著者
中村 尚弘
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.68, no.567, pp.63-70, 2003
被引用文献数
9 3

In order to perform time history earthquake response analyses in consideration of both the dynamic soil-structure interaction and the nonlinear behavior of the structure, it is important to transform the soil impedance in the frequency domain to an impulse response in the time domain. The author have studied the time domain evaluation of soil impedance, and proposed a transform method. In this paper, deeply embedded structures in the layered soil were investigated based on embedded SR model. The strong frequency dependent soil impedance was transformed to the impulse response, and earthquake response analyses were carried out in the time domain. The efficacy of the proposed method was confirmed through these studies.
著者
畠山 兆子
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
no.54, pp.82-95, 250, 1999-01-31

What kind of televised animation has most attracted Japanese children of today? "Pocket Monster, " which was originally made for a data-trading game for Nintendo's Gameboy, has been overwhelmingly popular. Consideration will be given to the detailed analysis of the animation's structure in comparison with its orginal game and comic scripts, which are found in children's monthly magazines such as "Korokoro Comics" and Shogakukan's "Primary Grader: 4th to 6th." In particular, major features of both the openings and the endings, as well as their broadcasting time schedules will be thoroughly examined to illustrate why "Pocket Monster" has become so popular.
著者
高久 雅生 江草 由佳 寺井 仁 齋藤 ひとみ 三輪 眞木子 神門 典子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
pp.1005110019-1005110019, (Released:2010-05-24)
参考文献数
41
被引用文献数
3

Web利用者の情報探索行動の理解のために,眼球運動データ,ブラウザログ等の情報を包括的に用いて,ユーザ特性,タスク種別の違いがいかに探索行動に影響しうるかを検討した.ユーザ特性として図書館情報学専攻の大学院生と一般学部生の2グループを設定し,それぞれ大学院生5名,学部生11名が実験に参加した.タスク種別としてレポートタスクと旅行タスクの2つを設定して,それぞれ15分間ずつのWeb探索行動を観察した.実験の結果,タスク種別の影響として,サーチエンジンの検索結果一覧ページ上における視線注視箇所として,旅行タスクではスポンサーリンク,レポートタスクではスニペット領域がより多く見られるなど,タスク毎に着目する情報が異なることが示された.また,旅行タスクではサーチエンジン検索結果一覧ページから2回以上たどったページの閲覧回数がより多く,異なるタスクにおいて情報収集方略が異なる傾向が示唆された.一方でユーザ特性の影響として,大学院生は学部生に比べて,ページ閲覧をすばやく行い,タブ機能を用いた並列的な閲覧行動も観察されるなど,効率的な情報収集を目指した行動の差異が見られた.
著者
高橋 透 大久保弘崇 粕谷 英人 山本 晋一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.35, pp.41-48, 2006-03-23
被引用文献数
2

XSDML は,CASE ツールで利用される情報がマークアップされたソースプログラムの XML 表現である.本稿では,木に対する差分抽出アルゴリズムをXSDML に適応させた XSDML Diff を提案する.XSDML Diff を用いることでプログラムのバージョン間の木構造を意識した差分を CASE ツールで扱えるようになる.XSDML Diff の特徴は,一般に大きな計算量を必要とする木の差分抽出アルゴリズムに対して実用的な時間で動作すること,差分を構成する編集操作がプログラムに対する編集の操作に対応していること,そしてCASEツール応用に適した差分表現の出力形式を持つことである.This paper presents XSDML Diff that is an algorithm for detecting changes for XSDML, which is XML representation of source program for CASE tool platform. XSDML Diff compares two files with concentrating on their tree structures. Features of XSDML Diff are : (1) it works in practical time, while usual tree diff algorithms require large amount of time. (2) tree edit operations are chosen to match source program edit operations. (3) its output format suits CASE tool applications.
著者
大西 仁 田中 健二 近藤 智嗣 近藤 喜美夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, 1996-03-11

国立大学等教育・研究施設に地球局を整備し、衛星通信を教育・研究交流に活用するスペースコラボレーションシステム(以下SCS)事業が1996年に開始する。SCSでは、放送教育開発センターにHUB局を設置し、回線制御を行うために、他の地球局に無線従事者の資格を持つ者を配置する必要がなくなり、容易に衛星通信を利用することができるようになる。また、各施設で通信費を負担する必要がない。これらにより大学間等での教育・研究交流がより活発に行われるようになることが期待される。しかし、回線数に制限があるために、任意の局間で同時に通信を行うことはできない。そこで、効果的に回線を割り当てるようにスケジューリングを工夫する必要がある。本稿の目的は、SCSの予約管理において考慮すべき問題を洗い出し、予約管理システムと運営法構築のための議論を行うことである。
著者
末永 斂 劉 維徳 繆 建吾 徐 薇
出版者
長崎大学熱帯医学研究所
雑誌
熱帯医学 (ISSN:03855643)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.p229-234, 1982-12

アカイエカの産卵活動の季節的推移が1981年8月から1982年7月までの1年間にわたり上海市内の復興公園で調べられた.容量約10lの水がめに水をはり,少量の麩を入れてイエカ用の産卵容器とし,これを公園の一角の人家に隣接した木蔭に設置した.この水がめを毎朝点検し,水表面に産み落されているすべての卵塊を採集して卵塊別に小容器に収容し,27℃の恒温室内で2~3日間放置してそれらの孵化状況を調べた.その結果次のことが明らかになった.アカイエカの産卵活動は平均最高気温が30℃を越す夏の間はむしろ低調である.年間を通じて2つの活動の山があり,最盛期は8月下旬から9月上旬にかけてみられ,もう一つの山は7月上旬頃にみられる.11月下旬から翌年4月上旬までの最高平均気温が10℃以下を示す寒い期間は産卵活動がみられない.1982年春最初の卵塊は5月上旬の最高平均気温が23.9℃,最低平均気温が15.0℃のときに採集された.この蚊の活動の消長は年により,地理的,気候的及び環境的条件によって異なると思われるが,上海におけるアカイエカの産卵活動の季節的推移の型は日本におけるこの蚊の成虫の季節的消長の型に似ているようである.The seasonal change in the oviposition activity of Culex pipiens pollens was observed at Fuxing Gongyuan (Renaissance Park), Shanghai for one year from August, 1981 through July 1982. An earthen jar of about 10 litters in size and containing wheat bran solution was set up as an ovi-trap for house mosquitoes in a corner of the park. All egg rafts of Culex pipiens complex, which were deposited on the water surface in the jar, were picked up every morning and examined for hatching in the laboratory. From the results of the survey, the oviposition activity of Cx. p. pollens in Shanghai seems to be rather low during the summer when the maximum temperatures are over about 30 C. Two clear peaks of the activity were observed; higher peak was in late August through early September and lower one was in early July. No egg rafts were found from late November, 1981 to late April, next year, when the maximum temperatures were below about 10C. The first egg rafts in 1982 were collected in the begining of May when the temperatures were 23.9C (Mean Max.) and 15.0C (Mean Min.). Although the seasonal distribution of activity seems to be different every year by climatic and environmental conditions, the pattern of seasonal change in the oviposition activity of Cx. p. pallens in Shanghai is similar to the pattern of seasonal distribution in adults of this mosquito in Japan.
著者
千坂 武志 Corvalan Diaz Jose
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要. 第2部 (ISSN:05776856)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.37-61, 1979-12-20

1970年度の文部省の海外学術調査で「千葉大学南米アンデス山地の地質・古生物学的研究」が実施された。幸いにも私はこれに参加する機会が与えられ,チリ,アルゼンチンの両国に同年の10月から12月まで約3ケ月間出張した。私は主としてチリ国,南部のマドレデデオス島(聖母の島という意味)においてフズリナの化石を採集した。ここは米国のワシントン市にある国立博物館に勤務している、レイモンドCダグラス博士によってくわしく調べられている所であるが,筆者が研究したところ新しく3種類を発見した。しかもそのうち2種類は新種であることがわかった。本研究にあたってはカルロス ルイス フーレル博士をはじめチリ地質調査所の方々から研究に非常な便宜をはかって下された。本研究で層位学の方の研究は主として,ホセコルバランデアス博士がなされたフズリナの研究は主として千坂が担当した。ここから産するフズリナの地質時代は下部二畳系を示している。フズリナの形態的な特徴は個体数は多いが種類の数は少く,殻は細長く,隔壁がうすい。またやせ衰えたような形をしているので,生活環境は非常に悪かったと思う。その原因は寒い気候と関係があるのではないかと思う。
著者
小杉 礼子 堀 有喜衣
出版者
東京大学
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.5-28, 2004-01-31
被引用文献数
1

これまで様々な論者によって研究が進められてきた「フリーター」は,主として「残業のない正社員なみ」に働いている若者が多く含まれていた.こうした若者を本稿では「中核的」なフリーターと位置づけ,「あまり働いていない」者を「周辺的」フリーターとし,さらに「働いていない」者を「無業」として,その現状と問題を明らかにした.政府統計を用いた分析によれば,(1)「周辺的フリーター」はおよそ35万人,無業者はおよそ80万人と推計される(2)90年代後半以降,非在学・非家事の「無業」が増加している,という傾向が見られた.また都道府県別に失業と無業の関係をみたところ,若年男性では雇用情勢の厳しい都道府県で無業化していたが,女性については家事従事者が増加するためはっきりした相関が見られなかった.こうした「周辺的フリーター」の増加に対して,すでに就業支援を行っている機関に対してインタビューを行い,若者に対する認識と,その認識に基づく支援の論理の構築を探った.インタビューによれば,これらの諸機関の活動はそれぞれの範囲では十分機能しているものの,しばしば限定的な支援を正当化する論理へと帰結しているという問題が見出された.今後は,これまで十分に注目されてこなかった「周辺的フリーター」の現状把握と,若者から信頼される支援のさらなる構築が求められる.
著者
島田 義弘 橋本 周司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27

情報的にもエネルギー的にも自律したロボットの基礎実験とについて報告する。ここでは、エネルギー源として太陽光を用いるが、ここまで太陽電池を用いたロボットは、様々な分野で提案されてきた。月面調査ロボットなどは、これを使った自律型ロボットの代表的な例であるといえる。しかし、これは太陽エネルギーが十分に確保出来る月面だからこそ可能であるように見える。そこで、太陽電池とセンサを用いたロボットが、陰日向そして障害物が多く、自律移動出来るほどのエネルギーが容易には得られない地球上で、いかなる戦略をロボットに与えたら自律動作出来るのか、ということを、実際にロボットを製作し、フィールド実験を試みることにした。
著者
松井 芳郎
出版者
新日本出版社
雑誌
季刊科学と思想 (ISSN:02877384)
巻号頁・発行日
no.14, pp.152-167, 1974-10
著者
上野 誠也
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.386-391, 2008-07-01

航空宇宙システムの制御系は,その故障が重大な人身事故や多額の損失に至るために,高い信頼性が要求されている.本稿では,事例を紹介しながら,開発の歴史や将来の方向性を解説する.航空システムの制御系は,機体に搭載されたハードウエアのみならず,パイロットを含む閉ループ系で考察する必要がある.さらに地上支援の管制を含めれば,管制官を含むシステムで信頼性を扱う必要がある.安全性を高める目的で様々な対策が取られているが,人間が介在するために,人間中心の設計が重要であることが要求されている.一方,宇宙システムでは逆に人間が介在できない環境下で長期間運用することが要求されている.制御系を構成する電子部品には宇宙空間は厳しい環境であり,その環境でシステムが連続的に成立し続けることが必要である.高い信頼性の部品を使用し,冗長構成が採用され,故障が生じた時のFDIR機能を組込んだ制御系が使用される.それが厳しく制限させられたリソース内で実行されなければならない.また,ハードウエアの信頼性だけでなく,ソフトウエアの信頼性も高めることも必要である.その対策の事例を紹介する.