著者
深谷 訓子
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.41-54, 2005-06-30

It's often been suggested that paintings of "Cimon and Pero" must have evoked erotic sensation in the beholder of that time and the moral message was merely a pretext. This article tries to prove if it really was the case in seventeenth-century Netherlands. Both virtuous and erotic aspects are inherent in the story itself. Some representations of the theme were used for the promotion of charitable institutes, and some of them have been accused as being an erotic pin-up. Even the strict theologian such as Molanus, however, approved some kinds of paintings that derived from pagan antiquity as "moral images", and it is plausible that "Cimon and Pero" was seen as such. To see the actual situation, inventory documents are consulted. Some documents indicate that the paintings of Cimon and Pero were hung in voorhuys, the room almost public as the first room in which man received every guest. It is likely that Cimon and Pero could have been accepted not as a pretext but as the exemplum of piety at its face value.
著者
志々目 友博
出版者
Japan Society on Water Environment
雑誌
水環境学会誌 = Journal of Japan Society on Water Environment (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.469-476, 2006-08-10
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

The amounts of Co-PCB emission in Tokyo Bay basin were estimated using a multimedia environmental model, the CoZMo-POP model, which was developed for describing the long-term fate of persistent organic pollutatnts (POPs) in a coastal environment. The Co-PCB concentrations in sediment estimated using the model effectively explained the chronological changes in the concentrations in substances that settled at the bottom of sea water, which were estimated by a sediment mixing model based on the concentrations in sediment core samples. Furthermore, the estimated chronological changes in the amounts of Co-PCB emission in each year were in agreement with the chronological changes in PCB demand in Japan.
著者
石田 賢哉 笹原 まい子 波田野 隼也 長谷川 さとみ
出版者
青森県立保健大学研究推進・知的財産センター研究開発科雑誌編集専門部会
雑誌
青森県立保健大学雑誌 (ISSN:13493272)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.23-30, 2016-03

介護保険サービス利用者のうち,青森市成年後見制度利用支援事業(以下,本事業とする)対象者の見込値を把握することを目的に実態調査をおこなった。青森市内の68施設,167名の介護支援専門員から回答が得られた(施設単位でみる返信率51.1%)。担当件数総数は5302件で,そのうち判断能力に問題のある件数は1961件であり,所在地を青森市内とする1771名を分析対象とした。母比率の推定の結果,介護保険サービス利用者のうち,本事業の対象者の推計値は54名から108名であった。判断能力に問題があるものの,現在成年後見制度を利用しておらず,身寄りのある人は推計値で3857名から4186名であった。身寄りのない利用者は低所得者,統合失調症を有している人が多いことが明らかになった。継続的な実態調査をおこない,利用者層の変化の把握や利用者のニーズの掘り起こしをおこなう必要がある。The Adult Guardian System (AGS) was implemented in 2000. In 2012, municipalities should provide the Support Program to Utilize the Adult Guardian System for the Persons with Disabilities (SPUAGS) as community life support services.The purpose of this study was to investigate the actual conditions of the persons who used the Long-term care insurance service in Aomori city and to estimate the number of persons who would be able to use the SPUAGS. The study group sent questionnaires to the service providers, 68 of 133 providers (51.1 % ) answered the questionnaires, which covered 5302 users' information.1771 users out of 5302 any that problems with judgment capacities due to mental disabilities.The results showed that 2% of the users might be applicable to SPUAGS and about 4000 users might use AGS in the future. There was a tendency that the schizophrenic users without relatives' supports got lower income compared with the non-schizophrenic users with relatives' supports.The research group must take the estimation by continuous survey and have updated version of the data.
著者
茂木 俊伸
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.343-355, 2013-03-15

This study analyzes "difficult" words that appear in elementary−level Japanese language textbooks. The term "difficult words" here refers to words and expressions that are expected to be difficult to understand for children. This study first categorizes textbook terms based on two criteria : (1) how close or how removed is the term from the children's everyday life and (2) whether or not the term is specific to the subject. It then analyzes how difficult the terms in each category are to understand. Finally, On the basis of the experiences of elementary school teachers, this study analyzes characteristics of 1,795 difficult words taken from elementary−level textbooks.
著者
高 吉嬉
出版者
東京大学
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1-10, 1997-12-12

There is a wide gap of understanding modern history of East Asia by Koreans and Japanese people. It sometimes prevents two contries from improving the relationship. The aim of the present paper is to clarify such a gap in order to open the mutual educational horizon. The focus is a gap of understanding the separation and reunification of Korean Peninsula. The author summarizes recent surveys on mutual recognition between the two contries. Japanese indifference and ignorance of history and Koreans misperception were analized. By pointing out both Japan's and Korea's responsibility in the separation of Korean Peninsula, the present paper proposes the Japan's task and role for the reunification of North and South Korea to establish the peace of East Asia.
著者
冨澤 元博 大塚 博子 宮本 徹 山本 出
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.49-56, 1995-02-20
被引用文献数
6

シビレエイ電気器官のニコチン性アセチルコリンレセプターイオンチャンネル複合体へのイミダクロプリド関連化合物を含む各種リガンドの効果について, アセチルコリン(ACh)認識部位のプローブである[^3H]α-ブンガロトキシンおよびイオンチャンネル内のアロステリック部位のプローブである[^3H]フェンサイクリジンを用いたラジオレセプターアッセイにより検討した.ニコチン, アナバシン, カルバコールおよびシチシンはアゴニストであり, DMPP, コニイン, ネライストキシン, d-ツボクラリンはACh認識部位とアロステリック部位の双方に作用し, フェンサイクリジン, TCP, クロルプロマジン, メカミラミン, ロベリンおよびトリメタファンはアロステリック部位に作用する非拮抗的遮断薬であることを認めた.イミダクロプリド, 6-クロル-PMNIおよびアセトアミプリドは弱いアゴニスト作用を示したが, NMTHT, ニテンピラムなどには弱いアゴニスト作用とともにイオンチャンネル内に存在するアロステリック部位への弱い作用が認められた.
著者
兵東 巌
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.437-446, 2000-11-20
参考文献数
16
被引用文献数
4 5

1995年2月から1998年2月までに岐阜大学医学部口腔外科を受診した舌痛症の患者16例に対して, 漢方医学的診断(証)に基づいた治療を行った。舌痛症の患者は, 男性3名女性13名で44歳から75歳であった。使用した漢方薬は延べで加味逍遥散8例, 人参養栄湯6例, 立効散5例、人参湯, 帰脾湯各4例, 黄連解毒湯3例, 半夏白朮天麻湯, 五苓散, 甘麦大棗湯, 十全大補湯, 散棗仁湯各2例, 小建中湯, 香蘇散, 竜胆瀉肝湯, 柴苓湯, 猪苓湯, 三黄瀉心湯, 牛車腎気丸, 清心蓮子飲各1例で投与期間は16日から396日であった。舌痛症の原因はいまだにはっきりしていないのが現状であるが, 治療法として証に基づいた漢方薬治療は効果的であった。
著者
冨山 清升
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.87-100, 1993-03-31
被引用文献数
2

小笠原諸島父島において, アフリカマイマイAchatina furica(Ferussac)の殻の成長と生殖器形成の様式について観察をおこなった。一般に有肺類に属する陸産貝類は生殖器が形成されて性成熟すると殻の成長が停止し, 殻口外唇部が反転肥厚することが知られている。しかし, 本種では殻口反転はみられない。本種は生殖器が形成された後も3∿8ケ月の間, 殻の成長が継続する。性成熟が完了すると殻の成長は停止し, 時間とともにカルシウム沈着によって殻口外唇部は肥厚する。年齢の若い個体ほど殻口外唇部の厚さは薄いことが経験的に知られているため, 本研究では, 生殖器が形成されている検討個体を, 殻口外唇部の厚さで, 3つの令クラスに機械的にふりわけて比較した。すなわち, 若齢成熟個体(厚さ0.5mm未満), 中間個体(0.5mm以上0.8mm以下), および完全成熟個体(厚さ0.8mmを越える個体)とした。まず, 野外個体で, 殻口外唇部の厚さと殻の成長との関係を検討してみた。その結果, 殻口外唇部の薄い個体は殻の成長が著しく, 殻口外唇部が厚い個体は殻の成長が停止していることがわかった。また, 完全成熟個体とした令クラスはほとんど殻は成長していなかった。殻の成長率と殻口外唇部の厚さは相関があることがわかった。次に加齢に伴う性成熟の状態を比較するために, 若齢成熟個体と完全成熟個体の間で, 生殖器を比較した。その結果, 若齢成熟個体は精子生産のみで卵はほとんど生産しておらず, 完全成熟個体は精子・卵共に生産していることがわかった。しかし, 交尾嚢の比較の結果, 若齢成熟個体・完全成熟個体ともに交尾は行っており, 両者ともに生殖行動には参加していることがわかった。すなわち, 本種は雄性先熟の様式をもつものと推定された。有肺類は卵形成直前にタンパク腺が発達することが知られている。完全成熟個体では, タンパク腺がよく発達した卵形成直前の個体は交尾嚢が重く, よく交尾していることがわかった。本研究の結果, 殻口外唇部の厚さを測定することによって, 各個体の殻成長と性的成熟がある程度推定できることがわかった。
著者
東島 利佳 清塚 更 森 菜穂子
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.98, pp.91-96, 2007-10

青森県と群馬県における高等学校のマラソン大会実施状況や熱中症発生の予防対策の状況について調査・検討した。その結果,マラソン大会は青森県より群馬県の方が多く実施されていた。青森県では最も気温が高いとされる午後2~3時に実施している学校もあったが,群馬県では全ての学校で午後2~3時以外の時間帯に実施していた。大会実施月は青森県で5月が多く群馬県で11月が多かった。給水・給食は青森県の方が多かった。競技中の途中棄権者は青森県の方が多かった。競技中は,青森県に比べ,群馬県の方が専門機関とより多く連携がとられており,特に警察との連携が多かった。
著者
五十君 麻里子
出版者
九州大学
雑誌
法政研究 (ISSN:03872882)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.784-762, 1999-07-01
著者
松本 彩
出版者
奈良大学文学部文化財学科
雑誌
文化財学報
巻号頁・発行日
vol.6, pp.19-36, 1988-03

仏像光背は、仏身より発する光明を具体的に表現したものであり、仏像彫刻の一部として意味深い存在でもある。インドで聖者を示す光背が釈迦牟尼像にとりつけられて以来、インド、西域、中国、朝鮮と時代や地域を経て展開し、わが国には飛鳥時代に伝来する。そして、断続的な大陸との交流によってその様式を受容しつつも、わが国独自の発展を遂げてきた。このようなわが国光背の歴史のなかで、和様の大作といわれる藤原時代の平等院鳳鳳堂本尊・阿弥陀如来坐像の飛天光背は、日本仏像光背の一様式を築いた代表的遺品である。しかし、ほぼ同じこの時期、この光背の完成形ともいうべき平等院鳳鳳堂本尊光背の対局には、奈良地方を中心として製作された板光背と呼ばれる形式があり、これもまたわが国光背の研究の上では欠かすことのできない遺品群として注目される。そしてこの二つの光背様式は、以後の光背の形式に大きな影響を与えることとなる。本論ではこの二つの光背に着目し、その源流や成立、背景となる仏教史をもふまえながら、その展開について考察していきたいと思う。
著者
伊藤博之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.27, pp.1-1, 2013-08-24

当社では毎日多くの問い合わせを海外から受けます.地域は北米から中南米,それにアジア諸国が中心.問い合わせ内容はコンサートやイベントへのお誘いからファンレターまで様々です.初音ミクをコアとしたボカロムーブメントは確実に世界に拡がっており,それに応える形で当社は初音ミク英語版を遂にリリース致します.本講演では,世界から届くファンからの声や実際に参加した海外でのイベントを通じて見聞きした事をご紹介するとともに,海外展開における課題をお話しいたします.
著者
田中 未央 厳島 行雄
出版者
法と心理学会
雑誌
法と心理 (ISSN:13468669)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.85-94, 2007-07

不正確な目撃証言による記憶の変容は、証言者の意図が伴わずに生じる現象であり、その原因として事後情報効果などの様々な要因が明らかにされてきた。一方で、事件の加害者や容疑者が意図的に語った不正確な供述、つまり嘘の供述が後の記憶に及ぼす影響についての検討は、あまり行われていない。そこで、本研究では出来事を想起する際に嘘をついた場合、記憶がどのように変化するかを検討するために2つの実験を行った。実験1では、同じ出来事について嘘をついた後の記憶と嘘をつかなかった後の記憶を比較し、出来事を想起する際に嘘をついた場合でも出来事に関する正確な記憶が維持されること、また、嘘をつく際には2つの方略が用いられる傾向があることが示された。実験2では、嘘をつく際に採用される方略を統制し、後の記憶を比較したところ、嘘をつく際に知らないふりをする方略を用いた場合に正確な記憶が抑制されることが示された。実験1・実験2の結果から、出来事を想起する際の嘘の有無ではなく、採用される嘘の方略が正確な記憶を抑制する要因であると考えられる。また、知らないふりをすることでオリジナル(原現象)の想起が抑制されるので、オリジナル記憶のリハーサルが妨害され、正確な出来事を想起することが困難になると考えられる。