著者
藤井 広重
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
アフリカレポート (ISSN:09115552)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.61-72, 2019-09-28 (Released:2019-09-28)
参考文献数
33

本稿の考察は、司法および人権アフリカ裁判所(ACJHR)の設置が進捗しない要因を解き明かすことを目的としている。ACJHRは、国際刑事裁判所(ICC)によるアフリカでの司法介入に対する反発の結果、オルタナティブなメカニズムとして生み出されようとしていた。だが、多くのアフリカ諸国がACJHRの構想に賛成した一方で、設置のためのマラボ議定書を批准した国はない。本議論を紐解けば、マラボ議定書が有する現職の国家元首と政府高官の訴追免除規定によってヨーロッパ諸国からの支援を得ることができず、また、マラボ議定書成立当初はNGOなどからの批判も見受けられたが、近年は現実に即した規定でありACJHRは機能するのではないかと肯定的な評価に変わってきた。ここに、ICCに対するアフリカ諸国のスタンスに関わらずACJHR設置議論が進捗しない要因を見つけることができる。さらにこのような考察を通して、ICCに対し影響力を行使しようと試みるアフリカの姿も垣間見えてきた。本稿での考察は、アフリカをICCとの関係性において客体としてではなく主体として捉えることが重要であることを示すことにつながった。
著者
嶋津 武
出版者
長野県短期大学
雑誌
長野県短期大学紀要 = Journal of Nagano Prefectural College (ISSN:02861178)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1-19, 1998-12

Nematodes reported as adults from freshwater fishes in Japan are reviewed from the literature. Knowledge is assembled of the taxonomy, host(s), life cycle, ecology, geographical distribution in Japan, etc., for each species of them.
著者
嶋津 武
出版者
長野県短期大学
雑誌
長野県短期大学紀要 (ISSN:02861178)
巻号頁・発行日
no.53, pp.1-19, 1998-12
被引用文献数
2

Nematodes reported as adults from freshwater fishes in Japan are reviewed from the literature. Knowledge is assembled of the taxonomy, host(s), life cycle, ecology, geographical distribution in Japan, etc., for each species of them.
著者
生月 誠 原野 広太郎 山口 正二
出版者
日本バイオフィードバック学会
雑誌
バイオフィードバック研究 (ISSN:03861856)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-4, 1987-06-14 (Released:2017-05-23)

安静時のSCLの値および弛緩訓練を負荷したSCLのバイオフィードバック訓練におけるSCLの変化過程が,被験者の神経症的な傾向をどの程度反映するのかを検証しようとした。その結果,神経症者で不安,恐怖を生訴とする群(B群)は,健常群(A群)および神経症者で強迫観念,強迫行為,心気症状を主訴とする群(C群)と比べて,SCLの値が高く,また弛緩訓練を負荷したバイオフィードバック訓練において,B群はA群およびC群よりもSCLが下降傾向を示した。
著者
小林 洋子 湯淺 洋子 新堀 多賀子 伊藤 由加里 明渡 陽子
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.24, pp.120-124, 2014 (Released:2014-07-25)
参考文献数
5

子宮頸がん発症が20歳代からと低年齢化しており,また乳がんの高い罹患率などから,若い世代から女性特有のがんに関する知識を持ち,健康への意識を高めることは重要である.そこで,本学女子大生で同意の得られた164名に子宮頸がん,乳がんについての知識調査を実施し,知識の普及啓発と自己管理能力の向上を目的とした.子宮頸がん,乳がんの知識調査では,子宮頸がんの知識がある学生は,有意に乳がんの知識もあり,また子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の接種を受けていた.HPVワクチン接種の有無別による子宮頸がんの知識の平均正解数は,ワクチン接種ありの正解数が有意に高かった.全体でHPVワクチンの接種率は25.0%で,接種理由は家族や友人などの勧めが58.5%と最も多かった.子宮頸がん検診の受診率は8.5%と低く,HPVワクチンを接種した学生においても9.8%と同様に低い結果であった.乳がんの知識のある学生は,自己触診法の経験があるものが有意に多かった.また,自己触診法の認知度は高かったが,実際に自己触診法の経験のある学生は全体のわずか14.7%に過ぎなかった.しかし,自己触診法の具体的な方法を知りたいと希望する学生は81.6%と多かったことから,今後乳がん自己触診法の指導と女性のがんについての啓蒙教育を実施していきたい.
著者
宮本 隆司
出版者
JAPAN MACRO-ENGINEERS SOCIETY
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.29-35, 1991-12-20 (Released:2009-08-07)
参考文献数
6

文法は文学ではなく,科学である。したがって,主語とか未来形とか進行形等というからには,それが何故に主語等なのか? との理論的裏付けをしなければならない。 それをせずに,苦し紛れに例外だらけにした従来の文法を全く否定し,文章を科学し,すなわち理論的に分析し,それを理論的に組成したものである。
著者
三枝 順三
出版者
日本獣医学会
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.75-80, 1978 (Released:2011-03-05)
著者
鳶島 修治
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.219-239, 2016-05-31 (Released:2017-06-01)
参考文献数
37
被引用文献数
2

本稿では,経済協力開発機構(OECD)が2009年に実施した国際学力調査PISA(Programme for International Student Assessment)の日本調査データを用いて,高校1年生の「読解リテラシー」に対する出身階層の影響について検討した。PISAの読解リテラシーを構成する「情報へのアクセス・取り出し」,「テキストの統合・解釈」,「テキストの熟考・評価」という3つの側面を区別し,これら3つの側面の得点が個人(生徒)にネストされた形の階層的データをもとにマルチレベル分析を行った結果,いずれの側面の得点に対しても出身階層が正の効果をもっていることが確認された。また,国語科で従来から重要視されてきた「読解力」に近い性格をもつ「情報へのアクセス・取り出し」に比べて,「テキストの統合・解釈」や「テキストの熟考・評価」の得点に対する出身階層の効果は相対的に大きいという知見が得られた。読解リテラシーに対する出身階層の影響を説明するため,「文化資本」の一種とみなされる生徒の読書習慣(学校外での趣味としての読書時間)に着目して媒介関係の検討を行ったところ,読解リテラシーに対する出身階層の効果の約10~12%が読書時間によって媒介されていた。ただし,読解リテラシーの3つの側面の得点に対する読書時間の効果はほぼ同程度であり,「テキストの統合・解釈」や「テキストの熟考・評価」の側面において出身階層の効果が相対的に大きい傾向は読書時間という要因によっては説明されなかった。
著者
池田 耕二 山本 秀美 黒田 未貴 河野 茉梨絵
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.175-180, 2016
被引用文献数
3

〔目的〕がんサバイバー1人の二つの体験から理学療法ケア(心理的ケア,配慮,工夫など)構築のための有効な視点を提示すること.〔対象〕直腸がんによるストーマの造設と化膿性関節炎による大腿骨骨頭の切除を同時に体験した40歳代の男性1人とした.〔方法〕構造構成的質的研究法をメタ研究法においた事例─コード・マトリックス法とした.〔結果〕本男性の体験は,【排泄機能の変更体験】と【下肢支持機能の停止体験】という二つの体験事例と,【生活レベルの変化の感じ方】,【機能変更,停止による感情表出】,【機能変更,停止に対する受け止め方】,【患部に対する認識】,【患部に対する接触行動】,【機能変更,停止による新たな学習】の六つのコード(カテゴリー)から構成された.二つの事例比較からは,生活レベルの変化の感じ方や機能変更,停止による感情表出,受け止め方,新たな学習の内容に違いが認められ,患部に対する認識や接触行動の内容には共通したものが認められた.〔結語〕直腸がんによるストーマ造設後と化膿性関節炎による大腿骨骨頭切除後のがんサバイバーに対する理学療法ケア構築のための有効な視点が提示できた. <br>
著者
関 恒義
出版者
日本評論社
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.91, no.4, pp.p491-507, 1984-04

論文タイプ||論説
著者
栗林 裕
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.95, pp.94-119, 1989

トルコ語の対格は意味的に限定された目的語に表示されると伝統文法では捉えられてきた。本論では対格の出現条件をみるために, まず対格が表示される場合という観点から考察を始める。ある条件では対格表示が義務的になり, その他では随意的となる場合がある点より, 意味的条件による対格表示には限定の度合という概念が関与することを明確にする。そして意味的条件のみならず形態的・統語的・語用論的条件が対格表示に関与することを明示する。次に, 対格が表示されない場合という観点から考察する。そこでは目的語が動詞に抱合 (incorporate) された構造が連続的に存在し, 対格の出現は目的語と動詞の語彙化の度合に依存することを統語的変形テストにより立証する。最後に, 対格の出現は単に限定という意味的条件に依存すると見るだけでは全く不備で, 本論で提示した様々な条件が統合されることにより対格の出現が決定されることを示す。
著者
Lei Zhang
出版者
International Community of Spatial Planning and Sustainable Development
雑誌
International Review for Spatial Planning and Sustainable Development (ISSN:21873666)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.4-18, 2017-10-15 (Released:2017-10-15)
参考文献数
28
被引用文献数
1 10

The water-quality index is a grading system for presenting water-quality data and comparing water of varying quality. It can be used in water quality trend analyses and presents valuable information to policy makers, managers, and other nontechnical people. For exploring water quality and identifying the main pollution parameter in the lower reaches of Liao River, Single Factor Evaluation (SFE) method in the form of a Comprehensive Water Pollution Index (CWPI), the Nemerow-Sumitomo Water Quality Index (NWQI), and the Comprehensive Water Quality Identification Index (CWQII) method were used to evaluate water quality in lower reaches of Liao River, Liaoning province, China. The results proved that at Zhaoquan river and Wailiao river the water quality status was good, and Pangxiegou river and Qingshui river showed unsatisfactory water quality status. The major pollution indicator in lower reaches of Liao River was petroleum, and compared with the other assessment methods, CWQII was found to give more useful and objective information, and it is worth further promoting water quality inspections in lower reaches of Liao River. Finally, according to the distribution of industry in the Liao river basin, this study makes some relevant suggestions for sustainable development in the future.
著者
大高 博美 Hiromi Otaka
雑誌
Ex : エクス : 言語文化論集
巻号頁・発行日
no.2, pp.95-105, 2002-03-25