著者
東光 寛英
出版者
九州龍谷短期大学
雑誌
佐賀龍谷學會紀要 (ISSN:02863758)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.55-73, 1973-02-01
著者
篠﨑 聡 小林 泰俊 林 芳和 坂本 博次 レフォー アラン 瓦井 山本 博徳
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.1272-1281, 2019 (Released:2019-06-20)
参考文献数
30

【背景と目的】大腸ポリープに対する内視鏡的切除において,熱凝固を加えないでスネアで切除するコールドスネアポリペクトミー(CSP)と熱凝固を加えながらスネアで切除するホットスネアポリペクトミー(HSP)の比較研究がなされてきた.CSPとHSPの有効性と安全性をシステマティックレビューとメタ解析を用いて評価した.【方法】大腸ポリペクトミーに関してCSPとHSPを比較したランダム化比較研究(RCT)のみを解析の対象とした.評価項目は,完全切除率,ポリープ回収率,遅発性出血率,穿孔率および所要時間である.Mantel-Haenszel random effect modelを用いてpooled risk ratio(RR)と95%信頼区間(CI)を算出した.【結果】8つのRCT(症例数1,665名,切除ポリープ3,195個)に対しメタ解析を行った.完全切除率において,CSPとHSPは同程度であった(RR 1.02,95%CI 0.98-1.07,p=0.31).ポリープ回収率もCSPとHSPは同程度であった(RR 1.00,95%CI 1.00-1.01,p=0.60).遅発性出血率は,統計学的有意差を認めなかったもののHSPのほうがCSPより多い傾向にあった(症例単位:RR 7.53,95%CI 0.94-60.24,p=0.06,ポリープ単位:RR 7.35,95%CI 0.91-59.33,p=0.06).すべてのRCTで穿孔は報告されなかった.大腸内視鏡時間はHSPでCSPより有意に長かった(平均差 7.13分,95%CI 5.32-8.94,p<0.001).ポリペクトミー時間もHSPでCSPより有意に長かった(平均差 30.92秒,95%CI 9.15-52.68,p=0.005).【結論】今回のメタ解析ではHSPと比較してCSPで所要時間が有意に短かった.また,遅発性出血率もHSPと比べてCSPで低い傾向にあった.したがって,小さな大腸ポリープに対するポリペクトミーにおいてCSPを標準的治療として推奨する.
著者
岩村 吉晃
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.2, no.5, pp.438-444, 1984-10-30 (Released:2010-12-09)
参考文献数
18
被引用文献数
8 13
著者
田村 盈之輔 松野 信郎 新関 嗣郎 岩谷 昌子 若生 宏 畠山 富而
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.259-267, 1974-11-25 (Released:2010-10-29)
参考文献数
39

岩手県農山村地区の発育の低下した学齢期前の幼児について, 日常摂取食物にリジン, または, リジン, スレオニンを投与し, 発育および血漿アミノ酸とくに, 分枝鎖アミノ酸, チロシン等に及ぼす影響を見た。1. リジン投与実験では, 4地区の1~5歳の男女42名を2群に分かち, 試験群に1人1日0.2gのL-lysine・HClを5~13カ月投与し, 幼児の体重, 身長増加量を対照群のそれらと比較したが, いずれも有意の差は認められなかった。しかし, 血漿アミノ酸比2.0以上のものは, リジン投与により, アミノ酸比がいずれも低下したが, 血漿遊離アミノ酸に及ぼす影響は明らかでなかった。2. リジン, スレオニン投与実験では, 3地区の2~4歳の男女36名を2群に分かち, 試験群に1人1日L-lysine・HCl 0.3g, L-threonine 0.15gを5カ月投与したのに, 体重, 身長の増加量は対照群に比して, 明らかに多かった。また, 試験群の血漿アミノ酸比2.0以上のものでは, アミノ酸投与後, アミノ酸比は明らかに低下を示した。なお, 投与前後の血漿アミノ酸パターンを比較すると, 分枝鎖アミノ酸, フェニルアラニン, チロシン, リジン等は増加の傾向を認めたが, バリン, フェニルアラニンは2%の危険率で有意の差を示した。
著者
川島 菫 池田 譲
出版者
日本動物心理学会
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
2019

<p>Octopuses, a member of molluscan class, posse well-developed nervous system such as lens eyes that is anatomically similar to our own, and the relative proportion of brain to body is equivalent to vertebrates. Octopuses are also characterized with their muscular highly sensitive sensory receptors, namely, suckers on their arms. Due to these biological uniqueness, octopuses have been a target for psychological studies and were reported their advanced abilities for learning and memory, which are achieved via visual and tactile perceptions. All of these findings have come from experiments that tested single sensory perception (i.e., visual or tactile). On the other hand, it is known in vertebrates that they can integrate multiple sensory information, by which they can vividly image their environments. In this review, we will briefly introduce our knowledge for biology of octopuses with special reference to their cognition, and we will shed light on an idea for cross-modal perception in octopuses, which is based on our on-going projects for visual and tactile learning, and manipulation of arms in tropical octopuses inhabiting the coastal waters of the Ryukyu Archipelago.</p>
著者
當銘 玲央 宮城 一也 喜友名 朋 Gretchen Parrott 金城 武士 原永 修作 健山 正男 藤田 次郎
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.411-416, 2019

<p><b>背景.</b>シングルユース(単回使用)の気管支鏡はその特性から集中治療室や救急部での使用経験が報告されているが,呼吸器内科での使用経験の報告は少ない.当院でシングルユースビデオ気管支鏡を使用した症例について報告する.<b>症例.</b>2016年4月から2017年3月の間に,11例延べ14件に対しシングルユースビデオ気管支鏡が使用された.代表的な2例を示す.症例7は77歳男性.右膿胸の治療中に喀血にて挿管となった.シングルユースビデオ気管支鏡を用いて血餅除去を行ったが気管粘膜と血塊の判別が難しく,通常の気管支鏡へ変更とした.症例9は63歳男性.両側誤嚥性肺炎,左膿胸の診断で入院となった.左右主気管支内に多量の喀痰が貯留するため数日おきに吸痰を行ったが,時間外はシングルユースビデオ気管支鏡を使用した.上記2例を含め,14件中7件は緊急または時間外使用であった.<b>結論.</b>シングルユースビデオ気管支鏡は通常の気管支鏡に取って代わるものではないが,軽量で設定も簡便なため特に緊急時に有用であった.また,気管支鏡の損傷を気にせず手技を行うことができ,交差感染が起きないことも利点である.</p>
著者
小澤 正直
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.945-951, 1988-12-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
5

現代論理学とも, 数理論理学とも呼ばれる数学基礎論は, 19世紀末に現れた数学の危機を救うために生まれた数学理論であり, 計算機科学がこの数学基礎論から派生したことはよく知られているが, 近年になって, 科学のもっとも基本的な問題にいくつかの応用が発見されるようになった. ノンスタンダード・アナリシスは, 数学基礎論のモデル論の応用として生まれ, 無限小概念の合理化というライプニッツ以来の問題を解決することに成功した. 無限小の合理化は, 単に微分積分学の書き直しにとどまらない, 奥行きの深いものであって, 新しい自然記述の方法を我々に解放したように思われる. 論理学と物理学の間に生まれつつある, この新しい接点を探ってみたい.
著者
元木 英
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

リンパ浮腫は悪性腫瘍治療によるリンパ節郭清や放射線治療などの後に四肢が肥大し、生活の質を著しく低下する慢性の進行性疾患であるが、術後にどのような機序によってリンパ浮腫に至るのか、その発症機序はまったく不明である。リンパ浮腫の発症機構の解析を行った。リンパ浮腫患者のリンパ管では他の炎症性血管疾患同様にリンパ管平滑筋細胞が形質変換し増殖しリンパ管壁を肥厚していることがわかった。さらに私が確立したマウスモデルでは、透過性の亢進した新生リンパ管とリンパ球と単球・マクロファージを主体とした免疫細胞の集積を認めた。炎症プロセスが、リンパ管新生をもたらしている可能性が高いことが示唆された。
著者
神子 直之
出版者
茨城大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1998

水環境中の微生物が太陽光の紫外線によりどの程度影響を受けるかを、生残数とその変化速度によって定量的に評価することを目的として検討を行った。微生物の代表として大腸菌群を用い、また、光源として低圧紫外線ランプ、蛍光灯、そして太陽光を用いて様々な照射を行った。結果から数式モデルを導き、様々な照射条件における大腸菌群数の濃度変化の予測式を構築した。まず、低圧紫外線ランプによって発せられる紫外線によって不活化された大腸菌群の、蛍光灯の可視光による光回復の速度を調べ、その反応速度が従来言われていた1ヒット性1標的のモデルよりも、損傷の蓄積を前提とした多ヒット性1標的のモデルによってよりよく説明できることを示した。また、太陽光に大腸菌群を直接照射したときに不活化が進行することを実験的に確かめ、その不活化が紫外線による不活化と比べてゆるやかであり、核酸への直接的な作用以外の水中ラジカル等によるものであることを示した。また、下水処理水に対して紫外線消毒を行った場合に水環境中でどの程度光回復をするのか、大腸菌群に太陽光を照射する実験を行い、その濃度変化の速度が光回復と太陽光による不活化の積になることを示した。その結果を数式化して計算した結果、放流先の水環境の水深が大きくなるほど有害紫外線よりも光回復光が卓越し、濃度の増大が大きくなることを示した。オゾン層破壊による近紫外光の増大の影響は、現在の太陽光成分の有害性が不明確であるためはっきりとした結論を得るには至らなかったが、紫外線消毒後の放流水における光回復は照射強度に応じて増大し、現在よりも光回復量が多くなることが示唆され、衛生状態が悪化する可能性が高くなると考えられる。
著者
岡元 翔吾 宇賀 大祐 中澤 理恵 坂本 雅昭
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.161-165, 2015 (Released:2015-06-24)
参考文献数
17
被引用文献数
1

〔目的〕シャドーピッチング(以下,シャドー)の反復が肩関節回旋可動域と筋力に与える影響を明らかにすることとした.〔対象〕高校硬式野球部に所属する投手9名とした.〔方法〕連続した通常投球およびシャドーの前後で,投球側肩関節内外旋可動域,肩関節内外旋筋力および主観的疲労度を比較した.〔結果〕通常投球,シャドーともに肩関節内外旋筋力の低下が認められた.しかし,肩関節内旋可動域の減少は通常投球のみに認められ,シャドーでは肩関節外旋可動域の拡大が認められた.〔結語〕シャドーは,投球動作中の肩関節回旋運動における肩甲胸郭関節の関与が大きいことから,投球障害発生リスクを軽減させる可能性が示唆された.
著者
Kazuki KIMURA Kenichiro NONAKA Kazuma SEKIGUCHI
出版者
The Japan Society of Mechanical Engineers
雑誌
Mechanical Engineering Journal (ISSN:21879745)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.14-00568, 2015 (Released:2015-06-15)
参考文献数
22
被引用文献数
3 4

This paper focuses on a real-time obstacle avoidance control method for vehicles using model predictive control (MPC). MPC can optimize the motion of the vehicle over a finite time horizon while satisfying various constraints such as vehicle dynamics, the road width and the steering range. However, the computational cost is too large for conducting real-time control. In this paper, a collision avoidance is realized by MPC with constraints for avoiding prohibited regions represented as circles. We approximate this region into a half plane separated by the tangent of the prohibited region. By handling approximated regions as constraints of the road width of MPC, we can implement the collision avoidance algorithm into the controller without increasing the computational cost. Moreover, in order to reduce the computational effort, we transform the nonlinear vehicle dynamics into reduced order and linearizable subsystems called time-state control form (TSCF). The effectiveness of the proposed method is proved by comparative simulations with conventional method where artificial potential method is applied to MPC. In addition, we conduct two experiments using a 1/10 scale vehicle which is equipped with a laser range finder to execute obstacle detection and localization. We show that real-time control can be realized even if we use an on-board embedded CPU which runs at the frequency of 500MHz.