著者
三田 達雄 中井 隆 村上 直也 北村 登 小川 恵
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.35, no.9, pp.1006-1008, 1993-09-15

MRI検査に伴い被検者はしばしば一過性の不安や恐怖に見舞われる3〜5,11,12)。時には不安や恐怖は恐慌にまで至り,検査を中断せざるをえない場合もある3,5,8,9)。また,検査後に閉所恐怖7)や空間恐怖10)が生じ,長期間持続したとの報告もある。このようにMRI検査の心理的侵襲性が最近注目されているが,被検者をMRI検査と類似の状況におくCT検査の心理的侵襲性については報告がない。ここで提示するのはCTおよびMRI検査が空間恐怖の結実ないし増悪の契機となったと考えられた症例である。この症例の一部はすでに紹介している3)が,本稿では両検査の空間恐怖の結実・増悪の過程への関与を詳しく報告する。また,両検査における空間恐怖的状況を比較したい。
著者
門間 正彦 石森 佳幸 川野 道宏 福島 理菜 井上 瑞希
出版者
茨城県立医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

MRI検査の時に被験者がどの程度ストレスを感じるかについて検討した。客観的ストレスの指標として心拍間隔の時系列データから得られる周波数領域指数に着目し、LF/HF値とHF値を計測することによりストレスとの関係を検討した。さらに主観的ストレス(VAS)についても比較検討した。LF/HF値、HF値の結果から過半数が検査中にストレスを感じているという結果になった。検査前後よりも検査中にLF/HF値が低い値になった被験者もいたが、VASの結果よりほとんどの人が検査中にストレスを感じていたことから、MRI検査時には患者のストレスに注意する必要がある。周波数領域指数とVASとの相関性は確認できなかった。
著者
佐藤 真実 村上 亜由美 岸松 静代 谷 洋子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.17, pp.159, 2005

<br>【目的】福井県における魚介類の利用状況と調理について調査を行い,とくに県内で使用される地方独特の魚の種類や行事などに利用する魚の調理方法について明らかにすることを試みた。<BR>【方法】越前(海岸部,主に漁業)10名,奥越(山間部,主に農業)10名,坂井(海に面した平野部,農業と漁業)11名,福井(地方都市)12名,嶺南(海岸部,漁業と商業)9名の5地域,計52名の20歳代から70歳代の居住者を対象に,アンケート調査及び聞き取り調査を行った。とくに地方独特の魚の種類や調理方法についてまとめ,写真撮影を行った。<BR>【結果】福井県で食べられる地方独特の魚の種類としては,みずべこ,がまえび,みずだこ,せいこがになどがある。みずべこはかに漁の底引き網にかかる深海魚であるが,吸い物や味噌汁に,がまえびは味が甘えびに類似しており刺身やフライに,みずだこは刺身に,せいこがにはゆでて卵やかにみそをそのまま食べる。行事などで食べられる地方独特の調理法としては,まさばの丸焼き(越前や嶺南では浜焼き鯖,奥越では半夏生の鯖と呼ばれる),へしこ(さばやいわしの糠漬け),まがれいの塩焼き(天神講に食べられる),身欠きにしんの昆布巻き(正月,盆,祭りに食べられる),にしんの麹漬け(12月から正月にかけて食べられる),だだみ(たらの精巣)の味噌汁,かつお節をもりつける雑煮などがみられた。
著者
三田達雄
雑誌
精神科治療学
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.15-20, 1997
被引用文献数
1
著者
ムツ M. S. 本尾 洋
出版者
一般社団法人 日本甲殻類学会
雑誌
甲殻類の研究 (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.57-63, 1979
被引用文献数
1 2

1978年12月26日夜,Tigbauan(Panay島,フィリピン)沖,水深約7mの泥質地でトロール漁を行った際,他のクルマエビ類(Decapoda,Penaeidea)に混じって多くのサルエビ属(Trachypenaeus)のエビが採集された。そして,同時に漁獲されたT.asperおよびT.fulvusに混じって,一見それらと酷似するが精査すると,いくにかの点で相異する76個体(雄28,雌48)が発見された。その特徴は以下のとおりである。生時または新鮮時,antennal flagellumは白または桃白色,第1〜5腹筋の後縁部に狭い淡赤色の横縞があり,尾節と尾肢は赤色,尾肢は白く縁どられている。体全体の印象は淡赤褐色である。第2,3歩脚にmastigobranchiaがあり,第1歩脚ではこれを欠く。Petasma(雄の外部生殖器)のdisto-lateral projectionの下縁は凹型であり,thelycum(雌の外部生殖器)の前板は深くへこんでいる。以上を総合した特徴は既存の種には見られず,よってこのエビを新種と認めた。新種はフィリピンにおけるエビ類研究の先駆者Domiciano K. VILLALUZ氏(東南アジア漁業開発センター養殖部局の前部局長)の名前に因んでTrachypenaeus villaluziと命名され,同部局およびインド中央海洋水産研究所に保管された。また,他の3近縁種(T.asper, T.curvirostris, T.fulvus)との相異関係も論じ,更にT.asperはT.curvirostrisと独立の種であることを理由づけた。
著者
北本康則
雑誌
人工臓器
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1234-1237, 1986
被引用文献数
1 4
著者
古川 安彦 荻原 隆
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.47-52, 2016 (Released:2016-07-07)

パルス燃焼噴霧熱分解法により炭素を複合化したリン酸鉄リチウム(LFP/C)ナノ粒子を合成した。SEM観察からLFP/C粒子は、球状、楕円状、不規則形状などが含まれていた。粒度分布測定により求めたLFP/Cナノ粒子の粒径は50 nmであった。ICP分析によるLFPの化学組成は、出発溶液の組成とほぼ一致していた。熱処理後のXRDからはLFP/Cの結晶構造は、空間群Pnmaのオリビン構造であった。DTGから求めたLPF/Cナノ粒子の炭素含有量は出発溶液濃度と良く一致していた。LFP/Cを正極活物質とした2032コインセルを作製し、2.5 V~4.3 Vの範囲で充放電試験を行った。1C充放電によるLFP/Cの放電容量および500サイクル後の容量維持率はそれぞれ170 mAh/gおよび93 %であった。充放電レートの増加に伴いLFP/Cの放電容量および容量維持率は減少し、30 Cではそれぞれ95 mAh/gおよび85 %であった。50 ℃のとき、LFP/Cの放電容量は30 Cで100 mAh/gを示し、100サイクル後の容量維持率は89 %であった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1938, pp.47-49, 2018-04-23

米フェイスブックの情報漏洩問題は、個人情報を取り扱うリスクをまざまざと示した。法規制の網も広がり、新しいマーケティングで果実を得るためには、早急な対応が必要だ。
著者
Akira Fujiyoshi Katsuyuki Miura Takayoshi Ohkubo Naoko Miyagawa Yoshino Saito Itsuko Miyazawa Akihiko Shiino Aya Kadota Sayaka Kadowaki Takashi Hisamatsu Sayuki Torii Naoyuki Takashima Ikuo Tooyama Hirotsugu Ueshima
出版者
Japan Epidemiological Association
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
pp.JE20180258, (Released:2019-05-25)
参考文献数
46
被引用文献数
10

Background: The association of proteinuria and reduced estimated glomerular filtration rate (eGFR) with cognition needs more clarification. We cross-sectionally examined whether proteinuria and reduced eGFR, even in moderate stages, were independently associated with lower cognition in a community-based sample of elderly men.Methods: Our cohort initially comprised 1,094 men aged 40-79 years from a random sample from Shiga, Japan in 2006-2008. Of 853 men who returned for the follow-up examination (2009-2014), we analyzed 561 who were ≥65 years, free of stroke, and completed the Cognitive Abilities Screening Instrument (CASI) at follow-up. Higher CASI score (range 0 to 100) indicates better cognition. Proteinuria was assessed by dipstick. eGFR was calculated according to the Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration Equation. Participants were divided into three groups either by eGFR (≥60, 59-40, and <40 mL/min/1.73 m2) or by proteinuria (no, trace, and positive), considered normal, moderate, and advanced, respectively. Using linear regression, we computed mean CASI score with simultaneous adjustment for proteinuria and eGFR in addition to other potential confounders.Results: Significant trends of lower cognition were observed across the groups of worse proteinuria and lower eGFR independently: multivariable-adjusted mean CASI scores were 90.1, 89.3, and 88.4 for proteinuria (Ptrend=0.029), and 90.0, 88.5, and 88.5 for eGFR (Ptrend=0.015) in mutual adjustment model.Conclusions: Proteinuria and reduced eGFR, even in their moderate stages, were independently associated with lower cognition in a community-based sample of elderly men. The results suggest the importance of proteinuria and low eGFR for early detection and prevention of cognitive decline.
著者
佐藤 嘉彦
出版者
横浜国立大学教育学部附属理科教育実習施設
雑誌
横浜国立大学教育学部理科教育実習施設研究報告
巻号頁・発行日
vol.5, pp.15-25, 1989-03-25

Leaves of five forma of Hydrangea macrophylla group listed below were anatomically investigated and many variations were found in the epidermal and mesophyll tissue. (1) Hydrangea macrophylla var. macrophylla forma macrophylla (2) H. macrophylla var. macrophylla forma normalis (3) H. macrophylla var. megacarpa forma megacarpa (4) H. macrophylla var. acuminata forma acuminata (5) H. macrophylla var. angusta forma angusta There was no difference in the anatomical characters between two forma of H. macrophylla var. macrophylla. Their leaves were composed of one-layered epidermis, in which the outline of the cell walls was straight, and ten or more cell-layers of the mesophyll, of which adaxial two-three layers were palisadal. In other three forma, also, the epidermis was one layer of cells, but the outline of cell walls was curved inwardly or outwardly. The palisade tissue was composed of only one layer of cells. It is known that section Hydrangea possesses unicellular hairs with a hillock-like structure at their base (STERN, 1978). Besides the hairs, unicellular hairs without a hillock-like structure at their base were found. These variations are fully expected to have an important significance, when an intra-specific relationship of H. macrophylla or/and an inter-specific one of the genus Hydrangea will be discussed in future.
著者
橘 ゆかり 青山 佐喜子 川島 明子 川原﨑 淑子 千賀 靖子 三浦 加代子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】日本調理科学会特別研究である『次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理』において、1960~1970年頃までに定着していた家庭料理について聞き書き調査を行った。本研究では、主に和歌山県の家庭で伝承されてきたおやつと年中行事や季節の農産物との関係について報告する。<br />【方法】平成25年12月~27年3月に、和歌山県の12地域(橋本、那賀、和海、上富田、大塔、田辺、勝浦、太地、熊野川、有田川、由良、日高)で聞き書き調査を行った。調査対象者の平均年齢は72.3±6.3歳で、合計38名の女性の聞き書き調査を行った。また地域でまとめられた資料や文献の調査を行った。<br />【結果】和歌山県の家庭で伝承されてきたハレの日のおやつとしては、菱餅(雛祭り)、柏餅、ちまき(端午の節句)、だんご、おはぎ(お盆や月見)、亥の子餅、くるみ餅(秋祭り)、よもぎ餅(秋祭り、正月)などがある。ケの日のおやつとしては、かきもち、あられやせんべいなどの餅の加工品、ふなやき、しゃなもち、小麦餅(半夏生他)や蒸しパンなどの小麦粉を使ったおやつの他に、はったい粉(あんぼ)、さつまいものおやつ(焼きいも、蒸しいも、干しいもなど)、炒り豆や果物や果物の加工品が食べられていた。和歌山県のおやつの特徴の一つとしては、季節の農産物と深いかかわりがあると考えられる。亥の子餅は、亥の日の行事食として古くから各地で伝承されている。一般的に亥の子餅はもち米だけで作る地域が多いが、和歌山県の亥の子餅の材料は、もち米だけではなく秋に収穫した里芋を使用する。また、端午の節句の行事食である柏餅は、和歌山県では、柏餅を包む葉は柏の葉ではなくサンキライの葉を使う地域が多く見られた。
出版者
角川書店
巻号頁・発行日
1983
著者
大谷 弘樹 岡田 真典 小林 成行 久保 雅俊 宇高 徹総 白川 和豊
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.843-846, 2010-09-30 (Released:2010-11-09)
参考文献数
13

症例は,75歳,女性。約30年前に胆石症にて開腹手術を施行。約20年前より腹壁瘢痕ヘルニアがみられていたが放置しており,徐々に巨大化していった。数年前頃から食後に嘔吐をくりかえしていたが,今回は症状の改善がみられずイレウスと診断され当院紹介入院となった。来院時,BMI 37.3kg/m2と高度肥満であり,腹部には巨大な腹壁ヘルニアを認めた。腹部CT検査では,12×12cm大のヘルニア門がみられ,拡張した胃や小腸の大半がヘルニア嚢内に脱出していた。保存的治療にてイレウスが改善した後,Composix Kugel Patch XLを用いて腹壁瘢痕ヘルニア根治術を施行した。術後は集中治療を行い腹部コンパートメント症候群による呼吸機能障害や循環器障害などを発症することなく良好に経過した。
著者
西川雅彦 青山幹雄
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.235-236, 2014-03-11

ソフトウェアの再利用においては生産性と品質の向上が期待されている.開発が進行すると再利用元で発見できなかったバグが再利用先に継承される.そこで,再利用に着目したインスペクション方法を提案する.再利用によってバグが伝播する確率をデータマイニング手法によって推定する.モジュール間の構造複雑度の類似度計算アルゴリズムを評価精度のレーティングに基づき決定する.実システムのバグデータにこのアルゴリズムを適用して開発工程ごとのバグ原因の類似性を明らかにする.バグ原因に対応する確認項目に基づいてインスペクションを行う方法を提案する.実システムのバグデータからこの方法によって摘出できるバグを評価することによって提案方法の有効性を示す.