著者
大塚 吉道 二宮 佑一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.949-955, 1985

テレビ信号の高能率符号化方式に動き補正フレーム間符号化方式がある.この方式は, 画像に動きがあっても高い画質を保って高能率な符号化が可能であるが, フェードチェンジには効果がなく, 著しく符号化能率が低下し画質劣化が目立つようになる.そこで, 時間方向の2次予測 (フェード予測) を開発し, 動き補正フレーム間符号化装置に導入し画質改善を図った.一般に高次の予測を行うと, 1次予測に比較して符号化誤差が増える欠点がある.この対策として, 予測信号にノイズリダクションフィルタをかけているのも本方式の特徴である.実際のフェードチェンジ画像を用いて, フェード予測とフレーム予測の比較を行った実験では, フェード予測の有効性の高さを立証でき, 16Mb/sの符号化実験では, フレーム予測に比較して, この期間の画質を大幅に改善できた.
著者
加藤 讓
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.83, no.12, pp.2052-2057, 1994-12-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
4

視床下部は内分泌,自律神経機能を調節する中枢であり,視床下部障害によって多彩な症状が認められる.下垂体機能低下症においては視床下部障害と下垂体障害の鑑別が重要であり,内分泌負荷試験が有用である. LHRHの間欠的投与による視床下部性性腺機能低下症の治療は神経内分泌学の研究の成果の一つである.体重,体温,電解質異常に対しても視床下部病変の関与を常に考慮することが大切である.
著者
木村 初司 杉山 雅人 小島 昇 松川 昌章
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会年次大会講演予稿集 (ISSN:09191879)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.67-68, 1993

This paper describes a CNR(CNR : Chroma Noise Reducer) for MUSE decoder. This system adopts a frame recursive type NR after MUSE decoding, it is able to take effect for motion-adaptive and motion-compensation.
著者
権田 亜紀子 郡司 洋 尾鷲 仁朗
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.17, no.60, pp.1-6, 1993

1.2Gb/sのHDTV信号を90Mb/sに圧縮するディジタルVTR用高能率符号化において、低S/N画像が入力された場合の復号画像の画質評価を行った。符号化方式はJPEGをベ一スとした ものであり、計算機シミュレーションにより復号画像を作成した。この結果、復号画像のS/Nは入力時とほぼ同程度であるが、ノイズが規則的なパターンに変化することがわかった。この変化により、視覚的には最大3dBノイズが増加したように見える。また、ノイズリデューサにより入力画像のS/Nを改善した場合についても評価を行い、復号画像の画質改善に効果があることを確認した。
著者
鈴木 律朗
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.9, pp.1878-1884, 2015-09-10 (Released:2016-09-10)
参考文献数
29
著者
二宮 佑一 大塚 吉道
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.956-962, 1985
被引用文献数
1 1

フレーム間符号化等ですでに開発されている動き補正技術を応用した動き補正型ノイズリデューサについて述べる.ノイズリデューサのフレームメモリーの出力信号に動き補正を加えることにより, 現入力信号とそれ以前の信号との間の位置ずれをなくすことができる.したがって, 動き補正型ノイズリデューサにおいては, 従来型のノイズリデューサで問題になっていた, 動きエッジ部の動きぼけあるいはノイズの残留等を防ぐことができ, 良好な画質を得ることができる.動き補正フレーム間符号化の実験装置を改修することにより, 実時間で動作する動き補正型ノイズリデューサの実験機を製作した.その結果, 動き補正をノイズリデューサに導入することの有効性が確かめられた.なお, 実用装置を製作する場合の従来方式のノイズリデューサに比べた回路規模の増大はわずかである.
著者
服部 伸
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ホメオパシー家庭医学書の分析からは、疾病の解説では新しい科学的医学の知見を反映した改訂が繰り返された面、治療法自体についてはかたくなに伝統的な方法が維持されていたことがわかる。ホメオパシー信奉者が利用していた治療マニュアルは、社会の変化や科学的医学の進歩がある程度反映されている。ホメオパシーがもつ固有の身体観や疾病観は、科学的医学の身体観や疾病観とは相容れないものであったが、『ホメオパシー教本』のような家庭医学書のレベルでも、科学的医学的な説明がなされていたのである。
著者
小寺 智史 磯部 哲 岡田 希世子 奈須 祐治 鵜飼 健史 高 史明
出版者
西南学院大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

本研究は、補完代替療法(Complementary and Alternative Medicine, 以下CAM)に対する日本の法規制の現状と課題を分析し、今後求められる法規制のあり方を明らかにするものである。本研究では特に、科学的根拠に基づかない健康食品・サプリ及びホメオパシーに対する法規制について、次の3つの観点から研究を行う。第1に、CAMに関する利用・情報の拡散の程度及びその原因に関する分析である。第2に、CAMに関する日本の現行の法規制の分析である。第3に、CAMに関して将来必要な法規制の分析である。これらの観点から、CAMに対する法規制の問題点及び今後の法規制の様態を検討する。
著者
小切間 美保 西野 幸典 角田 隆巳 鈴木 裕子 今木 雅英 西村 公雄
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiyo shokuryo gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.81-87, 2001-04-10
参考文献数
12
被引用文献数
2 1

鉄剤を緑茶で服用しても影響はないとする報告がある。しかし, これらの報告は年齢, 栄養素摂取状況などを十分に考慮した検討ではない。そこでわれわれは, 18-24歳の若年女性のべ50名の対象者を, 無作為にミネラルウォーターのみ服用 (Control 群), 市販緑茶飲料のみ服用 (Tea群), 鉄剤をミネラルウォーターで服用 (Fe群), 鉄剤を市販緑茶飲料で服用 (Fe+Tea群) の4群に分け鉄剤吸収実験を行った。また, 実験前2週間の食事調査も行った。鉄剤にはクエン酸第一鉄ナトリウム製剤 (鉄として100mg相当量) を, 緑茶ば市販の缶入り飲料を用いた。鉄吸収の指標として血清中の鉄 (Fe), 総鉄結合能 (TIBC), 不飽和鉄結合能 (UIBC), フェリチンの測定を行った。実験により, Fe群どFe+Tea群の間には有意な差はなかったが, これら2群は他の2群より血清鉄濃度は有意に上昇し, 血清不飽和鉄結合能は有意に低下した。これらの結果から, 若年女性においてクエン酸第一鉄ナトリウム製剤を市販緑茶飲料で服用しても鉄吸収が阻害されることはないと考えられた。
著者
櫻井 秀彦 丹野 忠晋 増原 宏明 林 行成 山田 玲良
出版者
日本商業学会
雑誌
JSMDレビュー (ISSN:24327174)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.11-18, 2019 (Released:2019-10-29)
参考文献数
25

本稿では医薬品卸と薬局間の医療用医薬品の納入価格の影響要因について実証研究を行った。降圧薬の薬価とその卸価格の差の薬価に対する割引率を分析対象とした。薬局に対する,ある医薬品メーカーの薬剤の割引率は,その薬局がメイン卸(最も高いシェアの卸企業)としている卸企業がその医薬品メーカーとどのような資本関係(系列関係)にあるかによって大きく影響を受けていた。強い系列卸をメイン卸とする薬局は,そのメーカーの医薬品を割引されない一方で,弱い系列や非系列の卸をメインとする薬局は大きな割引を得ていた。また,特許で保護されている薬剤には数量割引が確認された。更に,複数の薬剤を一括して取引して価格を決める総価取引は,割引率に大きな影響を与えないことが示された。
著者
高原 幹 板東 伸幸 今田 正信 林 達哉 野中 聡 原渕 保明
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.104, no.11, pp.1065-1070, 2001-11-20 (Released:2010-10-22)
参考文献数
12
被引用文献数
9 7

尋常性乾癬7例に対する扁摘の効果とその病理学的特徴について検討した. 7例の内訳は男性3例, 女性4例であり, 年齢は9歳から46歳であった. 扁摘による効果は3例が消失, 2例が著効であり, 治療効果は約70%に認められた. 病理学的な検討として, CD20抗体と抗ssDNA抗体による扁桃組織の免疫染色を行い, B細胞, T細胞, BT混合領域の面積とB細胞領域のアポトーシス細胞数を測定した. その測定値を習慣性扁桃炎, IgA腎症, 掌蹠膿疱症と比較した. 結果は, 乾癬と掌蹠膿疱症において有意なT領域の拡大, Bリンパ濾胞の縮小, リンパ濾胞内でのアポトーシス細胞の増加が認められた. このような結果から, 乾癬の中には, 臨床的のみならず組織学的にも掌蹠膿疱症と同様に扁桃病巣感染症の特徴を持つ症例が存在することが示唆された. また, 掌蹠膿疱症, IgA腎症, 乾癬症例における消失群と著効・改善群を比較すると, 消失群では有意にT領域の拡大を認めた. このような結果から, T領域の測定は術後の扁摘効果を反映する組織学的検査に成り得る可能性が期待された. 今後症例数を増やし更なる検討を加える予定である.