1 0 0 0 OA 史記 130卷

著者
(漢) 司馬遷 撰
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
vol.第12册, 1606
著者
城間 理夫
出版者
琉球大学
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.63-72, 1988-12-05

沖縄県宮古島では収穫時のサトウキビブリックスが, 1984/85と1985/86の両収穫年期に異常に低かった。この低ブリックスの一つの原因として気象現象の影響があったか否かをみるために, サトウキビのほ場ブリックスと第1汁ブリックス総刮値の資料および気象資料を使って単純相関解析, 相関図解析, および重回帰解析を行った。解析に使用できた資料は十分ではなかったが, 入手できた範囲の解析から次の傾向が見出された。1. 1985/86年期の10月上旬のほ場ブリックスが低かったのはその直前の7月-8月の多雨と風向変化の激しかった台風との二つの影響も大きかったためであると考えられる。しかし, この多雨と風向変化とのそれぞれの影響を別々に量的に推定することはできなかった。2. 1984/85年期の10月上旬のほ場ブリックスは低いほうであったが, その原因をその直前の9月以前の気象の推移(台風, 降雨量など)によって説明することはできなかった。3.上記二つの収穫年期連続の低ブリックスに関連して, 両年期とも収穫期直前の10月以後のブリックスがあまり上昇しなかったが, これはこの10月以後の気象の影響もかなりあったことがある程度説明できる。4.この解析は従来の栽培方法によって生育したサトウキビについて行ったものである。さらに良い栽培方法の下で生育したサトウキビは, ある程度の気象のマイナス面に対しても本報告におけるほどのブリックス低下に至らなくなる可能性がある。これについては今後資料の蓄積を待って調査したい。5.さらに精度の高い調査研究結果を得るためには, 降雨量, 台風, およびこれらと関連したサトウキビの生理生態のおのおのについて一層の研究と資料の蓄積が必要と思われる。
著者
篠永 哲 加納 六郎
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.57-63, 1973
被引用文献数
1

日本産ミドリハナバエ属については, 加納・篠永(1967), 篠永・加納(1971)が成虫5種を記載しているほか, 篠永ら(1972)がキタミドリハナバエO. caesarionを北海道から日本新記録種として報告している。わが国では, 本属の幼虫はすべて牛その他の大形草食獣糞より発生するが, とくに放牧場の牛糞からの発生が多い。しかし, 沖繩の石垣, 西表島などでは, 水牛糞がおもな発生源である。本属の幼虫の形態については, 日本では石島(1967がミドリハナバエO. coeruleaの3令幼虫を記録しているのみである。著者らは, 野外で採集した雌成虫を新鮮な牛糞と砂糖水を与えて飼育し, 産卵させて3令幼虫をえた。図と記載のごとく, ミドリハナバエ属の幼虫は腹部第12節に特徴があり, そのうちでもanal plateとanal, subanal, postanal, extra-anal papillaeなどの有無, 形態とその組合せなどは種の特徴として重要でありこれらによって種の同定も可能である。
著者
畑村 透
出版者
九州工業大学
巻号頁・発行日
2015

近年、世界各地で超小型衛星(50kg 以下)の開発が盛んに行なわれている。超小型衛星は低コスト・短納期という特徴があるが、それは地上民生用の既製品(以下、COTS品)を利用することで成し遂げられることが多い。COTS 品は宇宙用に設計されたものではない。宇宙環境試験は、超小型衛星の信頼度向上に重要な役割を担っている。宇宙環境試験では、振動・衝撃・熱真空・熱サイクルなど、さまざまな種類の試験を行う。その中でも衝撃試験は、最も実施困難な試験のうちの一つで、未だ確実な手法が確立できていない。これらの状況から、超小型衛星用の衝撃試験機の開発が、超小型衛星市場の拡大や、信頼性の向上に繋がる急務であると判断し、研究・開発を進めるに至った。本論文の第1章では、研究背景や衝撃試験の評価方法のレビューを行い、ロンチャ―側・衛星開発者それぞれの立場における試験目的を説明している。ロンチャ―側が衝撃試験を行う目的の根幹にあるものは、主衛星の相乗りが基本である超小型衛星が、構造破壊や誤作動によって主衛星へ被害を及ぼさないことを確認することである。衛星開発者側の試験目的は、ロンチャ―の要求事項を満たすこととも言えるが、打ち上げや衛星分離によるダメージに耐え、無事に宇宙へ届けたいという思いも当然持っている。よって打ち上げ前に、衛星機能が衝撃環境に耐え得るかを確認することは、大いに意義のあることである。以上に加えて、超小型衛星向けの衝撃試験機がどのような要素を持つべきなのか考察を行い、最終的に、低コスト、衝撃レベルのコントロールしやすさ、再現性の良さを満たした試験方法の開発を、本研究の目的として定義している。第2 章では、衝撃試験機にどのようなタイプがあるかレビューを行い、超小型衛星用として最も適している試験方法を考察している。その中でも衝撃レベルの調整の自由度が大きい「機械的インパクト試験方式」が、最も超小型衛星に適していると判断した。その結果から、同じ「機械的インパクト試験方式」に分類される、コンパクトハンマー式やMO(前野・小口)バルブ式衝撃試験機(以下MO バルブ式)を製作したので、その紹介を行う。また、衝撃計測のプログラムとして、市販品は非常に高価な上にフルオートで計測・解析等ができない。そこで、汎用の計測制御ソフトであるLABVIEW®を用いて計測プログラムを作成した。この計測プログラムの特徴や使用方法についても説明する。第3 章では、第2 章で製作した2 つの試験機とさらにもう1 機(吊り上げ型錘落下式)を加えた3 機で、衝撃試験を行った結果を記載する。衝撃試験はダミー衛星を用いており、衝撃レベルの評価を行うベース部分及び、及びダミー衛星内部の衝撃レベルを比較し、考察を行った。その結果から、吊り上げ錘落下式が300Hz 以下で、衝撃レベルが不足しやすいこと、コンパクトハンマー式は、衝撃レベルを十分満足できる反面、300Hz~2000Hz で若干強めに出る傾向にあること、MO バルブ式が最もコントロールしやすい試験機であることを示している。第4 章では、実験とCAE(Computer Aided Engineering)解析の両方を比較検討することで、衝撃試験の問題点として挙げられる、低周波側の衝撃レベルを制御する手段を考案した。CAE 解析では、主に300Hz 以下の領域において実験値と解析値の比較を行った。その結果、衝撃レベルを判断する計測位置(衛星を設置するベース板)において、CAE解析値は実験値を最大約11%の誤差で再現できた。このように、先ず解析の精度を確認した上で、別の境界条件に応用した。本論文では、衛星を設置するベース板の摩擦係数に着目し、摩擦係数を変化させることで衝撃レベルを制御することを考えた。CAE解析を行った結果、300Hz 以下の低周波側において衝撃レベルが変化することが示され、仮説が実証された。第5 章では、本論文の総括を行い、コストや衝撃レベルのコントロール性や再現性の観点から、超小型衛星に適した衝撃試験方法は、MO バルブ式を用いたものであることを結論づけている。また、CAE 解析の今後の可能性についても言及した上で、今後の研究の方向性についてもまとめている。
著者
後藤 雄佐 中村 聡 酒井 究 星川 清親
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.473-479, 1994-09-05
被引用文献数
2

スイートソルガムの生長の解析法を確立するために, 疎植区(100 cm×50 cm)と密植区(50 cm×20 cm)とを設け, 節間の伸長と肥大とを調べた. 供試品種は早生のSucrosorgo 301 (S 301)と晩生のSucrosorgo 405 (S405). 収穫物の中心となる茎は, 伸長した節間の集合体であり, 収穫物からその個体の生長を解析するためには, どの節間がいつ頃伸長・肥大したものかを推定できなくてはならない. すなわち, 外観から測定できる個体の齢と内部での節間の生長との関連性を把握する必要がある. そこで, 葉身が抽出完了した時点ごとに, その葉位で個体の齢を表し(葉位齢と呼んだ), 節間の伸長・肥大との関係を調べた. 葉位齢を用い第9節間〜第12節間の伸長過程を基に概念的な節間伸長の生長曲線を描いた. すなわち, 第n節間(IN n)は葉位齢n+1頃から急激な伸長を始め, 葉位齢n+2頃に最も急速に伸長し, 葉位齢n+3〜n+4頃に伸長が終わった. 節間伸長への栽植密度の影響は, 伸長の速度として認められた. 節間の太さについては, 同じ節間位で比較すると, 両品種とも疎植区のほうが密植区より常に太かった. 節間の肥大は, 一つの生長曲線にはまとめられなかった. 最も単純化した場合, 栽植密度によって異なる2つの生長曲線にまとめられた. INnは, 葉位齢nくらいまでは栽植密度の影響を受けずに肥大したが, 密植区は葉位齢n+1くらいから肥大速度が鈍り, 葉位齢n+2くらいで最大径となった. ところが疎植区は, 葉位齢n+5くらいまで肥大が続き, 最大径は密植区を上回った.
著者
阿部 和彦
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.369-375, 1979-09-01 (Released:2017-04-11)

ベンザミド系のsulpirideは, 他の向精神薬物に比べて広い治療スペクトルを有し, 抗幻覚・抗妄想作用の他, 抗うつ作用を持っている。したがって, 急性分裂病の他, 或種のうつ状態にも効果が期待出来るが, 効果の確率が最も高いのは分裂病とうつ病の中間位に位置すると考えられる非定型の精神病である。また神経性不食症や, 思春期や前思春期のうつ状態で, 関係念慮が著明な場合もしばしば効果が認められる。この薬物の長所としては, 短期間の使用の場合, 重篤な副作用がまれであること, 効果の発現が早いことと上述の広い治療スペクトルである。
著者
[藤田幽谷] [著]
巻号頁・発行日
vol.[117], 1800
著者
川古谷 裕平 岩村 誠 三好 潤
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.2, 2017-10-16

マルウェアの静的解析において,Windows APIはマルウェアの機能を効率的に読み取るための重要な情報源である.しかし,その有用性のため,マルウェア作者はマルウェアに難読化を施し,インポートしているAPIを隠蔽する傾向がある.本論文では,マルウェアが利用するAPI難読化手法とそれらを解析する既存手法を整理し,既存手法がAPIの配置場所を難読化する解析妨害に脆弱であることを示す.次に,この問題を解決するため,テイント解析により得た情報に基づき,メモリダンプ内のIATのAPIアドレス解決を行う提案する.本提案手法を用いることで,マルウェが配置場所難読化を施した場合でも,インポートしているAPIを正確に特定できることを実験にて示す.
著者
服部 希世子 宇田 英典 人見 嘉哲 矢野 亮佑 西條 尚男 渡邉 直行 里見 真希 吉田 綾 大石 修 山下 剛 亀之園 明
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.170-178, 2018 (Released:2018-05-03)
参考文献数
24

目的 近年ベトナムは目覚ましい経済成長を遂げ,人々のライフスタイルが変化してきたことに伴い非感染性疾患(NCDs:Non-Communicable Disease)患者が増加している。ベトナムにおけるNCDs対策の現状と課題を明らかにし,ベトナムと日本のNCDs対策について検討する。方法 平成27年度地域保健総合推進事業(国際協力事業)として,11人の公衆衛生医師から成る調査団は平成28年1月11日~15日の日程でベトナムの首都ハノイと近郊を訪れ,WHO現地オフィス,ベトナム保健省をはじめ現地の保健医療機関を訪問し,ベトナムにおけるNCDs対策について調査を行い,意見交換を行った。結果 2014年のデータによると,ベトナムでは全年齢層の死亡原因のうちNCDsが73%を占めており,近年急激にNCDs患者が増加している。その主な行動リスクファクターは,食事,喫煙,飲酒,運動不足,である。NCDs対策を行う上での問題点として,国民のNCDsに対する認知度の低さ,地域格差のある医療,専門的な知識を持った保健医療スタッフの不足,NCDsサーベイランスが行われているものの実態を反映できていない,などが挙げられる。 ベトナムでは2002年に国家運営委員会を立ち上げNCDsプログラムを策定し,各疾患に対するスクリーニング方法や治療ガイドラインが作成されたが3次予防にとどまり,1次予防,2次予防対策が十分ではなかった。現在,WHOの技術的支援を受けながら,NCDsのリスクファクターを減らす取り組みなど予防に重点を置いた対策が始まったばかりである。結論 今後,ベトナムのNCDs予防対策が国民1人1人に行き届くことが求められており,日本の健康日本21のような国民運動,特定健診など全国規模のスクリーニング事業など参考になると思われた。また,日本における地域住民の自主的な地区組織による地域保健活動および保健師による地域への訪問活動と保健指導が地域の保健向上に大きく貢献した経験は,ベトナム国でも応用できると思われた。さらに人材不足などの課題は日本でも共通しており,幅広く健康課題に取り組む保健医療スタッフの確保と能力の強化が求められる。
著者
成田 暁 中谷 直樹 中村 智洋 土屋 菜歩 小暮 真奈 辻 一郎 寳澤 篤 富田 博秋
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.157-163, 2018 (Released:2018-05-03)
参考文献数
18

目的 自然災害による身体的外傷がメンタルヘルスに与える影響に関する研究はこれまでにも報告されているが,軽度の身体的外傷においてもメンタルヘルスと関連するかはほとんど検証されていない。本研究は,東日本大震災に起因する軽度身体的外傷と心理的苦痛の関連を横断研究デザインにて検討することを目的とした。方法 宮城県七ヶ浜町と東北大学は,共同事業「七ヶ浜健康増進プロジェクト」において,東日本大震災後の町民の健康状態や生活状況を把握するための調査を実施している。本研究では,七ヶ浜健康増進プロジェクトが大震災から約1年後に行った調査に参加し,大震災に起因する外傷およびKessler 6項目心理的苦痛尺度(以下,K6)の全設問に回答した対象者のうち,20歳以上の男女3,844人(男性1,821人/女性2,023人)を解析対象とした。心理的苦痛(K6で24点満点中13点以上を「あり」,12点以下を「なし」と定義)を目的変数,身体的外傷の有無を説明変数とし,性,年齢,社会的要因,生活習慣を調整した多変量ロジスティック回帰分析を行った。軽度身体的外傷と心理的苦痛の関連について,震災被害(近親者の喪失,人の死の目撃,家屋損壊程度)のそれぞれで層別化した解析も併せて実施した。結果 身体的外傷なしの群に対し,ありの群における心理的苦痛の多変量調整済みオッズ比は2.05(1.26-3.34)と有意な正の関連を示した。また,軽度身体的外傷(「擦り傷」,「切り傷・刺し傷」,「打撲・捻挫」)なしの群に対し,ありの群における心理的苦痛の多変量調整済みオッズ比は2.18(1.32-3.59)と有意な正の関連を示した。家屋損壊程度に基づく層別化解析において,家屋が半壊以下であった群では4.01(2.03-7.93)と有意な関連を示したが,大規模半壊以上の群では両者の関連は有意でなく,家屋損壊程度と軽度身体的外傷の間に有意な交互作用が示された(P for interaction=0.03)。結論 東日本大震災の甚大な被害を受けた地域住民約4,000人を対象に,大震災に起因する身体的外傷と心理的苦痛の関連を検討した。その結果,大震災に起因する軽度身体的外傷と心理的苦痛の間に有意な正の関連が認められた。心理的苦痛のハイリスク者を同定する上で,軽度身体外傷を有する者についても考慮する必要がある。
著者
柿崎 真沙子 澤田 典絵 山岸 良匡 八谷 寛 斉藤 功 小久保 喜弘 磯 博康 津金 昌一郎 康永 秀生
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.179-186, 2018 (Released:2018-05-03)
参考文献数
19

目的 DPCデータを大規模なコホート研究の発症登録に利用することが可能であるかを検討するため,独自に収集した脳卒中および急性心筋梗塞発症登録数と,DPCデータを活用して得られた疾病登録数との比較を行い,脳卒中と急性心筋梗塞の各診断名において実施された治療・処置や検査から,標的疾患罹患の把握に有用な項目があるか検討した。方法 研究対象病院のDPCデータから,4種類(主傷病名,入院の契機となった病名,医療資源を最も投入した病名,医療資源を二番目に投入した病名)のいずれかに,急性心筋梗塞,脳内出血,脳梗塞が含まれる症例を抽出し,疾患ごとに実施された検査や治療の情報を抽出・集計し当該研究対象病院にてJPHC研究の一部として独自に収集した発症登録により得られた登録数を比較した。結果 DPCデータで抽出された症例数は独自に実施した発症登録数より多かったが,その差はとくに脳梗塞において顕著であった。JPHC登録数/DPC症例数の比は心筋梗塞1.13,脳内出血0.88,脳梗塞0.67であった。結論 急性心筋梗塞および脳内出血の疾病登録にはDPCデータを利用して,対象者数を概ね把握できる可能性が示された。脳梗塞についてはDPC登録病名とDPC治療・検査・診断項目を補助的に活用することで,疾病登録対象者数の同定精度を高め得る可能性がある。しかしながら,DPCデータを大規模なコホート研究の発症登録に利用するためには,地域全体での発症数がDPC導入病院の発症数でカバーできるのか,さらなる検討が必要である。
著者
平田 未季 阿部 祐子 嶋 ちはる
出版者
秋田大学国際交流センター
雑誌
秋田大学国際交流センター紀要 (ISSN:21869243)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.23-50, 2018-03

本稿では,秋田大学と国際教養大学の間で行われた留学生を対象とする日本語合同授業の実践の詳細を報告するとともに,異なる大学に所属する留学生同士の交流からどのような学びが得られるのかという点について考察する。筆者らは,秋田市に留学しているという共通点を持ちながら,異なる環境で生活する学生が交流することで,自らの置かれた環境の類似点や相違点を比較することができ,互いに共感や刺激が生まれるのではないかという仮説のもと,2 回に渡り両大学間の合同授業を実施した。本稿では,第1回目の合同授業の準備過程,活動内容の詳細,学生の反応,第1 回目の実践で生じた課題およびそれを踏まえた第2 回目の実践内容を示すことで,異なる大学が,既存のクラスの中で合同授業を行う方法の1 つを提示する。また,従来は日本人学生と留学生の間で行われることが多く,「留学生-日本人」,「自国文化-日本文化」といった二項対立になりがちな多文化クラス活動が,異なる大学の留学生間で実施されることで,新たな学びの機会となりうる可能性を指摘する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コミュニケーション (ISSN:09107215)
巻号頁・発行日
no.472, pp.33-35, 2006-10-15

9月19日から21日にかけて,NTT東日本のIP電話サービス「ひかり電話」で発着信がしにくくなる障害が発生。影響はNTT東日本エリアの約80万ユーザーに及んだ。原因は呼制御サーバーなど2重の不具合。トラブルは一応収束したが,原因特定までにかなりの時間を要し,運用面での課題を残した。
著者
田口 ランディ
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.20-30, 2012

<p>今年は3月に日本のみならず、海外にも影響を与えるような大災害、大事故がありました。しかしながら、私自身の心情を正直に語れば、3・11以前と以降とで自分の創作になにかしら変化があったとは思えないのです。このことは、私自身をとまどわせました。なぜなら多くの人が震災・原発事故を境に「ものの見方が変わった」と述べていたからです。この価値観の変化は「起こっている」のか。それとも「起こされている」のか。緻密に制度化された社会は3・11以前となんら変わらずに続いています。皆が従来の秩序を尊び、自分たちの組織内の狹い常識にのっとって、予定調和で社会生活を続けています。ことさらに書き言葉に携わる人間はたいへん保守的です(言語は書き言葉が登場すると変化しなくなります)。それゆえ、書き言葉への反逆は時々起こり、書き言葉をどう解体するかが多くの近代作家の創作課題でありました。でも、近年、作家は(私も含めて)自らの言葉を解体する力を失っているように思えます。いったい「ものの見方が変わる」とはどういうことでしょうか? これは何百年もの間、文学のテーマであり続けた認識の問題ですのに、今やなんの含みもない陳腐なフレーズと化しているのです。「ことば」はリアルが立ち上がる場所です。人間は「ことば」で構造的に世界を作り上げ錯覚して生きています。ですから「ことば」による解体が可能であったのです。そして「ことば」に新たな意味を与えていくのは、作家、詩人の役割でもありました。ですが、もはや作家や詩人という職業も、ご用○○として扱われ、その表現や存在にオリジナリティなど求められていないというのが実感です。そのような中で、いかに「リアル(違和)」を探りつつ、こだわりつつ言葉を解体するか。現代の状況を踏まえながら考察したいと思っています。</p>
著者
浅野 純一郎
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.67, no.556, pp.249-256, 2002
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

This paper clarified an outline about the birth of Cyuou-douro street and the renewal process of buildings along the street and the change of vista. The improvement project of Cyuou-douro from 1922 to 1924 was the largest one in Nagano City of those days. The planning concept thought much of street view and vista toward Zenkouji-temple.Residents there also thought the appearance and fire prevention and built houses and stores.After then the redevelopment undertakings from 1970 to 2000 have made building height irregular and have spoiled the vista.Because the experience of the big project of about 80 years ago is peculiar to Nagano City, it is important to use it with caution for the future planning.