著者
木下 良
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.110, no.1, pp.115-120, 2001-02-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
24
著者
黒瀬 等
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.872-876, 2014 (Released:2016-09-17)
参考文献数
25

Gタンパク質共役型受容体(G protein-coupled receptor:GPCR)の活性調節を行うのみだと考えられてきたβアレスチンとGPCRキナーゼが,Gタンパク質とは独立して細胞内に応答を引き起こしていることが明らかになった.GPCRはGタンパク質とβアレスチンを介した2つのシグナリング経路を活性化し応答を引き起こすことができる.βアレスチンを介したシグナリング経路は薬の選択的な作用あるいは副作用の発現と関係している場合もあり,創薬の観点からも注目されている.
著者
金子 祐子
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.10, pp.2149-2156, 2015-10-10 (Released:2016-10-10)
参考文献数
8

Sjögren症候群(Sjögren syndrome:SS)は唾液腺炎,涙腺炎を主体とする臓器非特異的全身性自己免疫疾患である.原発性である一次性と他の膠原病に合併する二次性に分類されるが,本邦での有病率は約0.05%と推定され,圧倒的に女性に多い.腺症状のみならず,間質性肺炎,間質性腎炎,末梢神経障害などの腺外症状の出現や,原発性胆汁性肝硬変との合併など,多彩な臓器障害を合併し得る.長らく対症療法のみで対応する疾患という認識が強かったが,近年新しい分類基準,ESSDAI(EULAR Sjögren's Syndrome Disease Activity Index)といった疾患活動性評価基準が作成され,さらに免疫抑制薬や生物学的製剤などの新しい治療薬による病態にアプローチした治療が試みられている.今後の発展が期待される疾患である.
著者
Tae-Gyu An Soo-Han Kim Ko-Un Kim
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
Journal of Physical Therapy Science (ISSN:09155287)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.505-507, 2017 (Released:2017-03-22)
参考文献数
14
被引用文献数
18

[Purpose] The aim of this study was to assess the effects of transcranial direct current stimulation (tDCS) on depression and quality of life (QOL) in patients with stroke, by conducting conventional occupational therapy with and without tDCS on 20 patients each. [Subjects and Methods] The experimental group (N=20) received both tDCS and conventional occupational therapy, while the control group (N=20) received false tDCS and conventional occupational therapy. The treatment was conducted 20 times over a four-week period; each session was 30 minutes long. The Beck Depression Inventory (BDI) was administered to score the depression levels in patients before and after the intervention, while the stroke-specific quality of life (SS-QOL) was measured to compare the QOL. [Result] Following the intervention, the patients in the experimental group showed a significant decrease in depression and an increase in the QOL. In contrast, the control group showed no significant changes in depression or QOL. Our findings indicate that tDCS decreased depression while increasing QOL in patients with stroke. [Conclusion] In other words, our study confirmed that the application of tDCS during stroke rehabilitation improves the depression symptoms and QOL in patients.
著者
具 芳明 岡本 悦司 大山 卓昭 谷口 清州 岡部 信彦
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.494-500, 2011-09-20 (Released:2017-08-11)
参考文献数
20
被引用文献数
1 2

薬剤耐性菌に対する対策として抗菌薬適正使用が強調されている.しかし,抗菌薬使用量とくに外来での抗菌薬使用量を地域単位で把握する試みはこれまでになされていない.そこで,長野県諏訪地域における 2009 年 12 月から 2010 年 5 月の国民健康保険電子レセプトから抗菌薬処方情報を集計するとともに,同地域の主要病院における薬剤耐性菌の頻度を集計し,外来での抗菌薬使用量との関連について検討した. 同地域における国民健康保険被保険者数は 31,505 人(人口の 27.1%)であり,レセプト電子化率は医科 77.4%,調剤 96.0%であった.外来での抗菌薬総使用量は 9.34 Defined Daily Dose(DDD)/1000 被保険者・日であり,MLS(マクロライドなど),ペニシリン以外の β ラクタム系,キノロン系の順であった.海外における先行研究と比べ,外来抗菌薬使用量は少なく,その内容も特徴的であった.大腸菌のキノロン耐性は外来でのキノロン系抗菌薬の使用量から予想される範囲であったが,マクロライド非感受性肺炎球菌の割合は外来での MLS 使用量から予想されるよりも高かった. 国民健康保険電子レセプトを用いて地域での抗菌薬使用量を算出することが可能であった.抗菌薬総使用量およびその内容は,抗菌薬適正使用を含めた薬剤耐性菌対策を推進する上で有用な基礎情報になるものと考えられた.
著者
竹越 智也 萩原 将文
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.47-54, 2016 (Released:2016-02-26)
参考文献数
41
被引用文献数
1 3

This paper proposes an automatic robot manzai (comic dialogue) generation system. In the proposed system, input sentences such as a tale, story, etc. are converted into a manzai script composed of boke (stupid joke) and tsukkomi (comeback). Then, two humanoid robots play the manzai taking roles of a funny man and a straight man, respectively. Their motions are determined from the motion database based on a verb in the utterance. The contributions of the paper are the following three points; a proposal of the novel system for an automatic robot manzai generation which can accept a normal story, convert it to the manzai script and play the manzai: verification of the usefulness of motions in the manzai to make it funnier by experiments: indication of the effectiveness of the proposed system by experiments.
著者
上野 太郎 粂 和彦
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.129, no.6, pp.408-412, 2007 (Released:2007-06-14)
参考文献数
18

睡眠は動物界において広く観察される生理現象であり,睡眠覚醒制御は概日周期の出力系として最も重要なものの一つである.従来,睡眠が体内時計に制御されていること,および体内時計の遺伝子は哺乳類と昆虫間で保存されていることが示されていた.ショウジョウバエは1日のうち,約70%の時間をじっと動かない状態で過ごす.また,この静止状態は行動学上,哺乳類の睡眠に特徴的な様々な側面を併せもつことより,ショウジョウバエに睡眠類似行動が存在するということが示されている.ショウジョウバエはその生物学的特徴により,遺伝学的解析に広く用いられており,ショウジョウバエにおける睡眠類似行動の発見は,睡眠の分子生物学を推進する要因となった.ショウジョウバエを用いた睡眠の遺伝学的解析により,睡眠時間を規定する遺伝子が同定され,また睡眠を調節する脳内構造についても研究が進んでいる.本稿では,ショウジョウバエを用いた睡眠の分子生物学的研究について概観する.
著者
安東 宏徳
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.45-53, 2018-04-13 (Released:2018-04-27)
参考文献数
27
被引用文献数
1

潮間帯や浅海域に生息する海産生物の多くは,月齢に同調して産卵する。これらの動物は,月周期もしくは半月周期で生殖を繰り返すが,そのリズムの調節機構は現在のところほとんどわかっていない。我々はこれまで,日本各地の海岸で潮汐サイクルに依存しながら新月と満月の日に産卵するクサフグを用いて,その半月周性の産卵リズムの調節機構について研究してきた。フィールドの産卵回遊行動調査や水槽内行動実験,視床下部-下垂体系のホルモンの遺伝子発現解析,メラトニンの分泌やメラトニン受容体遺伝子の発現解析,概日時計遺伝子の解析など,さまざまな分子生理生態学的なアプローチを行ってきた結果,クサフグが生息環境の違いに応じて異なる産卵リズムを持つことや産卵期には内因性の半月周リズムを持つこと,また,半月周リズムを作る時計機構や生殖関連神経ホルモンの周期的発現調節には,クリプトクロームとメラトニンが関与していることがわかってきた。また,クサフグの松果体や間脳では,メラトニン受容体遺伝子が約15時間周期のウルトラディアン発現をすることが明らかになり,クサフグは概日時計と共に,概潮汐時計に関連する新規の時計を持つ可能性がある。概日時計と概潮汐時計があれば,半月周リズムを発振することができる。
著者
河村 博之
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.116, no.1, pp.27-44, 2010 (Released:2010-05-29)
参考文献数
74
被引用文献数
5 7

山口県西部の田部盆地南部に分布する豊浦層群は,下位より東長野層,西中山層,歌野層,および歌野層と一部同時異相の阿内層(新称)から構成される.最近,海生動物化石を含む歌野層と植物化石を多産する阿内層とは不整合関係にあり,阿内層は豊西層群清末層の一部層とされた.しかし,歌野層と阿内層の境界を画する礫岩層は,海底で堆積した重力流堆積物であること,また,植物化石に富む阿内層下部と生物擾乱の顕著な歌野層最上部の漸移関係が認められることから,両層は一部同時異相の関係にあることが明らかになった.歌野層から阿内層に至る堆積環境は,時間・空間的に内湾のプロデルタスロープからファンデルタスロープへと推移する一連の海退期の堆積相を示すと考えられる.阿内層の年代は,年代の知られている植物群との対比,および豊浦層群の上限年代がCallovianを示すことからBathonian-Callovianと考えられる.
著者
Nurjanah WATANAVE Hidenori
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.8-20, 2018-01-31 (Released:2018-04-27)
参考文献数
71

コミュニティが災害情報にもっとアクセスしやすくするために、過去の災害情報を作成するためのアチェ災害デジタルアーカイブを開発した。オープンソースのデータプラットフォームを採用しており、アクセスは無料で、若い世代をターゲットに、インタラクティブで使いやすく開発した。世界各地で同様の災害が発生する可能性があり、アチェの津波前後のさまざまな媒体でのマルチメディアデータを収集することで、可視化を達成し、これをソーシャルネットワークサービス (SNS) にリンクすることにより、アチェでの地震と津波の経験に関する情報と知識その情報と知識を広範に伝達し、持続可能な災害低減対策 ( 災害リスク低減(DRR)) を期する。
著者
寺田 真敏
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.96-104, 2016-05-01 (Released:2016-05-01)
参考文献数
5

Webページ改ざん,DoS攻撃,標的型攻撃,日々新しいサイバーセキュリティーの専門用語が生み出されている。本稿では,CSIRT(シーサート)という専門用語を読み解いていきたい。CSIRTは,Computer Security Incident Response Teamの略である。また,シーサートは,コンピューターセキュリティーインシデント対応能力を組織化することであり,シーサート活動には,組織のセキュリティー文化が反映されている。この専門用語の中には,インシデント,インシデント対応,コンピューターセキュリティーインシデントレスポンスチームというキーワードが隠れている。
著者
山崎 健一 河本 正 藤波 秀雄 重光 司
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌) (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.120, no.3, pp.369-370, 2000-03-01 (Released:2008-07-15)
参考文献数
19
被引用文献数
2

Estimation of induced current inside a human body exposed to ELF (extremely low frequency) magnetic field are still remaining as an important issue. There are many computational studies reporting the relationship between outer magnetic filed and induced current inside the human body. In addition, there are some limit values regarding human exposure to magnetic field based on the induced current density. Here, we investigated and compared the relationship between magnetic field and induced current among existing literatures and guidelines. The result showed that each estimated value of magnetically induced current varied widely.