著者
寺町 晋哉 Shinya TERAMACHI 宮崎公立大学人文学部 Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.49-64, 2023-03-09

本稿では「できないこと」を共有しやすい小学校初任者教師が責任の分有を果たせるのか を分析することで、小学校初任者の困難を生み出す要因を明らかにした。 本稿では、初任者教師へ行ったインタビュー調査のデータをもとに分析を行った。分析の視点として、「責任の分有」を目指すヴァルネラビリティ・モデルを用い、初任者の業務や児童に対する責任が「誰にどのように担われているのか」を分析した。 初任者は入職直後から学級担任・授業者として質量ともに膨大である業務をこなしており、日々の仕事をこなすことで精一杯であった。また、初めて教師として働くため、「できない」ことも多く、それゆえの困難や悩みを抱えていた。そして、困難や悩みを周囲に共有できても、他の教師と責任の分有が行われることは少なく、担任として責任が紐づけられていた結 果(「責任の個別化」)、最終的には初任者が対応せねばならない状況になっていた(個業性)。 初任者であっても担任として「責任の個別化」から抜け出せないことは二つの問題がある。第一に、児童が「危害」に晒され続けるということである。学級担任業務と授業を初任者一人で遂行する、非常に無理のある現在の制度設計の皺寄せが全て、児童たちへ向かうことになる。第二に、初任者自身も「危害」へ晒される。長時間労働でなければ業務を遂行できないだけでなく、「できない」ことへ直面し、苦悩も含めてそれを周囲へ共有しても、助言や研修を通して「できるようになる(成長)」責任を初任者は求められており、そのことが更なる多忙・重労働という「危害」へ晒すことになる。

6 0 0 0 OA 食と問題行動

著者
水越 美奈
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.81-85, 2014-10-10 (Released:2015-04-15)
参考文献数
29
著者
糸川 嘉則
出版者
無機マテリアル学会
雑誌
無機マテリアル (ISSN:2185436X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.252, pp.420-426, 1994-09-01 (Released:2011-03-07)
参考文献数
1
被引用文献数
1
著者
及川 大志
巻号頁・発行日
2020-03

Supervisor: 池田 心
著者
平山 洋介
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.11-23, 2014-09-10 (Released:2018-02-01)

住まいの私的所有は,戦前では,一部の階層の特権であったのに対し,戦後を特徴づけたのは,その大衆化であった。しかし,持ち家セクターの安定は,前世紀末からの社会・経済条件の変化のなかで,しだいに失われた。住宅ローンの返済負担が増え,持ち家取得はより困難になった。単身者の増大は,家を買おうとする家族の減少を意味した。住宅所有を拡大する力は衰え,それは,社会の階層化が進む傾向に関係した。本稿では,「持ち家社会は持続するのか」という問いを検討する。住宅所有に関連する社会変化を説明する因子として,本稿が注目するのは,住宅政策の役割である。過去四半世紀にわたって,住宅所有の合理性は減少し,それでもなお,政府は持ち家重視の方針を変えず,住宅購入を促し続けた。ここから生起するのは,社会・経済変化だけではなく,持ち家促進の政策それ自体が持ち家社会を侵食するというメカニズムである。
著者
青柳 翔太 泉 良太
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.319-327, 2023-06-15 (Released:2023-06-15)
参考文献数
46

本研究の目的は,認知機能障害者のQOLに対して,ADL,作業適応,性格特性がどのように影響するのかを検証することである.対象者は回復期リハビリテーション病棟に入棟している87名とした.横断研究デザインを用い,先行研究に基づいて作成した仮説モデルを構造方程式モデリングで検討した.結果,最終モデルの適合度はCFI=0.927,RMSEA=0.051となった.標準化係数はADLからQOLが0.56,作業適応からQOLが0.54となり,有意となった.認知機能障害者のQOLに対して,作業適応の向上を図ることが,ADLの向上と同程度の影響を与えることが明らかとなった.
著者
近田 亮平
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
ラテンアメリカ・レポート (ISSN:09103317)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.24-33, 2019 (Released:2019-07-31)
参考文献数
16

本稿は、2019年に誕生したボルソナロ新政権の特徴や施策から、ブラジルの社会福祉が転換しつつある点について考察するものである。はじめに、おもに1990年代以降におけるブラジルの社会福祉の制度や政策の展開を概観し、1985年の民政移管後のブラジルでは1988年憲法を礎石として社会民主主義的な福祉レジームの構築が志向されてきた点を論じる。そして、右派・保守イデオロギー色が強いというボルソナロ政権の特徴、および、同政権がすでに実施した社会分野に関する施策や措置についてまとめ、ボルソナロ政権下のブラジルにおける福祉レジームが家族主義的なレジームに転換しつつあるとの見解を示す。
著者
堀田 典裕
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.59, no.462, pp.177-184, 1994-08-30 (Released:2017-09-20)
参考文献数
1
被引用文献数
1

This paper is an attempt to study on the suburban developments around Nagoya in the modern age and here is analyzed Shinmaiko Bunka-mura "Syoroen" in terms of its historical background as well as its spatial characteristics of the town and the houses. Although Shinmaiko was developed as a seaside resort town in 1910's, it was redeveloped as a suburban residential area named "Syoroen" by a railway company during 1920-1930's. The town was planned by Susumu Shinoda who was the part-time architect of Aichi-denkitetsudo Co.Ltd. In those days. Its road and public facilities such as station, clubhouse and houses are organized around a roundabout and harmoniously designed.
著者
吉田 謙一 花尻 瑠理 川原 玄理 林 由起子 前田 秀将
出版者
東京医科大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2018-06-29

ラットに腹腔内に合成カンナビノイド(sCB)の一種AB-CHMICAを投与し代謝物変化を調べた結果、ヒト急死例における迅速な代謝と臓器移行の知見は確認できなかった。ゼブラフィッシュ(Zf)用行動解析装置で同時・多数・経時的に、薬物投与後の行動を記録・解析し、死亡率を推定できる実験系を確立した。当初、この装置を利用して、sCBによる急死の機序を解明する予定であったが、法規制のため入手困難となった。そこで、 大麻(CB)成分の一つカンナビジオール(CBD)をZfに投与した後、光刺激のある“明期”、ない“暗期”を交互に反復した「ストレス負荷」の後、薬物を除去し、投与24時間の「離脱後」に同じ明暗刺激に暴露した。活動量は、投与後、濃度依存的に減少、離脱後、高濃度で活動量が増加した。明暗刺激が進むにつれ活動量が減少する「馴化」は、CBD低濃度で、投与後・離脱後に増加し、高濃度では馴化はせず、活動量が低下した。離脱後には、高濃度ほど馴化が低下し、高活動量状態を維持したZf用行動解析装置を用いてsCBによる急死の機序を解明する予定であったが、sCBを使えなくなったので、代替薬を探した。カフェインは、大量摂取すると突然死することがあるが、機序は不明である。そこで、Zfにカフェインを投与すると、容量依存性に徐脈と死を誘発したが、処置4時間後にカフェインを除去すれば、24時間後の生存率は改善された。Zfの致死性徐脈に対するカフェイン濃度は、死亡症例の血中濃度の2~5倍程度で、本実験系が、未知の物質の致死濃度の予測に有効であることが示された。5回連続、各々15分の明暗刺激に幼魚を暴露し、水泳距離分析により、暗転時の行動増加と明転時の行動減少、各々における下向き、上向きのピークが、不安行動を反映している可能性を明らかにした。本実験系が、未知の物質の不安や学習行動の評価に有用であることが示された。
著者
弘中 満太郎 針山 孝彦
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.93-109, 2014 (Released:2014-09-25)
著者
安保 克也
出版者
日本国際情報学会
雑誌
国際情報研究 (ISSN:18842178)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.12-23, 2008-12-05 (Released:2016-01-01)
参考文献数
16

Department of Law and Public Policy Faculty of Contemporary Social Studies,Osaka International UniversityThere have been a variety of theories and court cases on the issue of freedom of expression. This paper tries to analyze the concept of freedom of expression in terms of the impacts of new media such as the Internet have on society. The concept of freedom of expression in the traditional media and the concept of freedom of expression in the new media are not the same thing. It has to be admitted that freedom of expression has not been sufficiently protected under the current situation in the new media represented by the Internet. This is due to the fact that circumstances surrounding the new media have changed greatly.

6 0 0 0 OA 東京府統計書

出版者
東京府
巻号頁・発行日
vol.明治18年, 1912