著者
Kiyotaka MORI Takashi OKADA Kazuya OGURI Yoshitake NISHI
出版者
Society of Advanced Science
雑誌
Journal of Advanced Science (ISSN:09155651)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1-2, pp.49-54, 1997-06-30 (Released:2010-02-25)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

Effects of car coating treatment on resistance to environmental corrosion and on cracks formed by collision were studied by microscopical, spectroscopical and mechanical methods. Treated and untreated samples aged for three years were used to examine the surface brightness, the water repellency and the crack appearance. From the results, it was verified that this excellent coating material mainly consists of silicone polymer and the treated car-body surface has resistance to corrosion and superelasticity.
著者
生野 彰宏 南川 佑太 竹林 慎一郎 奥村 克純
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.23-32, 2021 (Released:2021-04-20)
参考文献数
47

Many studies have shown that folate deficiency induces DNA hypomethylation and DNA damage. DNA hypomethylation is thought to occur during DNA replication through deficiency of the DNA methylation donor synthesized using folate. However, the relationship between DNA hypomethylation and DNA damage caused by folate deficiency is not well understood. Here, we analyzed DNA damage caused by folate deficiency during the cell cycle S phase in which DNA hypomethylation occurs. Using HeLa cells, we first detected accumulation of intranuclear γ-H2A.X, a DNA double strand break marker, by immunofluorescent staining. We found that DNA damage occurs primarily during S phase, and that folate deficiency enhanced S phase-dependent DNA damage. We also found that folate deficiency caused slowing of the DNA replication fork and a delay in the onset of middle-late S phase. Detailed analyses of DNA damage in S phase progression suggested that the folate deficiency-induced DNA damage increased in all stages of S phase, particularly in middle-late S phase cells. To examine the relationship between DNA damage and DNA hypomethylation, we analyzed the methylation state of the promoter region of the human LINE1 repetitive sequence, where heterochromatin is formed and replicated during middle to late S phase. We found that DNA methylation decreased by about 10% under the folate deficiency condition. Taken together, our results suggest that DNA hypomethylation is associated with DNA damage caused by folate deficiency.
著者
中嶋 彩乃 古屋 正貴
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨 平成30年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
巻号頁・発行日
pp.19, 2018 (Released:2018-06-24)
参考文献数
1

様々な変色性を示すガーネットがあり、それらの分光特性と化学組成の分析を行った。1998 年にマダガスカル南部の Bekely から発見されたガーネットは、変種としてはパイロープ-スペサルティン・ガーネット(マラヤ)に分類され、 D65 光源下で帯緑青色~青緑を示し、 A 光源下では赤色になる。その色は含有される V3+によるものである。右図の 1)は Bekely 産の青緑色(D65)と赤色(A)を示すもので 1.3%(以下すべて蛍光 X 線分析による酸化物としての重量比)の V を含み、 Cr を 0.16%しか含まないものである。一方、 2)はスリランカ産の紫色(D65)と赤色(A)と弱い変色性を示すもので、ガーネットの固溶体比率はほぼ同じだが、 V を 0.10%とほとんど含まず、 Cr を 0.53%と多く含むものである。ともに 570nm 付近をピークとする吸収を持つために変色性が起こり、 1)の方が青~緑色域の透過が多く、赤色域の透過が少ないために色が違っている。3)は南アフリカやスリランカなどを代表的な産地とする帯緑褐色(D65)と赤色(A)を示すもので 1)のタイプと同じく、 0.3%の少ない V3+によって 570nm に弱い吸収のあり、それによって弱い変色性を示す。ガーネットの変種は、同じくパイロープ-スペサルティン・ガーネットであり、 V の含有量が少ないために緑色域の吸収も弱く、 D65 では褐色になっている。また、 460,483nm の Mn2+による吸収も見られる。4)はタンザニアやケニア Umba 渓谷などから産出するロードライト・ガーネットで、アメリカ、ヨーロッパなどでピーチカラー(黄桃)と呼ばれる褐色(D65)からピンク (A)に変わる極めて弱い変色性を示すものである。これらは V を 0.2%以下とほとんど含まないが、 Fe2+による 570nm を始め 506、 526、 696nm の吸収が見られる。しかし、 Mn2+による青色域の吸収も弱く、青色域の透過が多いため、 570~506nm 付近が吸収の谷となり、わずかな変色性が見られるものである。これらはすべて 570nm 付近の吸収が透過の谷となり、変色性の原因となっている。また、 Bekely タイプの中には V を多く含むことで吸収帯が広がり、 5)のように紫~青色域のみが透過するスペクトルになり、 D65 光源では帯緑青色を示すものもあり、これらは以前にはないとされていた青色のガーネットとなる。
著者
藤森 眞理子 山田 和人 原沢 英夫 西岡 秀三
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地球環境シンポジウム講演集 (ISSN:18848400)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.267-272, 1997-07-03 (Released:2010-06-15)
参考文献数
16

The summer of 1994 and 1995 in Japan were extremely hot and a lot of impact was observed in many fields of Japanese society. Such impact of extreme events will work as indicators to detect longer term changes and impact of global warming. In this paper, information and reports about the impact of hot summers were reviewed to find the characteristics of social impacts, especially in the fields of water resources, nature, agriculture, energy and health. More detailed quantitative research are required to assess future vulnerability and mitigation options for the impact of global warming.
著者
池田 翔 松田 憲亮 池田 拓郎 永井 良治 中原 雅美 岡本 龍児
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.973-976, 2015 (Released:2016-01-09)
参考文献数
19
被引用文献数
6 1

〔目的〕転倒予測指標として応用歩行予備能力の有用性を検討する.〔対象〕二次予防事業対象者の高齢女性36名.〔方法〕運動機能評価,歩行周期変動,応用歩行予備能力,生活活動量,転倒恐怖感を測定し,転倒経験の有無でこれらの平均値を比較した.転倒予測因子を多重ロジスティック回帰分析から検討し,Receiver-Operating-Characteristic曲線からカットオフ値を求めた.〔結果〕転倒群では歩行周期変動が有意に増加し,応用歩行予備能力と生活活動量が有意に低下した.応用歩行予備能力は転倒予測因子として有用性は認められず,生活活動量と中等度の相関を認めた.〔結語〕応用歩行予備能力は生活活動量の評価と併用し,移動能力の補足的な値として利用できる可能性が示唆された.
著者
白井 孝尚 井尻 朋人 鈴木 俊明
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.433-437, 2021 (Released:2021-06-20)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

〔目的〕結帯動作は肩甲骨前傾,下方回旋が重要である.肩甲骨前傾,下方回旋に関与する僧帽筋上部線維が弛緩しにくい場合の結帯動作に与える影響を知ることを目的とした.〔対象と方法〕健常成人20名の僧帽筋上部線維に電気刺激を与え,弛緩しにくい状態を再現させた結帯動作と電気刺激を与えない結帯動作を実施させた.肩関節外転,伸展,内旋角度や肩甲骨前傾,上方回旋角度,結帯距離を比較した.〔結果〕電気刺激により結帯距離の延長,肩甲骨前傾角度減少,上方回旋角度増大を認めた.〔結語〕僧帽筋上部線維の筋緊張は,結帯動作に影響することが示された.結帯動作の実用性改善には,僧帽筋上部線維の筋緊張や肩甲骨運動が重要であることが示唆された.
著者
津屋 英樹 藤野 芳男
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.26, no.12, pp.1029-1038, 1972-12-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
69

光エレクトロニクス用材料として重要な光変調材料および非線形材料の研究は, 近年著しく進歩した.ここでは, それらの原理と, これまでに開発された諸材料の特性や育成方法について, 特に実用上重要と思われる屈折率の光学的均一性に重点をおいて概観する.さらに, 今後解決しなければならない問題点について言及する.
著者
原田 達
出版者
追手門学院大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

今日、さまざまな学問分野で 「知の資本」 概念が多用されている。しかしいまだ統一されたイメージは確定されていない。この概念はおおきく分けて二つの意味で用いられている。ひとつは 「知」 の経済機能に注目したもの (A.シュルツ) 、もうひとつが 「知」 の政治機能に注目したもの (バクーニン以降のアナーキズムの系譜) 。しかし両者は十分な架橋がなされているのではない。その試みは、しかし、いくつか存在している。たとえばA.グールドナーの仕事、さらにI.セレニーの仕事はその例である。ただし、かれらの試みは十分に成功したとはいいがたい。ところで最近注目されているネオ・ヴェーバー主義者 (F.パーキン、R.コリンズ、R.マーフィーら) の 「閉鎖理論」 は 「知」 が一方では経済的機能をもちながらも、他方それを可能にする 「知」 の政治機能を重視して、両者の架橋にかなり成功している。しかも、かれらの理論はバクーニンの影響下にあるW.マハイスキーによって先導されているように思われる。 「知」 を 「権力」 と 「収益」 をめぐる 「閉鎖」 のメルクマールと把握することによってバクーニンからネオ・コンサーヴァティヴまでの 「知の資本 (論) 」 の系譜をたどることができるだろう。以上の研究成果は裏面に記した追手門学院大学文学部紀要 (これは研究成果報告書をかねる) において論じた。
著者
渡辺 恭平 郷右近 勝夫 前田 泰生
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.49-57, 2023-06-25 (Released:2023-06-28)
参考文献数
14

島根大学に標本が収蔵されている日本産コンボウヤセバチ類の寄主,訪花植物および分布を報告した.オオコンボウヤセバチGasteruption japonicum Cameron, 1888の寄主としてスミスメンハナバチHylaeus(Nesoprosopis)floralis(Smith, 1873),ヨーロッパメンハナバチH.(N.)pectoralis Förster, 1871,ニッポンメンハナバチH.(N.)transversalis Cockerell, 1924)(ムカシハナバチ科)およびオオジガバチモドキTrypoxylon malaisei Gussakovskij, 1933(ギングチバチ科)を初めて記録した.ヒメコンボウヤセバチG. boreale(Thomson, 1883)の寄主としてスミスメンハナバチとニッポンメンハナバチを初めて記録した.ミナミヒメコンボウヤセバチ(新称)Gasteruption sinicola(Kieffer, 1924)を西表島産の標本に基づき日本から新たに記録した.日本から5例目となるクボミコンボウヤセバチG. oshimense Watanabe, 1934を島根県から記録した.12科19種の植物を日本産コンボウヤセバチ科の訪花植物として記録した.日本産コンボウヤセバチ科の生態について考察した.
著者
成田 正直 眞岡 孝至 蛯谷 幸司 西野 輔翼
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.48-54, 2013 (Released:2013-01-24)
参考文献数
24
被引用文献数
4 5

ホタテガイの赤燈色貝柱における成分分析および色素の同定を行い,その抗酸化作用を調べた。赤燈色貝柱の一般成分,遊離アミノ酸は通常貝柱と有意差がみられなかった。MS および NMR スペクトルの結果から,赤燈色貝柱の主な色素はペクテノロンと同定した。ペクテノロンは,アスタキサンチンよりはやや弱いが,β-カロチンより強い抗酸化作用を示し,有用なカロテノイドと考えられた。
著者
栗山 翔 松田 明久 山田 岳史 園田 寛道 進士 誠一 代永 和秀 岩井 拓磨 武田 幸樹 上田 康二 宮坂 俊光 香中 伸太郎 吉田 寛
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.57-61, 2023-04-15 (Released:2023-05-15)
参考文献数
20
被引用文献数
1

近年,フレイル,サルコペニアが癌の治療成績に影響するという報告が多く見られる.身体的フレイルの重要な要因がサルコペニアであり,慢性炎症が原因となる.慢性炎症にはDAMPs(Damage‐Associated Molecular Patterns)が関与しており,circulating cell‐free DNA(ccfDNA)もDAMPsの一種であると考えられている.われわれは,ccfDNAの断片化の程度を測定し,周術期サルコペニア,ccfDNAと癌の治療成績の関連を検討した.術後半年後に撮影した腹部CT検査でPMI(Psoas Muscle Index)を測定したところ術後合併症を発症した群ではPMIが低値で,無再発生存期間が不良であった.また,術前にccfDNA LF(Long Fragment)を認めた症例では無再発生存期間が不良であった.術後合併症を発症しないことが重要であり,そのためにはサルコペニア,慢性炎症への対策が非常に重要であると考えられる.
著者
田中 周平 垣田 正樹 雪岡 聖 鈴木 裕識 藤井 滋穂 高田 秀重
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.75, no.7, pp.III_35-III_40, 2019 (Released:2020-03-23)
参考文献数
10
被引用文献数
2 4

本研究では,下水処理場の処理工程におけるマイクロプラスチック(以下,MPs)の挙動と琵琶湖への負荷量を把握することを主目的として,2017年11月~2018年2月に4か所の流域下水処理場(分流式)の流入水,放流水,処理工程別において100μm以上のMPsを,流入水と放流水ではさらに10~100μmのMPsの分析を行った.その結果,下水,処理水,汚泥,スカムなどから合計30種類のMPsが検出され,流入水中のMPs濃度は158~5,000個/m3であった.放流水中のMPs濃度は0.3~2.2個/m3であり,放流先の琵琶湖水中のMPs濃度と同等であった.一方,10~100μmのMPsの除去率は76.3%であった.100μm未満のMPsの除去は急速砂ろ過を行っても不十分であると示唆された.4つの下水処理場からの合計負荷量は501,630個/日と推計され,晴天時の琵琶湖流入河川からの総負荷量とほぼ同じであることが示された.
著者
双見 京介 寺田 努 塚本 昌彦
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.467-478, 2017-06-21

近年,コンピューティング技術を用いたモチベーション制御手法として競争を利用したものがヘルスケアなど様々な分野で開発されている.しかしながら,既存手法には競争による心理的影響を考慮しきれていないという問題がある.そこで,本研究では心理的影響を考慮した競争情報を用いたモチベーション制御手法を提案する.本稿では,まず日常の運動モチベーション向上を対象とし,競争においてモチベーションに影響する要因である,努力量に対する競争結果,競争相手との成績差,競争参加人数の3点による心理的影響への配慮をシステム設計に内包させた競争システムを開発する.提案システムでは活動量計から得た歩数を基にして,モチベーションに良い効果を与えるように補正された競争結果がフィードバックされる.プロトタイプシステムを用いた評価実験では,合計82 名の6 週間にわたる3 種類の実験を通して提示情報による歩数への効果を測定し,提案手法の有効性を確認した.
著者
田中 誠
出版者
立命館大学
巻号頁・発行日
2015-09-25