの争いのために恋愛の成就を妨げられるロミオの苦しみを明確にすることで、ロミオの「恋愛」を純化、英雄的な行為にまで高めると同時に、恋人たちを死へと導いた争いをやめない親たちの愚かさを強調することで、観客の批判の対象を恋人たちの「恋愛」の性質から親たちの愚行へと向けている。こうしてギャリックは、「恋愛」という主題を悲劇に相応しい主題へと変貌させていたのである。ギャリックの改作は、台詞を大幅に削除し、プロットにも改変を加えているために、19 世紀末以降過小評価されて来た。しかし、彼の創意工夫なしには、「恋人としてのロミオ像」はもちろん、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』さえ、18 世紀の観客に歓迎されることはなかったのである。ギャリック版『ロミオとジュリエット』の上演史における貢献の大きさは、改めて評価される必要がある。
著者
藤井 洋一 今村 誠 高山 泰博 鈴木 克志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.212-213, 1997-09-24
被引用文献数
4

近年大量のテキスト情報がインターネットなどを通じてアクセス可能となるにつれて, 蓄積された文書の分類整理を目的とする文書の自動ファイリングへの要求が高まっている。特に文書内容による自動ファイリングが望まれる。そのための技術としてベクトル空間モデルがある。ベクトル空間モデルによる自動分類は自動学習可能なため, 大量のテキストデータを扱う場合に適している。しかし, ベクトル空間モデルによる分類は単純に単語の出現頻度のみを捕らえて分類先を決定するため分類精度に問題があり, 精度向上のための方式が提案されている。例えば, 河合は単語の意昧属性を用いて分類精度が向上することを示し, 福本はクラスタリングにおいて辞書の語義文を用いた多義解消により精度が向上することを示した。我々は, [1]で指摘されている単語の多義性を共起情報を用いて解消すれば精度向上すると予測した。ただし, 従来の言語学で言われる「多義語」を多義解消するのではなく, 分類が詳細になった場合顕著となる複数分類項目で頻繁に出現する単語に注目した(例えば, 単語「大統領」は<首相<や>大統領選挙>といった複数の分類項目で頻繁に出現する)。この, 複数分類項目で頻繁に出現する単語を「分類多義語」と定義し, 共起情報を用いて「分類多義語」の多義を解消した自動分類を試みた。今回, 本方式で自動分類した結果と, 河合の方式のうち単語のみの情報で自動分類(従来方式と呼ぶ)した結果とを比較し, 本方式が有効な場合を明らかにする。また, 従来方式でも本方式でも解決できない点を分析する。
著者
山本 貞司 高橋 守 野上 貞雄
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.217-222, 1998
被引用文献数
5 3

Parasitological and histopathological examinations were carried out on 13 wild raccoon dogs, Nyctereutes procyonoides, having severe dermatitis captured in Tomioka-Kanra district, Gunma Prefecture. All of the raccoon dogs examined were infected with a great number of Sarcoptes scabiei, but not with Demodex. Histopathological examinations of the autopsy specimen demonstrated prominent hyperkeratosis, acanthosis and papillomatosis and numerous cross-sections of S. scabiei in the horny layer. S. scabiei were considered to be the cause of the dermatitis of these wild raccoon dogs.
著者
長堀 祐造
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
中国研究 (ISSN:18825591)
巻号頁・発行日
no.2, pp.91-126, 2009

1. 増田渉著『魯迅の印象』 : 同伴者作家は語る、「農民を殺すのはよくない」と。2. AB団粛清と富田事変3. 魯迅の反応が意味すること(1) 増田の紹介する「上海文芸の一瞥」の革命文学者批判(2) 魯迅、馮雪峰をからかう。「君たちがやってきたら、まず私を殺すんじゃないか」(3) 魯迅、ソ連への病気療養行きを断る(4) 革命が来て、それでも命があったら上海の道路掃除でもやりましょう(5) 増田証言の魯迅研究のおける意義