著者
長岡 亨 木元 慶久 武内 孝 森貞 好昭 藤井 英俊
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会全国大会講演概要
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.154-155, 2016

WC-12%Co超硬合金板材にS45C板材を重ね合わせ、S45C側からツールを圧入して摩擦攪拌接合を行った。断面観察の結果、接合界面において超硬合金の塑性変形は認められなかった。せん断試験の結果、WC-Co超硬合金と炭素鋼のろう付継手と同等以上の接合強度が得られることが分かった。
著者
矢尾板 信二 渡辺 健彦 佐々木 朋裕 柳沢 敦
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会全国大会講演概要 平成24年度春季全国大会
巻号頁・発行日
pp.72-73, 2012 (Released:2012-06-20)

本研究では,Ag-Cu-Zn三元系銀ろう,これにNiを添加した銀ろうとそれぞれにCoを添加した銀ろうを作製し,超硬合金に対するぬれ性や,超硬合金同士のろう付継手の曲げ強さや接合部組織に及ぼすNiとCoの影響を調べた.

1 0 0 0 OA [源氏物語]

著者
[紫式部] [著]
出版者
八尾勘兵衛
巻号頁・発行日
vol.[14], 1654
著者
田中 美吏 霜 辰徳 野坂 祐介
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.289-300, 2016 (Released:2016-06-17)
参考文献数
52

The effects of psychological pressure on lower limb muscular activity and center of pressure (COP) were investigated in a standing, postural control task. Healthy male participants (N=18) performed a balancing task by standing on a balance disk with their dominant foot. Participants were requested to stabilize their posture for 30 s (one-trial). After acquisition trials, participants performed 2 non-pressure and 2 pressure trials in counterbalanced order for a performance-contingent cash reward, or punishment. Stress responses were successfully induced as assessed by state anxiety, perceived pressure, mental effort, and heart rates that increased under pressure conditions. The results indicated that the rate of co-contraction between the soleus (SOL) and tibialis anterior (TA) muscles in the dominant leg increased significantly in association with an increment in the EMG amplitude of the SOL under pressure. Moreover, the COP area in pressure trials was significantly smaller than in non-pressure trials. These functional changes in postural control under pressure could have been modified by internal focus of attention, affective states including anxiety, and movement strategies that enhance muscle and joint stiffness in the lower limbs.
著者
河野 修 芝 啓一郎 植田 尊善 大田 秀樹 森 英治 加治 浩三 弓削 至
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.291-293, 2004-03-25
参考文献数
2

Large curves between 50 and 80 degrees progress after skeletal maturity in untrated idiopathic scoliosis. In patients treated surgically for idiopathic scoliosis, curves sometime progress after removal of spinal instrumentation. Twenty-seven patients were evaluated to quantitate curve progression after removal of spinal instrumentation and identify factors leading to curve progression. Curve progressed in nine out of the twenty-seven patients. Curve progression is related to only curve magnitude, and not to correction rate, interval between operation and removal of spinal instrumentation, age, Rissers sign, type of scoliosis (adolescent, juvenile, infantile) , and spinal balance.

1 0 0 0 OA 源氏物語

著者
紫式部
出版者
巻号頁・発行日
vol.[54], 1650
著者
北原 淳
出版者
地域農林経済学会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.146-151, 1996-12-25 (Released:2011-09-05)
参考文献数
12
著者
山下 克司
出版者
日経BP社
雑誌
日経システム構築 (ISSN:13483196)
巻号頁・発行日
no.140, pp.164-169, 2004-12

山下 克司 日本アイ・ビー・エム ネットワーク・サービス事業部 コンピテンシー シニアコンサルティングI/Tスペシャリストアカウント管理を一元化したい場合,シングル・サインオン環境を構築するのが一つの方法である。こうした環境ではシングル・サインオンのサーバーに負荷が集中しやすいので,負荷分散構成を採りたい。

1 0 0 0 OA 朝暾集続集

著者
貴志, 朝暾
出版者
巻号頁・発行日
vol.[4],
著者
林剛司
雑誌
こころの臨床アラカルト
巻号頁・発行日
vol.12, pp.52-57, 1993
被引用文献数
1
著者
三宅 美行 宮崎 修一 辻 明良 金子 康子 山口 恵三 五島 瑳智子
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement2, pp.34-50, 1994-10-24 (Released:2011-08-04)
参考文献数
17

新しいβ-ラクタマーゼ阻害剤tazobactam (TAZ) とpiperacillin (PIPC) との1: 4の配合剤で あるtazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC) のin vitroおよびin vivoにおける抗菌力を既存のβ-ラクタム系抗生物質と比較検討した。TAZ/PIPCはグラム陽性菌および陰性菌に対して幅広い抗菌スペクトルを示し, 陽性菌 では対照薬剤のなかで最も強く, 陰性菌においてもimipenem, ceftazidimeにつぐ強い抗菌 力を示した。特にβ-ラクタマーゼ産生株では配合相手であるPIPCよりも強い抗菌力を示 した。マウス全身感染治療実験において TAZ/PIPCは試験株のすべてに優れた治療効果を認 め, とくにβ-ラクタマーゼ産生株の感染ではPIPCよりも優れた治療効果を示した。また, TAZ/PIPCのβ-ラクタマーゼ非産生株単独感染での治療効果はPIPCとほぼ同様であったが, 産生株との混合感染においては明らかにPIPCより優れていた。β-ラクタマーゼ産生株であるEscherichia coli KU-3によるマウス尿路感染治療実験で, TAZ/PIPC投与マウスは PIPC投与マウスに比較して速やかな腎内生菌数の減少が観察された。また, 同様の方法にて尿路感染時の腎内PIPC濃度を測定したところ, PIPC投与群ではβ-ラクタマーゼによる分解を受けPIPC濃度はTAZ/PIPC投与群より有意に低下していたが, TAZ/PIPC投与群は正常マウスとほぼ同様であり, 分解を受けなかった。さらに, 臨床治療時を想定したヒト血中濃度シミュレーションシステムを用いてTAZ/PIPCの殺菌効果をβ-ラクタマーゼ産生株についてPIPCと比較したところ, TAZ/PIPCは PIPCより著明な生菌数の減少と再増殖の遅延が認められた。またE. coliとKlebsiella Pneumoniaeの混合接種においてもTAZ/PIPCはPIPCと比べ両菌に対し著明な殺菌作用が認められた。混合感染などβ-ラクタマーゼ産生株による感染治療においてTAZ/PIPCが優れた治療効果を示したのは, 感染部位に産生されたβ-ラクタマーゼによるPIPCの分解をTAZが阻害するためPIPC本来の抗菌力が発揮されたことによると考えられた。
著者
三宅 美行 西田 幸一 東谷 房広 宇治 達哉 兵頭 昭夫 石田 直文 釆見 憲男
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement2, pp.156-163, 1994-10-24 (Released:2011-08-04)
参考文献数
11

Tazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC) のin vivo抗菌力を既存のβ-lactam系抗生物質と比較検討した。マウス全身感染治療実験においてTAZ/PIPCの治療効果はβ-ラクタマーゼ非産生のEnterococcus faecalisでpiperacillin (PIPC) と同等であったがβ-ラクタマーゼ産生株では優れていた。E. faecalisとEscherichia coliの混合感染およびStaphylococcus aureusとPseudomonas aeruginosaとの混合感染でTAZ/PIPCはPIPCより優れた治療効果を示した。尿路感染治療実験でTAZ/PIPCはP. aeruginosa単独, Proteus vulgarisとP. aeruginosaの混合感染共にPIPCより速やかな腎内生菌数の減少が観察され, 感染5日後ではPIPCより1/100以下に低下していた。Klebsiella pneumoniaeを用いた呼吸器感染治療実験でTAZ/PIPCはsulbactam/cefoperazone (SBT/CPZ) とほぼ同等の効力を示しPIPCより有意に優れていた。以上によりTAZ/PIPCは全身, 局所感染治療実験において優れた治療効果が認められた。特にβ-ラタマーゼ産生菌との単独, 混合感染において優れていた。
著者
松下 仁 小室 昌仁 前田 利松 南 慶典 佐川 久美子
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement2, pp.198-205, 1994-10-24 (Released:2011-08-04)
参考文献数
9

Tazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC) の代謝物の検索をラジオ-HPLCを用いて, また活性代謝物の検索をTLC-バイオオートグラフィーを用いて検討した。次にtazobactam (TAZ) の代謝物M-1の生成臓器について, 血漿, 臓器ホモジネートを用いたin vitro試験により検討し, 次の結果を得た。1. ラットに14C-TAZ/PIPCあるいはTAZ/14C-PIPCを静脈内投与して, 血漿, 尿および胆汁中代謝物を検索し, 定量した。TAZの代謝物として, β-ラクタム環が開裂・分解した構造を有するM-1を同定した。Piperacillin (PIPC) は主として未変化体として検出され, 主要代謝物は存在しなかった。ラットの尿中にはTAZ未変化体が約70%, TAZの代謝物M-1が約17%, PIPC未変化体が約25%排泄された。胆汁中にはTAZが約2%, M-1が約1%, PIPCが約60%排泄された。2. ラット, イヌおよびサルにTAZ/PIPC50mg/kgを投与して, 血漿および尿のバイオオートグラムを作製し, 活性代謝物を検索した。その結果, TAZ, PIPCともに, 標準品と同位置に1スポットのみ検出され, 活性代謝物は存在しなかった。3. マウスの肺, 肝, 腎, 小腸の25%ホモジネートおよび血漿中の安定性について検討した。マウスでは血漿, 腎, 小腸でM-1が生成した。
著者
小室 昌仁 前田 利松 角尾 浩幸 松下 仁 箱井 加津男 吉田 昌彦
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement2, pp.217-227, 1994-10-24 (Released:2011-08-04)
参考文献数
19

Tazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC) は広域ペニシリン系抗生物質であるpiperacillin (PIPC) にβ-ラクタマーゼ阻害剤であるtazobactam (TAZ) を4:1の力価比で配合した新規抗生剤である。今回, 肝臓あるいは腎臓障害動物および幼若動物にTAZ/PIPCを静脈内投与し, 薬物動態を検討した。またTAZ/PIPCのビリルビン血清蛋白結合に及ぼす影響を伽in vitroで検討し以下の結果を得た。1. 肝障害動物ではTAZ, PIPCともに腎外クリアランス (CLnr) の減少に由来する全身クリアランス (CLPtot) の減少が認められ, CLPtot, は腎クリアランス (CLr) とほぼ等しくなった。しかしながら腎クリアランス (CLr) が大きいため, 代償的な腎排泄が認められ, 体内からの消失の遅延の程度は大きくなかった。2. 腎障害動物ではTAZ, PIPCのCLPtot, CLr, 腎分泌クリアランス (CLrs) とクレアチニンクリアランス (CLcr) との問には高い正の相関が認められた。このときのCLnrは小さく, 障害の程度に応じてTAZ, PIPCの体内からの消失が遅延した。3. In vitroにおいてTAZ, PIPCはビリルビン・アルブミン結合に対して影響を及ぼさず, ビリルビン遊離作用は認められなかった。4. 幼若イヌにおけるTAZ, PIPCのT1/2βは成熟イヌよりも長く, 体内からの消失の遅延が認められた。また幼若イヌに反復投与後の蓄積性は認められなかった。
著者
前田 利松 小室 昌仁 松下 仁
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement2, pp.206-216, 1994-10-24 (Released:2011-08-04)
参考文献数
14

Tazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC) は広域ペニシリン系抗生物質であるpiperacillin (PIPC) にβ-ラクタマーゼ阻害剤であるtazobactam (TAZ) を4: 1の力価比で配合した新規抗生剤である。今回マウス, ラット, ウサギ, イヌおよびサルを用い, TAZ/PIPC静脈内投与後の体内動態を検討し, 以下の結果を得た。1. TAZ/PIPC単回投与後の血漿中からの消失半減期は, TAZ, PIPCともにマウスで約5分, ラットで約10分, ウサギで約15分, イヌ, サルでは約25~35分であり, TAZ, PIPCはよく似た血漿中動態を示した。2. TAZ/PIPC単回投与後の尿中排泄率は, 未変化体TAZが約70~85%, TAZの代謝物M-1が約2~15%, 合計約80~90%であり, いずれの動物種においても主として尿中に排泄されたが, PIPCでは未変化体として約25~70%の排泄率であり, 種差が認められた。3. イヌにTAZ/PIPC16.6, 50または150mg/kgを単回投与した場合, TAZ, PIPCとも全身クリアランスおよび定常状態における分布容積の変動はほとんど認められず, この投与量範囲内では見かけ上ほぼ線形な動態を示すものと考えられた。4. イヌにTAZ/PIPCを反復投与した場合, TAZおよびPIPCの消失半減期, 全身クリアランス等のファーマコキネティックパラメーターや尿中排泄率は単回投与時とほぼ同じで, 反復投与により体内動態は変動せず, 蓄積性はないものと考えられた。5. マウスにTAZ/PIPC単回投与後のTAZの組織内濃度は血漿, 肝, 腎, 皮膚および肺に高く分布した。PIPCもTAZと同様の組織に高く分布した。6. In vitroにおける各種動物の血清蛋白に対するTAZの結合率は, TAZ/PIPC併用時, いずれの動物種においても0~4%と低かったが, PIPCの結合率は6.1~23.8%と種差が認められた。これはTAZ単独, PIPC単独時の結合率と比べて差は認められず, 併用による相互作用はないものと考えられた。7. イヌにおいて, プロベネシド併用による影響を検討した結果, TAZおよびPIPCはプロベネシド併用により, 血漿中からの消失が遅延した。
著者
才川 勇 高井 明 中島 良文 吉田 長作 保田 隆 清水 悦郎 酒井 広志 滝 秀雄 田井 賢 高下 寛
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.97, no.10, pp.1071-1081, 1977-10-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
10
被引用文献数
5 3

Metabolism of 6-[D (-)-α-(4-ethyl-2, 3-dioxo-1-piperazinecarboxamido) phenylacetamido] penicillanic acid (T-1220), a new β-lactam antibiotic, was studied in vivo and in vitro. Only unchanged T-1220 was detected by bioautography in urine of human, monkeys, dogs, rats, and mice receiving T-1220 intramuscularly. When 14C-labeled T-1220 was administered to rats, most of the radioactive product was excreted unchanged in the urine, but two metabolites were detected in a minute amount by autoradiography. These metabolites were identified as 14C-labeled α-{3-[2-(N-ethyl-N-oxaloamino) ethyl] ureido}-benzylpenicillin (14C-T-1220A) and 14C-labeled α-(4-ethyl-2, 3-dioxo-1-piperazinecarboxamido) benzylpenicilloic acid (14C-T-1220B) by thin-layer chromatography, electrophoresis, and high-pressure liquid chromatography. Metabolism of 14C-T-1220 and its mechanism were studied by using high-pressure liquid chromatography for the separation and radioactive measurement for the determination. In the case of the intramuscular administration of 14C-T-1220 to rats, about 92% of the radioactivity was excreted unchanged in urine and bile, but about 94% of the radioactivity in the feces was 14C-T-1220B. The same results were found in rats pretreated with SKF-525A and phenobarbital. In situ studies showed that 14C-T-1220 changed to 14C-T-1220B in the intestinal tracts, and in vitro studies showed that 14C-T-1220 changed to 14C-T-1220B in fecal homogenate. From these results, it seemed that 14C-T-1220 was changed to 14C-T-1220B by β-lactamase produced from intestinal flora.
著者
佐川 久美子 佐々木 徹 大谷 敏夫 兵頭 昭夫 石田 直文 西川 昌子 梅野 幸彦
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement2, pp.263-276, 1994-10-24 (Released:2011-08-04)
参考文献数
13

Tazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC; tazobactam: piperacillin=1: 4) の体内動態を解明するために, bioassay法およびHPLC法により, tazobactam (TAZ) とpiperacillin (PIPC) の分別定量法を検討した。Bioassay法において, TAZはそれ自身の抗菌力が弱いため, 培地中にcefoperazone (CPZ) を150μg/ml添加し, CPZ高度耐性でβ-lactamaseを産生するEscherichia coli 603を検定菌とする方法により, 定量が可能であった。PIPCはMicrococcus luteus ATCC 9341を検定菌とするbioassay法により, TAZの影響をほとんど受けずに測定可能であった。HPLC法においては, Inertsil ODS-2カラムを用いることによって, TAZ, PIPCおよびPIPCの活性代謝物desethyl-PIPCを同時に分別定量することが可能であった。また, TAZの非活性代謝物M-1についてはDevelosil ODS-5カラムを用いることにより定量可能であった。Bioassay法とHPLC法の相関関係について, ヒトの血漿および尿を用いた添加回収試験で検討した結果, 両者間には良好な相関関係が認められた。
著者
澤江 義郎 岡田 薫 高木 宏治 三角 博康 下野 信行 江口 克彦 仁保 善之
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement2, pp.437-442, 1994-10-24 (Released:2011-08-04)
参考文献数
2

新規β-ラクタマーゼ阻害剤tazobactam (TAZ) と広域ペニシリン系抗生物質piperacillin (PIPC) の配合剤であるtazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC) について基礎的・臨床的検討を行った。TAZ/PIPCの臨床分離株に対する抗菌力は, Proteus vulgarisとProtens mirabilisに対して優れ).Enterococcus faecalis, Escherichia coliやKlebsiella pneumoniaeに対してもペニシリン系対照薬よりも同等以上であった。また, Citrobacter freundii, Psendomonas aeruginosaやStaphylococcus aureusに対してもある程度の抗菌力があった。肺炎3例) 慢性気管支炎1例) 菌血症1例の計5例の感染症にTAZ/PIPC1日2.5g~10g, 6~14日間の使用により, 著効2例, 有効1例, やや有効1例, 無効1例の臨床効果が得られた。自・他覚的副作用および臨床検査値異常は認められなかった。
著者
松本 慶蔵 永武 毅 大石 和徳 天本 敏昭 浦江 隆次 入江 伸 仁位 泰樹 浦江 明憲
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement2, pp.281-299, 1994-10-24 (Released:2011-08-04)
参考文献数
14

健康成人男子志願者を対象に, 新規β-lactamase阻害剤であるtazobactam (TAZ) にpiperacillin (PIPC) を1: 4 (力価比) に配合した注射用配合剤であるtazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC) の臨床第1相試験を実施した。試験は単回点滴静注 (TAZ/PIPC1.25g, 2.59, 5.0g, およびPIPC2.0g, TAZO.5g), 単回静注 (TAZ/PIPC1.25g, 2.5g) および9回反復点滴静注 (5.0g, 1日2回) を実施し, 安全性および体内動態を検討し, その成績を次に示した。1) 自他覚症状, 理学的検査および臨床検査において, 単回投与試験では本剤に起因する変化は認められなかった。9回反復投与試験において下痢および頭痛・倦怠感・胸部痛 (1例) を認めたが, 特に処置せずに消失した。2) TAZならびにPIPCはともに投与量に相関した血漿中濃度を示した。3) 血漿中濃度半減期 (T1/2β) は, TAZ, PIPCともに約0.6~0.8時間であった。また, TAZ, PIPCの定常状態の分布容積, 全身クリアランスは, ほぼ同じ値を示し, 両者はよく似た体内動態を示すことが明らかになった。4) 24時間までの尿中回収率はTAZが約67~77%, TAZの非活性代謝物M-1が約13~18%, PIPCが約54~68%であった。5) 5.0gの9回反復点滴静注後の血漿中濃度および尿中排泄には, 蓄積傾向は認められなかった。6) TAZの体内動態をTAZ/PIPC投与時とTAZ単独投与時で比較すると, 単独投与時に比べてTAZ/PIPC投与時にはTAZの血漿中からの消失の遅延が認められた。7) TAZの活性代謝物は血漿および尿中には認められなかったが, PIPCにはその活性代謝物が確認、され, PIPCの脱エチル体であることが確認された。以上の安全性および薬物動態についての検討成績からTAZ/PIPCは今後, 臨床評価を行うに値するものと考えられた。