著者
亀山 啓吾 若生 政憲 波呂 浩孝
出版者
東日本整形災害外科学会
雑誌
東日本整形災害外科学会雑誌 (ISSN:13427784)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.479-482, 2021 (Released:2021-12-21)
参考文献数
7

臼蓋形成不全が遺残する片側発育性股関節形成不全例における股関節周囲筋量の健患側差を比較することを目的とした.Salter手術を行った女児7例を対象として単純CTを用いて中殿筋,大殿筋,腸腰筋,ハムストリングスの筋断面積を計測し,健患側で比較した.いずれの筋においても有意な健患側差は認めなかったが,患側の中殿筋,大殿筋で小さい傾向を認め,遺残性臼蓋形成不全と股関節周囲筋の関係性が示唆された.
著者
芳野 裕明 山下 隆史 田中 俊司 金 義哲 藤本 泰久 宋 星胎 紙野 建人 梅山 馨
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.1471-1476, 1985

胆嚢癌は一般に進行癌でみつかることも多く,予後不良症例が多いことから,早期診断の必要性が強調されている.最近,超音波検査が有用であった早期胆嚢癌2例を経験したので報告する.<br> 症例1は, 76歳の女性, 10年前より胆石を指摘されており,主訴は右季肋部痛.超音波検査で,肝内部エコーより軽度エコーレベルの低い腫瘤が,胆嚢底部で不整形に突出し,頸部では内腔に充満したように認められ,悪性腫瘍が疑われた. ERCPにて,胆管膵管合流異常は認めなかった.摘出標本では,胆嚢頸部から底部に散在性に多発した乳頭状腫瘤を認め,混合石10個が存在した.病理組織学的には,高分化型腺癌で一部筋層まで浸潤を認めたが,リンパ節転移はなかった.<br> 症例2は, 35歳の男性,主訴は右季肋部痛.超音波検査で,胆嚢内によく動く結石数個と頸部に体位変換にて動かない2×1.5cm大のやや不整形の腫瘤エコーを認めた.腫瘤の内部エコーは,比較的均一であるがややhyperechoicで, acoustic shadowは認めなかった.腫瘤の大きさや,不整形であることより,腫瘍を疑った. DICでは,胆嚢内に結石と頸部に不明瞭ながら隆起性病変を認めるも,質的診断はなしえなかった.摘出標本では,頸部に乳頭型の腫瘤と混合石1個,ビ系石5個を認め,病理組織学的には , papillotubular adenocarcinomaで,粘膜内に限局していた.リンパ節転移も認めなかった.<br> 早期胆嚢癌の定義はいまだ一定の見解はないが,胆嚢の解剖学的特性や予後より,筋層までにとどまるものを早期癌としている報告が多い.今回の2症例も,早期胆嚢癌と考えられたので,診断ことに超音波検査の有用性,ならびに治療についても若干の文献的考察を加え報告した.

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著者
竹田左膳 著
出版者
翰香堂
巻号頁・発行日
vol.巻の1, 1895
著者
丸澤 遼子 久保山 和彦
出版者
日本体育大学
雑誌
日本体育大学紀要 = Bulletin of Nippon Sport Science University (ISSN:02850613)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.2001-2006, 2021-08

【目的】近年の柔道整復療養費が減少傾向にある。本調査においては,東京都23区・30市町村における「接骨院(公社)」の分布及び運営の現状を公開されているホームページなどの広告内容を資料として,柔道整復療養費の運用状況を調査し,減少要因を明らかにする。【方法】①「(公社)接骨院検索東京MAP」の検索ページを用いて,会員登録されている接骨院の分布状態を把握するために,[Geocoding and mapping(埼玉大学教育学部人文地理学谷謙二研究室)]のフリーソフトを基にして「接骨院一覧入力シート」を設けて,接骨院名,住所,施術内容を東京都の地区ごとに整理,入力して地図上にプロットした。②プロットする際には,接骨院の運営形態を,それぞれの接骨院のホームページ(インターネット検索調査)に掲載された業務内容をアイコンの色と形により分類した。③東京都内における昼夜間人口比率の高い渋谷区(240.1%),比率が低い杉並区(85.1%)及びその中間となる江東区(122.2%)の3区を抽出し,詳細地図に分布状況及び業務内容を図・グラフに表した。【結果と考察】①東京都における接骨院(公社)の展開状況は,都内全域にわたり1,118件が開設されており,運営形態の特徴については,「保険取り扱い」,「自費のみ」及び「保険と自費併用」などの運営方法がとられ,「保険と自費併用」する接骨院が全体の75.3%となっていた。②渋谷区では,痛みを保険で行う傍ら自費,美容,福祉などをさまざまに組み合わせて運営している接骨院が57.9%存在しており,多岐にわたる運営形態が確認された。杉並区では,痛みを保険で行う傍ら自費,美容,福祉をそれぞれ組み合わせて運営している。また,保険を用いずに「自費」のみが,2件(4.3%)存在していることも分かり,この地域では「痛み」に対する施術(保険・自費併用)を中心に運営されている。さらに,開院場所が駅近辺に集中していることが分かった。江東区では,「保険,自費併用」は32件(88.9%)と最も多く存在していることが分かった。また「福祉関係」の業務は行っていない。【まとめ】近年における柔道整復療養費申請額が減少傾向にあるのは,「療養費を適用」して施術を行うことが基盤となっているものの,「自費で行う施術」を併用させるなど,柔道整復師による積極的な運営上の工夫によるものと考えられる。
著者
勝本 徹 内田 泰 東 将大
出版者
日経BP
雑誌
日経エレクトロニクス = Nikkei electronics : sources of innovation (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1231, pp.69-73, 2021-09

─エレクトロニクスのみならず、ゲームやエンタメ、金融事業などを手掛けるソニーGの事業戦略は従来の電機メーカーと大きく異なってきているように思いますが、CTOの役割についてどう捉えていますか。 この10年で、大きく変化したと感じています。今の時代のCTO…
著者
井上 博道 梅宮 善章 中村 ゆり
出版者
一般社団法人 日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料学雑誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.875-880, 2005-12-05 (Released:2017-06-28)
参考文献数
21
被引用文献数
5

ウメ干しの仁中微量元素濃度を分析し,多変量解析手法を用いて日本産と中国産の判別を行った。1)塩蔵ウメ仁中のSr濃度の中央値は,中国産では日本産の10倍以上の値を示し,8.0mgkg^<-1>を簡易基準とすることで93.2%のウメ干しサンプルが日本産と中国産に正しく判別できた。2)ウメ干し仁中の9元素濃度を用いた3成分からなる主成分分析で日本産と中国産は分離した。3)線形判別分析によって93.2%の判別的中率が得られた。KNN法による解析では,判別的中率は94.3%と向上した。
著者
石原 慎太郎 斎藤 環
出版者
文藝春秋
雑誌
文學界 (ISSN:05251877)
巻号頁・発行日
vol.70, no.10, pp.122-137, 2016-10
著者
瀬崎 圭二
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.51-63, 2011

<p>石原慎太郎「太陽の季節」は、発表当初から毀誉褒貶の激しい作であったが、その背景には、青年男女が自らの世代に近い作家の作品を消費するような戦後大衆社会の姿がある。もともと映画との親和性を持っていたこの作が実際に映画化され、「太陽族」という現象と流行語を生むほどの物語として大衆に消費されていったとき、アメリカの文化を吸収したところに生成した湘南のそれは、国内の海辺へと蔓延していったのである。</p>
著者
岸本 忠史 吉田 斉 能町 正治 玉川 洋一 小川 泉 硲 隆太 梅原 さおり 吉田 斉 飯田 崇史 中島 恭平
出版者
大阪大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2014-07-10

48Caの0ν二重ベータ崩壊(0nDBD崩壊)で、将来ニュートリノ質量で数meVの領域の探索のため、以下の3点の研究を進めた。①48Ca同位体濃縮技術の実用化:自然存在比0.19%の48Caで2%以上を目指した。高熱伝導率の絶縁物で電気泳動させる新しい濃縮法(MCCCE法)で、16%と目標の約10倍の驚異的な濃縮を達成した。更に改善できる。②高分解能蛍光熱量検出器の開発:極低温でCaF2結晶の熱と蛍光を測定して、高分解能化を粒子弁別と両立させる道を拓いた。③CANDLES装置で48Caの0nDBD崩壊の観測:遮蔽システムを建設し環境バックグランドを2桁減少させて、世界で一番良い感度を達成した。
著者
林 卓未 西野 勝敏 アディティア プラムディタ ジョナス 伊藤 雅人 山本 智章 田邊 裕治
出版者
日本転倒予防学会
雑誌
日本転倒予防学会誌 (ISSN:21885702)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.37-45, 2021

<p><b>【目的】</b>転倒の床面衝突によって引き起こされる骨折は,高齢者にとって生活の質を左右する重大な障害である。この骨折機序を解明するために三次元人体モデルを用いて転倒の床面衝突時における関節の力学的負荷が検討されてきているが,転倒動作の個体差にも影響される可能性がある。そこで,本研究は後方転倒における股関節に焦点を当て,後方転倒動作の個体差が三次元モデルを用いて推定した股関節の力学的負荷に及ぼす影響を分析した。</p><p><b>【方法】</b>三次元人体モデルを作成し,その股関節には弾性要素1 個を備えた。床面の材料特性はコンクリートに設定した。転倒動作のシミュレーションにおいて弾性要素にかかる力を股関節の力学的負荷として評価した。参加者は健常成人男性10名(22.1 ± 1.0 歳)とした。参加者を体操用安全マットに後方転倒させ,その時の動作をモーション・キャプチャー・システムで撮影した。その後方転倒動作を三次元人体モデルにシミュレーションさせ,床面衝突時における股関節の力学的負荷を推定した。</p><p><b>【結果】</b>股関節の力学的負荷の前方成分のピークは1.05 ± 0.48 kN,後方成分のピークは0.88 ± 0.41 kN であった。近位成分のピークは1.49 ± 0.87kN,遠位成分のピークは2.15 ± 1.23 kN であった。最も大きい近位成分のピークは大腿骨頚部の破壊荷重に達しており,その値を有していた参加者は他の参加者とは異なる部位を床面に最初に衝突させていた。力学的負荷が最も小さかった参加者は,床面衝突後に身体が跳ね返っていなかった。</p><p><b>【結論】</b>後方転倒時における股関節の力学的負荷は,床面に最初に衝突する部位と衝突後における臀部と大腿部の動作の違いに影響した。</p>
著者
村上 祐介
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.507-522, 2011

Previous studies have suggested that children with developmental disorders often display clumsiness when attempting tasks that require higher body coordination ability. Long rope skipping is one such activity, but while it is usually difficult for such children, it is also effective for helping develop body coordination ability and fostering cooperative attitudes. Thus, it is important to make the most of the benefits of long rope skipping for children with developmental disorders. However, appropriate teaching methods in this context have not been well established, nor have the developmental levels of jumping movement in long rope skipping been adequately addressed. Accordingly, the purpose of this study was to investigate the developmental levels of jumping movement in long rope skipping for children with developmental disorders.<br> The subjects were five children with developmental disorders who participated once a week in private physical activity sessions. The sessions were conducted by members of a laboratory for adapted physical activity. Specifically, body coordination ability in long rope skipping was evaluated in terms of the number of double bounce movements (jumping twice during one rotation of the rope), the interval of movement, the ground and foot interval, the trunk inclination motion angle, the hip joint flexion motion angle, the knee flexion motion angle, and the number of times that the children jumped with both legs.<br> The results indicated that there were several different movement forms in the five studied children. These forms were classified into five levels: step movement (the first level of long rope skipping movement), side jumping movement (second level), double bounce movement via large jumping movements (third level), double bounce movement via a small movement space (fourth level), and double bounce movement via small jumping movements (fifth level). These findings can be used to devise an effective approach for teaching long rope skipping to children with developmental disorders.<br>
著者
鈴木 淳 小林 俊光
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.113, no.11, pp.844-850, 2010-11-20
参考文献数
16
被引用文献数
3

目的: 2009年におけるインターネット人口普及率は75.3%であり, 今後インターネット上での医療情報収集がますます進むと予想される. インターネット上には顔面神経麻痺に関するさまざまな情報が存在するが, それらを検討した報告はない. 今回, インターネット検索サイト (Google Japan, Yahoo! Japan, Google USA) にて「顔面神経麻痺」, 「facial palsy」「facial nerve paralysis」をキーワードに検索を行い, 上位50サイトについて検討を行った. 結果: 鍼灸院のサイトは日本語サイトの約40%と多数を占めた. 日本語サイトでは, 医師作成サイトや公共性の高いサイト (大学・学会・公共組織) の割合が英語サイトに比較し少なかった. 耳鼻咽喉科医以外が作成した日本語サイトでは, 中耳炎・耳下腺腫瘍・側頭骨腫瘍の記載率が少なかった. 医師作成サイトと鍼灸師作成サイトの比較では, 改善率, 改善時期, NET (nerve excitability test)・ENoG (Electroneuronography), ステロイド, 形成外科手術の各記載率について, 医師作成サイトが有意差をもって多かった. 結論: 十分な情報が記載された日本語サイトは少ない. 今後は公共性の高い組織から, 質の高い情報が発信されることが望まれる. 耳鼻咽喉科医は, インターネット上での情報提供により積極的に参加していくことが必要と考えられる.