著者
小片 守
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.524, pp.27-32, 2001-12-13

個人識別とは, 身許不明の遺体や白骨が誰であるか, 現場に残された血痕などの斑痕や指紋などの皮膚紋理が誰に由来するものであるかを識別することであり, その対象によって様々な方法が用いられる。白骨の場合は, その性別, 年齢, 身長を推定して捜査範囲を絞り, 該当すると思われる人物を見つけて, スーパーインポーズ法, 復顔法等の形態学的検査並びに血液型, DNA多型等の遺伝学的検査を行って個人が同定されていく。今回は, 実際の白骨・歯牙鑑定例などをもとに, 法医学で行われる個人識別法の実際について御紹介する。
著者
柴本 岳治 柴崎 年彦 木下 照弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27

導波管不連続問題において、厚みの効果が著しいことは以前から指摘されている。しかしながら、これまでに多くの解析法や数値解法が示されているものの、問題を簡便化するために不連続の厚みは波長に比べ十分に小さいとし、近似的にゼロとして扱うのが一般的であった。近年、コンピュータの処理能力向上に伴ってより問題が厳密に扱えるようになり、厚みの影響を考慮した数値解法も示されるようになった。文献[2]において導波管容量性導体絞りによる不連続散乱問題に関して、変形留数計算法により散乱遺体の厚みを有限とした解析を行った。ここでは得られた解の収束性について検討を行って、見通しの良い数値解法への拡張を試みる。
著者
渡部 容子
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.37, pp.174-192, 1987-10-30

L'attivita letteraria di Italo Svevo puo essere divisa in due periodi : prima de La coscienza di Zeno e dopo di quella. Nel secondo periodo, cioe dopo La coscienza, parecchi suoi protagonisti sono la statua di Svevo come "sarebbe stata" anche se non e la statua reale dell' autore. Per esempio, nella Novella del buon vecchio e della bella fanciulla ci si accorge della distanza che esiste fra il punto di vista del protagonista e quello dell autore. Vuol dire che esistono due piani di narrazione : la narrazione del protagonista e quella dell'autore. E i due narratori funzionano come "altri" reciprocamente. Questo meccanismo di narrare su diversi piani, Svevo l'ha realizzato piu abilmente ne La coscienza di Zeno. In questo romanzo egli usa il piano dell'autore (in realta di un dottore psicanalista) e quello di Zeno stesso che si puo distinguere nel piano di narratore cosciente e nel piano del protagonista nel suo libero discorso. Questa struttura di diversi piani di narrazione ha favorito in Zeno/Svevo la libera descrizione del profondo del proprio cuore. Inoltre una nuova scienza, la psicanalisi che Svevo aveva introdotto ne La coscienza ha funzionato come abile strumento dell'espressione. Descrivendo per esempio i propri sogni, il protagonista/autore e riuscito ad oggettivare il proprio desiderio guardando direttamente il mondo dell'inconscio. La prova di descrivere il profondo del cuore, il quale non si potrebbe esprimere con le parole di uso quotidiano del mondo umano, Svevo l'aveva gia fatta nell'opera Argo e il suo padrone prima de La coscienza. In Argo, le parole di un cane Argo, i significati delle quali gli uomini non riuscirebbero ad intendere, funzionano come il discorso dell'altro e, nello stesso tempo, fanno parte dei metodi per chiarire il profondo del cuore umano (subconscio). Svevo ha potuto fare di questo discorso dell'altro uno strumento per la sua narratologia. Svevo ha vissuto dagli ultimi anni dell'Ottocento ai primi del Novecento a Trieste, dove si parlavano diverse lingue straniere e non poteva fare a memo di essere sempre cosciente del discorso delle parole degli altri. Grazie a questa coscienza e alla nuova scienza, la psicanalisi, Svevo e riuscito a costruire il proprio modo di narrare ed ha potuto descrivere con precisione e dettagliatamente il proprio cuore, cioe la verita. Questo modo di narrare ha condotto Svevo e protagonista a liberarsi dal proprio desiderio e dalle varie sue repressioni.
著者
望月朝香 鈴木 泰博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告バイオ情報学(BIO) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.128, pp.179-182, 2007-12-21

文章を読んだ後に「著者らしい雰囲気のする文章だった」と感じる経験はよくある。この目に見えない「雰囲気」、即ち作者特有の文体印象について、小説のテキストデータを数量化し分析することで考える。文体印象を醸し出す要素は様々考えられるが、本研究では①句読点の分布、②読みでの文字数、③文章表現方法・多頻出言語、の 3 項目に着目する。句読点の使い方に著者特有の文構造が、読みでの文字数では頭の中のリズム、文章表現方法・多頻出言語から著者の愛用語や単語使用方法の癖が現れ、文体印象の要素となるためである。本論文では作者の特徴の抽出に相当する①と②について行う。かかる特徴付けを行い文体や作家の雰囲気を数量化することで、雰囲気を用いた文献検索を可能にし、また作者不詳の歴史文献の作者特定へ応用することが可能である。The experience to feel when it "was the sentence to do of the atmosphere like the author" happens quite often after having read a novel. I consider "an atmosphere peculiar to an author" that this sight does not show, and analyzing the text data of the novel by amount becomes it. I think that it enable the document retrieval that we used an atmosphere for and do that I do quantification of the atmosphere of a writing style and the writer. In addition, I think that we can apply it to the author identification of author unknown history documents.
著者
荒木 猛
出版者
佛教大学
雑誌
文学部論集 (ISSN:09189416)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.69-87, 2000-03-01

明代に時行された「金瓶梅」には、うちに「水滸伝」の影響を色濃く残す「金瓶梅詞話」と、それにいろいろと手を加え作品としてより完成度の向上に務めた「新刻繍像批評金瓶梅」の両種の版本がある。この両種の版本にはさまざまな相違があるが、中でも、回目と標題詩の違いが顕著である。本稿は、この回目と標題詩にどのような違いがあるかを解明し、少なくとも、この両種の版本の編者は同一人物ではなかったであろうことを論じた。
著者
丸田 恵美子 紙谷 智彦
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.43-52, 1996-09-15
被引用文献数
5

太平洋型ブナ林とみなされる神奈川・山梨県境の三国山において,豊作年の翌年の1994年に,ブナの実生の発生・定着過程を追跡調査した。実生の枯死要因としては,乾燥死・動物害・虫害・菌害が認められた。発芽時前後の動物による堅果の持ち去りや,発芽直後の動物による被食や根の乾燥死も,それぞれかなりの割合で発生し,太平洋型気候のもとで積雪の少ないことが,実生の生存に対して不利に働くことを示した。しかし一年目の生育終了時の生存実生密度は,順調な更新を行っている日本海型ブナ林に比して同等か,それ以上であって,ブナ林の更新に対して,その最初の段階である健全堅果の供給と当年生実生の発生・定着過程において,1994年のコホートについては主要な阻害要因はないと結論づけた。三国山の調査地はブナを含めた立木密度が3195本/haと高く,林床の相対照度が平均2.2%と暗いことから,2年目以降の実生の生育が順調に行えない可能性がある。
著者
森本 司
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学研究紀要 (ISSN:13447459)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.93-103, 2002-03-31

この小論では,個別の言語活動のうち,対話をもとに考えられた理解モデルを,理解の「対話モデル」と呼ぶ。また,テキストにおける理解から考えられた理解モデルを,理解の「テキストモデル」ということにする。そして,両者がP.リクールにおいてどのような関わりを持つかを考察する。リクールの理解モデルが解決しようとしたことは少なくとも二つある。一つは,理解の「テキストモデル」を「対話モデル」から切り離したことであり,もう一つは解釈の対象(テキストの世界)を作者から解放したことである。一つ目の分離によって,作者からのテキストの解放が可能になった。この小論の目的は,リクールが理解の「対話モデル」と「テキストモデル」を理論的に切り離し,分断しすぎた点を問題にしたいということである。基本路線ではこのリクールの主張に従いつつ,細部に疑問が残ることを示した。
著者
松本 昭彦
出版者
愛知教育大学教育実践総合センター
雑誌
愛知教育大学教育実践総合センタ-紀要 (ISSN:13442597)
巻号頁・発行日
no.8, pp.189-196, 2005-02

絵の描き方を具体的に指示することは,制作者から「個性」と「創造性」を奪い,不自由さと苦痛を与えるものであると言われてきた。しかし,大学生を対象にキミ子方式で授業を行ってきたところ,多くの学生がこの具体的な指示のあるやり方に満足していることが,昨年度末の「学生による授業評価調査」の結果から判明した。絵画教育では,個性や創造性を発揮させるために自由に描かせることが重要なのではなく,自由に描けるように育てていくための具体的かつ系統的な教育方法が必要であると考える。
著者
内藤 真理子 鈴鴨 よしみ 中山 健夫 福原 俊一
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.110-114, 2004-04-30
被引用文献数
9 3

口腔疾患は,局所的な疼痛や咀聯機能障害を招くだけではなく,心理社会的,経済的に影響を及ぼす一要因として看過できないものである.近年,これらの視点から検討を行ううえで必要となるQOL尺度の重要性は増している.そこで,心理社会面の反映に優れ,かつ対象集団や状況に応じて補完項目やほかの尺度の併用を考慮できる包括的口腔関連QOL尺度開発を目的として,General Oral Health Assessment Index(GOHAI)日本語版作成に着手した.原作者から日本語版作成の許可を得た後,翻訳者による尺度の順翻訳を開始した.順翻訳された項目を基に,フォーカス・グループを通して討議を行い,暫定版尺度を作成した.この暫定版を使用して地域住民を対象にパイロット・スタディを実施し,その結果から質問紙の再検討を行った.質問文の長さや表現の難解さ,逆転項目の存在が問題点として示されたことから,可及的にオリジナルに忠実であるように配慮しながら,暫定版に修正を加えた.さらに,レイアウトや字体に関する検討を完了した後,逆翻訳作業を行った.原作者による逆翻訳の確認および最終的な了承を得て,GOHAI日本語版Version 1.0を完成させた.
著者
水野 昭憲
出版者
「野生生物と社会」学会
雑誌
ワイルドライフ・フォーラム (ISSN:13418785)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.11-17, 1995-08
被引用文献数
2

白山山中では, 1960年代に出作り, 焼き畑, 炭焼きが行われなくなって以来ニホンザルによる農作物被害の発生はみられなかったが, 1980年代以降再び猿害の発生が始まり年々拡大しつつある.その原因として, (1)戦前には普通に行われていたニホンザルの捕獲が禁止され, ニホンザルの個体数が増加し, 集落周辺まで生息するようになったこと, (2)過疎によって山村の人口構成が変化し, 森林への人の入り込みが減少し, ニホンザルが人を恐れなくなったこと, (3)観光業への期待と動物愛護思想の普及によってニホンザル駆除に反対する風潮が支配的となり, ニホンザルの人慣れが進んだこと, (4)1960年代以降それまでニホンザルを里から駆逐していた野犬の駆除と飼い犬の放飼の禁止が徹底し, ニホンオオカミ絶滅以降, ニホンザルが恐れる捕食種がいなくなったこと, が指摘できる.なかでも犬による影響は重要であったことを強調したい.
著者
遠藤 秀紀
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.17-22, 2002-03
被引用文献数
2

野生動物の遺体が,それ自体で意味ある研究対象として扱われることは,今日,非常に少ない。分子遺伝学と生態学で単純な採取材料として用いられることはあっても,解剖学が衰退する中,遺体そのものは,ほとんど研究されていない。そこで私は,解剖学の古典的問題意識を学界と社会の現実の情勢に合わせることで,新たに遺体研究の活性化を図りつつある。ここでは新たな遺体研究の体系を「遺体科学」と名付けよう。遺体科学の本質は,遺体の無制限収集に始まる。遺体科学においては,遺体から科学的にできる限り興味深い研究成果を残すという観点から,研究者のセンスが問われ続けている。そして遺体の標本化と収蔵,すなわち継承性を満たすことで,遺体科学は完成に近づく。遺体を廃棄物にすることを防ぎ,これを不滅の学術資産に昇華するために,遺体科学の推進を提唱する。
著者
竹内 博樹 荒井 秀一 城戸 健一 三井田 惇郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.97, no.396, pp.19-26, 1997-11-21
被引用文献数
3

本研究は、マスメディア上に流れる大量の音声データから必要な情報を検索する手段として、ニュース音声を対象にHMMを用いたワードスポッティングの利用を検討する。ワードスポッティングは、音韻情報に基づいて行われるため音声中によく似た音素列が存在するとキーワードとして誤検出される。そこで本研究では、キーワードの音素数と湧き出し数の関係について比較実験を行った。また、キーワードの調音点の変化に注目して、キーワードの推定出力尤度と実際に出力された尤度の関係について調べた。
著者
城風 敏彦 羽生田 博美 木下 哲男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.95, no.265, pp.15-22, 1995-09-28
被引用文献数
3

ネットワークニュースの柔軟な検索のためには,キーワードと類似の単語をもキーワードとする機能が必要である.本報告では,検索に有効と思われる幾つかの単語間類似度の比較実験を行ってその性質を調べた.実験に用いた単語間類似度とは,単語の共起関係,連接関係,近接ベクトルの類似度,表記類似度の4つである.また,これら統計的シソーラスと記号的シソーラスを統合した検索システムを作成し,各機能間の相互作用について検討を行った.
著者
岩爪 道昭 武田 英明 西田 豊明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.95, no.265, pp.79-86, 1995-09-28
被引用文献数
4

本稿ではオントロジづこ基づく情報の収集・分類法を提案する.近年、インターネットに代表される情報ネットワークで提供される情報源は急速に多様化、大規模化しており、人間の処理能力では対応が困難になってきている.従来の情報検索ツールには、対象領域に関する体系的な知識が欠如しているため、ユーザの要求と関連のあるものは何か判断したり、検索結果を体系的に分類して分かりやすく示すことは不可能であった.我々は、情報ネットワークに散在する大量の情報群から、オントロジ-を利用して必要な情報を自動的収集・分類する知的エージェントIICAを考案し、プロトタイプシステムの開発を行った.また、WWWおよびネットワークニュースを対象した情報収集および分類の評価実験を行った.実験の結果、我々のアプロ-チが、広域ネットワークに散在する多様な情報の収集・分類に有効であることが明らかになった.
著者
山岸 史典 佐藤 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.207, pp.47-52, 2003-07-10
被引用文献数
3

ハードディスクに映像を録画するハードディスクビデオレコーダーが盛んに販売されるようになった現在、映像の取り扱いが急速に容易になってきている。ストレージ技術の進歩により、ごく近い将来に個人で数千時間を越える映像を蓄積可能となる。そのような状況下ではより高度な映像アーカイブの利用手法が切実に求められ、さまざまな観点からのアーカイブの構造化や映像データマイニングが盛んに行われるであろう。その手法として同一映像断片探索が有望であることを示すために、ニュース映像アーカイブに対して同一映像断片探索を行い、探索結果を閲覧、検討するためのニュース映像ブラウザを実装した。ニュース映像アーカイブ上での同一映像断片探索結果を例示しつつ、同一映像断片探索のアーカイブ構造化・データマイニングへの利用可能性を論じる。
著者
今井 亨 シュワルツ リチャード
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.97, no.115, pp.75-82, 1997-06-20
被引用文献数
4

放送ニュース音声あるいはテキストからの話題抽出は、ストーリーの分類や検索、あるいは大語彙連続音声認識における言語的制約への利用が期待できる。本報告では、放送ニュースの各ストーリーから、関連する詳細な話題を複数個、同時に抽出するというタスクを設定し、数千の話題を対象にする。提案する話題混合モデルは、話題が単語毎に遷移し、話題毎の単語出力確率に従って、話題が単語を出力するというモデルであり、どの話題も意味しない一般的な単語を吸収するための特別な話題を持つ。話題混合モデルは一種のHMMであり、EMアルゴリズムによって、各話題は、その話題を直接意味する単語 (キーワード) をより多く出力するように学習される。英語ニュースのテキストおよび音声認識結果を入力とした話題抽出実験において、従来モデルよりも高い話題適合率を示した。