著者
吉野 真紀 織田 裕行 木下 利彦
出版者
日本福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は、性同一性障害(以下、GID)当事者を対象とし、治療前と治療を経て概ね望む性別での生活を実現した時点とを比較することにより、当事者の自己実現のあり方及び心理的変化を明らかにすることである。対象者として、GID包括医療を求めて受診し、初診時及び治療経過後の心理検査データを入手した。主観的変化を調べる資料として2018年度までに対象者5名への半構造化面接を終了し、テキストデータにおとした。残り1名については、連絡がとれないため、半構造化面接の実施を断念した。半構造化面接の分析の参考とするため、またGID当事者のライフステージごとの課題や状況等を知るため、各種学会や研修会(GID学会研究大会、日本ユング学会、日本心理臨床学会、日本青年期精神療法学会総会、等)に参加し、専門的知識の教授を受けた。当事者ひとりひとりの自己実現過程について学びを深めるため、当事者会への参加やジェンダー外来担当者との打ち合わせ等を通して自己研鑽に努めた。また、本研究を含めた学びの内容について、講演活動(研修講師)を務める中で伝えることに尽力した(名古屋市教育委員会等)。現在、心理検査データの量的分析の試行、研究協力者と半構造化面接の分析および考察の作業を進めている。※性同一性障害(GID)という診断名はDSM-5への改定に伴い性別違和(GD)に変更されているが、対象者の診断確定時点ではGIDであったため、本研究の関連書類において必要箇所ではGIDという用語を使用する。
著者
大石 孝雄 丸野 弘幸 川井田 博 坂本 薫 宇治野 裕
出版者
日本動物遺伝育種学会
雑誌
動物遺伝研究会誌 (ISSN:09194371)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.70-74, 1993

鹿児島県畜産試験場に導入された NIH ミニブタ10頭から血液を採取、血液型と蛋白質型を調査した。調査した20座位のうち、NIHミニブタは12座位で多型を示した。他のミニブタ (オーミニ、クラウンミニ、ゲッチンゲン、ピッッマンムーア) と比較すると、A, H, K, LおよびPa座位で特徴がみられた。遺伝子頻度を基に遺伝的異性を示す4指標値 (H.I., H, P poly, Ne) を算出したところ、NIHミニブタはミニブタ5系統の中でオーミニとクラウンミニより変異性が大きく、ゲッチンゲンおよびピッツマンムーアと同等の変異性であった。NIHミニブタとこれまでに調査した17豚品種との間でRogersおよびNeiの式に基づく遺伝的距離を計算したところ、NIHミニブタは中国系品種とは明らかに遠い距離を示し、欧米系品種ともそれほど近くはなかったが、そのうちランドレース、ハンプシャー、ピッツマンムーアとは比較的近い距離であった。18豚集団の遺伝的類縁関係を示す枝分かれ図を作成したところ、NIHミニブタは欧米系品種のグループに属し、その中では他のものと最も離れる位置を占めていた。
著者
伊藤 義美
出版者
河原学園 人間環境大学
雑誌
人間と環境 電子版
巻号頁・発行日
vol.10, pp.29-37, 2015

2日間の通い方式の短期研修型のエンカウンター・グループをアウトカムとプロセスから検討した。グループ体験群は精神保健指導者養成研修の高校教師13 名で、統制群は28 名の看護学科の学生である。グループ体験群では、グループの前後で日本版POI のTC(時間志向性)、エゴグラムのCP(批判的な親の自我状態)、Y-G 性格検査のCo(協調性の欠如)、G(一般的活動性)、S(社会的外向)に有意差がみられ、現在志向性、協調性の欠如、一般的活動性、社会的外向が増大し、「批判的な親の自我状態」が減少した。プロセスでの変化として自己概念及び他者認知、つまり「現実自己」、「理想自己」、「メンバー自己」、「スタッフ自己」、「スタッフ認知」、「グループの雰囲気の認知」をSD 法(16 対の形容詞)によって3 回測定した。自己概念及び他者認知の変化は「現実自己」と「スタッフ認知」で認められ、「現実自己」とのズレの変化は「理想自己」、「メンバー自己」及び「スタッフ自己」においてズレは小さくなり「現実自己」に近づいた。
著者
小澤 純一 中村 友美 塚谷 桐子 山田 汐里 堀 裕一 小林 義文 高島 浩昭 竹内 ゆかり 宮崎 昌代 田中 和徳 三村 夏代 恩田 めぐみ 杉下 泰明
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌
巻号頁・発行日
vol.27, pp.159, 2011

【目的】<BR> 脳血管障害,腫瘍,変性疾患などによる小脳障害患者は,その病巣部位により上下肢運動の協調性の欠如,立位・座位・起立歩行障害,姿勢調整障害,眼球運動障害,構音障害などがみられる.近年,新しい小脳性運動失調の評価スケールとしてSchmitz-Hubschらにより,Scale for the Assessment and Rating of Ataxia(以下,SARA)が提唱された.その信頼性について,International Cooperative Ataxia Rating Scale(以下,ICARS)やBarthel index(以下,BI)等との有意な相関が報告されている.<BR> 日本においても,厚生労働省難治性疾患克服研究事業「運動失調に関する調査研究班」において日本語版SARAが作成された.SARAは全8項目(歩行,立位,坐位,言語障害,指追い試験,鼻指試験,手の回内回外運動,踵すね試験)から構成された簡便な評価スケールであり,評価者内,評価者間共に高い信頼性や内的整合性が報告されている.<BR> 今回,SARAと歩行に関連した機能的バランスとの関連性について検証し,理学療法評価法としての信頼性・妥当性について検討した.<BR>【方法】<BR> 対象は,平成21年4月から平成22年3月の間に当院に入院し,理学療法を実施した小脳性運動失調の患者である.認知症および高次機能障害などにより,検査実施に支障のある患者は除外した.また,対象者に対しては,事前に目的や方法等の研究内容について説明し,同意を得た上で行った.<BR> カルテより基本情報(年齢,性別,疾患名等),小脳性運動失調の重症度評価スケールとしてSARAを使用して評価を行った.あわせて,ADL評価としてBI,歩行関連の機能的バランステストとして10m最大歩行速度(以下,10m歩行),Timed up and go test(以下TUGT)と重心動揺解析システムG‐6100(アニマ社製)を使用してつま先接地足踏みテスト(Toe-touch gait test,以下足踏みテスト)を実施した.<BR> 統計処理は,SPSSVer.15.0を使用し,SARAと各評価項目との相関についてはスピアマン順位相関係数により検討した.統計学的有意水準は5%とした.<BR>【結果】<BR> 対象者数は,30名(平均年齢62.7±12.5歳,男性26名,女性4名)であり,小脳梗塞28名,小脳出血2名であった.発症より検査日までの経過期間は28.77 ±27.10日であった.SARAスコアは6.53±2.43点 ,BIは86.83±10.95点,TUGT15.41±4.36sec,10m歩行8.58±2.06secであった.足踏みテストは,総軌跡長:276.43±78.23cm,単位時間軌跡長:27.66±7.84cm/sec,単位面積軌跡長:4.66±1.37cm,外周面積:66.47±31.13cm)cm<SUP>2</SUP>であった.<BR> SARAスコアと各変数間の相関はBIでは弱い相関(r=-0.42)であったが,TUGT(r=0.53)と10m歩行(r=0.57)では比較的強い相関であった.また,足踏みテストの各指標(総軌跡長:r=‐0.26,単位時間軌跡長:r=‐0.25,単位面積軌跡長:r=‐0.1,外周面積:r=‐0.1)との間では,有意な相関は認められなかった.<BR>【考察】<BR> 小脳性運動失調の総合的な評価法として,SARAは半定量的な評価が可能であり,重症度や治療効果の判定に有用なツールである.評価手法も,一般的な神経学的評価手技を用いているため,同一評価者内および評価者間での評価のばらつきが少ないことが報告されている.また,ICARSの評価項目が19項目であるのと比較するとSARAは8項目と少なく,臨床的にも簡便に使用可能な評価尺度といえる.今回,SARAと歩行に関連した機能的バランスとの間で比較的強い相関が認められた事から,基準関連妥当性の一部が確認され,理学療法評価尺度として有用であると考えられた.しかし,BIや足踏みテストについては低い相関しか確認できなかった.BIに関しては,今回の対照群がある程度の立位・歩行が可能な比較的重症度の軽い対象者を多く含んでいたためとも考えられる.足踏みテストについては,各対象者の歩行の際の姿勢調整機構の特徴を足底圧中心のみの評価ではとらえきれないためと考えられた.<BR>【まとめ】<BR> 本研究において,歩行に関連した機能的バランスとSARAとの間で,比較的強い相関が一部確認されたことから,小脳性運動失調患者の重症度把握や理学療法の治療効果の判定等の評価手法として有用であることが示唆された.
著者
川田 耕司
出版者
福島県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究では、ガラクトース誘導亜急性老化モデルマウスおよびSAMP1老化モデルマウスにおいて、正常老化マウスで認められる各CD4+T細胞サブセットの割合、特に濾胞ヘルパーT細胞(Tfh)様の表現型を有する細胞の増加が認められた。このTfh様細胞増加は、抗生物質投与による腸内細菌叢の変化によって抑制され、抗生物質投与マウスにおいて腸内優占種となっていたLactobacillus murinusの経口投与によっても同様の抑制効果が認められた。これらの結果からL. murinusが老化に伴い増加するTfh様細胞の分化および数的調節に関与している可能性が示唆された。
著者
Masatoshi YAMADA Masaki OHATA Daisuke KAKOI
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE Transactions on Information and Systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.E105.D, no.3, pp.565-577, 2022-03-01 (Released:2022-03-01)
参考文献数
35

In ball games, acquiring skills to change the direction becomes necessary. For revealing the mechanism of skill acquisition in terms of the relevant field, it would be necessary to take an approach regarding players' cognition as well as body movements measurable from outside. In the phase of change-of-direction performance that this study focuses on, cognitive factors including the prediction of opposite players' movements and judgements of the situation have significance. The purpose of this study was to reveal cognitive transformation in the skill acquisition process for change-of-direction performance. The survey was conducted for three months from August 29 to November 28, 2020, and those surveyed were seven university freshmen belonging to women's basketball club of M University. The way to analyze verbal reports collected in order to explore the changes in the players' cognition is described in Sect.2. In Sect.3, we made a plot graph showing temporal changes in respective factors based on coding outcomes for verbal reports. Consequently, as cognitive transformation in the skill acquisition process for change-of-direction performance, four items such as (1) goal setting for skill acquisition, (2) experience of change in running direction, (3) experience of speed and acceleration, and (4) experience of the movement of lower extremities such as legs and hip joints were suggested as common cognitive transformation. In addition, cognitive transformation varied by the degree of skill acquisition for change-of-direction performance. It was indicated that paying too much attention to body feelings including the position of and shift in the center of gravity in the body posed an obstacle to the skill acquisition for change-of-direction performance.
著者
岡村 妥子 永松 昌樹
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 (0xF9C4)教育科学 04 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.189-203, 1999-08

本研究は,ニュージーランドの中学・高校で使用されている日本語の教科書において日本のレジャー・レクリエーション活動やスポーツ行動がどのように扱われ,紹介されているかに注目した。各教科書のレジャー・スポーツの章に焦点を当て,語句や表現及び,文化紹介の項目を詳細に調べた。中学で使われている教科書においては,まず,「空手」「剣道」「柔道」「相撲」などの伝統的なスポーツの内容が紹介されていると共に,それらのスポーツが単語として基本表現の中で使われる傾向にある。また,日本で一般的に人気のあるスポーツとしては,「野球」が例に出されることが多く,「バレーボール」や「バスケットボール」がそれに続く。高校生用教科書では,中学で学習した日本の伝統的なレジャー・スポーツに加えて,現在の日本で一般大衆に人気のあるレジャー・レクリエーションとスポーツがより詳しく紹介されている。特に「野球」と「サッカー」が日本でとても人気のあるスポーツとして扱われている。この他,高校でさらに新しい単語として学習するものとして,「ジョギング」は公園などで手軽にできるスポーツであり,また「卓球」と「陸上競技」は学校のクラブ活動で人気のあるスポーツであるとしている。全般的に,どこに行っても広いスペースを持つ人口360万人のニュージーランドで行われるレジャー・レクリエーションやスポーツとは対照的な日本独特の風土を象徴したレジャーやスポーツが扱われているといえよう。This study firstly explored the Japanese language education system as to how the language and its culture are taught in secondary schools in New Zealand. It focused on leisure and sports among the cultural topics in Japanese syllabus. Secondly, it investigated how the Japanese leisure and sports are introduced in Japanese language textbooks widely used in secondary schools in New Zealand. Eight textbooks published between 1989 and 1995 with chapters dealing with leisure and sports were chosen. It was found that in junior level textbooks, sports such as KARATE, KENDO, JUDO and SUMO are introduced as traditional Japanese sports, while in senior level textbooks, focus is mainly on present popular sports such as baseball and soccer. At junior level, baseball is simply introduced as a popular sport in Japan while at senior level it is covered in more detail with the emphasis that the game is especially popular because of professional leagues and that people tend to spend their past time not only playing the game themselves, but also watching the professional games. Soccer is considered to be a sport which has been increasing in its popularity because ov the introduction of professional leagues in 1992. Other sports such as volleyball and basketball are introduced as popular sports especially among junior high school students taking them up as extracurricular sport activities at school. Table tennis and athletics are regarded as popular extracurricular sport activities at senior high school. At senior level, golf is also introduced as sport mainly among Japanese businessmen and housewives and it is described as the most expensive sport in Japan. It is expected that in future changes on Japanese peoples' values towards the sports and how they spend their past time will be introduced in the textbooks.
著者
川井 圭司
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.4099-4138, 2009-02

論説(article)本稿は、日本プロ野球における保留制度の法的効力について契約法、独占禁止法および労働法理の観点から検討を加え、ポスティング制度の法的妥当性について明らかにするものである。このポスティング制度は1998年に日米両リーグの合意によって導入されたのであるが、ここでは、その経緯を明らかにしたうえで、同制度を巡る問題について、日米双方の法的論点を整理し、解説している。ところで、日本プロ野球選手会は2004年に史上初めてのストライキを実施し、NPBに対する交渉力を獲得してきた。そうした選手会の交渉力の向上が海外移籍制限にいかなる影響を与えるかを検証している。This article will explore the following regarding the Posting System, which was introduced as a result of an agreement between Nippon Professional Baseball and Major League Baseball : (1) The validity of the NPB's Reserve System (2) The background and reasons for the introduction of the Posting System (3) The history of the Posting System since its inception (4) The legal characteristics of the Posting System (5) The validity of the Posting System from the perspectives of both Japanese and U.S. law (6) The degree of involvement of the Players' Association, which gained greater bargaining leverage after its first strike in 2004, in key decision-making processes that continue to shape the Posting System

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1902年02月28日, 1902-02-28

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1902年05月17日, 1902-05-17
著者
吉富 重夫
出版者
日本行政学会
雑誌
年報行政研究 (ISSN:05481570)
巻号頁・発行日
vol.1973, no.10, pp.297-307, 1973
著者
赤尾 嘉治
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.13-16, 2015

昨今話題となっているサイバーセキュリティ等の問題に関して、情報漏えい事件の手口の巧妙さについても、アタック範囲が国内外とグローバルに拡大している。海外では、国家戦略の一環としての策定・体制強化を推進しており、日本を数年先行していると言われている。各企業の体制強化も進展しているが、我国の情報保護の対応能力はまだまだ不十分であると認識せざるを得ない。セキュリティ対応は①予防として、②監視・測定での、③インシデント発生時、それぞれに要求される。今回は、原点に戻り取り得る予防的対応策の構造を明らかにしながら確実にシステムを構築できる方法についての考察を試みたい
著者
濱口 彰宏 藤本 正夫
出版者
日経BP社
雑誌
日経メディカル (ISSN:03851699)
巻号頁・発行日
vol.33, no.12, pp.69-72, 2004-12

医療機関の警備の手薄さを突いた犯行がここ数年目立つようになり、その手口も巧妙になっている。従業員だけでなく患者までもが被害に巻き込まれる恐れのある医療機関においては、特に自主的な対策強化が望まれる。日本ロック工業会に聞く 2004年1〜9月に、東京都内の病医院で発生した刑法犯は1200件以上に上る。
著者
三石 玲子
出版者
日経BP社
雑誌
日経ネットビジネス (ISSN:13450328)
巻号頁・発行日
no.90, pp.102-105, 2002-02-10

今回は、鉄道会社の物販サイトとして、JR東日本の「えきねっと」を評価する。比較対象サイトとしてJR西日本の「えき〜プ」、南海電気鉄道の「NATTS net」と西日本鉄道の「ekitori」を取り上げた。総合評価★★☆☆☆ 鉄道各社のサイトは、以前は「企業情報」や「路線・時刻表」案内が中心であったが、最近では多くのサイトが「チケット予約」を開始している。
著者
寺本 祐司
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.104, no.5, pp.341-345, 2009-05-15
参考文献数
10
被引用文献数
3 1

本誌では,これまでにも中国,台湾,フィリピン,タイ,ラオス,カンボジアなどにおける酒類や発酵食品に関する記事や研究報告が掲載されている。海南島は,中国南部に浮ぶ島であり,大陸やフィリピンなどと深い関係がありながらも異なった伝統酒があることが予想される。1995年には「いも焼酎の源流を探る」調査団(南日本新聞社主催)が海南島におけるサツマイモ焼酎の製造を確認している。本稿では最近著者が行った調査結果を紹介していただいた。
著者
千葉 聡
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

日本を含む東アジアを中心として、島嶼部に分布する陸産貝類群集と、古代湖に分布する淡水貝類群集を構成する系統を対象として、これらの系統群の進化史を分子系統により網羅的に解明した。群集を構成する種のニッチ利用を推定いたほか、化石記録も用いて、過去のニッチ利用を推定し、系統関係との比較からその推移を推定した。その結果、陸域、淡水域ともに、海洋島的な性質を持つDarwinian islandの環境では、柔軟で急速なニッチシフトが起こりうること、しかし変化の方向性や幅には制約があることが示された。そしてこうした進化的な制約やニッチの保守性は、群集における生態的性質の分布に大きく影響すると結論できた。