著者
上山 剛 吉賀 康裕 土居 正浩 吉田 雅昭 平塚 淳史 福田 昌和 加藤 孝佳 文本 朋子 松崎 益徳 清水 昭彦
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.SUPPL.3, pp.S3_88-S3_95, 2012 (Released:2013-09-25)
参考文献数
5

症例は54歳,女性.発作性上室性頻拍に対して心臓電気生理学的検査を施行した.逆伝導の最早期心房興奮部位は左側後壁であり,減衰特性は認めなかった.再現的な頻拍の誘発・停止が可能であり,正方向性房室回帰性頻拍と診断した.経大動脈的逆行アプローチにて施行したアブレーションでは離断に難渋し再伝導を繰り返した.14回目のアブレーションにより副伝導路は通電開始直後に離断され,以後の再伝導は認めなかった.イソプロテレノール負荷による再伝導も認めず,最終離断から60分以上経過した時点でATPによる評価を行った.ATP10mg急速静注により房室結節を介する逆伝導のブロック後に副伝導路を介する室房伝導の一過性出現を認めた.副伝導路の出現はATP投与時のみに認めるため,アブレーション困難と判断し,追加通電は施行せずに初回セッションを終了した.逆行性副伝導路は約1カ月後にインセサント型頻拍となって再発した.再セッションは経中隔弁上アプローチで行い副伝導路の恒久離断に成功した.
著者
板倉 浩二
出版者
公益社団法人 日本鋳造工学会
雑誌
鋳造工学 (ISSN:13420429)
巻号頁・発行日
vol.76, no.12, pp.957-961, 2004-12-25 (Released:2015-01-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1
著者
Koji Fukui Fukka You Yugo Kato Miyu Kimura Yoshiaki Harakawa Toshikazu Yoshikawa Haruhiko Inufusa
出版者
SOCIETY FOR FREE RADICAL RESEARCH JAPAN
雑誌
Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition (ISSN:09120009)
巻号頁・発行日
pp.22-55, (Released:2022-12-09)
参考文献数
35
被引用文献数
5

Oxidation products gradually accumulate during senescence, enhancing the risk of onset of many severe diseases. One such disease is dementia, and the number of cases of dementia, including Alzheimer’s disease, has been increasing world-wide. These diseases can be prevented via attenuation of age-related physiological dysfunction; one preventive approach is the inges­tion of antioxidants such as vitamin C and vitamin E. Many antioxidants are readily available commercially. Ingestion of mixed antioxidants is expected to provide further beneficial effects for human health. In this study, we used vitamin E-deficient mice as an animal model of increased oxidative stress and assessed the effects of dosing with mixed antioxidants. Administration of a commercial mixed antioxidant formula, Twendee X significantly improved cognitive function and coordination compared to untreated vitamin E-deficient animals. Furthermore, the levels of brain-derived neurotrophic factor and nerve growth factor were significantly increased in the cerebral cortex of Twendee X-dosed vitamin E-deficient mice compared to untreated animals. These results indicate that intake of a mixed antioxidant supplement may be beneficial to human health, even after oxidative stress has begun. In the next stage, it will be necessary to compare with other antioxidants and consider whether it is effective in the aged model.
著者
北村 正樹
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.308-311, 2003-08-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
7
著者
中島 広人 鈴木 啓太
出版者
一般社団法人 水産海洋学会
雑誌
水産海洋研究 (ISSN:09161562)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.1-14, 2023-02-25 (Released:2023-06-27)
参考文献数
38

スズキは真冬に沖合で産卵し,仔稚魚が春先に沿岸浅所に出現する.スズキ浮遊卵仔魚の輸送機構への理解を深めることを目的とし,2019年12月から2020年3月に若狭湾西部に位置する丹後海とその隣接海域において大型プランクトンネットにより定量採集を行った.水平分布調査の結果,スズキ卵は湾央から湾外東にかけて多く,産卵場はこれらの海域を中心に形成されていると考えられた.鉛直分布調査の結果,卵は主に海面に,卵黄嚢仔魚は主に水深40 m以深に分布する一方,前屈曲・屈曲仔魚は主に水深10–20 mに分布することがわかった.丹後海には冬季北西風により駆動される流れが知られており,前屈曲・屈曲仔魚は特に湾奥に向かう中層の流れを利用していると考えられる.産卵場はこの流れの上流側に位置し,成育場が多く存在する湾奥への輸送に貢献していると言える.
著者
上野 佳恵
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.10, pp.397-402, 2022-10-01 (Released:2022-10-01)

世界各国においても,日本と同様,各種の統計調査が行われ,そのデータが公表されている。しかしながら,日本との対比や複数国間での比較を行う際には,国ごとの統計サイトを参照するのでは非効率であり,さらに国による調査頻度や調査方法,言語,通貨単位などの違いによって単純な比較が難しいことも多い。各国の基本的社会・経済データの入手においては,あらかじめ比較可能なデータを提供している国際連合やOECDなどの国際機関の統計ウェブサイトや,それらのデータを元とした日本の総務省統計局やジェトロが提供しているウェブサイトを参照し活用していくことが欠かせない。
著者
倉家 洋介
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.10, pp.377-382, 2022-10-01 (Released:2022-10-01)

リサーチ・ナビの統計関連コンテンツでは,公的統計だけでなく,業界団体や民間企業が作成する統計が掲載された資料及びWebサイトも紹介しているため,幅広く統計を探す際の入口として活用できる。近年の統計はインターネットで探すことができるものが多いが,過去の統計は紙媒体の資料のみに掲載されている場合も多く,リサーチ・ナビで紹介している統計索引などの情報が役に立つ。リサーチ・ナビを使った統計データの探し方のコツは,検索機能のみに頼らず,「産業情報ガイド」など,統計に関連するコンテンツが多く含まれているカテゴリをブラウジングして探すことである。
著者
山澤 成康
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.10, pp.370-376, 2022-10-01 (Released:2022-10-01)

統計とは,合理的決定を支援する強力なツールである。公的統計は,国や地方自治体が国民に提供するために作っている統計で,GDP統計や国勢調査など重要な統計は基幹統計として適切な運用がされるように統計法で定められている。公的統計はe-Statによって入手することができる。統計の分析法としては,記述統計や推測統計といった統計学が基本となる。さらに,被説明変数と説明変数の間に一定の関係を想定する回帰分析が重要だ。機械学習による分析も増えており,分類やクラスター分析などで使われている。新型コロナウイルス感染拡大以降は,コンピューター上に記録されたログデータなどを利用したオルタナティブデータも脚光を浴びている。
著者
嶋田 格 松井 宏 澤田 真希 高石 雅之 藤田 郁尚
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.15, no.9, pp.415-421, 2015 (Released:2018-02-01)
参考文献数
11

清涼化粧料には,清涼成分としてℓ-メントールが汎用されている。しかしながら,ℓ-メントールは,適度であれば快適な清涼感を付与する一方で,多すぎると灼熱感,ヒリヒリ感といった不快刺激を感じることが知られている。そこで,我々は,快適な清涼感を与える濃度範囲を確認するために,頚部を用いた清涼感評価方法を確立し,ℓ-メントールに対する感度が高いクールスティンガーを選定した。これにより,男女によるℓ-メントールの感受性の違いや,発汗時の清涼感の感じ方の違いを明らかにした。また,TRPチャネルに着目した評価方法を用いることで,ℓ-メントールによる不快刺激を1,8- シネオールが抑制することを発見した。
著者
桐村 豪文
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.90, no.1, pp.25-37, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
42

フィリップスは、エビデンスに基づく政策と実践の推進をめぐって対立する立場の全体像を、「硬い心」の立場と「軟らかい心」の立場を両極にもつ連続体として捉えている。本稿が着目するのは、その連続体の中間に位置する「より柔軟」な立場である。その立場は、昨今の科学哲学の知見を踏まえ、因果関係の概念をINUS条件として捉え、ローカルな文脈を重視するアプローチを展開する。しかしそのアプローチも不確実性の問題に直面し、価値判断の必要性に回帰する。
著者
内田 諭
出版者
一般社団法人 日本写真測量学会
雑誌
写真測量とリモートセンシング (ISSN:02855844)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.189-193, 2015 (Released:2016-09-01)
参考文献数
2

We examined the newly published high spatial resolution digital elevation data, ALOS 3D World Topographic Data (AW3D), for application of the analysis of locational condition of agriculture mainly compared with ASTER Global Digital Elevation Model (GDEM). The study site was selected in the middle part of Burkina Faso, where topographic condition was consisted of gentle slopes even around watershed boundaries and bottom of valleys. Examination was focused on sloping features and river/watershed systems as comparing elevation profile along transect line measured by handy GPS. As a result, GDEM contained random deviations with amplitude of several meters, which might induce apparent high degree of slopes. On the other hand, AW3D was proved to fit optimally with profile of GPS measured data and did not show large deviation as appeared in GDEM profile. River course and watershed boundary obtained from AW3D and GDEM were not identical and GDEM might produce unrealistic river course in close up scale map. However in regional scale, both AW3D and GDEM produced river course and watershed boundary with similar morphological pattern.
著者
M. Tanimoto H. Madarame N. Ishii
出版者
日本加圧トレーニング学会
雑誌
International Journal of KAATSU Training Research (ISSN:13494562)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.51-56, 2005 (Released:2008-07-18)
参考文献数
27
被引用文献数
15 46

We investigated the acute effects of “Kaatsu” resistance exercise and other types of exercise on muscle oxygenation and plasma growth hormone. Six young male bodybuilders performed leg extension exercise according to four exercise regimens: low-intensity [∼30% of one repetition maximum (1RM)] exercise with moderate occlusion (LO-Kaatsu), low-intensity (∼50% 1RM) exercise with slow movement and tonic force generation (3 s for lowering and 3 s for lifting actions, 1-s pause, and no relaxing phase; LST), low-intensity (same as LST) isometric exercise at 45° knee angle (ISO), and high-intensity (∼80% 1RM) exercise with normal movement speed (HN), commonly used for gaining muscular size and strength. The muscle oxygenation level measured with near-infrared continuous-wave spectroscopy (NIRcws) showed the largest changes during and after LO-Kaatsu among all regimens. The minimum oxygenation level during LO-Kaatsu was the lowest among the four exercise regimens. On the other hand, the increases in muscle oxygenation after LO-Kaatsu were the largest among the four regimens. Plasma GH and blood lactate concentrations after LO-Kaatsu, LST and HN were significantly (P < 0.05) higher than those after ISO, but there were no significant differences among those after LO-Kaatsu, LST and HN. The results indicate that “Kaatsu” resistance exercise causes marked changes in muscle oxygenation level and circulating growth hormone, both of which may be related to muscular hypertrophy.
著者
岡内 辰夫 北村 充
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.130-133, 2019-03-20 (Released:2020-03-01)
参考文献数
4

2010年,「有機合成におけるパラジウム触媒を用いたクロスカップリングの開発」に貢献した3人(Heck,根岸,鈴木)に,ノーベル化学賞が与えられた。そのうち2人が日本人であったため,マスコミで大きく取り上げられ,クロスカップリングという言葉が広く知られるようになった。受賞者の1人である北海道大学名誉教授の鈴木 章先生らのグループが開発した反応が,鈴木-宮浦クロスカップリングである。この反応は,有機ホウ素化合物と有機ハロゲン化合物に対して,パラジウム触媒を作用させることで炭素-炭素結合が形成するというものである。この反応は,我々の身の回りの医薬品,農薬,液晶材料,EL材料などの開発・量産化に大いに貢献している。
著者
松本 秀暢 堂前 光司
出版者
日本交通学会
雑誌
交通学研究 (ISSN:03873137)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.101-108, 2016 (Released:2019-05-27)
参考文献数
19

現在、我が国では自転車交通事故は年間約11万件発生しており、全交通事故件数の約2割を占めている。今後、運輸部門からの二酸化炭素排出量の削減に向けて、自転車利用は高まることが予想され、自転車交通安全対策の強化は急務となっている。本研究では、自転車交通事故死傷者数を説明するモデルを構築した上で、我が国における自転車交通事故の要因を分析した。そして、オランダの事例を紹介しながら、我が国におけるこれからの自転車交通安全対策について検討した。分析結果からは、特に自転車走行環境整備、そして自転車交通安全教育の推進が、自転車交通事故低減に効果的であることが明らかとなった。
著者
田中 幸弘 田中 秀一郎
出版者
パーソナルファイナンス学会
雑誌
パーソナルファイナンス研究 (ISSN:21899258)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.21-46, 2019 (Released:2020-10-20)

本論文においては、我が国における仮想通貨の現在の状況について検討し、金融庁の研究会等での議論や仮想通貨に関連する事業者の金融庁による処分や法制度改定などの取り組みを検討した後、いわゆる ICO(Initial Coin Offering) の制度について金融庁による「金融の4機能」のどこに ICO の四類型が該当するのかを検討した。そして、 ICO と類似するクラウドファンディングやソーシャルレンディング等の現行制度における限界を踏まえ、証券及び金融市場における資産運用業界の実務的な側面からICO の投資可能性を担保するための条件を提示するとともに、 ICO という資金調達手段が市民社会の側面から見た資金調達の簡便性との両立が可能かどうかを検討した。その際に ICO という資金調達手段において投資家保護と資金調達の簡便性が両立するかという問題との関係で、その両立のために必要とされる各種制度整備を検討し、現行制度に対する代替案の提言を行った。そして最後に仮想通貨の法的性格との関連でアメリカにおける個人情報を所有権の客体と位置づける法案の内容について紹介するとともにその各方面での将来的な影響について若干の検討を行なった。
著者
全 珠美 水野 貴之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2E5OS1b02, 2020 (Released:2020-06-19)

HYIPは高い利益を得ると広告して参加者を集めるポンジ詐欺の一種である。この投資プログラムはリスクが高いにも関わらず参加者は集まって経済的な被害を受けることになる。本研究では、ビットコイン市場で観察されたHYIPに関する取引データを用いて、この投資プログラムが活性化し崩壊するまでのメカニズムを分析する。HYIPプログラムから利益を貰うか貰わないによって、肯定的または否定的なフィードバックのループが発生する。参加者たちはネットワークを形成していて、彼らの模倣行動によって投資金額はLog-periodic的なパターンで成長する。この現象は株式市場のバブル形成・崩壊のメカニズムと同様である。本研究では、代表的なバブル時の株価予測モデルであるLPPLモデルを応用しHYIPの活性を予測する。この研究は今後、仮想通貨市場で現れるポンジ構造の詐欺プログラムの追跡や効果的な規制の研究につながると期待する。
著者
忽那 史也 上野 未貴 徳田 昌紘 岩永 洋 堤 圭介
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.224-230, 2021 (Released:2022-03-29)
参考文献数
20

一過性脳虚血発作様症状で発症し,家族歴から遺伝的要因が考えられる1例を経験した.症例は26歳男性.8歳時にも類似の病歴がある.突然の構音障害,嚥下障害を発症したが数時間で軽快した.翌日,同様の症状が再発し当科へ入院した.症状は2時間で軽快したが,MRIで両側深部白質にDWI高信号域を認めた.後日画像所見の消失を確認し可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎/脳症(mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion,以下MERSと略記)と診断した.同胞に同様の臨床経過を示すMERSの既往があり,MERS発症機序の一因として遺伝的要因の関与が示唆された.