著者
陶浪 貞彦 三浦 康夫 井手 齊
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, 1974-09-15

直径2 m, 先端深さGL-31 mのベノトグイの先端スライム処理に有機高分子凝集剤を用いたF-P工法の実例について紹介する。施工の要点はつぎのとおりである。掘削完了と同時にハンマーグラブを引き上げ, ホースを孔の底から引き上げながら凝集剤(アニオン系コーナンフロックSKH 5)を孔内水量に対し18 ppm散布し, ハンマーグラブでカクハンする。水中に浮遊する微粒子は10〜20分の間にフロック状となり沈殿するので孔底に水中ポンプを投入してフロックを排出する。ついでハンマーグラブにより底の粗粒分をさらい, 鉄筋をそう入してトレミー管でコンクリートを打設する。この方法ではフロックの生成および排出が完全に行なわれる必要があり, 泥水採取器で孔底の泥水を採取するほかポンプから吐出される泥水の状態をチェックする必要がある。直径2 mでは10 cm径の水中ポンプを10個所以上移動させてフロックを排出する必要があり, 今後大口径グイに適したポンプの開発が望まれる。直径2 m, 深さ10 mの試験施工の結果孔底に幾分かのフロックが残存したが実用上は支障のない成果が得られた。
著者
橘 弘志 高橋 鷹志
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.62, no.496, pp.89-95, 1997
被引用文献数
38 10

The purpose of this paper is to clarify meaning of regional environments for elderly people by means of comparison of behavioral environments in housing complex area and those in town area. The method of this study is an interview with elderly residents in these areas about places to use, routes to pass, and communications they have in the area in everyday life. The findings are as follows. 1) Behavioral environments of elderly residents in two areas are quite different. 2) Opportunities of diverse communications and accessibility to places influence the quality of regional environments. 3) Two models of behavioral environment are found, those are intention-determinant model and action-inductive model. 4) Especially for the elderly, their behavioral environments are strictly regulated by the regional environment they live in.
著者
古川 智恵子 豊田 幸子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.11-20, 1982-03-31

北設楽地方における女の仕事着の戦後から現代までの着衣形態の変遷について,当地を調査した範囲から次の結果を得た.明治以前からひきつがれてきた北設楽地方の仕事着は,仕事の種類によって着丈を自由に調節し得る長着と腰巻に半幅帯をしめ,畑作,山仕事には,はばきをつける着衣形態が6ケ町村の共通パターンであった.地域により,水田作業の時には股引を,畑作,山仕事には,はばきのかわりに,たつけやもんぺを着用する着装形態であった.この主流形態は昭和20年頃まで続いたが,その後長着物,腰巻のワンピース形態から,上は腰までの丈の和服式上半衣,すなわち標準服又は活動衣とよよ半じゅばん形態と,下半衣はたつけがもんぺを組合わせる上下二部式の着衣形態への変遷が徐々にみられ始めた.昭和20〜30年の間はこの作業衣形態が主流をしめ,余り大きな変化はみられなかった.昭和23年の農家生活改善普及事業による農作業衣改善運動の影響により,少数の農村の婦人達は改良作業衣,洋服式作業衣の講習を受け導入を試みたが,大半の婦人達はそれを受け入れる経済的基盤がなく,従来の仕事着に強い愛着を示していた.昭和30〜40年にかけては,高度経済成長政策によって農家の経済生活は上昇し,生活様式も次第に洋風化してきた.仕事着も今までの和服様式から,和洋併用,又は折衷の形態がふえ,ズボン式もんぺ等ズボンの長所を採用した下半衣が着用された.昭和40年以後はアパレル産業の台頭とともに北設楽郡にも,地域によって遅速はあるが洋服化が進行し,既製の作業衣へと年次的に変化している.現在の仕事着は,水田,畑作,山仕事いずれの作業時においても,上半衣,下半衣の二部式着衣型式である.その組合わせは,腰切と既製もんぺ,ブラウスにズボン式もんぺ,ブラウスや綿シャツにジーンズ,あるいは既製作業衣上下,色とりどりのトレーニングウエアの上衣など,いずれの年代も既製で作られた仕事着を,色彩,形にこだわらず自由自在に和洋組合わせて着装している状態がみられた.そしていずれの地域においても,ほとんどの人がかっぽう着やエブロンを仕事着の上に着ている共通性がみられた.以上のことから現代では,地域性はほとんど消滅し,代わって既製作業衣という画一化が進みつつあるのが現状であるといえよう.第1,2報とも次の方々には調査に対し御協力を賜わり,ここに深く感謝申し上げます.稲武町……今泉常四郎氏 79歳,鈴木清敏氏 85歳.設楽町……熊谷好恵氏 86歳,沢田みよ氏100歳.東栄町……佐々本亀鶴氏 77歳,一の瀬しげの氏 81歳.津具村……村松まつの氏 97歳,村松しき氏 53歳.豊根村……青山鉄二郎氏 75歳,清川さだ氏 74歳.富山村……田辺正一氏 80歳,鈴木より子氏 67歳.
著者
柴村 恵子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.113-118, 1974-03-15

1.縞幅1:1,8:8,1:6,1:14.5,1:21の割合で,照度10, 100, 300, 500,1000,2000〔lx〕の場合では縦縞が一番見やすく,次に横縞,斜縞の順であった。2.同じ白:黒=1:1の割合でも0.1cmと0.8cm幅では0.8cmの広い縞の方が見え方段階はよくなる。3.距離と照度の関係を分散分析した所距離による影響は大であるが,照度による影響はあまり見られなかった。しかし,比率が大きくなれば距離による影響もあまりなくなる。4. 3m地点のあたりかち明るさが生地に光沢を与え,そのため白線がグレー,又は黄味がかったり,見え方において縞幅が違って見えたりする。これが派手,地味に見えるのに影響するものと思われる。以上の実験結果から横,縦,斜縞方向のワンピース・ドレスの表わすシルエットの感じはおよそ知る事ができた。この後は,動作にともなった実験を重ね,よりよい縞のデザインを究明したいと思う。終りに本研究を行うにあたり終始御指導いただきました岐阜大学教育学部の中野刀子教授,試料の測定に御協力いただいた愛知県三河繊維技術センターの志満津発司氏に厚く御礼申し上げます。
著者
阿部 邦子 宇津巻 幸子
出版者
島根県立大学短期大学部
雑誌
島根女子短期大学紀要 (ISSN:02889226)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.16-22, 1973-03-28

地直しは被服構成の中で無視することの出来ない重要な工程の一つである。能率的で効果の高い地直しの究明を目的としこの研究を行った。婦人用ジャケットの表地として多く用いられる10種の表地を試料とし,無処理布と縮絨店処理,霧吹処理,水浸6時間処理の地直しをした布がドライクリーニング,湿式洗濯,水浸30分操作により如何なる収縮性を現わすか,又この3つの処理が如何なる効果があるかを実験し,2,3の考察を得たので報告する。各地直し後のたての収縮率はフラノ,ギャバジンは,4.5%〜7%で最大,ツィード,ヘリンボーン,オットマン,ジャージが3%前後,アムンゼン2%前後,よこは殆どの物が1.5%以内である。タータンチェック,ハイニット,デニムは0.5%前後で,たてよこ同程度の収縮率である。湿式洗濯に対してはフラノ,ギャバジン,ヘリンボーン,ジャージは処理布でもたて1回目で平均2%〜5%の収縮率を示すので,その服は着用不能になると思われる。たゞしオットマン,アムゼンの処理布及びタータンチェック,ハイニット,デニムでは1〜2回の湿式洗濯ではたてでも収縮率1%以下に止るので,薄色の服でドライクーニングでは汚れが落ちにくい物等は湿式洗濯をしてもそう悪影響はないものと思われる。ドライクリーニングに対して処理布は5回目でも大部分の試料が1.2%以下であるが,無処理布は回を重ねるごとに上昇し2%〜3%にもなるのでやはり何れかの地直しをすることが必要である。同一試料においては3種の地直し後の収縮率とその後の洗濯操作による収縮率との関係は見られないが,各試料間の収縮率は,前者と後者は大体同傾向を示す。問題の多い湿式洗濯のたて地について3種の地直しを比べて見ると霧吹処理は比較的効果は少なく,平均して良いのは縮絨店処理である。今回の水浸処理は6時間にしたが,水縮30分浸せき実験の収縮進行状態を見ると殆どの試験布が1〜2回の操作で急激に収縮し,それ以後は横ばいか極くわずか上昇するだけなので水浸時間は2〜5時間で充分だと思われる。今後の課題として他の地直しの方法や,芯地,裏地の収縮性も合せて研究し,ワンピース,ジャケット等裏付の物を製作する場合の地直しと縫製方法の関係を究明してゆきたいと思っている。この研究にあたり文化女子大学成瀬信子先生の御親切な御指導御助言に深く感謝致します。
著者
冨田 元將 星野 聖
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.223, pp.9-12, 2009-10-01

カメラによる手指形状推定を情報入力に用いることを考えた場合,その入力画像には,「手指」と「前腕」が撮像されることになる.そのため,撮像された画像から「手指」領域のみを抽出し,推定する必要がある.本研究では,入力画像から「手指」のみを切り出すアルゴリズムを提案する,さらに,前腕の傾きを推定するアルゴリズムと組み合わせることで,手指がカメラにどのように撮像されて推定が可能なシステムを実現した.評価実験では,全指関節の平均誤差の平均値-2.11度,標準偏差±14.14度と高精度な推定を実現した.
著者
塩澤 和子
出版者
筑波大学文藝・言語学系
雑誌
文芸言語研究 言語篇 (ISSN:03877515)
巻号頁・発行日
no.45, pp.1-28, 2004

本稿では日本の新聞コラムを取り上げ、その文章構造について語句の反復表現を手がかりに考察することを目的とする。 コラムは、『広辞苑』(第5版)によると「①円柱 ②新聞・雑誌の囲み記事。短評欄」とあり、『大辞林』(第2版)には「①新聞や雑誌で、短い評論などを載せる欄。また、その記事。罫で囲まれることが多い。 ...
著者
塚田 松雄
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.371-383, 1981-12-30
被引用文献数
1

A theoretical examination of pollen dispersal suggests that : (1) in a forested region containing about 40% Cryptomeria japonica trees, 5.0% Cryptomeria pollen is found ca. 10 km away from the source forest ; and (2) an increase to 5.0% from a lower percentage indicates the actual arrival of trees sparsely distributed in the forest within 500 m. After its initial arrival, the Cryptomeria forest shows a logistic increase under climatically near optimal growing conditions. The standard empirical equation for this increase is expressed by p=50.0/(1+14.16 e^<-0.0014t>), where p is Cryptomeria pollen percentage at time t (yr). Combined pollen frequencies against time that are obtained from six bogs become scattered at higher levels, since the carrying capacity for the population is variablea among these sites. However, sigmoid curves of the Cryptomeria increase toward respective asymptotes are essentially identical from the initial rise up to the 25% level. It normally takes about 1,000 years for pollen percentages to increase from 5% to 10%, and an additional 1,500 years to reach ca. 35%. The fact that Cryptomeria increases logistically implies indeed that even when its pollen percentage is low at the beginning of the rise, climatic conditions must already be favorable for maximum growth of the species.
著者
三好 教夫 波田 善夫
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.285-290, 1977-12-30
被引用文献数
1

Makura moor is situated at the place of 720 m above sea level at Geihoku-cho within the Chugoku Mountains, in the northern part of Hiroshima Prefecture. From the results of pollen analysis, four major vegetational changes for approximately the last 10,000 years were recognized in the pollen diagram from the bottom to the surface. 1. Tsuga, Pinus (Haploxylon type), Picea, Betula stage (190-170 cm, 10,000-9,000yr B.P.) (R-I zone). 2. Cyclobalanopsis, Lepidobalanus, Alnus stage (170-80 cm, 9,000-4,000yr B.P.) (R-II zone) 3. Lepidobalanus, Cyclobalanopsis, Alnus stage (80-60cm, 4,000-1,500yr B.P.) (R-IIIa zone) 4. Pinus (Diploxylon type), Cryptomeria, Lepidobalanus stage (60-0 cm, after 1,500yr B.P.) (R-IIIb zone) The vegetational history can be regarded as the common one for the period from the postglacial age to the present time in the Chugoku Mountains, with one exception of Cryptomeria, the number of pollen of which is included in low percentage in the second and third stage compared with the results of another moors, such as Yawata moor, Sugawara moor, Kabosaka moor and etc.
著者
生田 真一 初瀬 一夫 川原林 伸昭 相原 司 望月 英隆
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.1554-1558, 2000-08-01
被引用文献数
1

症例は透析歴10年の48歳の男性.近医で直腸癌を疑われ当科紹介入院となった.術前検査中に黄疸が出現, 精査で肝門部胆管・直腸同時性重複癌と診断された.1998年8月6日, 拡大肝右葉・尾状葉切除, 胆管切除, 左肝管空腸Roux-en-Y吻合術を施行した.術前3日間は連日透析を施行し, 輸血により貧血を補正した.術中出血量は2,950ml, 尿量は0ml, 術中輸液は1号液と5%ブドウ糖液で維持し, 濃厚赤血球6単位, 新鮮凍結血漿(FFP)18単位を輸血した.術後輪液は50%ブドウ糖液とFFPを中心にGI療法を併用して1日1,500ml前後としたが, 心不全, 肝不全徴候は認めず血清K値は正常範囲で経過した.術後透析は48時間後から抗凝固剤にフサン^〓を用いて再開したが出血傾向は認めなかった.術後17週目に直腸癖に対しHartmann手術を施行した.慢性血液透析患者においても周術期管理に留意すれば, 広範囲肝切除などの高度侵襲の手術も重大な合併症なく施行しうると思われた.
著者
井出 敞 森 勇蔵 紺田 功 井川 直哉 八木 秀次
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.887-892, 1991-05-05
被引用文献数
1 1

A new approach to prepare diamond-like carbon film was made by highly accelerating ultra-fine carbon black particles between plane-parallel electrodes held at DC high voltage in 10^<-4> Torr, and by making the energetic particles deposit onto the surfaces of electrodes used as substrate. It became clear that amorphous hard carbon films grow only on cathode surface without heat generation and the growth rate depends on the rate of kinetic-energy flux given by the particles striking unit cathode area. The average growth rate of about 10 nm/min was obtained using a 180 mm dia. cathode with relatively low power supply. As for the properties of film prepared, the Vickers hardness value larger than 1 500 kgf/mm^2 and the semiconductive hopping conduction were observed, which are quite different from carbon black used. These suggest that the graphitic starting material may be transformed into considerably disordered carbon structure due to severe solid-to-solid impact, and a diamond-like carbon film of graphite rich may be formed.
著者
永田 次雄 永田 貴久 浜畑 美智子 佐藤 堅 村上 氏廣 榎本 真 田村 穣
出版者
日本毒性学会
雑誌
The Journal of Toxicological Sciences (ISSN:03881350)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.51-83, 1983-01-25
被引用文献数
1 1

ヒスタミンH_2-受容体拮抗剤ranitidineをビーグルに経口投与し, 急性毒性, 5週間亜急性毒性, 26週間慢性毒性および回復試験を行った。I. 急性毒性 1000, 1500, 2500, 3000 または 3500 mg/kgを雌雄各1頭に1回経口投与により, 投与直後より嘔吐, 振戦, 歩行失調を認めた。最高用量においては死亡例を認めなかったが3000 mg/kg群の雄1頭が死亡した。なお, 嘔吐が著しかったので3500 mg/kg以上の投与量での検討は行わなかった。II. 5週間亜急性毒性 1) 40, 80, 160 または 320 mg/kgを1日1回5週間経口投与において死亡例は認められず, 40 mg/kg群では異常は認められなかった。2) 80 mg/kg群では流涎以外に異常は認められず, 160 mg/kg以上の群においては流涎, 嘔吐および軟便などの症状を認め, 雄に軟便にともなう下部消化管の微細出血に関連して赤血球数, ヘマトクリットおよびヘモグロビンの有意な減少を認めた。3) 320 mg/kg群では体重の減少がみられたが有意差はなかった。また, 摂餌量の減少, 散発的な軽度のタール便を認めた。雄の赤血球数, 血清総蛋白の減少ならびに血小板数および網赤血球率の増加を認めた。4) 病理組織学的な検査において80 mg/kg群の雌1頭に大腸粘膜の一部に萎縮およびびらん形成を認め, 320 mg/kg群の雄1頭に大腸粘膜にびらん形成を認めたのみで他に特記すべき異常を認めなかった。5) 最大無作用量は40 mg/kgと推定され, これはヒト1日臨床用量の約7-8倍に相当する。III. 26週間慢性毒性 1) 40, 80または160 mg/kgを1日1回26週間経口投与を行い, 80および160 mg/kg群では試験終了後30日間休薬による回復試験を行った。この試験において死亡例は認められず, 40 mg/kg群では異常を認めなかった。2) 80 mg/kg以上の群では流涎, 嘔吐, 軟便など亜急性毒性試験に認められたのと同様な症状がみられた。3) 160 mg/kgでは摂餌量の減少, 体重増加抑制, 便潜血反応陽性を示し, これに関連した赤血球数の減少, さらに雄ではヘマトクリット値およびヘモグロビン値の減少を認めたが, 他に特記すべき変化は認めなかった。4) 病理組織学的所見においては, 特記すべき異常は認めなかった。5) 電子顕微鏡学的所見においては, 160および320 mg/kg投与群の輝板に軽度な変化がみられたのみで, 他に特記すべき変化はなかった。6) 慢性毒性試験にみられた上記の所見は, 休薬後は認めなかった。7)最大無作用量は40 mg/kgと推定され, これはヒト1日臨床用量の約7-8倍に相当する。(試験実施期間 昭和55年1月〜昭和56年8月)
著者
林 哲央 日笠 裕治 坂本 宣崇
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.9-14, 2003-02-05
被引用文献数
1

北海道の施設栽培条件において軟白ネギのリン酸施肥量を検討した。初期生育を高めるためには1000mg kg^<-1>程度の土壌有効態リン酸量が望ましいが,その後の生育は土壌有効態リン酸量が500mg kg^<-1>程度で大きく,この有効態リン酸量で十分な収量が得られた.これは同じAllium属作物のタマネギ栽培における有効態リン酸量よりも低水準である。土壌有効態リン酸量とリン酸施肥量との関係を検討し,土壌有効態リン酸量が200mg kg^<-1>未満ではリン酸施肥量は250kg ha^<-1>,200〜500mg kg^<-1>では100kg ha^<-1>,500mg kg^<-1>以上では無施肥と設定した.ただし,本結論の対象は主に褐色低地土であり,黒ボク土は対象から除いた.北海道道南地域の施設軟白ネギ生産地における農家ハウスの土壌有効態リン酸量は多くの場合500mg kg^<-1>よりも高く,多施肥されている圃場も多い.従って,本施肥法は軟白ネギ栽培ハウスの土壌有効態リン酸量を500mg kg^<-1>以内に抑制し,多くの農家ハウスにおいて土壌有効態リン酸量を長期的に適正な範囲で維持することを可能にする.
著者
鶴丸 弘昭 城戸 健雄 日高 達 吉田 将
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション
巻号頁・発行日
vol.95, no.429, pp.47-54, 1995-12-15
被引用文献数
1

本稿は国語辞典の語義文に現れる機能表現について調査・整理したものである。機能表現は,語義文の末尾に現れ,語義文から定義語,および,定義語と見出し語との間の階層関係を求める際に意味情報(ρ_<FE>)を与えるものである。調査対象は主として新明解国語辞典^<(1)>の語義文であるが,他の同様な辞典(旺文社^<(2)>,岩波^<(3)>,角川^<(4)>)も参考にしている。約一万の語義文^<(1)>のなかて,機能表現を含んでいる語義文は約1,500文であった。調査結果は,表1,表2,表3にまとめて示している。
著者
平島 剛 保坂 文教 本多 覚 恒川 昌美 伊藤 正澄 佐川 孝広
出版者
The Mining and Materials Processing Institute of Japan
雑誌
資源と素材 : 資源・素材学会誌 : journal of the Mining and Materials Processing Institute of Japan (ISSN:09161740)
巻号頁・発行日
vol.119, no.9, pp.553-558, 2003-09-25
被引用文献数
2 2

Fine waste concrete smaller than 5mm obtained from a recycling plant of waste concrete was used as feed and ground by a wet attrition mill. Recovery of the fine aggregate and cement hydrate powder from the ground fine waste concrete was investigated using a laboratory / pilot scale Mozley multi-gravity separator (MGS). The water absorption of the fine aggregate obtained as the high specific gravity product was less than 3.5 % and the dry density was larger than 2.4 g/cm<sup>3</sup>. The powder obtained as low specific gravity product contained about 29 % of fine aggregate. The reference for normal clinker and the mixture prepared by mixing the reference materials with 38 wt% of the powder were heated at 1,500 °C, with the hydraulic modulus adjusted to 2.18, the silica modulus to 2.8, and the iron modulus to 1.64. The phases of the clinker were identified and quantitatively determined by a microscopic point-count procedure and by the Rietveld analysis using XRD data. There was good agreement in the clinker minerals of the reference and the mixture clinkers. These results show that the fine aggregate and cement hydrate powder recovered from fine waste concrete by MGS can be recycled in cement and concrete production.
著者
小西 孝史 前田 義信 田野 英一 牧野 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.170, pp.25-30, 2008-07-20

我々は視覚障害者の歩行を補助する目的で,適応ファジィ推論ニューラルネットワーク(AFINN)を用いて現在位置を音声案内する「GPS-GIS位置案内システム」を開発した.開発した案内システムでは,地理情報システム(Geographic Information System:GIS)はユーザの周囲に存在するランドマークの知名度,正面方向,面積,重心(経度・緯度),ユーザの現在位置(GPSからの経度・緯度)と進行方向を取得する.これらは知名度,相対正面方向,ユークリッド距離,面積,相対進行方向,基準データの6つの要素に変換される,AFINNは以上の6つの要素より,認知距離に対応させるランドマーク重要度を算出する.このランドマーク重要度を用いることにより,現在位置案内を実現する.AHPを用いてユーザの嗜好を反映させた学習データをAFINNに導入することにより,汎用性の高い案内を得ることが可能となった.シミュレーションを用いてAFINNがユーザにとって有効な案内を出力することを統計的に示唆した.また実際に視覚障害者に案内システムを適用し,ユーザの観点から,システムの評価を得るとともに,意見を聴取した.
著者
Katoh Masahiko Murase Jun Hayashi Motoki Matsuya Kazuo Kimura Makoto
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
Soil science and plant nutrition (ISSN:00380768)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.721-729, 2004-10
被引用文献数
6

To estimate the impact of water percolation on the nutrient status in paddy fields, the seasonal variations of the concentrations of cations, anions, inorganic carbon (IC), and of dissolved organic carbon (DOC) in percolating water that was collected from just below the plow layer (PW-13) and from drainage pipes at the 40 cm depth (PW-40), as well as in irrigation water were measured in an irrigated paddy field. Total amounts of Ca, Mg, K, Fe, and Mn leached from PW-13 during the period of rice cultivation were estimated to range from about 390 to 770, 65 to 130, 33 to 66, 340 to 680, and 44 to 87 kg ha^<-1>, respectively. Amounts of losses that were estimated from the differences between the input by irrigation water and the output by percolation water from the plow layer corresponded to 11 to 26, 22 to 47, 5.9 to 12, and 13 to 26% of exchangeable Ca and Mg, amorphous Fe, and easily reducible Mn in the plow layer, respectively. The concentrations of Ca, Mg, K, Fe, and Mn in PW-13 were higher than those in PW-40. The amounts of these nutrients that were retained in the subsoil between the 13 cm and 40 cm soil depth corresponded to 83, 86, 61, 99, and 89% of the amounts that percolated from the plow layer, respectively. Total amounts of IC and DOC that percolated from the plow layer ranged from 750 to 1,500 and 85 to 170 kg-C ha^<-1>, which corresponded to 5.0 to 10.0% and 0.6 to 1.1% of the total carbon content in the plow layer, respectively. Eighty eight % of IC in the percolating water from the plow layer was also retained in the subsoil.
著者
新藤 恵一郎 辻 哲也 正門 由久 長谷 公隆 里宇 明元 木村 彰男 千野 直一
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.619-624, 2004-09-18
被引用文献数
2

書痙患者に対する低頻度反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の有効性を,ペン型簡易筆圧計を用いて検討した.書痙患者5例および健常群5名に対して,rTMSを一次運動野直上に安静時運動閾値の95%の刺激強度で1,500回施行した.書痙患者では,字体および書字評価のすべての指標(書字時間,最大筆圧,平均筆圧,変動値)で改善がみられたが,特に書痙患者に特徴的な拙劣さの指標である変動値の改善が著しかった.一方,健常群への影響は認めず,変動値において「健常群・書痙群」「rTMS前後」カテゴリー間の三元配置分散分析に有意な交互作用(p<0.01)を認めた.本研究により,rTMSによる書痙患者への効果が示され,また,簡易筆圧計による4つの書字評価の指標を組み合わせることにより,より鋭敏にrTMSによる治療効果をとらえることができる可能性が示唆された.
著者
筧 茂穂 藤原 建紀 山田 浩且
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.527-540, 2005-07-05
被引用文献数
2

鉛直的・空間的に密に測定されたAOUのデータからの線形回帰, あるいは表層と底層の栄養塩濃度の線形補間によって栄養塩現存量を算出し, その季節変動を明らかにした。下層のDIN現存量は, 1,500〜2,600tの範囲で変動し, 夏季に高く, 冬季に低かった。上層のDIN現存量は, 下層に比べ, 夏季は低いものの冬季はほぼ同じであった。DIPの現存量はDINよりも明瞭な季節変動をし, 冬季には上下層とも200tであるのに対し, 夏季には上層は400t, 下層では800tにまで増加した。現存量の時間変化量と海水交換による栄養塩変化量の差から見積もった生物・化学的要因による栄養塩の変化量は, 物理的要因(海水交換)による栄養塩変化量よりも大きかった。夏季の上層では, クロロフィル濃度の増加と対応してDIN・DIPが減少する場合があるものの, 両者が完全に同調するわけではない。夏季の下層における生物化学的要因によるDIP変化量は正であり, 溶出の影響が大きいことが示された。一方で, DIPの吸着や, 一年を通じて脱窒が起こっていることもAOUとレッドフィールド比から示された。