著者
知地 英征 後藤 千津子 松本 恵 土佐 孝文
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.79-83, 2002-02-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
4

1)羅臼コンブ50gからイオン交換樹脂処理を行いグルタミン酸の結晶約1gを得る簡便な学生実験方法を考案した。2)コンブから単離した結晶と試薬のグルタミン酸,およびうま味調味料「味の素」のペーパークロマトグラフィーのRf値が一致することから,三者が同じものであることを確認した。3)本実験により,学生はうま味調味料及びアミノ酸の理解が深まり,正しい食品化学の知識を身に付けることができた。また分析の基本技術であるクロマトグラフィーの原理についても理解が深まった。
著者
Hsihui Chang Souhei Ishida Takuma Kochiyama
出版者
Research Institute for Economics & Business Administration - Kobe University
雑誌
The Japanese Accounting Review (ISSN:21854785)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-22, 2018-12-31 (Released:2019-01-28)
参考文献数
47
被引用文献数
4 4

Following Demerjian, Lev, and McVay (2012), we quantify managerial ability using a sample of Japanese listed firms for the period 2005-2015. Consistent with their findings, we find that the estimated managerial ability is strongly correlated with manager-fixed effects. Further, we find that the managerial ability is economically and significantly associated with the stock price reactions to CEO turnovers and changes in future return on assets following CEO turnovers. Our results are robust to alternative specifications of DEA models and inputs used in the estimation of firm efficiency. We contribute to the literature by generalizing the validity of the managerial ability introduced by Demerjian, Lev, and McVay (2012) to a non-US setting.JEL Classification: M10, M41Keywords: Managerial ability, Japan, Stock returns, ROA, and CEO turnovers.
著者
水谷 令子 久保 さつき 西村 亜希子
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.55-61, 1996-11-30 (Released:2011-01-31)
参考文献数
13

三重県における粥占いを調査し, 稲作農業との関連について考察した.1.粥占いは, 四日市から松阪までに分布しており, この領域は, 伊勢平野の稲作地帯とほぼ一致している.2.占いの対象は, ほとんどが, 稲作の早稲, 中稲, 晩稲である.一部では, 麦, 小豆, 野菜類が加わっている.3.粥占いはおそらく, 小正月に民俗行事として行われていたものが, 後になって, 五穀豊穣を願う神事としても行われるようになったと考えられる.4.ある地域では, 小豆粥を用いて占いが行われている.小正月に小豆粥やぜんざいを食べて無病息災を願う風習があることとの関連が考えられる.
著者
奥 真美
出版者
環境法政策学会
雑誌
環境法政策学会誌 (ISSN:2758044X)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.26, pp.12-20, 2023-06-01 (Released:2023-07-07)
著者
北村 俊郎
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.338-341, 2013 (Released:2019-10-31)
参考文献数
4

福島第一原発事故から2年が経過し,電力会社は防潮堤建設や非常用電源の増強などの対策を進めているが,それは主に直接的原因に対応するものである。国会事故調の委員長がいみじくも「メイドインジャパン型の災害」と評したが,今回の事故の背景には,日本社会に根ざす問題が多々存在する。事故は,この国の原子力開発の歴史の集大成であり,その過程でのさまざまな誤りの帰結と言ってよい。
著者
北川 尚美
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1_42-1_47, 2020-01-01 (Released:2020-05-29)
参考文献数
5
著者
丸山 翔 伊藤 千晶 安藤 道晴 若山 佐一
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0098, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】近年,注意の向け方により新しく獲得する運動過程に大きな影響を与える可能性が示唆されている。注意とは「意識の焦点化と集中」と定義され,学習者の能動的な注意をどのような対象に向けるかという注意の焦点をいう。従来,運動学習の過程において,一つ一つの身体部位(以下 身体内部)の動きに注意を払いながら運動を行うことが大事であった。このように意識的に運動を制御する過程が,歩行のような自動的な運動を獲得するために必要な過程だと考えられていた。つまり,言語教示を与える際に,自身の身体内部に対し注意を向けるInternal focus of attention(以下IF)が有効だと考えられていた。しかし,Wulfら(1998)は注意の焦点を自身の身体と接するものなどである身体外部,外部環境に対し向けるExternal focus of attention(以下EF)の方がIFに比べて運動学習の効果が高く,自動性を高めると述べている。これは,従来の考えとは異なる見解である。また,先行研究の多くはスポーツスキルの学習で検証しているものが多く,理学療法分野で検証している先行研究はほとんど見つからなかった。そこで本研究の目的は,理学療法分野において,言語教示により注意の向け方を変えることで動的バランスを獲得していく運動学習の過程にどのような影響があるのか比較・検証することとする。【方法】対象者を若年健常者39名(男17名,女22名,年齢23±1.93歳)とし,ランダムに,control(以下CON)群15名,IF群12名,EF群12名の3群に群分けした。同一の課題を3群で実施し,群によって異なる言語教示を行った。運動課題は,動的バランスを測るY Balance Test(以下YBT)を測定した。指示内容は,対象者に課題を実施してもらう際に,CON群には注意に関する口頭指示は与えず,IF群には身体に注意を向けるような口頭指示を与え,EF群には外部環境に注意を向けるような口頭指示を与えた。測定回数は,初回1回,練習5回,保持テスト1回の計7回とした。YBTとは,立位で下肢を3方向(前方・後方外側・後方内側)にどれくらいリーチできるかを測るバランステストである。方法は,開始肢位を直立姿勢とし,リーチする下肢を浮かせながら目的方向へのばし,浮かせたまま直立姿勢に戻る。その時のリーチ距離を測定する。この動作を3方向各々に実施してもらう。3方向の総合値をYBTの計算式に沿って数値化する。計算式は以下の通りである。{(前方リーチ距離+後方外側リーチ距離+後方内側リーチ距離)/(棘果長×3)}×100初回と保持テストでの変化量を比較した。統計は,群間比較はTukeyの検定で解析し,その後effect sizeを求めrと表記した。有意水準はp<0.05とした。統計ソフトは,SPSS16.0Jを使用した。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は所属施設の倫理審査規定に基づき,書面および口頭にて説明し,同意を得て行った。【結果】群に対する多重比較法の結果,CON群とEF群で有意差あり(95%CI:5.07-13.52,r=0.75 large effect size)。IF群とEF群で有意差あり(95%CI:0.75-9.65,r=0.68 large effect size)。CON群とIF群では有意差なし(95%CI:-0.13-8.32,r=0.49 medium effect size)。【考察】注意の向け方により,健常者の動的バランスにどのように影響するかCON群,IF群,EF群で比較した。その結果,EFの有利性が示唆された。EFの言語教示により,EF群の方がCON群と比較し有意に学習効果があった。これは,先行研究での,EFは運動の制御過程への意識的な干渉を少なくし,自動的な運動制御を促進するという考えを支持する結果となった。IF群とCON群とでは,結果に有意な差が見られなかった。今回,IF群は言語教示により適切な身体内部の動きを獲得したことによりCON群に比べ学習効果が得られやすいと考えていた。しかし先行研究にて,IFのように運動の制御過程に意識的に介入すると自動的な運動を妨害することが示唆されている。その結果,IF群では自動性が阻害され学習効果が打ち消し合ってしまったと考えられる。CON群に関しては,適切な身体内部の動きを獲得できず,無意識にIFで運動制御をしてしまうため,学習効果が得られにくいと考えられる。今後は,測定日から1ヶ月後に保持テストを実施し,長期でもEFの学習効果が永続されているかも含め,検証していく。【理学療法学研究としての意義】臨床場面では,IFによる言語教示が多いように思える。そこで,先行研究に基づき言語教示をIFからEFに変えることでパフォーマンスが向上するのであれば,理学療法の治療において今までにない切り口になり,臨床的な介入の効果を向上させる可能性がある。
著者
栗原 敦 (実践女子大学
出版者
日本イメージ心理学会
雑誌
イメージ心理学研究 (ISSN:13491903)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.27-30, 2022 (Released:2022-03-07)

凡常の目には並外れていて受け容れ難く,異常にも映ったままに語られたり,あるいは逆に天才として崇めたてられ勝ちでもある宮沢賢治だが,生涯を貫く作品創作行為(と社会的実践行動)は,近代ファンタジー概念の生成に重なる先駆的な試みに他ならなかったことを,その「ファンタジー」の使用例を踏まえつつ確認する。
著者
鴨田 博伸 大畠 好博 青木 一男 仁科 哲夫
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.18, no.11, pp.804-808, 1969-11-20 (Released:2010-05-07)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

The structure of commercial transparent and translucent soaps have been investigated by means of X-ray diffraction, with the following results. 1) The structure of commercial transparent soap is not completely amorphous, but is believed to consist essentially of rather finer crystalline structure than ordinary opaque soaps.
著者
工藤 和俊 鳥越 亮 根本 真和 進矢 正宏 沢田 護 三嶋 博之
出版者
日本生態心理学会
雑誌
生態心理学研究 (ISSN:13490443)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.52-53, 2016-09-01 (Released:2021-01-27)
参考文献数
4

本研究では,自動車運転による間隙通過の際の注視点計測を行うことにより,運転時の視覚-運動協調について検討した.実験では7名の参加者が乗用車を運転して100m 先の障害物(パイロン)間を通過する間隙通過課題を行った.この際の注視点をアイマークレコーダーを用いて計測した.また,車両幅の知覚における個人差を明らかにするため,静止した車両の前方に置かれたパイロン位置を車両の左右端に合わせる車両幅知覚課題を行った.その結果,知覚課題における誤差(実際の車両幅と知覚された車両幅の差)と間隙通過課題時の障害物注視確率との間に正の中程度の相関が認められた.この結果は,車両幅知覚の誤差が小さかった参加者は運転時に進行方向である間隙中心を注視していた一方で,車両幅を過大に知覚していた参加者は障害物を注視することによって車両の接触可能性を確認するという注視行動が生じていたことを示唆している.これらの注視パターンはそれぞれ,目標方向への移動および障害物の回避課題において典型的に認められることから,自動車運転による間隙通過時の注視行動は拡張された身体である車両の行為可能性を反映していると考えられる.

1 0 0 0 OA 焼結含油軸受

著者
渡邊 〓尚
出版者
Japan Society of Powder and Powder Metallurgy
雑誌
粉体および粉末冶金 (ISSN:05328799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.769-776, 2001-09-15 (Released:2010-07-12)
参考文献数
37
被引用文献数
1 3

Porous sintered bearings are of a metal structure containing a multitude of pores that are connected with each other and also with the surface. The pore volume incorporated in the bearings varies from about 10 to 40 vol%. This pore volume serves as strage for a fluid lubricant with which the part has been impregnated during its manufacture. In most applications, the lubrication is produced within the bearing itself.This report is containing an outline of sintered porous bearings and introductions of writer's researches on the bearings and then, some suggestions on the progress of the bearings, in conformity with the writer's research life for about fifty long years.
著者
吉村 剛
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.329-339, 2011-11-25 (Released:2011-11-28)
参考文献数
74
被引用文献数
9 9

外来木材害虫であるアメリカカンザイシロアリは,1976年に東京の住宅で初めてその被害が報告されて以来,現在では日本全土に広くその分布を拡げつつある。アメリカカンザイシロアリの総合的防除には,個々の要素技術の集積である住宅レベルの総合的防除と,地域からの根絶を目指した地域レベルにおける総合的防除の2つのレベルがある。最近の研究成果によって住宅レベルにおける個々の技術的課題は克服されつつあり,今後は根絶に向けた地域レベルでのシステムづくりが鍵となる。予防および駆除における新しいアメリカカンザイシロアリ対策を一つの突破口として,日本における木材保存産業の発展を期待したい。
著者
髙橋 圭 関 豪
出版者
学校法人滝川学園 名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.85-90, 2022-03-31 (Released:2023-06-01)

熱中症は暑熱環境に体が適応出来ずに体温が上がることで起きる疾患である.教育現場では毎年5000件程度発生している.また,毎年1000人以上の高齢者が亡くなっている.各省庁が熱中症予防のために指標やガイドラインを作成しているが,個々人の習慣によって予防することが重要だと考える.そこで今回,食事・栄養や運動に焦点を当てた熱中症予防の方法についてまとめた. 食事としての予防は,(1) 喉が渇いていなくても水分をこまめにとること,(2) 水分補給できる食材を食べること,(3) 塩分はとりすぎに注意して補給すること,(4) 朝ごはんもしっかり食べること,(5) 調理方法や食事内容を工夫することが考えられる.運動による予防は,暑熱順化が起きるよう汗をかく程度の運動を習慣づけて行うことが考えられる.