著者
Ryo Yasufuku Yamato Ueno Syuji Miyazaki
出版者
Society for Science on Form, Japan
雑誌
FORMA (ISSN:09116036)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.35-38, 2022 (Released:2022-10-22)
参考文献数
6

Nearest-neighbor-spacing distributions of people sitting along the west bank of the Kamogawa River flowing through the central part of Kyoto City are derived, based on a dual partitioning process with a fixed ratio. The theoretical asymmetric bell-shaped distribution is compared with previous measurements. This was performed as an advanced study of high school students that does not follow the curriculum guidelines of Japanese high schools.
著者
田島 昌樹 井上 貴之 大西 裕治
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.81, no.728, pp.885-892, 2016 (Released:2016-10-30)
参考文献数
23
被引用文献数
5 8

CO2 included in exhaled breath is often used as a tracer gas when estimation of ventilation aspect in buildings with occupants is performed. In Japan, CO2 production rate written in JIS A 14061974, which revised in 1974, has been referred for the estimation. The CO2 production rate calculation formula given by ASTM D6245-12 can be referred also, however, the formula is based on westerner adult data. Hence, based on Japanese subjects' exhaled breath data obtained by using Douglas bag method with approximately total 170 points, equations for recent Japanese CO2 production rate are developed in this study. Moreover, an equation, whose variables are occupants' height & weight, gender, age and Met, is used for estimating ventilation aspects in single zone with occupants aiming at accuracy testing. Firstly, a simple equation (9) is derived with regression analysis using 23 subjects and 3 testing activities data. The equation requires AD (Japanese body surface area given by equation (6)) Met and CG (coefficient of gender as male: 1 and female: 0). Secondly, aiming at expanding the targets, equation (9) is transformed and verified by using additional testing whose conditions are shown in Table7 and 8. The obtained 20s males' exhaled breath data is used to derive the equation (10) whose coefficient of deamination is larger than the equation (9) shown in Fig. 4. Then, the equation (10) is added a variable Ca (coefficient of age given by table9) and is transformed into the equation (11) whose coefficient of deamination is larger than the equation (9) shown in Fig. 5. Also, the equation (10) is added a variable Cg (coefficient of gender male: 1.0 and female: 0.73 determined by Table9) and is transformed into equation (12) whose coefficient of deamination is larger than the equation (9) shown in Fig. 6. As a result, the equation (13) is derived and its coefficient of deamination is larger than the equation (9) shown in Fig. 7. With substituting CO2 production rate given by the equation (13), ASTM and JIS, into the equation (14), calculated CO2 concentration are compared to the measured value obtained in single zones with the conditions shown in Table11 with employing testing instruments shown in Table10. The experimental results are shown in Fig. 10, 11, 12, 13 and 14. From the experimental results, calculated CO2 concentration of present work shows the closest to the measured value compared with the other standards’ value. Therefore, these results can allow estimating more correct ventilation aspects with Japanese occupants.
著者
末木 新
出版者
東京大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻臨床心理学コース
雑誌
東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要
巻号頁・発行日
vol.34, pp.108-115, 2011

わが国における自殺関連行動及ぴメディア報道・利用に関するデータを用いてメディアの持つ自殺への影響を検討した研究のレビューを行った。これらの研究を概観したところ、研究は主に、1)自殺と特定のメディアの報道・利用との関連、と、2)自殺報道の内容、に関する研究の二種類が見られた。これらの研究では、有名人及ぴ一般人の自殺に関するメディア報道が自殺に影響を持つこと、ニュースバリューのあるものに偏った報道がなされるために報道からバイアスのかかった知識を得る可能性があることが示唆された。これらの結果は、海外における研究結果と概ね一致していた。今後の研究課題としては、1)インターネットを中心とした新しいメディアの自殺誘発効果の検討、2)メディアが自殺を誘発するメカニズムの解明、3)ガイドラインに沿った介入研究及び自殺予防教育の実施、が挙げられた。
著者
細井 優子
出版者
拓殖大学政治経済研究所
雑誌
拓殖大学論集. 政治・経済・法律研究 = The review of Takushoku University : Politics, economics and law (ISSN:13446630)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.25-42, 2018-09-30

近年「社会的排除」という概念は,ヨーロッパの政治的・学問的議論において注目されている。また福祉改革をめぐる議論の中で,社会的排除への対策としての「社会的包摂」が唱えられている。しかし,その注目の高さや重要さにもかかわらず,社会的排除概念の定義はきわめて曖昧であるとの批判がなされる。実際に,社会的排除概念をめぐっては,論者によりさまざまなパラダイムや言説が用いられており明確な定義というものが存在していない。そこで本稿では,社会的排除概念の代表的な論者の議論から共通する糸を紡ぎ出すことで,社会的排除の概念整理を試みる。多くの欧州諸国において社会的排除概念はEUによって輸入されたものであるが,そのEUの社会的排除の考え方はフランスとイギリスにおける同概念に影響を受けている。フランスでは国家がその責任において排除された者の社会的・職業的な包摂を支援するという視点で論じられるのに対して,イギリスでは個人が経済的自立に責任を負い,国家はそれを支援するという視点で論じられているのが特徴である。両国の議論においても社会的排除の定義は定まっているとはいえない。そこでシルバーやレヴィタスの業績のような様々な言説を分析・分類する作業が,社会的排除概念にアプローチしていくにあたり重要な役割を果たすのである。
著者
高井 昌吏
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学社会学論集 = ST.ANDREW'S UNIVERSITY SOCIOLOGICAL REVIEW (ISSN:02876647)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.31-71, 2017-10-20

In the late 1960 s, Hiroshi Kawaguchi, the former movie actor and TVpersonality, felt challenged by the documentary film “A Dog’s Life” (originaltitle: Mondo Cane) produced by Italian film director Gualtiero Jacopetti.While pursuing the ‘authenticity’ of documentary, Kawaguchi alsoperformed as an actor and was involved in the production of a televisionprogram. The program of Hiroshi Kawaguchi was different from JunichiUshiyama’s television documentary ”Wonderful World Travel”, as theformer tried to represent the ‘authenticity’ of documentary whileemphasizing the impact of the image, whereas the latter pursued‘education’ and academics through his program. This is, in a sense, a resultof focusing on creating a program from the perspective of the ‘masses’instead of from the perspective of ‘modern citizens’. Their directions weredifferent, yet their educational background, parents’ occupations andcultural capital were related to each other. In the mid-1980 s, however,“Kawaguchi Hiroshi Adventurer Series” directed by the former actor whoplaced great emphasis on ‘authenticity’ became viewed as a parody ofadventure and exploration by the audience amid a rumor that the programwas ‘staged’. In other words, although Hiroshi Kawaguchi’s documentaryprogram began as a pursuit of ‘authenticity’, it was ironically criticized interms of its ‘authenticity’ and ridiculed. This was due to changes in theattitudes of TV viewers, especially of the audience of documentary shows.In the meanwhile, Junichi Ushiyama also entered the academic world, suchas the “Visual anthropology”, and as a result, his television documentarybecame accepted as an ‘educational program’.
著者
田中 良英
雑誌
宮城教育大学紀要
巻号頁・発行日
vol.55, pp.65-81, 2021-01-29

2006年の「世界史未履修問題」に象徴される、近年の日本社会における「歴史離れ」に関しては、歴史研究者・歴史教育者の双方に危機感が広がり、それが2022年度からの高等学校における歴史系教科再編の背景ともなっている。本稿では、この「歴史離れ」への対応策の一つとして、学校教育以外の場においても児童・生徒に歴史への関心を喚起し得るものと予測される、最近の歴史系エンターテインメント作品、とりわけ歴史漫画の現状の確認を図った。当初の予想に反し、近年の歴史漫画は数が増加しているのみならず、扱う時期・地域・テーマも多様化しており、さらには学術的な知見と重なる内容を持つものも多い。それゆえ、これらを通じて歴史への関心を涵養すること、そして歴史を多様な観点から眺め思考することを伝える方途にも、大きな有効性が見込めるように思われる。ただしその一方、内容が低年齢層の講読に適さない作品もあり、そのまま活用することには一定の困難も予想される。また、もともと歴史に関心がない読者にいかにして手に取ってもらうか、そして歴史的背景に関する解説などが付されていない作品にどのような補完的情報を具体的に追加すべきかなど、今後の課題も見いだせる。
著者
菅野 文夫 KANNO Fumio
出版者
岩手大学教育学部社会科教育科
雑誌
岩手大学文化論叢 (ISSN:09123571)
巻号頁・発行日
vol.7/8, pp.39-55, 2009-03-31

岩手県二戸市の川嶋氏所蔵文書のうち南部信直書状を含む14点は,現在巻子1巻に表装されている。これを表装順に列挙すると,以下の通りである。C 年欠 5月18日 南部信直書状D 年欠 5月29日 南部信直書状E 年欠 6月27日 南部信直書状F 年欠 7月12日 南部信直書状H 年欠 7月22日 南部信直書状 年欠 3月 1日 南部信直書状A 年欠 4月16日 南部信直書状B 年月日欠 南部信直書状断簡 年欠 6月 9日 南部利直黒印状 慶長 9年後 8月19日 南部利直黒印状 慶長14年10月11日 南部利直黒印状 元和 6年 5月 5日 南部利直一字書上 寛永 5年 3月 6日 南部利直黒印状G 天正19年 7月12日 親輔書状 上記のうち年代順にA~Hを付した8点は,天正19(1591)年9月に終熄した九戸一揆の最中に書かれたものである。宛先はすべて糠部郡九戸野田の領主野田政義であり,発給者はGが南部信直の腹心と思われる親輔なる人物で,他はすべて信直その人である。 九戸政実ら陸奥国糠部郡の領主たちによっておこされたこの一揆は,「郡中諸侍其外下々迄,京儀をきらい申内存候間」の文言によく表れているように,前年の奥羽仕置に対する百姓を含む広範な階層を巻きこんだ抵抗であり,葛西大崎一揆などと一連の,豊臣政権の全国統一に対する最後の抵抗であった。ただし糠部にあって豊臣政権を代表したのが三戸南部氏信直であり,一揆が九戸氏によって指導されたことが,この事件を一層複雑なものとしている。三戸と九戸の対立は,15世紀末以来一世紀にわたってこの地域で繰り広げられた領主間の戦国化の動きの,いわば到達点というべき性格をもっていたからである。 九戸一揆の過程で,信直は糖部郡内の多くの領主に自陣に加わるようあらゆる手だてを講じたはずである。次節で述べるように,少なく見積もっても数ヶ月間は一揆勢力が郡内を席巻したといってよい。その間諸領主に宛てられた信直書状は相当な量だったはずである。にもかかわらず,現在残されている郡内領主宛の三戸からの書状はA~Hの8点のみである。なぜこれ以外は残らなかったのか。さまざまな説明が可能だろう。三戸から九戸城へ,さらに盛岡城の建設という城下の移動も大きな要素かもしれない。近世盛岡藩過程でのある種の政治的な意図も十分考えられる。とはいえここでは,失われてしまった文書のことはさておいて,さしあたり,辛うじて残されたこの貴重な8点にこだわってみたい。 そもそもこれらは,1961年刊の『岩手県史』3巻に掲載されて以来周知の史料であり,その後刊行された中世陸奥北部をあつかう史料集にも繰り返し収録されてきたものである。しかし本稿ではあらためて原本調査に基づいて翻刻作業をおこない,そこから読みとれる九戸一揆の様相を検討してみたい。
著者
鶴田 武志
出版者
名古屋短期大学
雑誌
名古屋短期大学研究紀要 = BULLETIN OF NAGOYA COLLEGE (ISSN:0286777X)
巻号頁・発行日
no.59, pp.55-79, 2021-03-15

子殺しをテーマに高度経済成長期の男性の願望の顛末を描いた松本清張「鬼畜」は、その願望の裏側にある女性への一方的な甘えの構造を転倒させることで日常にある陥穽を炙り出す恐怖小説だった。野村芳太郎は、そんな原作の非情な世界観を人間の弱さと恐ろしさ、そして父子の絆を描くヒューマニズム映画へと仕立てた。結果、映画「鬼畜」は、同じく親子愛の映画「砂の器」(1974)に連なる系譜として完成し、霧プロダクションへの決定打となった。しかし、映画「鬼畜」には、正妻と愛人の対決と正妻の子どもらへの過酷な仕打ちという前半の衝撃と親子愛の結末とが巧く嚙み合わないという分裂を抱えていた。この分裂は、「砂の器」に代表される人間主義と「八つ墓村」に代表されるセンセーショナルさ、相克するその二つが1970年代の野村に期待されるものだったからこそ起きたことである。そして、映画「鬼畜」に大衆が望んだのは、前半の過剰なまでのセンセーショナルさだった。大衆の欲求に敏感な野村の在り様は、自作の映画化にヒューマニズムを求めた清張との間にやがて大きな決裂を生む。映画「鬼畜」は、霧プロ設立前から二人の決裂を予見していた映画だったのである。
著者
五十嵐 仁
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.38-48, 2009-09-25 (Released:2018-02-01)

80年代の臨調・行革に始まる新自由主義政策の下で労働分野での規制緩和も進められてきた。このような労働の規制緩和はいくつかの段階を経て2000年前後から本格化し,小泉政権の下で雇用・労働政策は大きく変容することになった。本稿の課題は,このような新自由主義政策の具体化としての労働政策の変容をめぐるアクター間の配置と構造を検討し,規制緩和の現段階と対抗関係を明らかにすることにある。とりわけ,2006年以降の「反転の構図」に注目しながら,それが何故どのようにして生じてきたのか,最近の「潮目の変化」を生み出した背景と要因の解明に焦点をあてることにしたい。

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著者
築城 寿長
出版者
社団法人 繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.65, no.9, pp.P_317-P_320, 2009-09-10 (Released:2009-10-10)
著者
吉田 学
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2009

多くの生物の受精時において、精子は卵へ走化性運動を示す。この現象は、卵を中心とした濃度勾配を形成している誘引物質を関知する精子上のセンサー分子が運動を制御していると考えられるが、分子機構に関してはまだごく一部しか解っていない。研究代表者の吉田らは、原索動物カタユウレイボヤの精子活性化・誘引物質が新奇の硫酸化ステロイドであることを明らかにし、SAAFと命名した。しかし我々の研究も含め、精子が誘引物質を認識するセンサーメカニズムについてはまだほとんど何も解っていない。そこで、これまでの知見及び構築した実験手法を用いて、受精時に見られる精子走化性現象において、精子がどのように空間勾配を形成する誘引物質を感知し、運動機能を変化させているかを解明することを目的とする。実験材料としては、既に誘引物質が我々の手で同定され、さらにゲノム解読も既に終了している原索動物カタユウレイボヤを用いる。今年度は特に精子誘引物質SAAFをセンサーする分子である精子上のSAAF受容体の同定に取り組んだ。まず候補分子として見つかっている370kDaタンパク質(P370)の精製法の改善行い、多量に精製することに成功した。そして、p370の同定をMALDI TOF-MSによって同定を行ったところ、細胞膜型カルシウムポンプであるPMCAであることを明らかにし、カタユウレイボヤPMCA(CiPMCA)を同定した。また、CiPMCA遺伝子はゲノム上1つで哺乳類と相同性が高く、少なくとも2つのsplicing variantがあった。このうち精子で高発現しているvariantを同定した。