著者
森 修一 加藤 三郎 横山 秀夫 田中 梅吉 兼田 繁
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本ハンセン病学会雑誌 = Japanese journal of leprosy (ISSN:13423681)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.47-63, 2004-02-28
参考文献数
24
被引用文献数
1

本研究は戦前、日本に唯一存在したハンセン病患者の自由療養地である群馬県吾妻郡草津町湯の沢部落の社会科学的分析の中から、何がハンセン病患者の隔離の二つの側面である「迫害されている患者の社会の圧力からの保護」と「感染源である患者からの社会の防衛」のダイナミズムを後者への優位に導いていったのかを明らかにすることを目的とするものである。その過程は湯の沢部落の実態の解明(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究I、II」)、自由療養地議論の展開と消滅の過程の検証と湯の沢部落の関わり(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究III」)、湯の沢部落消滅後にその精神が日本の隔離政策に与えた影響(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究IV」)などの研究の総体である。<BR>本稿では戦後、栗生楽泉園から始まる患者運動を通して、湯の沢で培われた精神は楽泉園内でも生き続け、患者運動の戦端を開き、「特別病室」を廃止、職員の不正を暴き、やがて多磨全生園と共闘し、「全国癩療養所患者協議会」を生み、絶対隔離政策と対峙する力を形成する様相を描いた。併せて、「特別病室」設置の背景、戦中を中心としての療養所内の混乱の様相とその要因を述べた。
著者
森 修一 加藤 三郎 横山 秀夫 田中 梅吉 兼田 繁
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本ハンセン病学会雑誌 = Japanese journal of leprosy (ISSN:13423681)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.217-237, 2003-08-30
参考文献数
59
被引用文献数
1

本研究は戦前、日本に唯一存在したハンセン病患者の自由療養地である群馬県吾妻郡草津町湯の沢部落の社会科学的分析の中から、何がハンセン病患者の隔離の二つの側面である「迫害されている患者の社会の圧力からの保護」と「感染源である患者からの社会の防衛」のダイナミズムを後者への優位に導いていったのかを明らかにすることを目的とするものである。その過程は湯の沢部落の実態の解明(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究1、II」)、自由療養地議論の展開と消滅の過程の検証と湯の沢部落の関わり(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究III」)、湯の沢部落消滅後にその精神が日本の隔離政策に与えた影響(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究IV」)などの研究の総体である。<BR>本稿では自由療養地構想から絶対隔離政策への変遷過程を国会での議論、内務省の政策およびその意思決定過程、自由療養地議論の中の湯の沢の役割、などから描いた。加えて、自由療養地を望む患者たちの意見とその背景を示すと共に世界の隔離政策と日本の隔離政策をその歴史的過程を含みながら対比、考察した。
著者
上田 善弘
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.157-163, 2010-05-25 (Released:2016-04-01)
参考文献数
13

バラと人の付き合いは花の香りを利用することから始まった.それは古くは古代ペルシャにさかのぼり,その後,ローマ人はバラを多用し,小アジアやエジプトから輸入した.香料用に利用されていたバラは,その花のはなやかさにより観賞用植物として大発展することになる.ところが,これまでのバラ育種では,バラ本来の重要な形質である香りよりも花の色や形に視点がおかれていた.最近では,香りが再認識され,新たな香りバラの育種が世界各国で行われるようになってきた.
著者
西片 裕
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.215-229, 2019-12-31 (Released:2020-02-14)
参考文献数
43

本研究では,自律的動機づけの内在化を促す設計をした授業を実践し,効果を検証した.授業は,1)模擬患者に行う技能試験であるOSCE のルーブリックを学生が作成,2)ルーブリックを用いて学生が自主練習,3)OSCE の録画映像を見て学生が自己評価,4)教員のフィードバックであった.研究1では学生37名の自律的動機づけを授業前後に調査し,量的分析した.自律性が低い学生は,自律性の指標となるRAI が有意傾向であるが上昇し,同一化的調整が有意に上昇した.この授業は自律的動機づけを促す傾向があり,同一化的調整を促進することが示された.研究2では学生4名に半構造化面接を行い,小規模データに適用可能な質的分析手法のSCAT で分析した.同一化的調整を促進する要因は,1)学生が作成したルーブリックの見やすい提示,2)録画を見ての自己評価,3)教員のフィードバックであった.
著者
天池 洋介
出版者
日本福祉大学子ども発達学部
雑誌
日本福祉大学子ども発達学論集 = THE JOURNAL OF CHILD DEVELOPMENT (ISSN:24352802)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.29-45, 2020-01-31

グローバル化によって, 教育が国際貿易における商品となり, 教育政策が人的投資戦略に転換している. EU では各国の教育政策が資格枠組みを通して統合化されるとともに, エラスムス計画をはじめとするヨーロッパの次元での教育政策が展開している. 北欧の次元の教育政策としてノルドプラスがあるが, その内容も歴史的変遷も, ヨーロッパの次元の教育政策と類似している. しかしノルドプラスは北欧諸国・バルト諸国の統合を目標とはせず, あくまで国家間の多様性を保持したまま, 弱点を補い合い相乗効果を発揮するシナジーを形成する, 共同による国家間制度である. ノルドプラスは, 北欧諸国間における共同の原理によって, 競争的なグローバル教育市場を組み替えている.
著者
栃木 衛
出版者
帝京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

自閉症遺伝研究において父親の生殖細胞(精子)を用いてエピジェネティックな解析を行うことの意義について理論的検討を行うと共に、マイクロアレイを用いたDNAメチル化のゲノムワイドな定量方法の確立を目指し、血液由来DNAを対象としてマイクロアレイによるメチル化解析の予備的検討を行った。定量方法の検討の結果では、同一サンプルであっても必ずしも十分な再現性が得られない場合があり、評価方法にさらなる検討を要することが判明した。
著者
荒金,眞佐子
出版者
日本生薬学会
雑誌
生薬學雜誌 : shoyakugaku zasshi : the Japanese journal of pharmacognosy
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, 2008-08-20

This study identified that the plant origin of Harmala seeds was Peganum harmala L. by cultivation of seeds in the package. Peganum harmara was glabrous, perennial herbaceous 30-60 cm. Hairless. Leaves were alternate, deeply and irregulary pinnatisect, with widths of 1.5-3 mm, and a disagreeable odor when rumpled. Opposite to leaves were solitary white flowers with green veins. Capsules 7-10 mm. Angular brownish seeds bearing alveolate structure on surface and the longer axis x the minor axis : 2.9-3.3 mm x 1.5-1.8 mm. Peganum harmala contained harmine and harmaline, members of the beta-carboline chemical class; both are potent reversible inhibitors of the enzyme monoamine oxidase (MAO). Harmine ranged 27.2-105.9 mg/g while harmaline ranged 55.8-119.2 mg/g in the seeds, and harmine ranged 27.5-34.4 mg/g while harmaline range 0.4-0.5 mg/g in the roots. When we judge the Harmala seeds used as abuse drugs, it is necessary to confirm the following: the dimensions of the longer axis and the minor axis, the brown to blackish brown color, the triangular shape, the small concave structure appearance observable with a substance microscope or a scanning electron microscope, and harmine and harmaline analysis by TLC or HPLC.
著者
中尾 鷹詔 久保田 智規 吉田 英司
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2020-OS-148, no.7, pp.1-6, 2020-02-20

近年,動画データの増大が著しく,どのようにサーバやクラウドに転送・蓄積するかが課題となっている.また,ディープラーニング技術の進化に伴い AI による画像解析の需要が高まっている.そこで,我々は動画像を解析可能かつより小さなデータサイズに符号化する手法を研究している.本稿では物体検出手法の一つである YOLOv3 を対象として,AI が物体を検出するのに必要な領域を解析し,不要な領域のみ画質を劣化させる高効率な動画像符号化方式を提案する.本手法を用いることで,人が解析することを想定した符号化方式と比べて圧縮率と検出率が向上することを確認した.
著者
片山 敦 佐藤 僚介 吉川 朋子
出版者
公益財団法人 平岡環境科学研究所
雑誌
自然環境科学研究 (ISSN:09167595)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.5-12, 2017 (Released:2020-01-07)
参考文献数
34

外来のカワリヌマエビ属の河川や池での生息の報告が,近年関東でも多くされており,在来のヌカエビへの影響が懸念されている.本研究では両種の生息が確認されている鶴見川水系において,分布調査を2014 年および2016–2017 年に行った.2014 年の調査では,カワリヌマエビ属は河川のほぼ全域に出現し,2 地点のみでヌカエビが同所的に採取されたが,2016年にはカワリヌマエビ属のみで,ヌカエビは確認されなかった.池については2014 年には1 地点でカワリヌマエビ属とヌカエビが同所的に,3 地点でヌカエビのみが出現したが,2017 年には2 地点はカワリヌマエビ属のみに置き換わり,ヌカエビのみが生息しているのは2 地点だけであった.この調査でカワリヌマエビ属が侵入すると個体数がほぼ同数の状態から2–3年でカワリヌマエビ属に置き換わることが明らかになった.今後はヌカエビが生息する池への人為的な移入を防ぐために,外来カワリヌマエビ属の問題について,普及啓発を行っていくことが重要だと考えられた.
著者
長谷川 政智 池田 実 藤本 泰文
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.47-60, 2015 (Released:2017-11-10)
参考文献数
15
被引用文献数
2

外来種となるカワリヌマエビ属Neocaridina spp.と在来種のヌカエビParatya compressa improvisaの生息状況を宮城県北部の河川・水路ならびにため池で調査した.調査した河川・水路の114箇所のうち57.0%にあたる65箇所でカワリヌマエビ属の生息を確認した.一方,ヌカエビは44箇所(38.6%)でしか確認されず,また,1地点あたりの捕獲数もカワリヌマエビ属の半分以下であった.ため池では,カワリヌマエビ属が出現した池は56箇所のうち11箇所と少なかったが,ヌカエビは36箇所で確認された.一般化線型混合モデルによる検定と合わせて分析した結果,どちらのタイプの水環境でも,ヌカエビ生息地にカワリヌマエビ属が侵入した場合には,ヌカエビの生息に負の影響を及ぼす可能性が示された.したがって,今後も宮城県においてカワリヌマエビ属の分布は拡大し,ヌカエビの分布は縮小することが示唆される.
著者
横山 遼 坂本 龍一 中村 宏
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2020-OS-148, no.9, pp.1-9, 2020-02-20

複数の物理マシンにまたがって動作するマイクロサービスによるアプリケーションで,通信オーバーヘッドが問題となっている.物理マシン間通信削減のためマイクロサービスを少数マシンに集約配置すると,リソース使用量に偏りが生じ一部のマシンがボトルネックとなりスループットが低下しうる.本研究ではリソース使用量の複数マシンへの配分と物理マシン間通信の削減をアプリケーションに合わせたバランスで行う,マイクロサービスの物理マシンへの最適配置アルゴリズムを提案する.その後,既存のマイクロサービスアプリケーションにも容易に導入可能な最適化システムおよび評価環境を実装した.ベンチマークを用いた性能評価では,マイクロサービス動作環境のデファクトスタンダードである Kubernetes スケジューラと比較してより均一なリソース使用量配分および通信時間削減を果たし,スループット・レイテンシ共に改善を果たした.
著者
Shohei Kusakabe Nahoko Higasitani Takakazu Kaneko Michiko Yasuda Hiroki Miwa Shin Okazaki Kazuhiko Saeki Atsushi Higashitani Shusei Sato
出版者
Japanese Society of Microbial Ecology / Japanese Society of Soil Microbiology / Taiwan Society of Microbial Ecology / Japanese Society of Plant Microbe Interactions / Japanese Society for Extremophiles
雑誌
Microbes and Environments (ISSN:13426311)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.ME19141, 2020 (Released:2020-02-20)
参考文献数
65
被引用文献数
21

Bradyrhizobium elkanii, a rhizobium with a relatively wide host range, possesses a functional type III secretion system (T3SS) that is involved in symbiotic incompatibility against Rj4-genotype soybean (Glycine max) and some accessions of mung bean (Vigna radiata). To expand our knowledge on the T3SS-mediated partner selection mechanism in the symbiotic legume-rhizobia association, we inoculated three Lotus experimental accessions with wild-type and T3SS-mutant strains of B. elkanii USDA61. Different responses were induced by T3SS in a host genotype-dependent manner. Lotus japonicus Gifu inhibited infection; L. burttii allowed infection, but inhibited nodule maturation at the post-infection stage; and L. burttii and L. japonicus MG-20 both displayed a nodule early senescence-like response. By conducting inoculation tests with mutants of previously reported and newly identified effector protein genes of B. elkanii USDA61, we identified NopF as the effector protein triggering the inhibition of infection, and NopM as the effector protein triggering the nodule early senescence–like response. Consistent with these results, the B. elkanii USDA61 gene for NopF introduced into the Lotus symbiont Mesorhizobium japonicum induced infection inhibition in L. japonicus Gifu, but did not induce any response in L. burttii or L. japonicus MG-20. These results suggest that Lotus accessions possess at least three checkpoints to eliminate unfavorable symbionts, including the post-infection stage, by recognizing different T3SS effector proteins at each checkpoint.
著者
渡部 聡也 後藤 秀樹 山中 直道 鄭 俊俊 毛利 公一
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2020-OS-148, no.6, pp.1-6, 2020-02-20

近年,様々な製品は,高機能,高性能化が要求されており,内蔵する組込み機器の数が増加している.内蔵する組込み機器が増加することにより,消費電力の増加やコストの増加,製品の内部スペースの圧迫,ネットワークの複雑化といった問題がある.この問題を解決するための方法として,複数の組込み機器で動作するソフトウェアを 1 つの組込み機器に集約する方法がある.しかし,複数のソフトウェアを 1 つに集約するとメモリ空間の競合やデバイスの競合といった問題が発生するため,複数のソフトウェアが互いに影響を及ぼさないように動作させる必要がある.複数のソフトウェアを動かす方法として,仮想化が用いられるが,仮想化ではエミュレーションによるオーバヘッドが発生する.また,仮想化で使用する VMM は規模として大きくなるため組込み機器の限られたメモリ資源を圧迫してしまう.以上の背景から本論文では,マルチコアプロセッサを用いて,複数の組込みソフトウェアを起動してハードウェアを直接割当てることでオーバヘッドを減らす制御基盤ソフトを提案し,提案した基盤ソフト上で複数組込みソフトウェアを動作させる機能について述べる.
著者
田村 啓敏
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

研究成果は次の4点である。1)迅速な機能成分の単離法として、QuEChERS法を開発できた。2)サツマイモでは、鳴門金時芋が強い活性を示し、玉ねぎでは、香川産のものが高い活性を示し、活性物質はquercetin 4’-glucosideであると明らかにした。タイ産のサツマイモの活性は弱かった。3)抽出物の活性試験結果と各成分の濃度との相関をPeason’s correlation coefficientにより計算し、高い相関値から機能成分の選抜ができた。4)調理過程で抗アレルギー活性が変化しない、あるいは煮沸により活性が高まることがあることがわかり、調理が機能増進に役立つことが分かった。
著者
道上 和馬 中村 朋生 小泉 透 入江 英嗣 坂井 修一
雑誌
研究報告システム・アーキテクチャ(ARC) (ISSN:21888574)
巻号頁・発行日
vol.2020-ARC-240, no.31, pp.1-9, 2020-02-20

Approximate Computing は,計算精度と引きかえに実行時間と消費電力の双方を削減する技術である.この技術の適用範囲を広げる上での課題のひとつは,誤差を許容範囲内に収めることである.本論文では,この許容範囲がしばしばユーザの主観によって動的に変化することに着目し,計算精度を動的制御可能なアーキテクチャと計算精度の段階的制御が可能なループ近似手法「Loop Body Switching」を提案する.近似の積極度合いを指示する近似レベルを,Control and Status Register(CSR)に保持し,その値で Loop Body Switching の計算精度を制御する.提案するアーキテクチャをシミュレータ上に実装し,4 つのベンチマークを用いて評価をおこなう.近似レベルの増加に対して実行サイクル数は段階的に減少し,専用の分岐命令とハードウェア装置によりさらに実行サイクル数が減少した.
著者
眞下 達 塩谷 亮太 井上 弘士
雑誌
研究報告システム・アーキテクチャ(ARC) (ISSN:21888574)
巻号頁・発行日
vol.2020-ARC-240, no.32, pp.1-11, 2020-02-20

動的スクリプト言語は幅広い分野で利用されているものの,その実行時オーバーヘッドが大きな課題となっている.動的スクリプト言語を処理する仮想マシンでは一般に,実行時にさまざまな要素を動的に解決する必要がある.特に,仮想マシン上のオペランドの処理では多くのメモリ・アクセスを必要とし,それが実行性能を下げる大きな要因となっている.このオーバーヘッドを削減するために我々は OFAR (Operand Fetching And Remapping)と呼ぶ手法を提案する.OFARは,(1) オペランド値の浮動小数点物理レジスタ (FPPR: Floating-Point Physical Register) へのマップと,(2)オペランド番号のフロントエンドによるフェッチの,2つから成る.一般に,仮想マシンの大分部は整数命令によって実装されており,FPPR の大部分は使用されていない.これを利用し,通常はメモリ上に置かれる仮想的なオペランドの値を FPPR にマップする.これにより,オペランド・アクセスに伴うメモリ・アクセスの多くを省略することができる.また一般に,仮想命令のオペランド番号は基本的には不変であり,命令コードと同様に演算の結果により書き換わることがない.これを利用し,通常はバックエンドで読み出されるオペランド番号を,命令フェッチと同じようにしてフロントエンドで読み出す.これにより,オペランド番号をロードするための命令が省略されることに加え,早期にオペランド番号が得られることによりレイテンシを削減する.