著者
岡田 猛 横地 早和子 難波 久美子 石橋 健太郎 植田 一博
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.303-321, 2007

The goal of this case study was to describe creation processes of contemporary artists from the perspective of Cognitive Science. We focused on the interaction among activities that affect long term processes of expertise and those that affect shorter term processes as the artist creates a series of work. We conducted retrospective interviews with two contemporary artists in their 40's using the portfolios of their past works so that they could recall their creation processes in detail. We found that the artists used an analogical modification process to produce a new series of artwork. Analogical modification is a cognitive process similar to analogical mapping, but modifies major features of the source structure while mapping it to the target. Artistic vision, which is formed through many years of creative activities and consists of main themes and goals for creation, plays an important role in guiding the usage of analogical modification. Analogical modification correspondingly appeared to deepen artistic vision.
著者
伊藤 道治
出版者
関西外国語大学
雑誌
研究論集 (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.93-108, 2003-08
著者
粟屋善雄
出版者
森林総合研究所東北支所
雑誌
たより
巻号頁・発行日
no.468, 2001-01-29

6 0 0 0 OA 印度奇聞珍話

著者
青木廉平 著
出版者
東京堂書店
巻号頁・発行日
1923
著者
辛島 理人
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.155-183, 2012-03

本稿は、アメリカの反共リベラル知識人と民間財団による、一九五〇・六〇年代の日本の社会科学への介入とその反応・成果に焦点をあて、戦後における日本とアメリカの文化交流を議論するものである。その事例として、経済学者・板垣與一がロックフェラー財団の支援を受けて行ったアジア、ヨーロッパ、アメリカ訪問(一九五七~五八)を取り上げる。ロックフェラー財団は、第二次対戦終了直後に日本での活動を再開し、日本の文化政治の「方向付け」を試みた。その一つが、日本の大学や学術をドイツ式の「象牙の塔」からアメリカのような政策志向の実践的なものへと転換させることであった。そのような方針を持つロックフェラー財団にとって、官庁エコノミストと協働していわゆる「近代経済学」を押し進めていた一橋大学は好ましい機関であった。板垣與一は、同財団が支援する「アングロサクソン・スカンジナビア」型の経済学を推進する研究者ではなかったが、日本の反共リベラルを支援しようとしたアメリカの近代化論者の推薦をうけて、同財団の助成金を得ることとなる。そして、一九五七~五八年に板垣は、「民族主義と経済発展」を主題としてアジア、ヨーロッパ、アメリカを巡検する。アメリカでは、近代化論者の多かったMITなどの機関ではなく、ナショナリズムへ関心を払うコーネル大学の東南アジア研究者との交流を楽しんだ。板垣は日本における近代化論の導入に大きな役割を果たすものの、必ずしもロストウら主唱者の議論に同調したわけではなかった。戦時期に学んだ植民地社会の二重性・複合性に関する議論を、戦後も展開して近代化論を批判したのである。ロックフェラー財団野援助による海外渡航後、板垣は民主社会主義者の政治文化活動に積極的に参加した。しかし、ケネディ・ジョンソン政権と近しい関係にあったアメリカの反共リベラル知識人・財団の期待に反し、反共社会民主主義が議会においても論壇においても大きな影響力を持つことはなかった。
著者
榎本 圭佑 榎本 敬恵 長井 美樹 武田 和也 原田 祥太郎 坂田 義治
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.291-293, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
17

小児甲状腺濾胞癌は発生頻度が非常に低く,主に成人症例の濾胞癌や分化癌の解析に含まれた報告か,症例報告がなされてきた。今日までに知られている小児症例における濾胞癌の臨床像について解説し,その治療法について報告する。
著者
野村 孔命 力武 健次 松本 亮介
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-41, no.24, pp.1-6, 2018-05-10

データベースの情報を利用して動作する Web アプリケーションでは,入力検証やクエリ発行処理の脆弱性により,開発者の想定していない不正クエリがデータベースに発行され機密情報を窃取される攻撃が発生する.このような攻撃に対して,Web アプリケーションがデータベースに発行するクエリのホワイトリストを作成し不正クエリの検知を行う方法がとられてきたが,Web アプリケーションの大規模化や実装言語の多様化に伴いホワイトリストの作成が難しくなっている.そのため,Web アプリケーション解析や運用時のクエリを用いた学習により生成を用いてホワイトリスト作り,検知する手法が提案されている.しかし,手法が実装言語依存の問題や Web アプリケーションの仕様変更の頻度が高いことによるホワイトリストの管理が難しい問題がある.本稿では,Web アプリケーションの動作を保証するためのテストがあり,Web アプリケーションの更新に追従してテストの更新が行われる開発プロセスが採用されていることを前提とし,テスト時に発行されるクエリからホワイトリストを自動作成する手法を提案する.Web アプリケーションの運用時には作成されたホワイトリストを用いて不正クエリを検知する.提案手法は,Web アプリケーションの複雑性や実装言語に依存せずにクエリのホワイトリストを自動作成することができ,新クエリが実装された場合もテストの更新に伴いホワイトリストが更新される.また,検知されたクエリはテストされていないクエリもしくは不正クエリであり,これらを早期に発見することで原因となる Web アプリケーションの脆弱性が長期化することを防ぐことができる.
著者
西澤 晃彦
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.47-62, 1996-06-30
被引用文献数
1 1

このエッセイでは, 1950年代から80年代にかけての日本の都市社会学における背後仮説を, コミュニティ理論や町内会研究の検討を通じて明らかにすることが目指される。<BR>戦後の都市化と産業化は, 人口を流動化し, 地域社会の構造を一変させた。これに対して, イデオロギー的立場は多様であったにも関わらず, 多くの都市社会学は一様に社会目標あるいは理想としてのコミュニティの新しいイメージを提示し, その実現可能性を検証, 地域社会の再統合の道筋を探求した。<BR>これらの新しいコミュニティ像の特徴は, 以下の三点に要約されるだろう。 (1) 都市においては, コミュニティ問の境界が不明瞭で, 人口移動も激しかったにも関わらず, コミュニティをその外部から切り離して過剰に独立的に論じている。 (2) 定住民社会として地域社会はイメージされており, 流動層は周辺的存在とされるか, 地域社会の解体要因として評価されることが多い。 (3) 都市における生活世界の複数化を無視し, 「住民」のコミュニティへの同一化を強調し過ぎている。<BR>この結果, 多くの日本の都市社会学者がシカゴ学派の遺産の継承を主張しているにも関わらず, 彼らは, 都市の多様な諸コミュニティと諸個人が接触し合い変容する社会過程を捉えられていないし, 非定住の少数者の社会的世界の研究も放棄され社会病理学に譲り渡してしまったのである。
著者
財津 大夏 三宅 悠介 松本 亮介
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-41, no.4, pp.1-8, 2018-05-10

日本ホビー協会によると,ハンドメイド作品を対象とした EC サイトの流通は年間 177 億円が見込まれている.ハンドメイド作品はその希少性や独創性が価値の一端を担っているが,市場の拡大に伴い,これらの性質を満たさない大量生産品の出品が問題となっている.大量生産品の増加は,ハンドメイド作品を期待する購入者の EC サイトへの不信感や流通低下に繋がり,長期的には市場の衰退を招きかねない.このためハンドメイド作品を対象とした EC サイトでは,大量生産品の削除や出品者のアカウント停止などの対応が行われるが,全商品の目視確認は困難であるため,大量生産品を自動的かつ継続的に検出する仕組みが必要である.本報告ではこの課題を解決するため,商品の削除やアカウント停止を回避する振る舞いを出品者の異常な振る舞いとして検出する手法を提案する.大量生産品の出品者は,アカウント停止を回避するために多数のアカウントを作成し,アカウント名に無意味な文字列を設定する傾向がある.また,商品の削除に備えて出品数を増やすために国外 EC サイトの商品を翻訳しており,商品説明文などの日本語が不自然であるという特徴がある.これらの特徴を異常と定義し,単純ベイズ分類器で分類することで大量生産品を検出する.本報告では実際のハンドメイド作品を対象とした EC サイトのプロダクション環境のデータに対して提案手法を適用し,検出率を計測して有効性を検証した.
著者
吉原 達也 笹栗 俊之
出版者
福岡医学会
雑誌
福岡医学雑誌 (ISSN:0016254X)
巻号頁・発行日
vol.103, no.4, pp.82-90, 2012-04-25

2型アルデヒド脱水素酵素(aldehyde dehydrogenase 2:ALDH2)は,アルコール(エタノール)の代謝で生ずるアセトアルデヒドを酸化する酵素であり,人が酒に「強い」か「弱い」かは,この酵素の遺伝子多型に大きく依存することがよく知られている.しかし,ALDH2遺伝子多型は,単に飲酒の可否を決定するだけでなく,様々な疾患の発生や薬物の代謝と関連することが,近年明らかとなってきている.たとえば,低活性型の遺伝子型を有する人では,アルコール摂取後に血中や組織中に毒性を持つアセトアルデヒドが蓄積するため,高活性型の遺伝子型を有する人と比較して,消化管や肝臓などの癌化率が増加することが知られている.また2002 年以来,ALDH2がニトログリセリン(glyceryl trinitrate:GTN)を代謝(活性化)し,その薬効発現に関わることがわかってきた.今では,プロドラッグであるGTN をALDH2が還元代謝することで一酸化窒素(NO)が産生され,血管拡張反応が起きると考えられている.しかし,ALDH2遺伝子多型がGTNの血管拡張作用に及ぼす影響を調査する精度の高い研究は行われていなかった.そこで最近我々は,健康成人を対象とした臨床試験を実施し,GTN による血管拡張に要する時間はALDH2活性が低下するほど延長することを示し,ALDH2 がGTN 薬効発現に重要な役割を果たしていることを明らかにした.さらに,ALDH2が心血管保護作用を有する可能性が示唆されている.動物実験において,ALDH2は心筋虚血再還流後の心筋梗塞範囲を減少させることが示され,ALDH2が活性酸素種(ROS)や毒性アルデヒドを減少させることがその機序と考えられている.また,GTNはALDH2阻害作用を有することから,GTN の長期投与はALDH2を抑制することにより心血管障害を悪化させる可能性も考えられる.本稿では,ALDH2 遺伝子多型と臨床医学との関わりについて,最新の知見に基づき概説したい.