著者
舟生 日出男 加藤 浩
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.309-319, 2010

近年,卒業論文や修士論文の研究課題を設定する能力が低い工学系の学生が増えている.そこで本研究では,「課題の設定に関わる力」の効力感を高めるために,CSCLシステム「ProBo」を取り入れて,「協調的調査活動」をデザインし,大学院の授業の中で実践した.協調的調査活動とは,A)先行研究とそれに関連する文献を調査し,その研究の特徴として,位置づけや実現している範囲について吟味し,ドキュメントとしてまとめ,B)ドキュメントについての相互閲覧や質疑応答,発表,それらの結果を踏まえたドキュメントの改善を行う活動である.自己評価や相互評価,質問紙調査の結果,学生の多くは実践を通して,情報活用能力とプレゼンテーション能力について,効力感が得られたことが明らかになった.また,相互にドキュメントを閲覧したり,質疑応答することの有効性についても,多くの学生に認められた.
著者
藤井 さやか 大澤 昭彦 小泉 秀樹 中井 検裕 中西 正彦
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.73, no.634, pp.2801-2802, 2008-12-30

There are two published refereed papers on Height Limitation of Building by Highest Limited Height Control Zone. Your paper contains many similarities with these papers. The similarities are not only same writings but also analytical flames and tables that those papers investigated. The question is raised why these papers are not listed as references on your paper.
著者
京都大学図書館機構将来構想企画検討会
出版者
京都大学附属図書館研究開発室
巻号頁・発行日
pp.1-148, 2008-03-31

I.京都大学の図書館をめぐる課題と将来構想策定の必要性 II.京都大学図書館機構のミッションと将来構想 III.組織と人材のこれから IV.これからの図書館サービス V.図書館資源の整備 VI.電子ジャーナルを中心とした学術雑誌の収集と提供 VII.京都大学における電子情報資源を中心としたサービスの将来構想
著者
安部 耕造 矢口 学 嶋瀬 俊太郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.400-405, 2011 (Released:2011-10-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1 3

科学技術振興機構(JST)は,2008年12月に行った調査に引き続き,企業における電子ジャーナルの導入等に関するアンケート調査を2011年2月から3月にかけて実施し,企業等に所属するJDreamII利用者507名から回答を得た。その結果,企業での電子ジャーナル導入状況は前回の調査から若干の進展が見られるものの,いまだ低い水準にとどまっていることが明らかになった。
著者
和達 三樹
出版者
東京大学理学部
雑誌
東京大学理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.17-19, 1990-06
著者
木村 祐哉
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.357-362, 2009-05-01
被引用文献数
3

少子高齢化の進む現代の日本において,ペットは家族の一員として重要な存在となっている.そのようなペットの喪失によって強い悲嘆が生じうることは,「ペットロス」という言葉とともに知られるようになったが,十分な社会的理解が得られるには至っていない.本稿では,ペットロスに伴う悲嘆反応とそれに対する支援について諸文献から考察した.ペットロスは対象喪失の一種であり,親しい人物との死別の場合と同様の悲嘆のプロセスを経るとされる.専門的介入もまた有効であると考えられているが,安楽死の決定にかかわる罪悪感や,周囲との認識の違いによる孤独感など,ペットロスに特異的な状況が存在するということにも注意する必要がある.本稿ではさらに,日本におけるペットロスの現状について触れ,今後の研究に求められる課題を明らかにすることを試みた.
著者
小林 隆人 谷本 丈夫 北原 正彦
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 = Japanese journal of conservation ecology (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-12, 2004-06-30
被引用文献数
1

オオムラサキ(鱗翅目,タテハチョウ科)の保護を目的とした森林管理手法の確立に必要な資料を得るため,面積の広い森林が連続的に分布する栃木県真岡市下篭谷地区と都市化が進んで面積が狭い森林がパッチ状に分布する伊勢崎地区において,森林群落のタイプとその面積,寄主植物であるエノキの本数,エノキの根元で越冬する本種の幼虫の個体数,夏季における成虫の目撃個体数を調査した.両地区とも,アカマツ-クリ・コナラ林およびクヌギ,コナラ,針葉樹,タケの人工林などがパッチ状に分布し,アカマツ-クリ・コナラ林の面積率が最も高かった.本種の寄主植物であるエノキの母樹(樹高2m以上)は,森林地帯,農家の屋敷地,荒地に小集団で存在した.母樹の本数は両地区ともアカマツ-クリ・コナラ林で最も多く,他の森林群落および土地利用では少なかった.地区別の本数は下篭谷地区と比べて,伊勢崎では顕著に多かった.当年,1年生など発芽して間もないエノキの椎樹は,森林の部分的な伐採から1年ほど経た比較的新しい林縁部に見られた.下篭谷では,胸高直径が15cm以上25cm未満のエノキにおける本種の越冬幼虫の個体数が,他のサイズのエノキよりも有意に多くなったが,伊勢崎では幼虫個体数はエノキのサイズの間で有意に異ならなかった.一方,木の周囲の森林および落葉広葉樹二次林の面積と越冬幼虫の個体数との間には,両地区とも有意な正の相関が認められた.成虫の確認個体数は下篭谷地区で多く,成虫の多くはクヌギ林およびその付近で確認された.以上の結果から,落葉広葉樹二次林に対して土地利用の変換を伴う部分的な伐採を行うことは,エノキの密度を増加させる反面,本種の越冬幼虫や成虫の密度を減少させることが示唆された.このような両者の相反する生息条件を満たすには,クヌギ林とエノキが備わったある広さの落葉広葉樹二次林を伐期が異なる小班に区分することが必要である.
著者
今栄 国晴 平田 賢一 清水 秀美 北岡 武 中津 楢男 西之園 晴夫
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.107-115, 1984-01-20

教育工学専門家に要求される能力(コンピテンス)を調べるために,日本科学教育学会など4学会の会員に,能力に関する質問90項目を主体とする調査票を郵送し,563名の有効回答を得た.因子分析の結果,5因子が抽出されたが,小・中・高の学校や教育センターに勤務する教育工学教師には,授業設計・授業研究能力因子とメディア制作・機器操作能力因子が重視され,大学・研究所勤務の専門家には,それらとともに,とくに研究能力が重視され,さらに,教育システム開発運営能力因子や教育に関する基礎知識因子も比較的重視されていることがわかった.このことは,教育工学専門家を養成する場合,その将来の勤務先によって養成すべき能力に大きな差があることを示唆している.なお,米国AECTのスペシャリストに要求される能力表との比較検討も行われた.
著者
吉田 綾乃
出版者
東北福祉大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究の成果は以下の3点に集約される.1.ワーキングメモリキャパシティが乏しい者がピースミール処理を志向することは不適応に結びつく.2.キャパシティが乏しい者は対人認知においてカテゴリー依存型処理を行いやすい.3.キャパシティが豊富な者は認知資源が確保可能な場合にはピースミール処理を行うことができる.すなわち、ワーキングメモリキャパシティの個人差が対人的な情報処理過程において重要な機能を果たしていることが明らかになった.
著者
木村 祐哉 川畑 秀伸 大島 寿美子 片山 泰章 前沢 政次
出版者
ヒトと動物の関係学会
雑誌
ヒトと動物の関係学会誌 (ISSN:13418874)
巻号頁・発行日
no.24, pp.63-70, 2009-12
被引用文献数
1

ペットを失ったことで悲しむ飼主に対し、日本では「ペットロス症候群」という名称が一部で用いられる。この表現には肯定的な立場をとる者もいれば否定的な立場をとる者もおり、それが受け容れうるものであるかどうか、想定される影響について判断する必要が生じている。本研究では、異なる3大学でそれぞれ医学、獣医学、文学を専攻する学生99名を対象とした自由記述式の質問紙調査を実施した。内容分析の手続きにより全13,475字の記述内容から142個の最小分析単位を抽出、4グループから成る18個のコードが生成された。このコードを基本的発想データ群としたKJ法の手続きにより、【命名の是非】は【病名の妥当性】と【病名の影響】から判断されるという構造が想定された。また、ペットの喪失に伴う【悲嘆への認識】は個々人で異なることがあり、それが【病名の妥当性】と【病名の影響】の双方に影響を及ぼす可能性が示唆された。In Japan today, some use the term "pet-loss syndrome" to refer to the condition of the owners who are bereaved from death of their pets. However, it is controversial whether this term should be propelled to common usage. Investigation about issues of concern regarding this term is necessary to discuss the pros and cons of this expression. To collect as wide of a variety of ideas about the expression as possible, a total of 99 medical, veterinary and humanities students from three different universities were recruited for an open-ended questionnaire. By content analysis, 142 minimum units for analyzing were extracted from 13,475 characters written on the questionnaire. These units were organized into 18 codes classified in four groups. In order to establish a theory of terming, the KJ method was finally conducted by treating the codes as basic data for abduction. The constructed theory showed a basic concept that [pros and cons of terming "pet-loss syndrome"] were assessed by two factors: [validity of the disease name] and [influence from the disease name]. Furthermore, it was also assumed that [perception toward grief derived from pet loss] differed from person to person, which could affect these factors.