出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.740, pp.1-184, 2011-04
著者
加藤 道夫
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Supplement2, pp.83-88, 2007 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5

モデュロールの初期の導出作図には, それまで用いられてきたトラセ・レギュラトウールの内, 対角線を手段とするトラセ・ディアゴナルが適用されていた.本研究はトラセ・ディアゴナルの性質を明らかにすることで, 初期の導出作図の誤りが軽視された理由を考察するものである.その結果, 次の点が明らかになった. 1) 初期の導出作図は近似解であり, その誤差を再検証した結果, ル.コルビュジエの著書で指摘されるように0.6パーセントであった. 2) トラセ・ディアゴナルの適用例を検証し, それが事後的な調整であり, 予め定められた一定の比に依存しないことがわかった. 3) 初期の導出作図に見られるトラセ・ディアゴナルも事後的に確認された近似的関係を作図に導入したものである. 4) 以上から, 当初の導出作図の誤差は, それ以前のトラセ・ディアゴナルにおける誤差と同様, ル・コルビュジエにとって大きな問題ではなかったと考えられる.

1 0 0 0 OA 康富記

著者
中原康富
出版者
巻号頁・発行日
vol.[12]紙背,
著者
黄 永 豊田 英尚 輿石 一郎 戸井田 敏彦 今成 登志男
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.2182-2186, 1995-12-15 (Released:2008-03-31)
参考文献数
28
被引用文献数
5 7

Depolymerized holothurian glycosaminoglycan (DHG) produced artificially from sea cucumber has an anticoagulant and antithrombotic activity. In the present study, we attempted to determine the plasma level of DHG using a chemical procedure. A general method for determination of chondroitin sulfates by forming unsaturated disaccharides with chondroitinase digestion was difficult to apply to DHG, because it was resistant to any chondroitinase digestion. We therefore developed a highly sensitive postcolumn HPLC method for determination of intact DHG. DHG was applied to Asahipak NH2P-50, an amino-bonded column, eluted by alkaline solution and then detected with arginine under a strong alkaline condition as a postcolumn reagent. The limit of detection for DHG was 10ng. The present method was applicable to the determination of DHG in plasma after intravenous administration.
著者
甘露 純規
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.1-9, 1999

明治八年、永峯秀樹『支那事情』と仮名垣魯文『現今支那事情』との間に「盗作」事件が起こった。この事件は、誰が、どのような論理により、無断借用による出版物を告発するのかという問題をめぐり、出版物についての江戸期以来の考え方と新たに登場した版権思想が激しく争った事件であった。本稿では、永峯と魯文双方の言い分を等しく分析することで、この事件の実態と文化史上に持つ意味を明らかにした。
著者
川崎 志保理
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.16-20, 2011

最近, 裁判外紛争解決 (Alternative Dispute Resolution;ADR) という言葉を耳にするようになってきています. これは, 医療機関側が紛争解決に向けて行う方策の一つと理解してもらうとわかりやすいと思います.ADR (Alternative Dispute Resolution) は文字通り裁判以外の紛争解決手段の総称であり, 通常は「第三者機関による紛争解決制度」を意味します. 多くの施設では「院内ADR」とか「院内メディエーション」という言葉を使用しています.ADRを行うにあたりまして, 必要なことは第三者的に医療機関側と患者側の間に立って双方の言い分をコントロールする人の存在です.問題は, このようなことをわざわざ第三者としてのADRに依頼しなければならない場合が存在するのはどうしてなのだろうかということにあります. これはADRを要する場合のほとんどが, 患者側の医療機関側への不信感によって生じていることが多いからです.患者クレームに対する初期対応としては, 接遇・マナーを遵守した誠意のある説明を行うことにより, 紛争を未然に予防しながら解決が可能と思われます. 逆に初期対応の失敗により, 感情的対立姿勢が患者側に生じてしまった場合には, 当事者同士での紛争解決は困難であり, ADRを介入しての説明が, 法的手段への訴えを予防できる唯一の手段であるといっても過言ではないと思います.
著者
芦田 玉一
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.81-91, 2002-04-01

X線結晶構造解析法は結晶構造・分子構造を決定する最も有力な方法である.この方法は,発足は約90年前であるが,とくにこの30年ほどの間に大きく発展し,低分子の原子価電子の精密解析から,分子量100万を超えるタンパク質複合体までの広い範囲を研究対象とし,また構造解析の専門研究者だけではなく,周辺の,物性,材料,化学,生物,薬学,医学,鉱物等の多くの研究者も研究手段として利用するようになった.この間のこの分野の成果を紹介し,方法の発展のあとをレビューし,将来を展望する.
著者
河野 孝央
出版者
筑波大学研究協力部
雑誌
筑波大学技術報告 (ISSN:09162674)
巻号頁・発行日
no.13, pp.53-57, 1993-03-31 (Released:2013-12-19)
著者
利根川 智子 会津大学短期大学部社会福祉学科(所属は掲載当時のものです)
出版者
会津大学短期大学部
雑誌
会津大学短期大学部研究年報 = Bulletin of Junior College Division, the University of Aizu (ISSN:13406329)
巻号頁・発行日
no.63, pp.93-98, 2006-02-28

子どもは集団生活を送る中で仲間関係を持ち、社会性の発達を促す。葛藤解決場面においては、子どもは自他の欲求・要求の違いを考慮し、自分の情動や行動を調節しなくてはならないため、友達との関係の持ち方を学ぶ良い機会となる。本研究においては、幼児期後期の葛藤場面の内容、葛藤解決方略、葛藤の結果について発達的差違を探索的に検討することを目的とした。4歳・5歳クラスの男・女児26名の自由遊び中に生じた葛藤場面について分析した結果、葛藤数は5歳児の方が多く、内容は物・場所の取り合いが多く、解決方略は拒否や禁止の意思表示をすることが5歳児よりも4歳児に多く、葛藤の結果として、4歳児は言い分を通すことが多かったが、5歳児では双方の言い分を調節するかうやむやに終わることが見出された。
著者
小谷 幸
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

1990 年代以降のグローバリゼーションの急速な進展,そして特に2008年のリーマンショック以降,労働法や社会保障制度及び労働組合の保護や規制から排除された「不安定な仕事」(precarious work)が世界的に急増し,格差の拡大,貧困層の増大を招いている。こうした状況に対し,米国では当事者組織であるワーカーセンターや労働組合,労働NGO,大学が連携組織(コアリッション)を構築し,市・州単位での最低賃金引き上げキャンペーンを成功させている。しかしながら,日本ではこうした連携組織は存在していない。そこで本研究の目的を,既存の労使関係システムから排除されたprecarious workに従事する労働者の直接的な処遇改善を目指す連携組織の,日本における構築可能性を検証することとした。調書に記載した研究計画に基づき,初年度である平成29年度は,①米国における連携組織の実態調査,②米国の参加型労働教育手法収集に基づく教育プログラムの整備,③日本における参加型教育プログラムの実践・評価,を実施した。①では,2013年度日本大学海外派遣研究員(長期)制度の支援を受けた研究活動を基盤とし,米国カリフォルニア州サンフランシスコ市,オークランド市における最低賃金引上げ運動に連携組織が果たした役割に関するフィールドリサーチを継続している。また,研究協力者の支援によりロサンゼルス市においてもフィールドリサーチを実施し,成果は研究会で発表した。②③では,米国の女性アクティビスト向けサマースクール(Summer Institute on Union Women)に参加し収集したプログラムに基づき,大阪で参加型労働教育ワークショップを実践した。

1 0 0 0 OA 年録

出版者
巻号頁・発行日
vol.[114],
著者
福田 昭一 渡部 鉄兵 高橋 泰
出版者
一般社団法人 日本医療・病院管理学会
雑誌
日本医療・病院管理学会誌 (ISSN:1882594X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.9-18, 2018 (Released:2018-04-13)
参考文献数
10

医師・歯科医師・薬剤師調査の1996年から2014年のデータを用い,診療科名の変更や市町村合併に対応して年代別の診療科別地域別の医師数を算出するプログラムを開発することにより,診療科別・地域区分別の医師数の格差やその時系列的推移を解析した。この結果,1996年から2002年にかけて総医師数は年率1.4%増加したが,外科総数,産婦人科総数は減少し,心臓血管外科,形成外科,リハビリテーション科,麻酔科の医師数は年率3%を超えて大きく増加したこと,2008年の時点で大都市と過疎地の間で全ての診療科において人口当たりの医師数で大きな格差がみられ,2008年から2014年にかけて,その格差が救急科を除く全ての診療科において更に拡大したことを明らかにした。外科総数,皮膚科,眼科,産婦人科総数は,都市と地方で格差拡大が顕著な診療科であり,かつ身近にあることが必要な診療科であるので,これらの診療科の格差是正が特に必要である。
著者
大谷 哲弘 木村 諭史 藤生 英行
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.127-137, 2013 (Released:2016-03-12)
参考文献数
42
被引用文献数
1

本研究では,就職を希望する高校3年生(N=1,064)を対象に,進路意思決定の際の進路選択におけるソーシャルサポートに対する知覚(以下,進路選択サポート知覚)の影響について検討を行った。重回帰分析を行った結果,「親のサポート」「先生のサポート」から進路意思決定への正の有意なパスがみられた。次に,進路選択サポート知覚の組み合わせと進路意思決定に及ぼす影響について検討を行った。その結果,進路選択サポート知覚の組み合わせとして「友人・教員知覚型」「友人・親知覚型」「全般的知覚型」「友人未知覚型」「平均的未知覚型」の5つの解釈可能な型が抽出された。さらに,進路意思決定を従属変数とした1要因分散分析を行った結果,「全般的知覚型」の者は,他のどの型の者より進路意思決定得点が有意に高かった。以上のことから,進路意思決定に対して,進路選択サポート知覚を促進することの重要性が示唆された。
著者
田村 修 高 良夫
出版者
長崎大学水産学部
雑誌
長崎大学水産学部研究報告 (ISSN:05471427)
巻号頁・発行日
no.3, 1955-06

The differences between the types of Pneumatophorus japonicus (HOUTTUYN) and P. tapeinocephalus (BLEEKER) were examined in the gill rakers, pectoral fin rays, some body proportions and interneural spines. The main materials were large- and middle-sized fishes. 1. In regard to the lower gill rakers of the first gill arch, the type of P. japonicus has more than 27, that of P. tapeinocephalus has less than 26. 2. In the former pectoral fin rays are generally less than 20, in the latter more than 20. 3. In body proportions, the differences between the both types are recognized in the distance from the distal end of snout to second dorsal fin origin and that from the distal end of snout to anal fin origin. 4. The interneural spine (reported by Dr. Murakami) is also discussed, it seemes to be more accurate than by gill raker to distinguish two types.1.佐世保近海産の小サバ(体長13~21cm)92尾,中サバ(19~26cm) 99尾,大サバ(28~38cm)50尾合計241尾につき,其の第一鰓弓の鰓耙数・胸鰭軟条数・体比例を計測した.2.第一鰓弓の鰓耙数は特に下肢上の鰓耙数に於てゴマサバとマサバを区別するに適し,24~26本がゴマサバ,27本以上がマサバで其の誤差は3~8%である.3.胸鰭軟条数に於ても差異あり,18・19はマサバ,21・22は殆んどゴマサバである.4.体比例では体高・体幅以外に吻端より第二背鰭・臀鰭迄の長さの頻度分布のモードに差異が現われ,又其他にも頭長等異なる処がある.5.尚村上・早野氏により発表された担鰭骨数をも検査し,我々の資料に於ても之が甚だ良い識別点となることを認め,之と斑紋及び鰓耙数との相互の関係を検討した.
著者
餅川 正雄
出版者
広島経済大学経済学会
雑誌
広島経済大学研究論集 = HUE journal of humanities, social and natural sciences (ISSN:03871444)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.29-54, 2018-09

本研究では,最初に,遺産分割制度の3つの理念と4つの前提について考察した。遺産分割の理念としては,「公平」・「自由」・「安定」の三つがある。そして,遺産分割を実行するためには,次の4つの前提(premise)が確定していなければならない。遺産分割の第1前提として,「遺産分割の当事者が確定していること」が必要である。第2前提として,遺産分割の対象となる「相続財産の範囲が確定していること」が必要となる。第3前提として「遺言書の有無を確認していること」である。第4前提として,遺産分割の基準となる「各相続人の具体的相続分率が確定していること」である。本論では,この4つの前提のうち,第1前提の遺産分割の当事者の確定に焦点を当てて,次の5つの問題について検討を加えた。第1に,「遺産分割の当事者は,法定相続人だけなのか?」を考察した。遺産分割の協議に参加する当事者は,法定相続人だけではなく,共同相続人に準ずる当事者として,被相続人の書いた『遺言』によって遺産を贈与されるいわゆる受遺者(=割合的包括受遺者)や相続権の譲受者なども含まれることを明らかにした。第2に,「包括遺贈と特定遺贈の長所・短所は何か?」について考察した。「遺贈」とは,遺言書を書くことによって,相続財産を法定相続人以外にも与えることである。包括遺贈は,財産構成が変化しても対応できるという長所があるが,権利だけでなく義務(借金の返済義務)も課すことになるという短所がある。特定遺贈の長所は,借金などのマイナスの財産を引き継がないことであるが,短所は財産構成の変化に対応できないということにある。ただし,本研究では,遺言方式等についての詳しい内容の考察は割愛した。第3に,「遺産分割協議が不調に終わった場合にどうなるのか?」を考察した。多くの相続では,当事者間で遺産分割の話し合いが成立するため,争いは発生しない。相続人間で分割内容の合意が成立しなかった場合は,家庭裁判所での「調停」ということになる。多くの相続争いはこの調停によって解決する。それゆえに,それ以降のことは国民にとって関心が薄いと言える。本研究では,この調停で解決しなかった場合には,自動的に「審判」手続きとなることや,その審判に不服があるときには,高等裁判所での「審理」で最終決着するため,相続争いは,最高裁判所に持ち込まれることはないことを明らかにした。第4に,「相続人の選択権の保障はどうなっているのか?」を考察した。具体的には,相続の承認と相続放棄の区分について検討した。相続人が遺産を相続するか放棄するかの選択権は,3か月の熟慮期間が設定されている。筆者は,この熟慮期間は現実の相続を想定するならば,12か月程度に伸ばすべきだと考えている。第5に,「相続人の存否が不明のときはどうするのか?」という問題について考察した。相続人を探索しながら,同時に相続財産を管理清算する手続きを進めるために,相続財産を法人と擬制し,家庭裁判所は利害関係人又は検察官の請求によって,そこに「相続財産管理人」を選任し(民法第952条),相続人が出てくれば相続人に承継させることになっているが,相続人や特別縁故者がいない場合,最終的に国庫に帰属することを整理した。1.はじめに 1.1問題意識 1.2研究の前提 1.3筆者の立場 2.遺産分割の理念についての考察 2.1民主主義の私法原理 2.2遺産分割の3つの理念についての考察 2.2.1「公平」……相続人の間の公平性を確保する 2.2.2「自由」……相続人の自由意志を尊重する 2.2.3「安定」……遺産分割の安定性を確保する 2.2.4筆者の見解 3.遺産分割の前提についての考察 3.1遺産分割を実行するための4つの前提 3.2相続当事者の確定 3.3筆者の見解4.相続の開始から遺産分割の終了までの流れ 4.1『遺言書』の有無と遺産分割の指定の有無を確認 4.2当事者全員の合意に基づく「遺産分割協議書」の作成 4.3家庭裁判所での遺産分割調停の手続き 4.3.1調停委員2名が調停室で双方の言い分を聞いて調整 4.3.2調停委員は独立した公平な立場で客観的に判断 4.4家庭裁判所での審判手続きは訴訟と同じようなもの 4.5高等裁判所での審理 4.6「司法統計」から見るえてくる相続争いの現実 4.7筆者の見解 5.遺産分割当事者の確定についての考察 5.1共同相続人とは法定相続人のこと 5.2相続人に準ずる当事者の存在確認 5.3その他の当事者 5.4筆者の見解 6.包括遺贈についての考察 6.1包括遺贈の長所としての財産構成の変化対応性 6.2包括遺贈の短所としての負債の継承 6.3配偶者と一親等の血族以外は相続税額の2割加算 6.4筆者の見解 7.特定遺贈についての考察 7.1特定遺贈の長所としての負債の不継承 7.2特定遺贈の短所としての財産構成変化への対応力の弱さ 7.3筆者の見解 8.当然相続主義と相続人の選択権の保障についての考察 8.1民法で当然相続主義が採用されている理由 8.2相続人の選択権を保障する理由 8.3相続人の選択権は3か月の熟慮期間内に行使 8.3.1原則としての「単純承認」は意思表示不要 8.3.2相続人全員が共同して選択する「限定承認」 8.3.3相続の効果が遡及的に消滅する「相続放棄」 8.4限定承認の申し立て 8.5相続放棄と相続分の譲渡の違い 8.6筆者の見解 9.相続人の不存在と相続財産法人についての考察 9.1相続人が存否不明の場合の相続財産の管理・清算 9.2相続財産法人の成立と相続財産管理人 9.3筆者の見解 10.おわりに