著者
米田 健一 井上 雅央 一ノ瀬 浩史 高藤 晃雄
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.245-250, 2005 (Released:2006-02-25)
参考文献数
11
被引用文献数
4 4

In mountainous regions of Japan, some people grow grapes for personal consumption. Damage to grapes caused by birds is serious in many such areas. At present, the only effective method against bird damage is to install physical barriers, such as nets, around or over vineyards. To install nets easily and safely, we designed a new grape cultivation method: the trellis height is equal to the width of a simple commercially available net (1×50 m, 12 g/m2). Using the new cultivation method, we evaluated its bird damage prevention effect and working efficiency. Results showed that: 1) net installation was easy and safe; 2) nets installed only on the lower edges of the trellis reduced bird damage effectively because brown-eared bulbuls (Hypsipetes amaurotis), a main bird that damages grapes, tended to invade the vineyard from under the trellis; 3) nets installed both on upper and lower sides of the trellis perfectly prevented bird damage. These results suggest that this is applicable as an effective method against bird damage to grapes in these areas.
著者
仲村 匡司 坂井 崇俊 増田 稔
出版者
社団法人日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.398-403, 2002-04-15
参考文献数
16
被引用文献数
1 4

Visual characteristics of wood which influence visual hardness of it were studied. Thirty-four photographs of H-shaped wooden backs of chairs were prepared as specimens. Questionnaires regarding visual hardness and &ldquo;deluxe&rdquo; image of specimens were distributed to 32 subjects using the repeated equal-division method. Color values (<i>Y, x</i> and <i>y</i>) of specimens were measured by the colorimeter. Local-area gloss <i>G</i> and spatial ratio of contrasts <i>C</i> were calculated using digital image analyses. <i>G</i> was the index of the local-area glossiness (highlight), and <i>C</i> was the index of the noticeability of wood grain figures. Calculation procedures for both indices were newly developed in this paper. The single correlation coefficient between a visual &ldquo;hard&rdquo; image and <i>Y</i> (lightness of specimen) was -0.91, and that between <i>G</i> was 0.83. Using visual &ldquo;hardness&rdquo; as a criterion variable and <i>Y</i> and <i>G</i> as predictor variables, a multiple regression analysis was performed. The multiple correlation coefficient was 0.931, the ratio of contribution was 86.7% (significant level 1%). Furthermore <i>C</i> was added to the regression model, above values were 0.942 and 88.8%, respectively (significant level 1%).
著者
Leok Chen Sau 井上 勇 正村 京子 武田 繁幸 DARMAN H.
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.181-187, 2001-02-25
参考文献数
11
被引用文献数
1

1995年9月から1998年9月の間,インドネシアの3地区で地鶏に寄生している眼虫の疫学調査と分離虫体の同定および病理学的観察を行った。その結果,眼虫の検出率はジャワ島ボゴール地区20%,スマトラ島バンダルランポン地区93.3%およびカリマンタン島バンジャルバル地区6.7%であった。分離虫体は口唇がなく,口腔はひょうたん形で頭部側方に1対,正中面に2対の乳頭が,また尾部にも肛門前に4対,肛門後方に2対の乳頭がみられた。雄虫の体長は12.64±2.80mm,交接刺は左右の長さおよび形が著しく異なっていた。雌虫の体長は13.55±2.44mmで,子宮内には無数の含子虫卵が充満していた。以上の形態学的特徴から,今回インドネシアの地鶏の眼から検出した線虫をマンソン眼虫Oxyspirura mansoniと同定した。病理組織学的には虫体寄生鶏の眼結膜に細胞浸潤,リンパ濾胞形成,粘膜上皮の剥離脱落,細胞の空胞化,肥厚および結膜のポリープ状が観察され,慢性結膜炎および濾胞性結膜炎の病変がみられた。
著者
Chaoxin Fan Fang Tian Xin Zhao Yi Sun Xiaogai Yang Hongbin Han Xiaoping Pu
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.1306-1314, 2020-09-01 (Released:2020-09-01)
参考文献数
22
被引用文献数
1 6

The extracellular space (ECS) is the space between the neurons and the capillaries in the brain. The volume fraction (α) and the tortuosity (λ) are the main parameters used to describe its characteristics. Thymoquinone has been proved to possess anti-oxidant and anti-inflammatory activity. In this study, we used a gadolinium-diethylenetriaminepentacetate (Gd-DTPA)-enhanced magnetic resonance imaging (MRI) system to determine the effects of thymoquinone on ECS parameters in transient middle cerebral artery occlusion rats (tMCAO) to prove the neuroprotective effect of thymoquinone on brain tissue damage caused by ischemic stroke. Neurological examinations, 2,3,5-triphenyltetrazolium chloride (TTC) staining, hematoxylin–eosin (H&E) staining and assaying of ECS parameters using MRI were performed 24 h after surgery. We found that thymoquinone could improve the behavioural performance by neurological examinations. TTC staining indicated that thymoquinone significantly decreased the percentage of hemi-cerebral infarction. Also, H&E staining showed that thymoquinone could inhibit the neuron necrosis in the hippocampal CA1 region. We found that thymoquinone treatment could inhibit the changes in ECS diffusion parameters, which might prove that thymoquinone might protect brain tissue damage caused by ischemic stroke. Thymoquinone can protect the brain against cerebral ischemia–reperfusion injury, effectively ameliorate abnormalities in characteristics of ECS and decrease cerebral infarction in tMCAO rats.
著者
倉治 竜太郎 橋本 修一 伊藤 弘 沼部 幸博
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.148-154, 2016-09-30 (Released:2016-11-03)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

歯周病学をはじめ口腔内の研究では,齧歯類を対象として実験を行うことが多い。こうした動物の口腔内に種々の処置を行う場合は,開口状態の保持や視野確保が実験手技を安定させる上で極めて重要な要素となる。しかし,マウスの開口を保持する専用器具は提案されていない。そこで我々は,既存のラット開口器を応用し,幅広い週齢のマウスに適合する規格化された開口器の作製を目的として,開発を行った。本考案は,1.5 mmステンレス線を用いた長方形の切歯係止フレームと,フレーム内側に対向して取り付けた左右口角鈎,フレーム基端部に取り付けた開口調節体から構成される開口器である。各週齢マウスへの本器の適合性を評価するため,4週齢,6週齢,10週齢BALB/cマウスを対象に,本器各部による開口保持状態を観察した。本器の開口調節体により,体重の異なる全週齢マウスの開口を安定して保持することができ,口腔内観察を良好に実施できた。また本器装着時の口腔内実験への応用例として,口蓋歯肉への薬液注射,および上顎臼歯への絹糸結紮による実験的歯周炎作成を行い,本器を用いた場合の処置時の視野確保と器具の到達性などを検討した。本器を用いた開口保持により,各種器具を挿入した口腔内実験を良好に実施できた。なお,総ステンレス製の本器は,オートクレーブ,乾熱滅菌も可能となっている。本器は実用新案登録済みである(公開番号2014-004789)。

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著者
高洲豊水 編
出版者
優良商品文庫編輯所
巻号頁・発行日
vol.第1輯, 1918
著者
角田 博保 粕川 正充
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.18(1990-HI-035), pp.51-58, 1991-03-07

変換型日本語ワードプロセッサのローマ字入力モード時の打鍵データを収集し、発想などの思考に要する時間を省くことにより滑らかに打たれている連続打鍵列を取り出して打鍵時間を分析した。被験者4人のそれぞれ数万打鍵のデータの隣接2打鍵(ダイグラフ)分析により、母音打鍵と子音打鍵によって打鍵時間頻度グラフが大きく変わること、同手打鍵では指の位置によって打鍵時間が特徴的であること、必ずしも交互打鍵が同手打鍵より速くないことが明らかになった。本論文では、連続打鍵列を取り出す手法、切り出された打鍵列を分析した結果を述べ、さらに分析すべき項目を指摘する。
著者
長尾 文子 岩田 知那 伊藤 晃 下 和弘 城 由起子 松原 貴子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0326, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】国民生活基礎調査において肩こり有訴者率は男女ともに非常に高い。肩こりには身体・心理・社会的要因が関与するといわれており,身体的要因としては肥満度が高いこと,運動量が少ないこと,社会的要因としては睡眠の質が悪いことなどが報告されている(大谷2008,岸田2001)。一方,心理的要因については,ストレスとの関係性が指摘されており(沓脱2010),肩こり有訴者はストレス下に曝露されていることが示唆される。ストレスと健康を調整する機能をストレスコーピングといい,適切なストレスコーピングがなされない場合,痛みや不安・抑うつといったさまざまなストレス応答が表出され(嶋田2007,牧野2010),心身の健康に影響を及ぼすことが予測される。そこで今回,身体的・社会的要因に加え,心理的要因としてはストレスコーピングに着目し,若年者を対象に肩こりの身体・心理・社会的特性について検討した。【方法】対象は大学生470名(19.9±1.4歳)で,頚肩部痛に対して受診歴がある者,肩こりの他に慢性痛を有する者,発症後3か月未満の肩こりを有する者は除外し,肩こりのある者(肩こり群)とない者(非肩こり群)に分類した。評価項目は肩こりの程度(VAS),初発年齢,初発原因,誘発要因,罹患期間,機能障害(NDI),心理的因子の疼痛自己効力感(PSEQ),破局的思考(PCS)を肩こり群のみで,健康関連QOL(EQ-5D),身体的因子の身体活動量(IPAQ),心理的因子のストレスコーピング(TAC-24),ストレス応答(PHRF-SCL),社会的因子の睡眠状態(睡眠時間,睡眠時間の満足度,睡眠の質),家庭環境(世帯構造,家庭生活の満足度)を両群で調査した。統計学的解析には,群間比較にMann-WhitneyのU検定,またはΧ2検定,相関にSpearmanの順位相関係数を用い,有意水準を5%とした。【結果】肩こり有訴者率は28.7%(肩こり群82名,非肩こり群204名)であった。肩こりの程度は42.8±21.9,初発年齢は16.1±2.5歳,罹患期間は3.0±2.1年,初発原因および誘発要因は同一姿勢が多かった。NDIは5.2±4.4点,PSEQは36.2±11.0点,PCSは「反芻」9.6±4.6点,「無力感」5.3±3.8点,「拡大視」3.6±2.8点であった。肩こり群は非肩こり群と比較して,PHRF-SCLの「疲労・身体反応」,TAC-24の「計画立案」,「責任転嫁」,「放棄・諦め」,「肯定的解釈」,家庭生活の満足度の「やや不満」が有意に高い一方,EQ-5Dの効用値,EQ VAS値,TAC-24の「カタルシス」,「気晴らし」が有意に低かった。IPAQ,睡眠時間,睡眠時間の満足度,睡眠の質,世帯構造に有意な差はなかった。肩こり群の各調査項目において中等度以上の有意な相関関係は認められなかった。【考察】今回,肩こりは中高生からの発症が多く,初発原因および誘発要因が同一姿勢であったことから,学業やVDT作業などの座位で同じ姿勢を保持する機会が増えることが肩こりの発症に関係すると考えられた。また成人(大谷2010)同様,若年者においても肩こりの存在が有訴者の健康関連QOLを低下させる可能性が考えられた。身体・心理・社会的特性を検討した結果,身体的要因は健常者と差がなかったが,心理的・社会的要因で特徴が認められた。社会的要因は,肩こり群で家庭生活に不満をもつ者が多かったことから,ストレッサーの一因となる可能性が考えられた。心理的要因のストレスコーピングでは,肩こり有訴者はストレッサーに積極的に対応しようと試みる一方,ストレッサーにより起こる情動の発散や調整ができないため,ストレッサーの解決が困難な場合はストレッサーを回避する傾向がうかがえた。回避系のストレスコーピングはストレス応答の表出を高めることが報告されており(坂田1989,尾関1991),今回の肩こり群で「疲労・身体反応」が強く表出されていたことから,肩こり有訴者はストレッサーを適切に対処できていない可能性が示唆され,また,身体面に表出されるストレス応答が肩こりを惹起,増悪させる要因となりうることが示唆された。適切なストレスコーピングにより肩こりやQOLの改善が期待されるため,若年者の肩こりマネジメントにはストレスコーピングスキルの向上を含め,心理社会的アプローチを加えることが必要と考える。【理学療法学研究としての意義】我が国で有訴者の多い肩こりに対して身体・心理・社会的側面から特性を検討した結果,肩こり有訴者は特徴的なストレスコーピングを有することがうかがえ,肩こりをマネジメントするうえで重要な所見と考える。
著者
小沢 日美子
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.83-93, 2018 (Released:2018-07-11)
参考文献数
42

ヒトの発達過程における行動形成とそのための環境的要因は, 発達段階に応じて理解されることが望ましい。他者理解研究の一つでもある「theory of mind (ToM) : 心の理論」研究は, Premack & Woodruff (1978) の霊長類を対象にした研究に端を発している。そして Wimmer & Perner (1983) が, Dennet (1978) の提起を受け, 幼児に実施した「false belief task」は大変良く知られている。その後, Baron-Cohen (1995) は, 「theory of mind」 の形成の過程について, 「注意共有機構のモジュール」を論じ, 三者関係が社会環境におけるさまざまな情報の認識, また, 社会適応の基盤となるとした。そのため一者関係的認識に基づく「false belief task」の通過は, 「theory of mind」の形成とは同義とは捉えられにくい。たとえば, 成人期における「theory of mind」研究では, 対象者自身が, 「theory of mind」課題の回答の際, すでに前提としていることを把握することが欠かせないと考えられている。したがって, 今後の「theory of mind」の発達的検討でも, 自己―他者―対象との間の関係発達を捉えた社会的環境適応との関連で検討されることが重要になるだろう。
著者
大橋,正敬
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, 1992-12-25

明治40年(1907年),東京上野で,東京府主催の東京勧業博覧会が開催され,それに出品された歯磨と歯ブラシについて前報で報告した.今回はそれらの審査結果について調べた.歯磨の受賞者は1等賞が3,3等賞が8名,褒状が5名であった.歯ブラシの受賞者は3等賞が1名だけであった.これらの受賞者および受賞品名を表1に示した.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.792, pp.31-33, 2020-09

自動車関連の技術者の「直近1カ月のテレワークの実施率は8割超」「現状のテレワークや出勤の状況に満足している人は半分以下」─。日経Automotiveが自動車関連の技術者を対象に実施したアンケート調査「アフターコロナの自動車産業〜技術者の働き方と社会・消費…